「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2011年12月15日(木)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 幕末の話です。開国を求める外国と条約をむすぶ席で、日本側は座り方にこだわりました▼ロシアと条約を交わした時の、ようすが伝わっています。イスに座って儀式をすすめたいロシアに対し、正座を求める日本。お互い、立ったままで始めました。ロシア側が疲れてイスを持ち出すと、日本の代表は畳を重ねて座り、目線を合わせる。当時の日本でイスは、西洋文明の象徴でした▼14日、韓国・ソウルの日本大使館の前に、イスに座る少女の像が置かれました。旧日本軍の性奴隷にされた人たちの、少女時代を表す像です。すぐそばに、空席のイスが並びます。そこに座り、平和について考えてもらいたい―。像を建てた人たちの願いです▼まず座ってほしい人が、日本の首相ではないでしょうか。幕末のころと違い、イスが日本の伝統に反するという時代ではありません。野田首相が座り、少女に「すまなかったね。償いを忘れないよ」と語りかければ、アジアの人々に心を開く新たな“開国”とみなされるかもしれません▼「慰安婦」の多くが、まだ少女でした。彼女たちは、遠い故郷の歌を口ずさみ、はずかしめに耐えました。元「慰安婦」を支援する女性の1人が、以前のべています。“真実を明らかにし、元「慰安婦」の名誉だけでなく国と民族の名誉を回復したい”▼日本政府は、少女像の撤去を求めています。外交公館の尊厳が傷つけられる、として。かつて隣国とその女性の尊厳を奪った国の政府が、いう言葉ではないでしょう。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって