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2011年11月3日(木)

全米第2の大銀行バンカメ

手数料(デビットカード)導入撤回

消費者の運動実る “ウォール街を押し返した”

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 【ワシントン=小林俊哉】米金融大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は1日、同行発行のデビットカードに月額5ドル(392円)の手数料を導入する計画を撤回すると発表しました。1カ月前の計画発表当初から反対運動を強めていた消費者にとって、全米第2の規模を誇る大銀行相手の大きな勝利となりました。

 デビットカードは、小切手と同じ機能を持つ銀行発行のカード。自分の口座で即時に決済され、米国では現金、クレジットカードと同様に、買い物の際には必須のアイテムです。そのカードに新たな手数料を導入しようとしたバンカメに消費者の怒りが燃え上がりました。

 計画発表からわずか1カ月で、さまざまな消費者団体が反対の署名活動を展開。一部グループは、手数料を導入して庶民の懐から収益を搾り取ろうというやり方に抗議して、大銀行に開設した個人口座を今月5日に統一して閉鎖し、地域銀行に移す行動を提唱していました。

 バンカメの手数料導入計画は、米金融界の利益第一の姿勢に抗議する反ウォール街運動でも批判の的に。オバマ大統領も、利潤を求めて消費者を「虐待」すべきでないと発言していました。

 バンカメ側は1日、「われわれは、顧客の声によく耳を傾けた結果、計画に対する懸念を認識した」との声明を発表。「顧客の声こそ、もっとも大事なものであり、手数料導入の計画はこれ以上すすめない」としました。

 オバマ政権は、金融規制強化の一環として消費者保護策を強化しています。その結果、バンカメなどの大銀行にとっては、消費者にさまざまな名目で課していた料金が規制されたことから、収益面で“打撃”となりました。今回の手数料は、その巻き返し策として計画されたもので、他行も追随する様相をみせていました。

 しかし、消費者の強い批判を前に、バンカメ以外でも、ウェル・ファーゴ、JPモルガンといった大手が計画の撤回を相次いで表明。「庶民がたたかうなら、ウォール街を押しかえせるということを示した」との声が、消費者運動団体から上がっています。

 同時に、口座維持手数料や明細発行手数料など、庶民への手数料請求は依然として残っており、消費者グループは銀行の横暴への注意を呼びかけています。


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