第27回党大会にたいする中央委員会報告

第27回党大会にたいする中央委員会報告

2017年1月15日

 志位和夫委員長がおこなった大会に対する中央委員会報告は次の通りです。


 代議員、評議員のみなさん、こんにちは。インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも、心からのあいさつを送ります。私は、中央委員会を代表して、第27回党大会にたいする報告をおこないます。

 この大会は、安倍・自公政権が、あらゆる分野で強権政治、暴走政治をすすめる一方で、戦後かつてない野党と市民の共闘が力づよく発展し、歴史の本流と逆流が真正面からぶつかりあう激動的な情勢のもとで開かれました。

 大会決議案が発表されて2カ月が経過しました。決議案は、全党討論で、全体としてきわめて積極的に受けとめられ、深められました。

 とくに、この3年間の自らのたたかいが「日本の政治の新しい時代」を開いたことへの確信があふれだす討論となっています。高知県のある党支部長は、「決議案は宝石箱だ。何度読み返しても新しい発見がある。決議案の縦糸は綱領、横糸は私たちのたたかいで、すばらしい織物ができた。世界と日本のたたかいが響きあっていると実感する」と、すてきな文学的な表現をまじえた感想を語っています。

 決議案の反響は、党内だけでなく、党外にも広がっています。ともに共闘に取り組んできた市民運動の方々、他の野党の方々、さらに知識人・文化人の方々が、決議案を読み、歓迎と激励の声を寄せてくださっているのは、たいへんうれしいことであります。

 中央委員会報告は、決議案の章ごとに、全党討論をふまえて解明が必要な問題、情勢の進展にそくして補強すべき問題を中心に、重点的におこないます。

 討論で寄せられた修正・補強意見については、大会の討論での意見もふまえて、一つひとつを吟味し、大会討論が終わった時点で、修正・補強した決議案を提出することにします。

第1章(新しい政治対決の構図と野党連合政権)について

 まず、決議案第1章について報告します。この章は、日本の現在の政治対決の構図をどうとらえ、どうのぞむかについてのべており、決議案全体の「総論」というべき章となっています。

この3年間の情勢の劇的進展――日本共産党の躍進は大きな貢献になった

 この3年間、日本の情勢には大きな劇的進展が起こりました。

 前大会の主題は、「自共対決」時代の始まりということにありました。安倍・自公政権の暴走政治に、政党としては日本共産党が「孤軍奮闘」で対決するという構図でした。それが今日では、私たちは、多くの仲間とともに共闘のスクラムをくんで対決しています。決議案は、今日の政治対決の構図として、「安倍自公政権とその補完勢力に、野党と市民の共闘が対決する、日本の政治の新しい時代が始まった」と、現状を規定づけています。

 この新しい時代を開いた原動力は、国民のたたかいですが、日本共産党の政治的躍進も大きな貢献となりました。この間、日本共産党は、2013年の参議院選挙での躍進、2014年の総選挙での躍進、2015年の統一地方選挙での躍進、2016年の参議院選挙での前進と、四つの全国的選挙で連続して躍進・勝利をかちとりました。衆参あわせて14人だった国会議員団は35人へと倍増しました。(拍手)

 日本共産党の政治的躍進が、そして「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の提唱をはじめ、私たちが節々でおこなった提案や行動が、野党と市民の共闘の発展への大きな貢献となったことは疑いありません。

 日本共産党のさらなる躍進をかちとり、開始された「日本の政治の新しい時代」を本格的に前に動かす決意を、まず、みんなで固めようではありませんか。(拍手)

「『日本共産党を除く』の『壁』が崩壊した」という指摘をめぐって

 全党討論では、決議案が「『日本共産党を除く』という『壁』が崩壊した」と指摘したことについて、「本当にそう言えるのか」という疑問も出されました。

 決議案がのべているのは、政党関係における共産党排除の体制が崩れたということであり、国民のなかにある「日本共産党に対するさまざまな誤解や拒否感」(決議案)がなくなったという意味ではありません。その克服は引き続く課題であります。

 同時に、政党関係における共産党排除の体制の崩壊は、文字通り、画期的、歴史的意義をもつものであります。1980年の「社公合意」を契機に、与野党書記局長・幹事長会談や国対委員長会談も含めて、日本共産党を国会運営の場からも締め出す体制がつくられました。当時は、ニュースで「共産党」という言葉が語られますと、次に「を除く」と必ず続いたものでした。1990年代後半のわが党の躍進によって国会運営からの排除の体制は崩れましたが、2000年代に入っての「二大政党の政権選択」という大キャンペーンによって、わが党を「カヤの外」に置く共産党排除の体制は一段と強化されました。

 30年余にわたって国政を支配してきた「日本共産党を除く」という「壁」が崩壊したことは、日本の政治にとって巨大な前進となりました。それは、戦後初めての、国政レベルでの自民党政治に対抗する野党と市民の大同団結の実現という大きな変化をもたらしました。それはまた、国民の日本共産党に対する見方を大きく変えつつあります。共産党排除の「壁」が存在した時代には、「共産党は良いことをいうが力がない」という見方がかなり広くありましたが、いまでは日本共産党が新しい対決構図の一方で重要な役割を果たしていることは、私たちが対決している自民党までもが熱心に語っていることであります。

 国民のたたかいと、日本共産党の躍進が、共産党排除の「壁」を取り払った。ここへの確信をもって前途を切り開こうではありませんか。(拍手)

「野党共闘はうまくいくか」――今後のたたかいにかかっている

 全党討論では、「野党共闘はうまくいくか」という心配の声も寄せられました。今日、党大会で4野党・1会派がそろった姿が、前途の明るさを示したのではないでしょうか(拍手)。ただ、これに対する答えは、今後のたたかいにかかっている――「うまくいくか」ではなく、うまくいくように知恵と力をつくすということにつきます。野党と市民の共闘は、始まったばかりであり、前途には曲折や困難も予想されます。共闘が前進すればするほど、安倍政権・与党による攻撃はさらに強まるでしょう。

 そうした困難や攻撃を克服して、野党と市民の共闘をさらに発展させる力はどこにあるか。決議案は、「日本の政治の新しい時代」を開いた力を二つあげています。第一は、安倍政権の暴走政治に対抗する新しい市民運動の発展です。第二は、日本共産党の政治的躍進です。共闘の前途は、この「二つの力」を成長させることができるかどうかにかかっているということを訴えたいと思うのであります。

 同時に、強調したいのは、決議案がのべているように、野党と市民の共闘が発展してきた根底には、「異常な対米従属」「異常な財界中心」という「二つの異常」を特質とした自民党政治が深刻な行き詰まりに直面し、保守の人々も含めて国民との矛盾をいよいよ広げているという「社会の土台での激動」があるということです。それは偶然ではない必然的な動きであります。いま起こっている動きは、大局的には、後戻りすることは決してない、大きな未来ある動きだということに、深い確信をもとうではありませんか。(拍手)

「野党連合政権」と「国民連合政府」――真剣な協議で政権問題での前向きの合意を

 全党討論では、決議案でいう「野党連合政権」と、2015年9月19日に提唱した「国民連合政府」の関係をどう考えたらいいのかという疑問も出されました。

 わが党は、安倍政権に代わる政権構想として、「国民連合政府」という暫定的な野党連合政権が合理的だと確信しています。同時に、政権の問題では、現時点で、野党間に合意が存在しません。そうしたもとで、決議案では、野党と市民が一緒に、いわば白紙から、安倍政権に代わる政権のあり方を話し合い、前向きの合意を見いだしていこうという立場で、「野党連合政権」というより幅をもった呼びかけとしました。

 野党と市民が本気で共闘をすすめるなら、野党連合政権の問題を避けて通ることはできません。野党4党は、「安倍政権打倒」を共通の目標としています。そうであるならば、打倒した後の政権構想を示す責任があります。野党4党は、「安保法制廃止、立憲主義回復」をはじめとして安倍政治を転換するいくつかの重要な政治的内容で合意しています。そうであるならば、それを実行する政権をつくることがどうしても必要となります。野党4党は、国政選挙で協力し、自民・公明とその補完勢力を少数に追い込むことで合意しています。そうであるならば、野党が多数を獲得した場合にどういう政権をつくるのか。その場合でも、日本共産党と政権をともにすることを拒むのか否か。この問いに対する答えが求められるでしょう。

 わが党は、政権の問題で、野党間に合意が存在しないもとで、この問題での合意を総選挙の選挙協力の協議に入る条件とはしないということを表明しています。同時に、協議のなかで前向きの合意を得るために真剣に努力を続けます。政権問題で前向きの合意をつくることは、野党と市民の共闘を「本気の共闘」に発展させ、多くの国民の期待と信頼を得るうえで、決定的に重要であるということを強調したいと思うのであります。

 いま日本の政治で戦後初めて、先ざきの展望でなく、焦眉の課題として、自民党政治を本格的に転換する野党連合政権をつくる可能性が生まれています。この可能性を現実のものにしようではありませんか。(拍手)

 日本共産党は、野党と市民の共闘をさらに大きく発展させ、安倍政権を倒し、自民党政治を終わらせ、野党連合政権をつくるために、ありとあらゆる努力を傾ける決意を表明するものであります。(拍手)

第2章(世界の新しい動きと日本共産党の立場)について

 次に、決議案第2章について報告します。この章は、世界の新しい動きと日本共産党の立場についてのべています。

「世界の構造変化」という大局をおさえつつ、逆流や複雑な諸問題もリアリズムで

 アメリカ大統領選挙の結果などをうけて、いま世界をどう見るかについて、「先が見えない不確実な時代となった」「世界は混とんとしている」といった論調があふれています。たしかに、いま世界ではさまざまな逆流や複雑な諸問題も起こっています。しかし、そうした現象だけに目を奪われるならば、世界の本当の姿は見えてきません。

 決議案第2章では、20世紀に起こった「世界の構造変化」――「植民地体制が完全に崩壊し、民族自決権が公認の世界的な原理となり、100を超える国ぐにが新たに政治的独立をかちとって主権国家になった」という巨大な変化が、「世界の平和と社会進歩を促進する力として、生きた力を発揮しだした」という大局をしっかりおさえながら、さまざまな逆流や複雑な諸問題に対しても、リアリズムの立場で踏み込んだ解明をおこなっています。

 大局をおさえながら、リアリズムの立場で世界を見る。こうした立場に立ってこそ、今日の世界の新しい動き、未来への展望を、生き生きととらえることができるということを、まず強調したいと思うのであります。

核兵器禁止条約の画期的な意義――米国の「書簡」が示すもの

 決議案第5項は、20世紀に起こった「世界の構造変化」の力が、いま「核兵器のない世界」の実現をめざす画期的な動きとなってあらわれていることを明らかにしています。

 昨年12月、国連総会は、核兵器禁止条約の締結交渉を開始する決議を圧倒的多数の賛成で採択しました。いよいよ2カ月後には、国連本部で締結交渉が開始されます。待ちに待った国際会議が始まります。わが党はこの動きを心から歓迎するものであります。(拍手)

 決議案は、いま起こっている動きの画期的な意義として、「核兵器禁止条約に、かりに最初は核保有国が参加しなかったとしても、国連加盟国の多数が参加して条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて『違法化』されることになる。あらゆる兵器のなかで最も残虐なこの兵器に『悪の烙印(らくいん)』をおすことになる。そうなれば……核兵器廃絶に向けて世界は新しい段階に入ることになるだろう」とのべています。

 実は、いま起こっている動きが、核兵器廃絶への決定的な一歩となりうる可能性をもっていることを、生々しく描きだしている一つの文書があります。それは、世界最大の核保有大国・アメリカが、2016年10月に同盟諸国に送付し、核兵器禁止条約の決議案に反対するように求めた「国連総会の核兵器禁止条約の防衛政策への影響」と題する「書簡」であります。

 「書簡」では、核兵器禁止条約の締結交渉の動きを、「核兵器と核抑止力に悪の烙印を押す」「核抑止力論を非合法化する」と激しく非難するとともに、これが米国の核戦略を軍事的に拘束し、破たんさせる可能性に言及しています。たとえば「書簡」は「米国は米艦船における核兵器の存在を肯定も否定もしないので、その米国の政策に従えば、米艦船が(核兵器禁止条約の)調印国に寄港することが不可能になりかねない」とのべています。

 核兵器禁止条約が発効するためには、核保有諸国の調印が必要ですが、禁止条約に調印した各国には、発効以前から条約の内容に反することはできないという義務が生まれます。核兵器禁止条約が国連加盟国の多数の賛成で調印されれば、米軍の艦船、航空機などは、核兵器禁止条約に調印した諸国に寄港したり、立ち寄ったりすることが不可能となり、米国の核戦略は、全世界で手足が縛られ、破たんに追い込まれることになりかねない。アメリカは、こうした恐怖から、「書簡」を同盟国に送り、核兵器禁止条約に「反対」投票をすることを強く求めたのであります。

 アメリカのこの対応は、核兵器禁止条約の締結交渉の動きが、いかに画期的な意義をもつかを、最も雄弁に示しているではありませんか。(拍手)

 この問題の帰趨(きすう)を決めるのは、世界の世論と運動であります。核保有大国をここまで追い詰めてきたことに確信をもって、「ヒバクシャ国際署名」を世界でも日本でも広げに広げ、「核兵器のない世界」の扉を開けようではありませんか。(拍手)

二つの平和の地域共同体の意義――キューバとの交流から

 決議案第6項は、「国連憲章にもとづく平和の国際秩序」の担い手として、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)という平和の地域共同体が形成、発展していることに注目し、これらの二つの地域共同体に共通している特徴として、次の三つの点をあげました。

 第一は、「あらゆる紛争を平和的に解決するという立場を堅持していること」、第二は、「大国の介入を許さず自主性を貫いていること」、第三は、「非核地帯条約(宣言)を結び、核兵器廃絶の世界的な源泉となっていること」であります。

 昨年12月、日本共産党は、フィデル・カストロ前議長の追悼集会に参加するため、代表団をキューバに派遣しました。そのさい、緒方靖夫副委員長がキューバ共産党のバラゲール書記局員・国際部長と会談する機会がありました。キューバ政府と懇談する機会もありました。キューバ側からCELACの意義について、次のような説明があったことを、この機会に報告しておきたいと思います。

 ――一つは、紛争の平和解決についてです。「2014年、ハバナでのCELAC第2回首脳会談で採択された『中南米カリブ海平和地帯宣言』は、すべての首脳が署名した『最も意義深い決定』となった。これは、地域内の諸国間の紛争を、武力でなく対話により、平和的に解決することをうたっており、疑いなくCELACの根本方針だ」

 ――二つは、独立と主権についてです。「CELACは、この地域の諸国の独立と主権を将来にわたって保証するものだ。この地域はもはや米国の思惑通りにならない。すでに彼らの裏庭ではないのだ。すべての国が、政治的、経済的、社会的、文化的体制を選択する権利を持っている。イデオロギーの違いにかかわらず地域統合をすすめる」

 ――三つは、核兵器廃絶についてです。「核兵器廃絶は、平和のなかでも特別に重視し、2013年から15年まで毎年のCELAC首脳会談で『特別宣言』を採択し、法的拘束力をもった核兵器禁止条約交渉開始への支持を表明している。この課題でともに協力していきたい」

 決議案がのべた二つの平和の地域共同体に共通する三つの特徴――紛争の平和解決、自主独立、核兵器廃絶が、CELACの根本方針であることが生き生きと語られました。

 決議案は、CELACについて、「個々の国ぐにの政権交代に左右されない共同体発足の歴史的意義が鮮明になっている」、「(その)意義は、何よりもまず、歴史的に『米国の裏庭』とされてきたこの地域を、米国から自立した地域に変えたことにある」とのべています。この決議案の指摘をそのまま裏付ける発言が、CELACの議長国を務めたキューバの党と政府から聞くことができたことを、報告しておきたいと思います。(拍手)

 二つの平和の地域共同体の形成、発展は、北東アジアに平和と安定を築いていくうえでも、多くの示唆と教訓に富むものであります。日本共産党は、この未来ある流れへの連帯を表明するものであります。(拍手)

米国大統領選挙の結果と、トランプ次期政権について

 決議案第7項は、アメリカをどうとらえ、どう向き合うかについてのべています。報告では、大統領選挙の結果と、米国トランプ次期政権について、二つの点にしぼってのべたいと思います。

大統領選挙の結果をどうみるか――「格差問題が米国政治の中枢に復活した」 

 一つは、大統領選挙の結果、トランプ氏の勝利をどうみるかということです。

 決議案は、「アメリカ社会は、長年続いた多国籍大企業の利益を最優先するグローバル資本主義、新自由主義の経済政策のもとで、格差と貧困が広がり、深刻な行き詰まりと矛盾に直面している」とのべ、トランプ氏の勝利は、「アメリカ社会の陥っている深刻な行き詰まりと矛盾の一つの反映」と指摘しました。

 この見方は、立場の違いを超えて、広く共通した見方となっています。米国の政治学者、フランシス・フクヤマ氏は次のようにのべています。

 「今回の大統領選挙における本当のストーリーとは、『経済格差が拡大し、多くの人が経済停滞の余波にさらされた数十年を経て、アメリカの民主主義がついに問題の是正へと動き出した』ということに他ならない。社会階級(格差問題)がいまやアメリカ政治の中枢に復活した」。

 トランプ氏は、この矛盾の打開の方策を示しているわけではありません。しかし、アメリカ社会が深刻な格差問題にどう対処するかをめぐって、重大な岐路に立っていることが、誰の目にも明らかになったのが、今回の大統領選挙だったことは間違いありません。

 大統領選挙の民主党予備選で大健闘した「民主的社会主義者」を名乗るバーニー・サンダース氏は、自らの選挙戦をこう総括しています。

 「私は、この国の将来について、選挙戦を始めた時よりももっと楽観的になって選挙戦を終えました」。「最終的には、この国には、支配者層の政治にとことん嫌気がさし、本当の変革を求めている、そのために立ち上がってたたかうつもりがある、そういう何百万もの人たちがいる、ということを私たちは示しました」。

 「本当の変革」を求めてたたかうつもりがある何百万もの人たちが生まれたこと――ここにこそ、アメリカ社会の希望があるということを、私は強調したいと思うのであります。(拍手)

トランプ次期政権がどうなるか――いくつかの注目点について

 いま一つは、トランプ次期政権がどうなるかという問題であります。まだ発足していない外国の政権について、あれこれと予断をもって断定することはできませんが、次の諸点に注目していきたいと思います。

 ――一つは、アフガニスタン報復戦争、イラク侵略戦争など、破たんした軍事的覇権主義の世界戦略をどうするかであります。この点で、トランプ次期大統領が、昨年12月、「アメリカは核戦力を大幅に強化、拡大する必要がある」と発言したことは、世界に大きな衝撃をあたえました。次期国防長官に指名されたマティス元海兵隊大将は、イラク戦争で民間人多数を殺傷したファルージャ作戦を指揮し、米国内の討論会で、アフガニスタンの「男の風上にもおけない奴(やつ)ら」について、「そういう人間を的にするのは死ぬほど愉快でした」と発言した人物であります。トランプ米国次期政権が、軍事的覇権主義を強め、日本に対して軍事的・財政的負担の強化を求めてくる危険があることを直視しなければなりません。

 ――二つは、移民問題での排外主義など危惧される姿勢がどうなるかです。ここでも、トランプ次期大統領が、1月11日の記者会見で、「われわれは(メキシコとの国境に)壁をつくる」と明言したことは重大であります。次期国家安全保障問題担当補佐官に指名されたフリン元国防情報局長は、テロ問題でイスラム教を「癌(がん)だ」と呼び、人々がイスラム教徒を恐れるのは「当然のことだ」と発言してきた人物です。次期司法長官に指名されたセッションズ上院議員は、不法移民の市民権取得に反対するだけでなく、合法移民の受け入れにも反対してきた人物です。この問題でも、米国次期政権の対応への強い危惧をのべないわけにはいきません。

 ――三つは、格差と貧困の深刻化という問題にどういう政策でのぞむのかであります。トランプ次期政権の閣僚級17人の資産は合計で95億ドルに達し、これは米国の全世帯の下位から3分の1(=4300万世帯)の資産合計を超えるといわれています。これで「既得権益層」に切り込めるでしょうか。

 トランプ新政権の動向を、強い警戒をもって、注視していきたいと思います。

 いずれにせよ、日本政府は、これまでのような「日米同盟絶対」の硬直した思考では、いよいよ対応ができなくなるでしょう。

 日本共産党は、これまでの異常な対米従属の体制を打破し、対等・平等・友好の日米関係を築くために、奮闘するものであります。(拍手)

中国について――「“社会主義をめざす国”といえるのか」という疑問について

 決議案第8項は、中国の国際政治における動向に、重大な問題点があらわれてきたことを、核兵器問題、東シナ海・南シナ海での力による現状変更をめざす動き、国際会議の民主的運営をふみにじる乱暴なふるまい、日中両党で確認してきた原則に相いれない態度――の4点について事実にもとづいて具体的に明らかにし、「今日の中国に、新しい大国主義・覇権主義の誤りがあらわれてきた」と厳しく指摘しました。

 全党討論で、この指摘にかかわって、中国について「“社会主義をめざす国”――『社会主義をめざす新しい探究が開始』された国(綱領)といえるのか」という疑問が寄せられています。この疑問に対する答えは決議案のなかにあります。決議案では次のようにのべています。

 「中国にあらわれた新しい大国主義・覇権主義が今後も続き、拡大するなら、『社会主義への道から決定的に踏み外す危険』が現実のものになりかねないことを率直に警告しなくてはならない」

 「今後も続き、拡大するなら」というただし書きに注目していただきたいと思います。

 第26回党大会に対する中央委員会報告でのべたように、私たちは、中国、ベトナムなどの現状を評価する場合に、何よりも重要になるのは、それぞれの国の指導勢力が社会主義の事業に対して真剣さ、誠実さを持っているかどうかにあると考えています。

 そして、それをはかる基準としては対外的な関係――外部にあらわれた事実を評価するしかありません。つまり、私たちが対外的にこういう国ぐにの指導勢力と接して私たち自身が判断する、あるいはこれらの国ぐにが現実にとっている対外路線を分析して判断するしかありません。

 1998年の日本共産党と中国共産党との関係正常化の時点では、わが党は、中国の体制の評価について「白紙の立場」でのぞむと表明しました。その後、わが党は、中国において「社会主義をめざす新しい探究が開始」されていると判断し、2004年に決定した新しい綱領にその立場を明記しました。この時点で、わが党が、こうした判断をおこなったことは、根拠があるものだったと考えています。

 それでは今後はどうか。決議案で批判したような問題点が「今後も続き、拡大する」のか、それとも是正の方向に向かうのか。一定の長い目で今後を見ていきたいと思います。

 1月12日、私は、党本部を訪れた中国の程永華大使と会談をおこないました。程大使は、日本共産党大会決議案にあるいくつかの国際問題について、中国共産党の立場をのべました。それらについて、私は、決議案が明らかにしている見解と立場を、その背景にある事実関係も含めて詳しく説明し、その内容を本国に伝えるよう要請しました。程大使は伝えると応じました。こうした形で、決議案の内容は、中国共産党にも率直に伝えたということを、報告しておきたいと思います(拍手)。言うべきことは直接に伝えるというのが、わが党の流儀であります。(拍手)

 日本共産党は、中国が、戦後、国際政治の重要な民主的原則の形成に関与してきた国として、大国主義、覇権主義の誤りを真剣に是正し、国際社会の信頼をえる大道に立つことを強く願うものであります。(拍手)

欧米での社会変革をめざす新しい潮流――欧州左翼党大会での交流から

 決議案第11項では、欧米で、「格差・貧困の是正と平和を求め、選挙をつうじた社会変革をめざす、注目すべき新しい潮流が生まれている」ことに注目しています。

 昨年12月、ベルリンで開催された欧州22カ国の左翼勢力26政党が加盟する欧州左翼党大会に、森原公敏国際委員会副責任者が参加し、欧州の各党と交流する機会がありました。日本の運動との「響き合い」という点で、二つの点を報告しておきたいと思います。

 一つは、不況、失業、格差と貧困が広がるなかで、「個人の尊厳」が各国の市民運動の共通の根本的主張となっていることであります。

 スペインでこの間大きく躍進している新政党「ポデモス」代表は、経済危機が引き起こした失業、貧困から、「人間の尊厳」を擁護することが「活動の原点」だと語りました。ギリシャで政権についた「シリザ」(急進左翼連合)代表は、「経済危機のために、電気、水道、食事も欠乏し、医者にもかかれない状況に陥った人々に対して、政治の責任として、人間の尊厳を守れと訴えてきた」と語りました。

 わが国の野党と市民の共闘のスローガンは「個人の尊厳を擁護する政治」であります。洋の東西での「響き合い」があるではありませんか。

 いま一つは、日本共産党に対する強い注目とともに、交流を求める声がつぎつぎに寄せられたことであります。

 森原副責任者は、外国代表のなかで2番目に紹介され、発言しました。「野党と市民の共闘で参議院選挙をたたかい、成果をあげました。日本共産党自身も野党第2党に躍進し、重要な役割を果たしています」と発言すると、約300人が参加した会場全体から大きな拍手と歓声が起こったとのことであります。

 スペインの「ポデモス」代表は、わが党との懇談で、次のように語りました。

 「G7のなかで共産党が躍進しているのは日本だけです。スペインと日本は政治状況が違いますが、同時に、発達した資本主義国として共通性もあると思います。どのような共通性があるのか、大いに興味があります。日本共産党との意見交換は願ってもないことです」

 「ポデモス」とは、双方の交流をすすめていくことで合意したことも報告しておきたいと思います。(拍手)

 ヨーロッパでは、グローバル資本主義の暴走と、深刻な経済危機のもとで、移民排斥を主張する右翼排外主義の潮流の台頭という事態も起こっています。社会進歩か逆行か。ヨーロッパもまた重大な岐路に立っています。

 決議案は、わが党の野党外交の発展方向の一つとして、「欧米の進歩的勢力との交流と連帯を抜本的に強化する」ことを位置づけています。先方も、わが党との交流を強くのぞんでいることが確認できたことはたいへんにうれしいことであります。

 たたかいを相互に交流し、連帯し、教訓を学びあう取り組みを大いにすすめたいと考えています。(拍手)

第3章(安倍・自民党政権を打倒し、新しい日本を)について

 次に、決議案第3章について報告します。この章は、安倍・自民党政権を打倒し、新しい日本をめざすたたかいの課題についてのべています。

安倍政権の危険と、それを打ち破る可能性について

 決議案第13項は、第3章全体の「総論」にあたる部分ですが、安倍政権の危険と、それを打ち破る可能性についてのべています。

臨時国会が示したもの――究極の「モラルハザード」(倫理喪失)政権 

 決議案は、安保法制=戦争法の強行という立憲主義破壊の暴挙を一大契機として、安倍政権のもとで、国家権力が憲法を無視して暴走を始めていることを告発しています。

 その危険は、昨年の臨時国会でむき出しの形であらわれました。自民党、公明党、維新の会によって、TPP協定・関連法、年金カット法、カジノ解禁推進法――三つの大悪法の強行採決が連続しておこなわれました。どれも国民の多数が反対、慎重審議を求めていた法案であります。ところが国民の声に耳を傾けることがまったくない。説明して理解を得ようという姿勢もまったくない。ただただ数の暴力で押し通す。安倍政権の強権政治、暴走政治は、歯止めをなくしてしまっています。

 そればかりではありません。安倍首相は、年金カット法案の審議で、「私がのべたことを理解できないなら、こんな議論を何時間やっても同じ」と言い放ちました。萩生田官房副長官も「強行採決なんて世の中にありえない。採決を強行的に邪魔する人たちがいる」との暴言を展開しました。山本農水大臣も2度にわたり「強行採決」暴言をおこないました。政府が国会に強行採決をけしかけ、その直後に強行採決を実行する――「予告つき強行採決」というべき「新方式」(笑い)が繰り返されました。

 数の暴力で、三権分立も、議会制民主主義も破壊する――この姿は、究極の「モラルハザード」(倫理喪失)政権というほかないではありませんか。(拍手)

 維新の会の「補完勢力」としての正体が、浮き彫りになりました。維新の会は、三つの大悪法のすべてで強行採決の先頭に立ちました。維新の会が、国会でやっていることは、安倍政権に媚(こ)びへつらうこと、野党共闘を攻撃すること――この二つだけであります。このどこが「改革勢力」か。まさに「別動隊」そのものではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 来たるべき総選挙では、自民党、公明党、維新の会の「悪政3兄弟」に、野党共闘の勝利、日本共産党の躍進で、退場の審判を下そうではありませんか。(拍手)

「なぜ安倍政権の支持率が高いのか」という疑問にこたえて

 全党討論で、「なぜ安倍政権の支持率が高いのか」という疑問が出されています。内閣支持率には、さまざまな要因がありますし、時々刻々、変化します。“今後も支持率が高い”と、私がここで「保証」することは(笑い)、もちろんできません。そのことを前提におきつつ、この疑問に対しては、次の二つの点を強調したいと思います。

 第一は、「高支持率」なるものの内実がきわめて脆(もろ)いということであります。今年の「党旗びらき」で紹介したことですが、イギリスのオックスフォード大学出版局は、2016年に注目を集めた言葉として、「ポスト真実」という言葉を選んだと発表しました。「ポスト真実」の政治とは、事実に基づかない主張、つまり嘘(うそ)・偽りを繰り返すことで、人々を扇動し、うねりをつくり出す政治を示す言葉であります。アメリカの大統領選挙でのトランプ氏の言動などが、「ポスト真実」の政治の見本とされます。

 ただ、「ポスト真実」の政治=嘘・偽りの政治は、トランプ氏の専売特許ではありません。日本にいるではありませんか(笑い)。安倍首相こそ、その「先駆的」な実践者ではありませんか(拍手)。いわく「(福島原発事故の汚染水の)状況は完全にコントロールされている」。いわく「(南スーダンの)首都ジュバは比較的落ち着いている」。いわく「わが党は、結党いらい、強行採決をしようと考えたことはない」。いわく「不戦の誓いをこれからも貫いてまいります」。安倍首相のこの種の発言は、あげればきりがありません。いくらでもあげられます。ずっとやっていますと、党大会が終わってしまいます(笑い)。どれもこれもが嘘・偽りですが、それを巨大メディアが無批判に垂れ流し、国民のなかにある幻想をつくり出しています。

 しかし、私は言いたい。しょせんは、嘘・偽りにすぎません。安倍政権は、嘘と偽りでつくられた「虚構の政権」にほかなりません。真実の光をあてれば、必ず崩壊します。国会論戦で、国民との対話で、たたかいのなかで、安倍首相の嘘・偽りを暴き、事実にもとづく議論こそ大切であることを、粘り強く明らかにしていこうではありませんか(拍手)。必ず崩せるという確信をもってすすもうではありませんか。(拍手)

 第二は、情勢を変えるカギは、野党と市民の共闘にあるということであります。安倍政権の主要政策の一つ一つを見れば、ほとんどすべてで国民多数が反対しているものばかりではありませんか。この内閣を支持するという人も、その多くは決して積極的支持ではありません。この点でも「高支持率」なるものの内実は、きわめて脆いものなのです。ただ、それでも内閣支持率が高いということは、多くの国民に安倍政権に代わる強力な選択肢――「受け皿」がまだ見えていないということだと思います。

 野党と市民が、「大義の旗」を掲げ、「本気の共闘」に取り組めば、安倍・自公勢力を打ち破ることは可能です。ここに「勝利の方程式」があることは、この間の沖縄での一連の選挙での勝利、昨年7月の参院選1人区の11選挙区での勝利、10月の新潟知事選の圧勝などでも、すでに実証されているではありませんか。

 この流れを発展させれば、安倍政権を必ず倒すことができます。野党と市民の共闘を発展させ、多くの国民に「ここに安倍政権に代わる希望があり、展望がある」――魅力ある強力な別の選択肢――「受け皿」があることを示すことができれば、必ず情勢の大激変を起こすことができます。ここに確信をもって全力をあげようではありませんか。(拍手)

安保法制=戦争法廃止のたたかい、「安倍外交」と日本共産党の立場

南スーダンPKOの自衛隊への新任務付与――あまりに無責任な態度

 決議案第14項は、安倍政権が、本格的な運用にのりだしている安保法制=戦争法の現実的危険として、南スーダンPKO、対IS軍事作戦、アフガニスタンでの米軍などの軍事作戦――三つの軍事活動への自衛隊の派兵の問題を告発しています。

 安倍政権は、昨年11月、南スーダンPKOに派兵されている自衛隊に「駆け付け警護」などの新任務を付与し、任務遂行のための武器使用の権限を与えました。重大なことは、自衛隊に、戦後初めて「殺し殺される」ことになりかねない危険な任務を与えながら、南スーダンの深刻な現実を見ようとせず、自衛隊員が直面する危険をまともに検討しようともしない、きわめて無責任な態度をとっていることであります。

 ――南スーダンが内戦状態にあり、戦闘が繰り返されていることは、国連の公式文書が何度も指摘している世界周知の事実であるにもかかわらず、「内戦」ではない、「戦闘」ではないなどと、事実を偽る態度を続けています。「戦闘」でないなら何なのかと聞くと、「衝突」だという。言葉のごまかしでとりつくろう。危険を危険と認めない態度こそ最も危険ではないでしょうか。(拍手)

 ――南スーダン政府軍が、国連PKO、国連施設、国連職員などへの攻撃を繰り返しているもとで、自衛隊が「駆け付け警護」をおこなえば、自衛隊が南スーダン政府軍と交戦し、憲法が禁止した武力行使に至る深刻な危険があります。にもかかわらず、政府は、「(南スーダン)キール大統領は自衛隊を歓迎している」、「受け入れ同意が安定的に維持されている」などと、ここでも事実を偽る態度を続けています。

 ――陸上自衛隊部隊が、昨年7月、首都ジュバで大規模な武力紛争が発生したさいの状況を記録した日報を廃棄していたことが明らかになりました。日報が廃棄されてしまえば、現地で自衛隊がどんな状況に置かれていたかについて、国民は把握するすべがなくなり、まったくのブラックボックスになってしまいます。「廃棄」は、「黒塗り」以上の最悪の情報の隠蔽(いんぺい)にほかなりません。

 ――昨年12月、国連安全保障理事会に提出された南スーダン政府に対する武器禁輸などを定めた制裁決議案に、日本政府は中ロなどとともに棄権し、決議案を廃案に追い込みました。「南スーダン政府を刺激したくない」ということが表向きの理由ですが、棄権した真の理由は、この決議案に賛成すれば「受け入れ同意が安定的に維持されている」という自らの説明が虚構であることを、自ら認めることになる――ここにあります。自衛隊の派兵を続けるために、大量虐殺の悲劇を抑え込むための国際社会の努力を妨害するとは、本末転倒もきわまれりではありませんか。(拍手)

 安倍政権が、安保法制=戦争法の運用第1号となった南スーダンPKOへの派兵について、自分がつくった法律に照らしても説明不可能な、あまりにも無責任な態度をとっていることは、きわめて重大であります。一事が万事、こういう無責任な態度で、安保法制=戦争法がどんどん運用されたら、取り返しのつかないことになります。

 日本共産党は、自衛隊への新任務付与をただちに撤回し、自衛隊を南スーダンからすみやかに撤退させ、日本の貢献を非軍事の民生・人道支援に切り替えることを強く求めるものであります。(拍手)

 安保法制=戦争法を廃止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回するための世論と運動をさらに発展させることを心から呼びかけるものであります。(拍手)

「海外派兵のための軍事費を削って暮らしにまわせ」のたたかいを

 決議案は、軍拡予算をはじめ「戦争する国」を支える体制づくりを許さないたたかいを呼びかけています。

 安倍政権が決定した2017年度予算案のうち、軍事費は過去最大の5兆1251億円に達しました。5年前との比較で4千億円の増額であります。

 「統合機動防衛力の構築」――陸海空自衛隊が海外に迅速かつ持続的に展開できる能力を構築することをめざし、オスプレイ、ステルス戦闘機、水陸両用車、無人偵察機、新型空中給油機などを導入するとともに、日本版“海兵隊”である「水陸機動団」などの新たな部隊編成をすすめようとしています。

 4千億円といえば、安倍政権のもとでの生活保護費削減、診療報酬の削減、介護報酬の削減をあわせた額になります。社会保障費は無慈悲な「自然増」削減路線を続けながら、軍事費は「聖域」で突出させる。安保法制=戦争法が暮らしを押しつぶし始めたことは、きわめて重大であります。

 「海外派兵のための軍事費を削って暮らしにまわせ」――このたたかいを大いに起こそうではありませんか。(拍手)

「安倍外交」の四つの大問題――日本外交の抜本的な切り替えを

 ここで「安倍外交」なるものの問題点についてのべたいと思います。安倍首相は、100を超える国や地域に足を運んだと自慢しています。しかしその中身はどうか。安倍首相が進めてきた外交には四つの大問題があります。

 第一は、アメリカ追随外交であります。安倍首相は、「地球儀俯瞰(ふかん)外交」を標ぼうしていますが、アメリカの色眼鏡でしか世界を見ないから、世界の大勢がまったく目に入りません。昨年12月、核兵器禁止条約の締結交渉を開始する国連総会での決議案に対して、日本政府は、アメリカの圧力に迎合して反対票を投じました。「地球儀俯瞰外交」というが、いったいどこに目をつけているのか。唯一の戦争被爆国の政府にあるまじき恥ずべき態度というほかないではありませんか。(拍手)

 安倍首相が、トランプ次期米国大統領が「離脱」を表明しているにもかかわらず、TPP協定を強行し、トランプ氏に「翻意」を懇願し、米国にあくまでしがみつき、米国への歯止めない譲歩の道をすすもうとしていることも、重大であります。

 異常なアメリカ追随外交はもうやめて、自分の国の進路は自分で考える自主自立の外交に切り替えることは急務であることを、強調したいのであります。(拍手)

 第二は、財界奉仕外交であります。安倍首相は、「成長戦略」の目玉に「原発輸出」と「武器輸出」を位置づけています。福島原発事故の収束も原因究明もしていないのに、アラブ首長国連邦、トルコ、カザフスタン、メキシコ、インドに「原発輸出」をすすめてきました。核保有国でNPT条約に調印していないインドへの「原発輸出」に対しては、国際的にも強い懸念と批判の声があがりました。

 「武器輸出三原則」を撤廃し、武器や関連技術の輸出を解禁する「防衛装備移転三原則」へと大転換し(2014年4月)、フランス、イギリス、ドイツ、オーストラリア、イスラエルなど、武器共同開発と輸出の動きが世界中に一気に広がっています。

 国民の多額の血税を使い、たくさんの財界人を引き連れて、世界中に「原発」と「武器」を売り歩く。こうした品格のかけらもない恥ずかしい外交を中止することを強く求めるものであります。(拍手)

 第三は、道理なき外交であります。安倍首相の外交には、外交にとって最も大切な道理、論建てがありません。

 この弱点が噴き出したのが昨年12月の日ロ首脳会談でした。プーチン大統領は、首脳会談に先だって、ソ連への「千島列島の引き渡し」を取り決めた1945年のヤルタ協定を前面に押し立てて「領土問題は存在しない」と言い放ちました。それに対して安倍首相がとった態度は、「新しいアプローチ」の名で領土問題を棚上げし、まずは経済協力をすすめる、そうすればいずれは領土問題の解決に道が開けるというものでした。しかし、相手が「領土問題は存在しない」と言っているもとで、領土問題を棚上げしたらどうなりますか。解決がいよいよ遠のくことは誰が考えても明らかではありませんか。

 日ロ首脳会談は、日本側の大失敗に終わりましたが、安倍首相は大失敗であることを自覚していないようで、なおこの間違った道を暴走しようとしていることは、救いがたいというほかありません。

 日ロ領土問題の解決は、日本共産党が一貫して提唱してきたように、「領土不拡大」という第2次世界大戦の戦後処理の大原則に背いた不公正を正面から是正することを中心に据え、全千島返還を堂々と求める交渉でこそ道は開けることを、私は、訴えたいと思うのであります。(拍手)

 第四は、反省なき外交であります。安倍首相は、2013年12月の靖国神社参拝に対して、内外からきびしい批判が集中したのち、過去の戦争を美化する「歴史修正主義者」としての本心をひた隠しにしながら、「『戦後』を過去のものとして終わらせる」ために腐心してきました。2015年8月の「安倍談話」、2016年12月の「真珠湾訪問」などは、そうした試みにほかなりません。

 しかし、安倍首相は、2015年5月の党首討論でも浮き彫りになったように、日本の過去の戦争を「間違った戦争」とは、口が裂けても認めようとしません。「ポツダム宣言をつまびらかに読んでいない」という苦しい答弁をしてでも、認めようとしなかった。そうした反省なき外交では、いつまでたっても「戦後」は過去のものとならないでしょう。

 歴史に真摯(しんし)に向かい合い、誤りを認めてこそ、世界とアジアの諸国民との真の意味での和解と友好を築くことができるということを、私は、強調したいと思うのであります。

 アメリカ追随外交、財界奉仕外交、道理なき外交、反省なき外交――これが「安倍外交」の正体にほかなりません。安倍首相に日本外交を担う資格なし。この点でもこの内閣は倒さなくてはなりません。(拍手)

 日本外交の抜本的な切り替えが必要であります。決議案は、日本共産党の野党外交の基本方針について、「核兵器のない世界」をめざす、大国主義・覇権主義を許さない、「北東アジア平和協力構想」、「グローバルな課題解決への五つの提案」など、全面的に明らかにしています。私は、この方向こそ、憲法9条をもつ国の政府が取り組むべき平和外交の大道があることを確信をもって言いたいと思います。

 日本共産党は、野党であっても、こうした方向が実現するよう努力を重ねます。同時に、私たちの野党外交の方針が、一日も早く日本政府の外交方針になるよう、奮闘する決意を表明するものであります。(拍手)

1%の富裕層や大企業のための政治でなく、99%の国民のための政治を

格差と貧困の拡大、中間層の疲弊は、国民意識にもはっきりあらわれている

 決議案第15項は、格差と貧困をただす経済民主主義の改革を提唱しています。

 決議案は、日本の格差問題を、“富裕層への富の集中”、“中間層の疲弊”、“貧困層の拡大”という三つの視点からとらえることを提起しました。そして、現在の日本社会の姿を、「超富裕層がますます富み、国民全体の所得が低下するなかで、中間層が疲弊し、貧困層が増大している」と特徴づけました。

 このことは国民意識にもはっきりと反映しています。

 政府の調査(国民生活基礎調査)では、生活が「苦しい」と答えた人は実に6割に達しています。この20年間――1995年から2015年までの推移をみますと、「苦しい」と答えた人が42%から60%と大きく増える一方で、「普通」と答えた人は52%から36%と大きく減りました。決議案がのべているように、働く人の賃金が1997年をピークに大きく下落しているもとで、「普通」に暮らしていた人が「苦しい」生活に追い込まれ、6割の国民が生活の苦しさを訴えるようになっているのであります。

 格差問題は、一部の貧困層だけの問題ではありません。いまや、倒産、失業、リストラ、病気、介護などで職を失えば、誰もが貧困に陥ってしまう経済社会となっているのです。

 こうした社会のあり方を根本から改革することは、政治に求められる最大の責任の一つであります。

 日本共産党は、格差と貧困をただし、中間層を豊かにすることを、国の経済政策の基本にすえることを強く求めてたたかうものであります。

「四つの改革」は、格差拡大の原因にメスを入れる抜本的な処方箋

 決議案は、「格差と貧困をただす経済民主主義の改革」として、「四つの改革」――「第一。税金の集め方の改革――『能力に応じて負担する、公正・公平な税制』」、「第二。税金の使い方の改革――『社会保障、若者、子育て中心の予算』」、「第三。働き方の改革――『8時間働けばふつうに暮らせる社会』」、「第四。産業構造の改革――『大企業と中小企業、大都市と地方などの格差を是正』」――を提案しています。

 ここで強調したいのは、決議案が提案した「四つの改革」は、なぜ格差と貧困が拡大したのか、その原因に正面からメスを入れる抜本的な処方箋となっているということです。

 今日の格差と貧困の深刻化は、もとより自然現象ではありません。とくに1990年代後半以降、大企業の利益最優先の新自由主義、構造改革の経済政策が強行された結果にほかなりません。

《根底には、人間らしい雇用のルール破壊がある》

 第一に、その根底には、人間らしい雇用のルール破壊があります。その最大の特徴は、労働者派遣法の連続改悪をはじめとする労働法制の規制緩和によって、非正規雇用が急激に増大したことです。1990年代半ばまでは20%程度で推移してきた非正規雇用労働者の割合は、現在では37%を超えるまでになりました。

 非正規雇用の増大は、労働者全体の賃下げをもたらし、97年をピークに労働者の平均年収は55・6万円も減少するという結果となっています。

 それはさらに、労働条件全体の悪化をもたらし、正社員には異常な長時間・過密労働が常態化しています。昨年も電通の若い女性社員、関西電力の課長職の社員の過労自殺が労災認定され、大きな社会問題となりました。長時間・過密労働が働く人の体と心を深く傷つけています。過労死・過労自殺の労災認定件数は、1998年度の52件から、2015年度には189件へと4倍近くに激増しました。

 こうしたなかで、労働者、若者を使いつぶすブラック企業――市場経済としてもあってはならない「ビジネスモデル」が横行するまで、日本の雇用状況は悪化しています。

 決議案が提案している「8時間働けばふつうに暮らせる社会」への改革は、格差と貧困を根本からただす待ったなしの改革となっていることを、私は、訴えたいと思うのであります。(拍手)

《税と社会保障による所得再分配機能が壊されてきた》

 第二に、消費税増税と富裕層・大企業への減税、度重なる社会保障の改悪によって、税と社会保障による所得再分配機能が壊されてきました。

 所得の少ない人ほど重くのしかかる消費税の増税が強行され、その一方で、所得税の最高税率の引き下げ、大企業に恩恵をもたらす法人税減税、研究開発減税などの大企業優遇税制がおこなわれています。株主配当や売却益に対する税率が20%にすぎず、欧米主要国の30~40%と比べていちじるしく低い「株主天国」となっています。

 さらに、この20年間、社会保障のあらゆる分野で負担増と給付減の制度改悪が繰り返され、暮らしを支え、人権を守るという社会保障の機能は大きく損なわれ、逆に、過重な保険料負担や自己負担が国民を苦しめ、低所得者が医療や介護から締め出される状況が深刻となっています。

 自公政権による社会保障費の「自然増」削減額は、2002年度から09年度、2013年度から17年度(予算案)で、合計3兆3千億円にのぼります。これは社会保障のあらゆる分野での制度改悪という深刻な傷痕をつくり出しています。その一方で、第2次安倍政権だけで4兆円もの法人税減税がおこなわれています。一方で、社会保障費を削りに削って3兆3千億円、他方で、大企業を中心にした4兆円もの減税ばらまきをおこなう。こんなバカげた政治があるでしょうか。

 「税金の集め方」「税金の使い方」の両面からの改革を実行し、税と社会保障に格差と貧困をただす本来の役割を発揮させようではありませんか。(拍手)

《中小企業や農林水産業の経営が破壊され、地方の衰退が深刻化した》

 第三に、大企業優遇と大都市一極集中の経済政策のもとで、中小企業や農林水産業の経営が破壊され、地方の衰退が深刻化しました。

 1999年に改悪された中小企業基本法は、それまでの基本法がまがりなりにも掲げていた「中小企業と大企業との格差是正」などの理念を捨て去ってしまいました。「強いものを育てる」「市場で勝ったものが生き残れば経済は強くなる」などの政策のもとで、中小企業の淘汰(とうた)がすすみました。1999年には423万だった小規模事業者が、2014年には325万に、実に98万も激減しました。

 農業でも、輸入自由化一辺倒の政策のもとで、コメをはじめとする農産物の価格が下落し、農業生産が減り、それを上回る規模で農業所得が減っています。地方経済を支えている中小企業や第1次産業の衰退は、地方の衰退を深刻化させました。

 決議案が提案している「大企業と中小企業、大都市と地方などの格差を是正」する産業構造の民主的改革も、日本社会の健全な発展にとって焦眉の課題となっていることを、強調したいと思うのであります。

 こうして、今日の格差と貧困の深刻化は、この20年来の新自由主義、構造改革という政治悪がもたらしたものであり、自民党政治による「政治災害」にほかなりません。

 圧倒的多数の国民に生活苦を押し付けながら、一握りの富裕層と大企業には空前の富が蓄積しています。決議案が提案した「四つの改革」はこうした事態を根本からただす改革であり、必然性をもったものであります。

 私は、心から呼びかけたい。「1%の富裕層や大企業のための政治でなく、99%の国民のための政治を」――経済民主主義の旗を高く掲げ、あらゆる分野で、切実な暮らしを守るたたかいをおこし、発展させようではありませんか。(拍手)

TPP協定・関連法の強行と、今後のたたかいについて

 TPP協定・関連法の強行と、今後のたたかいについてのべます。

 トランプ次期米国大統領が「離脱」を宣言しているもとで、TPP協定が発効することは絶望的になっています。同時に、トランプ氏は、「2国間貿易協定をすすめる」と宣言しています。そういうもとで、安倍政権がTPP協定を強行したことは、きわめて愚かで、危険なことと言わなければなりません。

 農産物などの関税撤廃についても、食の安全、医療、雇用などの非関税障壁の撤廃についても、TPP協定で譲歩した線が日本の「国際公約」とみなされ、譲歩した線がスタートラインとなって、アメリカとの2国間交渉がおこなわれ、さらなる譲歩が迫られる危険があります。日本国民の生活と日本の経済主権をアメリカと多国籍企業に売り渡す、不公正な交渉を許さない新たなたたかいに取り組むことを、呼びかけるものであります。(拍手)

 いま問われているのは、「自由貿易か、保護貿易か」ではありません。「自由貿易」の名で多国籍企業の利潤を最大化するためのルールをつくるのか、それとも、各国国民の暮らし、経済主権を互いに尊重する公正・平等な貿易と投資のルールをつくるのか。ここにこそ対決点があることを、訴えるものであります。

「原発ゼロの日本」を――巨額の国民負担、「もんじゅ」廃炉にかかわって

 決議案第16項は、「原発再稼働の是非は、国政の熱い重大争点である。再稼働路線は行き詰まり、その矛盾がさまざまな形で噴き出している」と強調しています。

 昨年12月、再稼働路線がいかに無責任かを示す二つの出来事が起こりました。

21・5兆円の国民負担の押し付け――究極の高コストの原発はいらない

 一つは、安倍政権が、福島原発事故処理費用(廃炉、賠償、除染費用)として、21・5兆円もの国民負担をおこなうことを発表したことです。これまで福島原発事故処理に11兆円がかかるとされてきましたが、それが一気に倍増しました。これらをすべて税金と電気料金への上乗せ=国民負担にツケ回ししようというのが、安倍政権の方針であります。

 くわえて、東京電力には、原子力損害賠償・廃炉支援機構を通じて国からの資金援助がされており、支援機構への交付国債枠は9兆円から13・5兆円に拡大されますが、これも将来、国民負担になる可能性が高いものです。

 その一方で、東電の株主や資金を提供した金融機関は一切の責任を取ろうとしません。そればかりか、巨大銀行は、この5年半で、東電から累計2000億円近い利息を受け取っています。こんな無責任な政治が許されるでしょうか。

 原発を推進し、大事故で多大な被害を国民に及ぼした最大の責任者である「原発利益共同体」にこそ、負担責任を果たさせるべきであります。(拍手)

 究極の高コストの原発を、これ以上続ける道理は、一かけらもありません。

「もんじゅ」廃炉と核燃サイクルへの固執――すべては再稼働推進のため

 いま一つは、安倍政権は、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉を決定しましたが、「もんじゅ」に代わる新たな高速実証炉の開発に着手することを決め、あくまでも破たんした核燃料サイクルにしがみついていることです。

 高速実証炉は、世界でも成功した例がなく、実用化のメドはまったくたっていません。「もんじゅ」の無残な失敗を前にして、その総括もないまま、なぜ核燃料サイクルにしがみつこうというのか。すべては原発再稼働推進のためにほかなりません。

 原発を再稼働すれば、計算上わずか6年で、全ての原発の使用済み核燃料の貯蔵プールは満杯となりあふれだします。建前だけであっても、使用済み核燃料を再処理する核燃サイクルが回っていなければ、早々に運転できなくなってしまう。こういう思惑から、誰も実現できると思っていない高速実証炉の開発をおこなうとし、核燃サイクルを続けることを決めたのであります。これ以上の無責任な政治があるでしょうか。

 日本学術会議は、高レベル放射性廃棄物の処分について「万年単位に及ぶ超長期にわたって安定した地層を確認することに対して、現在の科学的知識と技術的能力では限界がある」と表明しています。そして、「核のゴミ」の「暫定保管に関する計画をあいまいにしたままの再稼働は、将来世代に対する無責任を意味する」と厳しく指摘しています。処理方法のない「核のゴミ」という点からも、原発再稼働路線の破たんは明らかではありませんか。

 破たんした原発再稼働路線をきっぱり中止し、「原発ゼロの日本」に踏み出せ――この旗を掲げ、たたかいをさらに発展させようではありませんか。(拍手)

沖縄をはじめとする米軍基地問題――全国の連帯したたたかいを呼びかける

 決議案第17項は、沖縄でいま起こっていることは、海兵隊基地を世界への「殴り込み」の一大拠点として強化・固定化するものであること、沖縄の基地強化は全国の基地強化と一体のものであることを告発し、沖縄と本土の連帯を訴えています。

最高裁の不当判決――大義は「オール沖縄」の側にある

 最高裁は、昨年12月20日、翁長知事の埋め立て承認取り消しをめぐる裁判で、県側の上告を退ける判決を言い渡しました。

 新基地建設反対の県民の総意は、名護市長選、沖縄県知事選、総選挙、参院選で示された圧倒的審判で明らかです。翁長知事は、公約の実践として前知事の埋め立て承認を取り消しました。県民の総意にもとづく翁長知事の判断よりも、県民を裏切った前知事の判断を優先させることが民主主義の国で許されるでしょうか。最高裁判決は、民主主義、地方自治を否定し、司法の公平性を自ら投げ捨てた不当判決といわなければなりません。(「そうだ」の声、拍手)

 翁長知事は、「今後ともあらゆる手法で新基地建設を阻止する」「米軍統治下時代、苛烈を極めた米軍との自治権獲得闘争を粘り強く戦ってきた沖縄県民は、日米両政府が辺野古新基地建設を断念するまでたたかい抜くものと信じている」と不退転の決意を表明しています。政府は、沖縄県の事前協議の要請を拒否し、辺野古新基地建設の工事再開を強行しましたが、新基地建設を阻止するうえで、沖縄県知事や名護市長には、行使できるさまざまな権限と行政措置があり、たたかいの展望があります。

 どんな不当判決も、安倍政権による強圧も、翁長知事の手と「オール沖縄」の運動を縛ることはできません。私は、沖縄県民のたたかいに、全国が連帯してたたかうことを、心から呼びかけるものであります。(拍手)

オスプレイ墜落――撤去を求めるたたかいを全国で起こそう

 昨年12月13日、米海兵隊のオスプレイが名護市の海岸に墜落しました。「不時着」ではありません。「墜落」です(拍手)。この墜落は、日本が置かれた植民地的実態を浮き彫りにし、沖縄でも全国でも大きな怒りが広がっています。

 沖縄の米軍トップのニコルソン四軍調整官が、「パイロットは住宅、住民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」との暴言を吐いたことが、大問題となりました。こうした発言は、ニコルソン調整官だけの特異なものではありません。2004年の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事件のさい、ワスコー在日米軍司令官は「人がいないところにヘリをもっていった。たいへん素晴らしい功績だ」とのべ、パイロットを「金メダル級」だと称賛しました。一歩間違えば大惨事という事故を引き起こしておきながら、「感謝せよ」「金メダル」と言ってはばからない。沖縄を「戦利品」のようにみる「占領者意識」は、絶対に許すわけにいきません。(拍手)

 日本の捜査機関が「原因究明」のカヤの外に置かれたことは重大であります。海上保安庁が捜査協力を申し入れたにもかかわらず、米軍は無視し、「物証」となる機体の回収をすすめました。その根本には屈辱的な日米地位協定がありますが、基地外での日本の警察権行使を拒否し、証拠を隠滅する行為は、地位協定上も許されない無法なものであります。日米地位協定は、ドイツやイタリアなどと比較しても、米軍に治外法権的特権をあたえる植民地的なものですが、それすら守らない無法が横行していることは、絶対に看過するわけにはいきません。

 米軍は、事故後わずか6日でオスプレイの訓練を再開しました。日本政府は、これを「理解」すると表明しました。さらに米軍は、事故後3週間余で空中給油の訓練を再開しました。日本政府は、これに対しても「理解」すると表明しました。日本の捜査機関が独自の情報を何も持っていないのに、さらには米軍の調査でも事故原因は特定されていないというのに、「理解」とは一体どういうことか。沖縄県民や国民の安全よりも「日米同盟」を優先する、主権国家の政府とはいえない、恥ずべき態度というほかないではありませんか。(拍手)

 オスプレイは、日本全国の重大問題であります。沖縄配備のオスプレイは、横田、厚木、キャンプ富士、岩国などに飛来し、訓練を繰り返しています。全国六つの低空飛行ルートで、年間330回もの訓練が計画されています。米空軍が配備を予定しているオスプレイ、自衛隊が導入を決めているオスプレイを合わせれば、日米あわせて50機ものオスプレイが日本中を飛び回ることになります。

 オスプレイは撤去せよ――全国の連帯したたたかいを心から呼びかけます。(拍手)

安倍政権のもとでの憲法改悪を許さない――国民的共同のたたかいの発展を

 決議案第18項は、安倍政権の改憲策動には「二つの致命的弱点」があることを明らかにし、憲法改悪を許さないたたかいを呼びかけています。

憲法審査会でもあらわれた安倍改憲の「二つの致命的弱点」

 昨年の臨時国会で、自民、公明、維新によって、衆参両院で憲法審査会が強行開催されましたが、ここでの論戦でも、決議案が指摘した「二つの致命的弱点」があらわれました。

 第一は、「現行憲法のどこに問題があり、どこを変えなければならないかを、いっさい具体的に提起できない」という弱点であります。

 衆院憲法審査会の自民党筆頭幹事である中谷元議員は、意見表明で、改憲論議の対象として、「新しい人権」「財政規律」「緊急事態条項」「合区解消」「地方自治」「私学助成」「自衛隊の認知」などをあげましたが、「いずれにせよ、どのようなテーマについて議論していくかにつきましては、現段階におきましては白紙でありまして」と語りました。「白紙」と認めながら「とにかく改憲を」という。「改憲先にありき」という逆立ちした姿勢があらわになりました。「白紙」だというのなら、改憲策動も白紙に戻すべきではないでしょうか。(拍手)

 第二は、「『自民党改憲案』という立憲主義を根底から否定する希代の改悪案を、党の公式の改憲草案に据えている」という弱点であります。

 安倍首相の「いかにわが党の案をベースにしながら3分の2を構築していくか、これがまさに政治の技術」という発言に対して、きびしい批判が集中しました。しかし、自民党は「自民党改憲案」の「撤回」を拒否し、この案をそのまま憲法審査会に提案することはしないものの、「歴史的公式文書」だとあくまで温存しています。

 こうした安倍政権の姿勢を、日本共産党がきびしく批判したことはもちろんですが、野党各党も批判をくわえ、4野党で「安倍政権のもとでの憲法改悪反対」で共同戦線が張られたことは重要であります。

 安倍首相は、今年年頭から、「本年は日本国憲法の施行から70年という節目の年。いまこそ新しい国づくりをすすめるとき」などと、憲法改定に執念を燃やしています。日本国憲法をめぐって歴史の本流と逆流が正面から激突する情勢が展開しています。

 5・3憲法集会は、2015年から共同の憲法集会となり、15年には3万人、16年には5万人と年々大きく広がっています。

 日本共産党は、安倍政権の改憲策動の「二つの致命的弱点」を突く論戦の先頭に立つとともに、「安倍政権のもとでの憲法改悪反対」の一点での国民的共同、野党の共闘を発展させるために全力をあげて奮闘するものです。(拍手)

 来たるべき総選挙では、「改憲勢力3分の2体制」を打ち破り、改憲策動にとどめをさす、国民の審判を下そうではありませんか。(拍手)

「共謀罪」を許さないたたかいを呼びかける

 安倍政権が、1月に召集される通常国会に共謀罪法案を提出し、成立させようとしていることは、きわめて重大であります。

 共謀罪は、実際の犯罪行為がなくても、共謀=「相談、計画」したというだけで犯罪に問えるものです。それは、犯罪の実際の行為のみを罰するという現行刑法の大原則に真っ向から反するだけでなく、日本国憲法第19条が「侵してはならない」とする国民の思想や内心を処罰の対象とする違憲立法であります。

 政府は、「テロ対策」を口実としていますが、日本はすでにテロ防止のための13本の国際条約を締結し、それにもとづく国内法も整備しています。今回の共謀罪法案で対象となる罪の大多数はテロとかかわりのない通常の犯罪です。

 「テロ対策」の名で国民を欺き、国民の思想や内心まで取り締まろうという共謀罪は、モノ言えぬ監視社会をつくり、安倍政権がすすめる「戦争する国」づくりの一環であり、現代版「治安維持法」というべき悪法にほかなりません。圧倒的な国民の世論と運動の力で、共謀罪の策動を阻止することを、心から呼びかけるものであります。(拍手)

野党と市民の共闘――統一戦線をさらに発展させるために

 決議案第21項は、統一戦線の画期的発展と今後の展望についてのべています。報告では、この内容を前提にして、野党と市民の共闘をさらに発展させるために、いくつかの点をのべておきたいと思います。

政党間の共闘とはそもそも何なのか――「多様性」を「強み」にする共闘を

 一つは、政党間の共闘とはそもそも何なのか、共闘のあり方のそもそも論についてであります。

 「綱領、理念、政策が違うものとは一緒にやれない」という議論があります。しかし、「綱領、理念、政策」が同じなら、同じ政党になります。

 政党というのは、それぞれ綱領も違えば、めざす日本の将来像も違います。違うからこそ独自の政党をつくっているのです。そうした政党が共闘するということは、綱領も将来像も違うものが、互いに相違点を相手に押し付けることはせず、社会発展の現在の段階で、国民の切実な要求と利益にかなう当面の一致点で、力をあわせるということです。ここに政党間の共闘の基本、統一戦線の基本があるのではないでしょうか。

 野党連合政権は、国政に責任を負う政権を共同で担うわけですから、当面の課題での共闘、選挙共闘よりも、さらにすすんだ形態の共闘になりますが、それでも、綱領も将来像も違うものが、国民の切実な要求と利益にかなう当面の一致点で力をあわせるということに、変わりはありません。

 わが党は、「国民連合政府」を提唱していますが、この政権は、「安保法制廃止、立憲主義回復」という国民的大義を実行する政権です。その他の国政上の課題については、「相違点は横に置き、一致点で合意形成をはかる」という原則にたって、責任をもって政策調整をおこなうことを呼びかけています。そのさい、この政権に、日米安保条約や自衛隊についてのわが党の独自の立場を持ち込まないことを、私たちは、繰り返し明らかにしています。

 綱領や将来像が違うものが共闘するわけですから、野党と市民の共闘は、当然、多様な思想・信条・政治的立場をもつ政党、団体、個人によって構成されることになります。それをもって政権・与党は「野合」との攻撃をおこなっています。しかし、野党と市民の共闘における多様性は「弱み」でしょうか。そんなことは決してありません。

 「オール沖縄」は、保守の人々から革新の人々まで、文字通り幅の広い、多様な人々から構成されていますが、こうした多様な人々が、互いの違いを尊重しあい、相互に敬意をもって、「新基地建設を許さない」という「大義」のもとに結束していることこそ、最大の「強み」ではないでしょうか。(拍手)

 新潟県知事選挙で、野党と市民の統一候補として勝利した米山隆一氏は、「しんぶん赤旗」のインタビューで、こう語っています。

 「野党がお互いの違いを指摘しあうのでなく、違う思いを相互にリスペクト(尊敬)しあえば、『うちはいろんな思いを受けとめることができるんですよ』と思ってもらえ、市民も参加しやすくなると思います」、「違いがある方が、人が来やすい、違う立場の人が協力している方が、『じゃあ、おれでもいいんだ』と思える」

 その通りではないでしょうか。

 だいたい安倍政権・自民党を見てください。「多様性」ゼロではありませんか(笑い、拍手)。そこには「安倍カラー」一色に染め上げられた、寒々とした灰色の「モノクロ」の情景しかないではありませんか。

 それとたたかう、私たち野党と市民の共闘が、色とりどりの「多様性」を互いに尊重し、互いにリスペクト(尊敬)をもって、国民的大義で結束するならば、「多様性」は「弱み」ではなく、「強み」とすることができると、私は、確信するものであります。(拍手)

日本共産党がめざす将来の社会像をめぐって

 いま一つは、それでも、将来像一般ではなく、日本共産党が、社会主義・共産主義を将来像としていることを、特別に問題にする議論もあります。「将来的にではあれ、共産主義をめざす政党とは、党名や綱領を変えない限り共闘はできない」という議論であります。こうした議論に対しては、次の三つの点を表明しておきたいと思います。

 第一に、私たちは、社会の進歩は、一歩一歩、階段をあがるように、段階的に発展するという立場に立っています。そして、日本社会がいま求めているのは、社会主義・共産主義でなく、「資本主義の枠内での民主的改革」であることを綱領に明記しています。

 同時に、私たちは、資本主義の社会が、人類の到達した最後の社会ではないという認識をもっています。すなわち、将来の展望として、日本の社会が、資本主義社会を乗り越え、社会主義・共産主義の社会へと前進していくだろうという見通しをもっています。

 第二に、私たちのめざす未来社会――社会主義・共産主義の日本は、崩壊した旧ソ連のような体制とはまったく異なり、「人間の解放、人間の自由」を最大の特徴とする社会であります。私たちの綱領では、「民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」、「さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される」などの諸点が明記されています。一部に「左右の全体主義を排し」などと、日本共産党の立場を、民主主義を否定するファシズムと同列視する議論もありますが、これが根本的な誤解にもとづいた議論であることは、綱領を一読していただければ理解していただけると思います。

 第三に、私たちは、日本社会の将来像として、いまのべたような展望を持っていますが、日本が将来、この道をすすむかどうかは、この国の主人公である国民が決めることであって、もとより政党が勝手に決められることではありません。

 社会進歩のどのような道をすすむか、そしてその道をすすむ場合でも、いつどこまですすむかは、主権者である国民の意思、選挙で表明される国民自身の選択によって決定されることであります。このこともわが党の綱領に「国民の合意のもと、一歩一歩の段階的な前進」をはかると明記していることであります。「いったん日本共産党と政権をともにしたら、エスカレーターのように先ざきの社会まで連れていかれるのでは」と心配する声もあるかもしれません。しかし、私たちの立場は、「エスカレーター式」ではありません。社会の進歩は、階段の一歩一歩を、選挙で示された国民多数の意思にもとづいてのぼる。これが私たちの立場であります。「エスカレーター」でなく、「階段」ですから、どうか安心していただきたい。(笑い、拍手)

 このような諸点をふまえれば、日本共産党と将来像が違っていることが、野党と市民の共闘を発展させる障害にならないことは明瞭ではないでしょうか。(拍手)

 私たちは、心から呼びかけます。

 綱領や将来像が違っても、その違い=「多様性」を互いに尊重し、互いにリスペクト(尊敬)を持ち、私たちが掲げる共通の大義――「安倍政権を打倒し、立憲主義、民主主義、平和主義を貫く新しい政治、すべての国民の『個人の尊厳』を擁護する新しい日本をつくる」という国民的大義にたって力をあわせようではありませんか。(拍手)

第4章(国政選挙と地方選挙――野党と市民の共闘の前進、日本共産党の躍進を)について

 次に、決議案第4章について報告します。この章は、国政選挙と地方選挙における野党と市民の共闘の前進、日本共産党の躍進をめざす方針についてのべています。

総選挙での勝利・躍進にむけた活動について

 日本共産党は、来たるべき総選挙を、安倍政権を打倒し、野党連合政権(国民連合政府)に向けて大きな一歩を踏み出す選挙としていくために、全力をあげてたたかいます。

 解散・総選挙の時期は流動的ですが、いつ解散となっても勝利・躍進をかちとるため、野党と市民の共闘の体制をつくりあげることと、日本共産党躍進のための取り組みを、同時並行で本格的にすすめます。

野党と市民の共闘を発展させ、総選挙での選挙協力を成功させる

 決議案第22項は、総選挙で二つの大目標に挑戦することを提起しています。

 第一は、野党と市民の共闘を本格的に発展させ、総選挙でも選挙協力をおこない、衆議院における「改憲勢力3分の2体制」を打破し、さらに自公とその補完勢力を少数に追い込むことをめざすということであります。

 私たちは、衆議院選挙での選挙協力を成功させるために、次の三つの課題で前向きの合意をつくるよう、力をつくします。 

 一つは、豊かで魅力ある共通公約・共通政策をつくることであります。共通公約・共通政策は、野党共闘の国民的大義を示す旗印であります。参院選での共闘の到達点を踏まえ、「市民連合」のみなさんとも協力し、野党間で真剣な協議をつくせば、かなり広範囲に政策的一致点が確認できる、国民のみなさんに安倍政権に代わる政策的選択肢を責任をもってお示しすることができると、私は、確信するものであります。

 二つは、本格的な相互推薦・相互支援の共闘を実現することであります。これは、「本気の共闘」にしていけるかどうかの最大のカギとなります。私たちは、「相互推薦」が最ものぞましいし、基本にすべきであると考えます。ただ、条件によっては「相互支援」もありうるという対応をおこないます。本来、選挙協力は一方的なものではありません。「相互に協力し、力をあわせて選挙をたたかう」ことが何よりも重要であります。そうしてこそ、それぞれの野党も、市民も、最大の力を発揮し、自民党に勝利することができるのではないでしょうか。

 三つは、政権問題で前向きの合意をつくることであります。すでにのべたように、現時点で、野党間で政権問題の合意が存在しないもとで、この問題での合意を総選挙の選挙協力の協議に入る条件とはしない、同時に、協議のなかで、その必要性を主張し、前向きの合意を得るために力をつくすというのが、わが党の立場であります。総選挙は、どういう政権をつくるかが問われる選挙ともなり、ここでの選挙協力に踏み込むならば、政権構想でも一致した考えを国民に示す責任が生まれてきます。

 小選挙区で自民党を倒すことは、容易なことではありません。野党が候補者を一本化しさえすれば勝てるという、生易しいものではありません。いまのべた3点で野党が合意に達し、本格的な共闘が実現してこそ、勝利をつかむことができるのではないでしょうか。

 共通公約・共通政策、相互推薦・相互支援、政権問題での前向きの合意――この3点で、本格的な共闘が実現すれば、多くの国民に、「ここに安倍政権に代わる希望があり、展望がある」ことを示し、情勢の大激変をつくり、多くの小選挙区で与野党逆転の状況をつくりだすことが必ずできる。私は、そう確信をもって言いたいと思います。(拍手)

 日本共産党は、真剣に、誠実に、リスペクト(尊敬)の精神をもって、総選挙での野党共闘を成功させるために全力をつくすものであります。(拍手)

日本共産党の“第3の躍進”を大きく発展させる

 第二の大目標は、日本共産党の“第3の躍進”を大きく発展させることであります。

 「比例を軸に」をつらぬき、「全国は一つ」の立場で奮闘し、比例代表で「850万票、15%以上」を目標にたたかいます。全国11のすべての比例ブロックで議席増を実現し、比例代表で第3党をめざします。

 すでに第1次分として、比例代表の予定候補者34人と、小選挙区の予定候補者265人を発表しました。比例代表予定候補者、小選挙区予定候補者は、力をあわせて、比例代表での躍進の先頭に立ちます。

 小選挙区での必勝区を攻勢的に設定し、野党共闘の努力と一体に、議席の大幅増に挑戦します。すでに第1次分として、15の小選挙区を必勝区とすることを明らかにしています。必勝区では、有権者の過半数を獲得する選挙に挑戦し、議席獲得に正面から挑みます。小選挙区でわが党が議席を獲得する流れをつくることは、野党共闘の今後を展望しても、また小選挙区制という非民主的な選挙制度のもとでわが党が新たな地歩を築くうえでも、きわめて重要であります。

「二つの一体的追求」を揺るがずにつらぬく

 ここで強調したいのは、総選挙をたたかう基本姿勢として、「二つの一体的追求」を揺るがずにつらぬくということです。

 第一は、野党共闘の勝利と日本共産党躍進の一体的追求であります。わが党が、野党共闘の成功のために誠実に力をつくすことは、安倍政権を打倒して新しい政治をつくるうえで重要な貢献になるとともに、わが党への国民の共感と信頼を広げることにつながります。同時に、日本共産党躍進のためには、そのための独自の活動に力をそそがなくてはなりません。野党の共通政策を大いに広げるとともに、日本共産党の独自の政策、独自の対案、党の姿を丸ごと語る取り組みを強め、日本共産党を伸ばすことが政治を変えるうえでどんな意味をもつかを大いに語り抜き、広げに広げることが、大切であります。

 第二に、日本共産党の躍進という点では、「比例を軸に」、比例代表で「850万票、15%以上」をめざす取り組みと、小選挙区必勝区での勝利の一体的追求をはかります。全国規模で、また比例ブロックの規模で、比例代表での日本共産党躍進の流れをつくりだしてこそ、小選挙区必勝区での勝利の道が開かれます。わが党は、これまで、小選挙区の選挙において、1996年の総選挙、2014年の総選挙で、京都3区、高知1区、沖縄1区で勝利した経験をもっていますが、どの場合にも、比例と小選挙区で重複立候補をした候補者が、党組織と心を一つに、比例ブロックの規模での党躍進の流れをつくる先頭に立ちつつ、小選挙区でも大奮闘し、双方で躍進・勝利をかちとりました。こうした教訓を、新しい情勢のもとで生かすことが、大切であります。

 全党の同志のみなさん。来たるべき総選挙では、「二つの一体的追求」を揺るがずつらぬき、野党と市民の共闘の勝利、比例と小選挙区の双方での日本共産党の躍進を、必ずかちとろうではありませんか。(拍手)

東京都議会議員選挙の勝利をめざして

 決議案第23項は、今年6月に迫った東京都議会議員選挙の勝利を訴えています。

 東京都議会議員選挙は、東京都の未来、都民の暮らしに大きな影響をあたえるだけでなく、国政の動向を大きく左右する政治戦となります。

 都議選における政党選択では、国政問題も重要な争点になりますが、小池都政のもとで、築地市場の豊洲移転問題、オリンピック・パラリンピック問題などが、国民的・都民的関心を広げるもとで、福祉と暮らしの問題をはじめとする都政のあり方の全体が、これまでにまして大争点になるでしょう。

 4年前の選挙で17議席に躍進した日本共産党都議団は、都民の運動と結んで、都政を前に動かすかけがえのない役割を果たしてきました。猪瀬、舛添両知事の「政治とカネ」の問題を徹底追及し、2人の知事を辞職に追い込むうえで決定的役割を果たしました。認可保育園整備のための用地購入費を都が補助する条例案の提出、都有地の活用促進の具体的提案などをおこない、認可保育園の増設を前進させてきました。豊洲新市場の「地下空間」を発見し、都政を揺るがす一大問題にし、都民、国民の食の安全を守るうえでも大きな働きをしてきました。

 日本共産党都議団がこれらの活躍ができるのも、ひとえに前回選挙で8議席から17議席に躍進させていただいたおかげであります。来たるべき都議選では、17議席――都民、国民にとっての宝の議席は絶対に確保する、そして新しい議席を増やす、この仕事を何としてもやり抜かねばなりません。それぞれの選挙区のたたかいがどんな組み合わせになろうとも、勝利に必要な政治的・組織的活動をやりぬいて、必ず前進をかちとります。

 東京都党組織の奮闘と一体に、全国からの支援の集中を心から訴えるものであります。(拍手)

地方政治をめぐる政治的焦点、地方選挙の躍進をめざして

 決議案第24項は、地方政治をめぐる政治的焦点と、日本共産党の地方選挙での躍進をめざす方針を提起しています。

安倍政権のもとでの地方政治をめぐる矛盾の深刻化

 安倍政権のもとで、新自由主義的な経済政策が地方自治体にも押し付けられ、地方政治をめぐる矛盾がいよいよ深刻になっています。その特徴は以下の通りであります。

 ――安倍政権は、大型開発と「規制緩和」を、大都市を中心とした自治体に集中させています。「国際競争力の強化」のためのインフラ整備と称して、関連自治体に、国際港湾の整備、高速・高規格道路へのアクセス道路・関連道路などの負担を強いています。

 ――安倍政権は、住民の福祉と暮らしを破壊し、地域経済の低迷・衰退に拍車をかける政策をすすめています。「地方創生」の名のもとで、いま全国の自治体で、公立病院、学校、保育所、公民館、図書館などすべての公共施設を対象に、統廃合など「集約化」が計画、実施されています。窓口業務や公共施設運営など、公的サービスの民営化と民間委託を自治体に求めています。

 ――2006年3月までに推し進められた「平成の大合併」が地域の衰退をもたらしました。住民と自治体の批判は大きく、さらなる市町村合併をすすめることは難しい状況が続いてきました。そのもとで、公共施設の「集約化」と、自治体間連携による行政サービスの統合をすすめることで、さらなる市町村再編や道州制の導入への道を開こうとしていることは重大であります。

 これらの地方自治体に対する攻撃は、保守層をふくめた批判を広げ、地域再生への共同が広がっています。多くの自治体では、わが党をのぞく「オール与党」となっていますが、要求課題で野党と市民の共闘が議会内外で広がる新しい変化も生まれています。

 地方議会での日本共産党の躍進は、政府による自治体攻撃をはねかえし、福祉と暮らしを守るという地方自治の原点を取り戻し、住民要求実現の最大の保障となるとともに、地域から野党と市民の共闘を発展させるうえでも決定的に重要であります。

統一地方選挙、中間地方選挙の勝利をめざして

 今年4月は、統一地方選挙にむけた折り返し点となります。決議案は、「すべての道府県議会での複数議席実現、議席増への挑戦」、「県議空白の政令市での県議議席獲得」、「政令市の市議空白区の克服」をはじめ、躍進をめざす目標を打ち出しています。積極的な政治目標と候補者の決定を急ぎ、候補者を先頭に攻勢的な取り組みを開始しましょう。

 自治体の合併などもあり、いまでは選挙件数は中間選挙のほうが多くなっています。「地方議員第1党の奪回」は、中間選挙いかんといっても過言ではありません。中間選挙の一つひとつを重視し、得票と議席を増やし、党躍進の流れを広げていきましょう。

 決議案では、党議員空白自治体の克服を特別に強調しています。党議席空白の克服の成否は、党建設の成否と一体であります。党員拡大を根幹にすえた党勢拡大に取り組み、移住も含め早い段階で候補者を決め、開拓者の精神で、計画的・系統的な取り組みをすすめることを、呼びかけるものであります。

 日本共産党の地方議員数は、2000年の第22回党大会時をピークとして、市町村合併の影響を受け、大会ごとに減少してきましたが、第26回党大会期の3年間は2691人から2811人へと、久方ぶりに増勢に転じました(拍手)。全党の力でつくったこの上げ潮の流れを必ず継続、発展させ、「地方議員第1党の奪回」をやりとげようではありませんか。(拍手)

「市民・国民とともにたたかう」選挙、後援会活動の強化について

 決議案第25項は、野党と市民の共闘の発展という新しい情勢にふさわしく、選挙方針を抜本的に発展させることを提起しています。

 決議案は、「市民・国民とともにたたかう」、壮大な選挙戦を発展させることを訴えています。参議院選挙では、無党派や他党支持だった方の中で、日本共産党とその候補者を自発的に応援し、ともに選挙をたたかう動きが、かつてない規模で全国各地に広がりました。ここで培われた新しい信頼と連帯の絆を大切にし、共同の取り組みを発展させます。

 同時に、決議案では、日本共産党後援会活動について、「いまわが党に新しい注目を寄せ、応援しようという人々が、参加しやすい活動へと思い切って改善し、その発展・強化をはかる」ことを呼びかけています。

 この間の選挙戦の特徴は、一人ひとりの国民が、「戦争する国づくりは許せない」「子どもたちに憲法9条を残したい」「原発再稼働を止めたい」など、主権者としての強い思いをもって、主体的に、「自らの選挙」として立ち上がっていることにあります。日本共産党後援会がこうした思いを受け止めて、新しい情勢のもとで、「党と支持者が協力して選挙戦をたたかう基本組織」として発展するよう力をつくそうではありませんか。

 参議院選挙の経験でも、北海道で一番高い18%の得票率を記録した広尾町では、45%の世帯に後援会ニュースを届け、日常的に結びつき、対話しています。県全体で17・4%の得票率を獲得した高知県では、有権者比で7・4%の後援会員を組織しています。日常的にどれだけの後援会員を組織し、季節の行事や「集い」などをともに取り組み、心かよう関係をつくりだしているかどうかが、選挙戦の結果を大きく左右しています。日本共産党後援会活動の抜本的強化を心から訴えるものであります。

第5章(新しい統一戦線を推進する質量ともに強大な党建設を)について

 次に、決議案第5章について報告します。この章は、新しい統一戦線を推進する質量ともに強大な党建設をすすめる方針を提起しています。

第26回党大会後の3年間の党建設の取り組みと教訓、大会の二つの呼びかけ

「党勢拡大大運動」、前大会以降の党勢拡大の到達点

 第26回党大会期の3年間、全党は、各分野での国民運動・市民運動の発展、国政選挙と地方選挙での勝利・躍進をめざす取り組みと一体に、党建設・党勢拡大に、大きな力を注いできました。3回の「躍進月間」「大運動」――党員拡大を根幹にすえた党勢拡大の集中的取り組みをすすめてきました。

 党大会にむけて、全党は、昨年9月の6中総決定が呼びかけた「第27回党大会成功をめざす党勢拡大大運動」に取り組んできました。全党の大奮闘によって、「大運動」の4カ月通算で、昨日までに、新入党員は4100人を超えています(拍手)。福岡県・直鞍地区委員会に続いて、山形県・最北地区委員会が昨日夜に「大運動」目標を達成し、二つの地区委員会が「大運動」目標を達成して大会を迎えています(拍手)。みんなでたたえたいと思います。(拍手)

 「しんぶん赤旗」の読者の拡大は、昨年の9月、10月、11月、12月と4カ月連続で前進し、日刊紙2489人、日曜版1万514人、あわせて1万3003人の増加となりました。宮城県・東部地区委員会、長崎県・五島地区委員会、大分県・南部地区委員会、沖縄県・北部地区委員会、沖縄県・八重山群委員会の五つの地区・群委員会が、日刊紙、日曜版とも、そして富山県と23の地区委員会がそのいずれかで、前大会水準を回復・突破して大会を迎えています。(拍手)

 第26回党大会期の3年間の新入党員は2万3千人、44・2%の支部が新しい党員を迎えています。党勢の現状は、党員現勢で約30万人、「しんぶん赤旗」の読者は、日刊紙、日曜版読者をあわせて約113万人であります。

 私は、この間、一人ひとりのかけがえのない人生を党とともに歩む決意をされた新入党員のみなさんに心からの祝福と歓迎のメッセージを送ります。(拍手)

 党建設の仕事は、社会変革の主体を大きくするロマンある活動であるとともに、大きな苦労をともなう活動であります。粘り強く、不屈に、党建設の仕事をすすめてきた全党のみなさんの努力に、私は、心からの敬意と感謝を申し上げるものです。(拍手)

「党勢倍加、世代的継承」に挑戦する実践を通じての教訓

 この3年間、「党勢倍加、世代的継承」の「二大目標」に挑戦する実践を通じて、今後に生きる教訓が浮き彫りになっています。

 第一は、たたかいと一体に党勢拡大が前進していることです。この3年間、わが党は、安保法制=戦争法廃止のたたかい、暮らしの問題、原発の問題、基地問題、憲法問題など、あらゆる分野での国民運動、市民運動に参加し、その発展のために力をつくしてきました。そのなかで、ともにたたかってきた人々のなかから新しい党員を迎え、党に新鮮な息吹と活力が生まれているのは、たいへんうれしいことであります。「しんぶん赤旗」は、“タブーなく真実を伝える国民共同の新聞”として新たな注目と関心が広がり、新しく購読する人が増えています。一昨年の安保法制=戦争法の強行以後、党中央にだけでも、1500人を超える「赤旗」申し込みが寄せられています。

 第二は、日本共産党綱領が党建設でも生きた力を発揮していることです。野党と市民の共闘に取り組むなかで、綱領に対するかつてない注目と関心が寄せられています。「綱領を語り、日本の前途(未来)を語り合う集い」が、各地で無数に開かれ、大きな力を発揮しています。綱領パンフレット・『JCPマニフェスト』がどこでも話題になり、「規約通りの党員拡大」が強められています。綱領全文の通読を新入党員教育の基本としたことが、教育をする側も、受ける側も、大きな力となっています。「綱領・古典の連続教室」に取り組む支部が広がり、「どんな情勢のもとでも将来を展望して頑張れる」など、大きな力を発揮しています。2004年の第23回党大会で綱領を決定してから13年になりますが、いま綱領が多くの国民の気持ちと響きあい、日本の政治を動かす時代がやってきています。「綱領の力」に深い確信をもってすすもうではありませんか。(拍手)

 第三は、党員拡大を根幹にすえることが党活動の総合的発展の原動力になっていることです。党員拡大を根幹に据え、一貫して追求している地区や支部は、例外なく、「支部が主役」の党活動が総合的に前進しています。党組織が活性化し、要求実現の運動、宣伝活動、選挙活動、機関紙活動など、さまざまな党活動の前進が始まっています。

 入党の働きかけのさいに、党の側が一方的に話すのでなく、相手を、政治を変える主役としてリスペクト(尊敬)し、その思いをよく聞くことが、党員拡大をすすめる力になり、すぐ結果に結びつかなくても党への信頼と絆を高めることになる――これは、この間の実践でえられた大切な教訓であります。相手をリスペクトし、その思いをよく聞き、思いにかみあわせて応答し、力をあわせてともに前進する。私たちがこうしたリスペクトの姿勢を貫くことは、野党と市民の共闘を発展させるうえでも、また党機関と党支部との関係、党支部と党員との関係、そして党と国民との関係を豊かに発展させるうえでも、今日の情勢のもとで、党のあらゆる活動の発展にとって重要となっていることを強調したいと思います。“リスペクト運動”大いにやろうではありませんか。

党勢拡大を持続的な上げ潮の軌道に――大会の二つの呼びかけ

 この間の党勢拡大の到達点、教訓を踏まえ、第27回党大会として、全党の同志のみなさんに次の二つの呼びかけをおこないます。

 第一は、「第27回党大会成功をめざす党勢拡大大運動」の目標総達成のために、最後まで力をつくすことであります。「大運動」の期日は1月末までです。延長は考えていません。党員拡大、読者拡大の党大会時の到達は、1月末時点の到達が記録されます。みんなで荷を背負えば荷は軽いし、みんなが立ち上がれば一挙に目標達成はできます。この党大会に呼応し、党大会を一大跳躍台として、目標総達成に正面から挑戦しようではありませんか。(拍手)

 第二は、「大運動」で開始された党勢拡大の前進の流れを、絶対に中断、後退させることなく、2月以降も持続的に発展させることであります。私たちが、「大運動」を通じて一貫して重視してきたことは、一つひとつの支部が、「大運動」を「私たちの支部の『大運動』」として自覚的に取り組むようにしようということでした。この点で、9割以上の支部が党大会決議案を討議し、約6割の支部が「大運動」で足を踏み出し、成果をあげていることは、たいへん重要な到達であります。全党が苦労に苦労をかさねてつくりあげてきた党勢拡大の前進の流れを、2月以降も持続的に発展させ、上げ潮の軌道にのせるために、あらゆる知恵と力をつくすことを、私は、心から訴えるものであります。(拍手)

「いまなぜ党建設か」――「日本の政治の新しい時代」を前にすすめる党を

 決議案第27項は、いまなぜ党建設か、その歴史的意義について、次の三つの角度から訴えています。

 第一に、始まった野党と市民の共闘――新しい統一戦線を前進させ、野党連合政権をつくる力となる。

 第二に、日本共産党の“第3の躍進”を持続・発展させるうえでも、党建設の上げ潮をつくりだすことが、どうしても必要である。

 第三に、21世紀の先ざきまで日本の社会変革を促進する党をつくるという点でも、いま党勢拡大を成功させ、とくに世代的継承をはかることは死活的課題である。

 決議案のこの訴えは、全党討論でたいへん積極的に受け止められています。党勢拡大が「重い」課題でなく、「ワクワクする」――胸おどる課題としてとらえられ、新鮮な意欲をもった挑戦が始まっています。

 中央委員会報告では、この3点と合わせて、「日本の政治の新しい時代」を前にすすめる力量をもった党をつくろうということを訴えたいと思います。

 総選挙をたたかう基本姿勢として「二つの一体的追求」を揺るがずつらぬくということを提起しました。これは当面する総選挙だけでなく、今後の国政選挙でわが党に求められる基本姿勢となります。そして、「二つの一体的追求」をつらぬくためには、わが党の力量を、政治的にも組織的にも、飛躍的に大きくすることが必要となります。

 「野党共闘の勝利と日本共産党躍進の一体的追求」という点では、これまでの国政選挙では、わが党は、日本共産党の躍進だけを目標にたたかってきました。ところが、今後は、それではすみません。一方で、野党と市民の共闘を前進させるために、その責任をはたす。同時に、党躍進のための独自の仕事をやりぬく。同時に二つの仕事に取り組むことが求められる新しい時代に入っているのであります。そのためには、強く大きな党が必要であることは、参議院選挙でも痛感したことでした。同時に、私たちが野党共闘という新しい方針に踏み込むなかで、多くの方々との新しい連帯と信頼の絆が広がり、党建設の条件と可能性が飛躍的に拡大していることも実感したことでした。

 「『比例を軸』にした党躍進と小選挙区必勝区での勝利の一体的追求」という点でも、わが党の力量の飛躍的強化が必要となっています。これまでの衆議院選挙では、わが党は、比例代表を中心にたたかい、小選挙区はごく一部の選挙区を除いて、勝敗を争う水準のたたかいにはなりませんでした。ところが、今後は、それではすみません。「比例を軸に」をつらぬきながら、小選挙区でも勝敗を争うたたかいに挑むことが求められる新しい時代に入っているのであります。有権者の過半数の獲得をめざす選挙で本気で勝ち抜こうとすれば、それを支える分厚い党組織をつくることがどうしても必要であります。

 いま私たちが、草の根で国民としっかりと結びついた強く大きな党をつくることは、自公とその補完勢力と、野党と市民の共闘が、正面からぶつかり合う、「日本の政治の新しい時代」を前にすすめ、野党連合政権をつくるうえで、わが党に求められている歴史的責務であります。そのことを胸に刻み、大志とロマンをもって、党建設、党勢拡大でも躍進をかちとろうではありませんか。(拍手)

「楽しく元気の出る支部会議」を、全党に定着させよう

 決議案第28項では、「どうやって党建設を本格的な前進に転ずるか」と問いかけ、「その大きなカギの一つとなるのは、支部を直接指導、援助する地区委員会の活動の強化にある」として、全国のすすんだ地区委員会から中央として学んだ「四つの教訓」を明らかにしています。全党討論では、「『四つの教訓』を学び、党建設に取り組む姿勢の違いに気づかされた」など、この教訓を自らの活動に引き寄せて自己点検する議論がおこなわれ、活動の強化にむけた意欲的な挑戦が始まっています。

 中央委員会報告では、これにくわえて、「楽しく元気の出る支部会議」を、全党に定着させよう、ということを呼びかけたいと思います。

 この間の活動のなかで、短期間で党勢倍加を達成する――“倍加ペース”で持続的に党勢を前進させている支部が各地に生まれています。中央として、そうした支部の実情を聞いてみますと、共通して、「政策と計画」をもち、支部会議を定期に開催し、みんなが参加するようにし、「楽しく元気の出る支部会議」とする努力がされています。

 次のような支部会議にするための努力が共通しています。

 一つは、「楽しく、温かい支部会議」です。参加していて楽しく、終わったらみんなが元気が出て、次の会議が待ち遠しくなる、温かい人間的連帯の場にする努力がはらわれています。一人ひとりの党員の要求を大切にし、悩みにこたえ、何でも話し合え、お互いをよく知り、励まし助け合う関係をつくっています。

 二つは、「みんなが発言し、決定で団結する支部会議」です。政治問題で認識を一致させ、意思統一することは、支部会議の中心です。そのさい、疑問や意見を自由に出し合い、よく討議して、最後は決定で団結する、そういう気風をつくりあげています。

 三つは、「みんなが学び、みんなが成長できる支部会議」です。会議の半分以上を学習にあてるなど、学習を系統的に続けることで、「知る喜び」が得られ、みんなが党員としての成長を実感できるように努力しています。「綱領・古典の連続教室」に半年がかり、1年がかりで取り組むなど、綱領と科学的社会主義の力で、未来への展望をもって頑張る土台を築いています。

 四つは、「結びついている友人・知人の願いを語り、出し合う支部会議」です。支部のまわりの人たちの願いや要求を大切にして、その解決のためにどういう活動をすすめるかを話し合っています。党員自身のつながり、結びつきを気軽に出し合い、「結びつき・対象者名簿」などをつくり、どう相談相手になるか、どう働きかけるかなどを議論し、支部活動が豊かに広がっています。

 こうした教訓を全党のものとし、すべての支部が支部会議を定例化し、党規約に明記されているように「原則として週一回定期的にひらく」(第40条3項)ために努力しようではありませんか。

 そのさい、党員の生活サイクルにあわせ、必要な場合には昼班、夜班にわけて会議を開催するなど、みんなが会議に参加できるようにする努力が大切です。また、会議に参加できなかった同志にも支部ニュースを届け、会議の中身を知らせるなど、心がかよう連絡・連帯網をつくりあげることが大切であります。

 「楽しく元気の出る支部会議」を全党に定着させ、支部会議を新しい活動に踏み出していくうえでの活力の源となるよう、知恵と力をつくそうではありませんか。

 「どうやって党建設を本格的な前進の軌道にのせるか」。これは、ぜひこの党大会での全党のみなさんの討論によって深めていただきたいと思います。決議案では、地区委員会の活動に光をあてて「四つの教訓」をのべました。中央委員会報告では、「楽しく元気の出る支部会議」ということを提案しました。この両方の力で、党建設が新しい前進の軌道にのるように、探究と開拓をすすめたいと考えます。

労働者階級、若い世代のなかでの党づくり――全党あげて挑戦しよう

 決議案第29項は、労働者階級、若い世代のなかの党づくりに、全党あげて挑戦することを呼びかけています。

6000万人の労働者のなかに党を――「共同の事業」が開始されている

 「6000万人の労働者階級のなかに強く大きな党をつくる仕事を、職場支部と全党の共同の事業として取り組もう」という決議案の提起は、職場支部にも、地域支部にも、新鮮に受け止められ、新たな意欲を引き出し、実践が始まっています。

 関西のある職場支部では、「綱領実現の立場で考えたら、本来6000万人労働者階級全体を視野に活動するのは当然だ。情勢の激変のもと、組合の結びつきだけでなく、職場の全労働者を視野に入れて入党を働きかけよう」と議論し、参院選で所属労組の違いを超えて、支持拡大に協力してくれた職場の労働者5人に働きかけたところ2人が入党、5人全員が日刊紙を購読しました。2人の入党が大きな喜びとなり、入党歓迎会には全党員が参加したとのことです。

 東北地方のある地区委員会では、地域支部の「集い」参加者などに入党を働きかけ、医療労働者3人を党に迎えました。このうち2人は、地域最大の公立病院で働いており、活動から離れていた党員も含め4人で党支部を再建しました。新支部長は、地区党会議で、「機関の援助と地域支部、職場支部の結びつきを生かせば、党員拡大の可能性は大きく広がっている。生まれたばかりの支部だが、要求にこたえた活動に取り組み、大きな党をつくりたい」と決意を語っています。

 非正規雇用労働者が急増し、労働組合に未加入の労働者が多数をしめるもとで、党機関がイニシアチブを発揮して、日本共産党労働者後援会を、職場とともに、分野別にも、地域にもつくり、労働者の要求にこたえた活動に取り組み、ともに学び、さまざまな交流と連帯の活動に取り組むことを、特別に重視します。「良い仕事がしたい」などの労働者の願いにこたえたサークル活動に取り組むことも大切であります。

 「6000万人の労働者階級のなかに強く大きな党をつくる」ことは、開始された「日本の政治の新しい時代」を前にすすめる力になるとともに、人間らしい雇用が大本から破壊されている現状のもと、労働者・国民の切実な願いにこたえる取り組みであります。あらゆる労働者を視野に入れて働きかけ、党に結集する仕事を、職場支部と全党の「共同の事業」として必ず成功させようではありませんか。

若い世代のなかに党を――双方向の精神で開始された探究を本格的な流れに

 決議案が呼びかけた、若い世代のなかでの「三つの柱」での取り組み――(1)「どの支部にでもできる世代的継承」、(2)「民青同盟への親身な援助を強め、同盟員を増やし、民青班をつくる」、(3)「全党のあらゆる力、結びつきを生かして、学生党員を迎え、学園に党支部をつくる」――の提起が、全党で歓迎され、探究と開拓が始まっています。

 福島県では、県・地区、市委員会などが、民青同盟と懇談すると、「地域に行けば行くほど、前進の条件が見えてくる」となりました。“わが地域の民青”に光があたり、若い世代のエネルギーと可能性が発見され、党も民青も元気になっています。「市議の活動地域ごとに民青班をつくろう」、「高校生班をつくるため、高校門前宣伝を市委員会と民青で具体化しよう」などの動きがつぎつぎにおこり、ワカサギ釣りや交流会などを、党も民青も楽しく取り組み、党の全地区委員会が新しい民青同盟員を迎え、新しい地域班もつくりました。このような活動は、その気になれば、全国どの県委員会でもできると思います。

 決議案は、「若い世代の声をよく聞き、ともに考え、心を通わせ、日本の前途を考えるという双方向の取り組み」を強調しています。いま自らの切実な願いの解決の道を模索し、声をあげはじめている青年・学生に対して、綱領を土台に、双方向の精神で働きかければ、大きな変化が必ず生まれます。

 「三つの柱」の取り組みを、全党が本格的に実践し、若い世代のなかでの党づくりを何としても新たな前進の軌道にのせようではありませんか。

 決議案は、「世代的継承」の事業を成功させることの死活的意義を次のように訴えています。

 「私たちは、当面の諸課題の遂行に責任を負うとともに、党綱領の実現――国民多数の合意のもとに民主連合政府の樹立と日本における民主主義革命の実現、さらに社会主義・共産主義社会への前進をめざして、未来にわたって責任を果たさなければならない。そのためには、広大な空白となっている若い世代、6000万人の労働者階級のなかに、党をつくる仕事を何としてもやりとげ、未来の世代に強大な党をしっかりと引き渡さなければならない。現在の党の年齢構成を考えるならば、いま、この仕事をやりあげることは、現在の党員と党組織の共通の責任である」。

 全党の同志のみなさん。

 日本共産党は、現在とともに未来にわたって日本の社会変革に責任を負う党であります。未来の世代に強大な党をしっかり引き渡すために、「世代的継承」の仕事を、全党の総力を結集して必ず成功させようではありませんか。(拍手)

第6章(95年の歴史に立ち、党創立100周年を展望する)について

 決議案の最後の章――第6章は、日本共産党の95年の歴史を概括し、「歴史が決着をつけた三つのたたかい」についてのべるとともに、党創立100周年をめざして、野党連合政権に挑戦する決意を表明しています。

 全党討論では、この章を、多くの党員のみなさんが、自らの党員としての人生を重ね合わせて受け止め、強い感動と共感の声が寄せられました。

 中央委員会報告で強調したいのは、わが党の95年の党史で、「歴史が決着をつけた三つのたたかい」は、現在と未来に生きる大きな財産をつくったということであります。

戦前のたたかいがつくった財産――日本国民全体の財産、日本国憲法に実を結ぶ

 戦前の天皇制の専制政治・暗黒政治とのたたかいがつくった財産は何か。

 わが党が、この間の野党外交のなかで実感してきたのは、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた歴史が、アジアをはじめとする世界の国ぐにとの交流のなかで、わが党への強い信頼と友好の土台となったことでした。戦前の党の歴史を語るといっぺんに心が通いあう。私たちは、アジアの国ぐにとの外交で、こうした体験を何度もしたものでした。

 この歴史は、一人わが党だけの財産ではありません。2007年、暗黒政治による弾圧に抗して不屈に反戦平和を貫いた宮本顕治元議長が死去したさい、評論家の加藤周一氏は、「宮本さんは反戦によって日本人の名誉を救った」という談話を寄せてくださいました。この時期の党のたたかいは、一人日本共産党だけのものでなくて、日本国民全体の財産と言ってもよいのではないでしょうか。(拍手)

 そして、この時期の党のたたかいは、「政府の行為」によって戦争を引き起こしたことへの反省とともに、国民主権の原則を明記した日本国憲法に実を結びました。これこそ私たちが手にした最大の財産であります。日本国憲法は、現在と未来の日本の進路を照らす羅針盤として、いまを生きる私たちのたたかいのよりどころとなっています。

覇権主義とのたたかいがつくった財産――自主独立の路線、新しい党綱領

 戦後の旧ソ連などによる覇権主義とのたたかいがつくった財産は何か。

 何よりも、自主独立の路線――自らの国の革命運動の進路は自らの頭で決める、どんな大国でも干渉や覇権は許さないという路線であります。この路線は、21世紀の世界において大きな生命力を発揮しています。

 決議案は、アメリカの軍事的覇権主義の大破たんを批判するとともに、中国における新しい大国主義・覇権主義のあらわれを厳しく指摘し、ロシアにおけるスターリン時代の覇権主義復活に厳しく反対し、国際政治から大国主義・覇権主義を一掃する決意をのべています。ここには党史の生命力が発揮されているということを、私は、強調したいと思うのであります。(拍手)

 日本共産党は、自主独立の路線を土台にして、1961年、綱領路線を確定しました。さらに、わが党は、覇権主義の巨悪とのたたかいを通じて、政治的に鍛えられるとともに理論的にも発展をかちとりました。その成果は、2004年に決定した新しい党綱領に全面的に盛り込まれました。綱領は、「日本の政治の新しい時代」において、情勢といよいよ響き合い、大きな生命力を発揮しています。

「日本共産党を除く」体制とのたたかい――野党と市民の共闘に実を結ぶ

 「日本共産党を除く」という「オール与党」体制とのたたかいがつくったものは何か。

 2015年に開始された野党と市民の共闘こそ、三十数年にわたる日本共産党排除の「壁」と私たちが不屈にたたかい、苦闘の末に、ついにこの「壁」を取り払ったもとで、つくりだされた流れにほかなりません。

 この共闘の流れは、2016年の参議院選挙、新潟県知事選挙などで、最初の重要な成果をあげ、日本の政治の未来をひらく大きな希望となっています。私たちは、いま、野党と市民の共闘によって、日本の政治を変えるという、かつて体験したことのない未踏の領域に足を踏み入れつつあります。

 決議案は、次のように呼びかけています。

 「95年のたたかいを経てつかんだ成果、切り開いた到達点に立って、開始された新しい統一戦線を発展させ、安倍政権を倒し、野党連合政権に挑戦しよう」。

 全党の同志のみなさん。

 私たちの95年のたたかいは、現在と未来に生きる多くの「成果」をつくりました。多くの先人たちの苦闘がつくりだした誇りある「到達点」に立ち、党創立100周年をめざし、力あわせ未来をひらこうではありませんか。(大きな拍手)

 以上をもって、中央委員会を代表しての報告を終わります。(長く続く大きな拍手)

 (c)日本共産党中央委員会