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第5回中央委員会総会 志位委員長の幹部会報告

第5回中央委員会総会

志位委員長の幹部会報告

2012年10月14日


写真

(写真)報告をする志位和夫委員長=14日、党本部

 参加されたみなさん、インターネット中継をご覧の全国のみなさん、おはようございます。私は、幹部会を代表して、第5回中央委員会総会への報告をおこないます。

 5中総の任務は、来るべき解散・総選挙にむけて、現在の政治情勢と党の値打ち、総選挙にむけた政治的対決の焦点を明らかにし、日本共産党の躍進のための活動方針を提起することにあります。

 日本共産党は、民主党・野田政権に対して、すみやかな解散・総選挙によって国民の審判を仰ぐことを強く求めてたたかいます。同時に、解散の時期は、年内の可能性から、年明け以降の可能性まで、流動的な状況です。このきわめて重要な時期に、わが党は、いつ解散・総選挙となっても、必ず躍進をかちとれるよう、政治的・組織的高揚をつくりだすために、全力をあげるものです。

1、現在の政治情勢をどうとらえ、日本共産党の値打ちをどう語るか

 報告の第一の主題として、現在の政治情勢をどうとらえ、日本共産党の値打ちをどう語るかについてのべます。

「二大政党づくり」の破たんのもとで、二つの流れの対決が

 4中総決定は、野田政権のもとで民主・自民・公明の3党体制――事実上の「オール与党」体制がつくられるなかで、「二大政党づくり」という反動的戦略が破たんに直面し、日本の政治が「大きな歴史的岐路にたっている」と指摘しました。

 それから10カ月。大きな二つの流れの対決の構図が浮き彫りになってきました。一つは、政治の閉塞(へいそく)を反動的に打開しようとする、反動的逆流が台頭してきたことです。いま一つは、新しい政治を求める国民のたたかいが各分野で歴史的高揚をみせ、そのなかで日本共産党が重要な役割を発揮していることです。

反動的逆流の台頭――危険を直視しつつ恐れず立ち向かう

民主、自民、「維新」が競いあい、相呼応して、反動的逆流をつくりだしている

 まず反動的逆流の台頭についてのべます。三つの要素が競いあい、相呼応しながら、反動的逆流をつくりだしています。

 第一は、民主党の自民党化が完成したことです。「政権交代」から3年。民主党が3年前の総選挙で掲げた、国民要求を部分的にせよ反映した公約は、すべて投げ捨てられました。民主党政権は、財界いいなりに、公約を踏みにじって、消費税大増税と社会保障大改悪計画を、「民自公」の3党談合で強行しました。原発再稼働を強行し、原発固執政策を続けています。アメリカいいなりに、普天間基地の「辺野古移設」、オスプレイ(垂直離着陸機)の配備、TPP(環太平洋連携協定)参加への暴走を続けています。「動的防衛協力」の名のもとに、米軍と自衛隊の軍事一体化をすすめ、集団的自衛権行使にむけて憲法解釈の「見直しを検討する」としています。民主党内でも「自民党野田派」という言葉が使われ、「いつの間にか自民党よりも自民党らしくなってしまった」という嘆きの声が語られるほど、その政治的堕落はいちじるしいものがあります。

 第二は、自民党のいっそうの反動化がすすんだことです。自民党総裁選挙では、自民党内でも最も右翼的反動的立場を鮮明にしている安倍晋三氏が新総裁に選出されました。安倍新総裁は、集団的自衛権行使と憲法9条改定など、「海外で戦争をする国づくり」の推進を公然と主張しています。破たんした弱肉強食の「構造改革」路線をすすめることを宣言しています。さらに、靖国神社への参拝、「村山談話」と「河野談話」の見直しを公言するなど、破たんした「靖国」派の路線を再び国政に持ち込もうとしています。民主党の自民党化のもとで、自民党が、民主党との「違い」を出すために、いっそうの反動化路線に突き進むという、きわめて危険な状況が生まれています。

 第三に、「日本維新の会」が、反動的逆流の「突撃隊」となっていることです。橋下「維新の会」は、「政権交代」への失望感、政治への閉塞感につけこむ形で国政進出を狙っています。この動きは、二つの反動的・反国民的な特徴を持っています。一つは、古い政治をより強権的にすすめるということです。「維新八策」の中身は、小泉「構造改革」をより極端にした弱肉強食の新自由主義の経済政策であり、憲法改悪を志向しながら、日米軍事同盟強化とTPP参加を推進するという、アメリカいいなり政治にほかなりません。いま一つは、すべての大阪市職員を対象とした「思想調査」に象徴されるように、民主主義を窒息させる恐怖政治と独裁政治、ファシズムにつながる特別の危険を持っているということです。「維新の会」は、すでに大阪でそれを実行に移し、全国に押し広げようとしています。彼らは、歴史に逆行する主張を声高に唱えることによって、日本の政界全体を反動的に再編成する「突撃隊」としての役割を担っています。

この逆流に未来はない――行き詰まった「二つの害悪」が共通の基盤

 これらの反動的逆流の台頭の危険性は、もとより重大であります。弱肉強食の「構造改革」路線の復活・強化、集団的自衛権行使と憲法改定、さらに「靖国」派の路線の国政への持ち込みなど、歴史に逆行する暗雲が日本の政治を覆う危険をいささかも軽視することはできません。

 同時に、これを恐れないことが重要であります。何よりも、この逆流は、3年前、国民が「ノー」の審判をくだした古い政治を、何の反省もなく、より乱暴に、国民に押し付けようというものでしかありません。それは「政治を変えたい」という多くの国民の願いに、真っ向から背くものではありませんか。

 さらに、この逆流は、日本がいま、解決を迫られている問題に対して、何一つ展望を示すことができません。社会保障と財政危機をどうするか、長期にわたる日本経済の低迷をどう打開するか、原発・エネルギー問題をどうするか、日本外交の行き詰まりの打開をどうはかるかなど、日本が直面する問題について、反動勢力なりの「展望」や「戦略」も示すことができません。その根底には、これらの反動的逆流が、共通の基盤としている古い政治――「アメリカいいなり」「財界中心」という「二つの害悪」を特徴とする政治が、深刻な危機と行き詰まりに突き当たっているという大問題があります。

 この逆流に未来はありません。日本共産党は、この逆流に恐れず正面から立ち向かい、「政治を変えたい」と願う国民とともにそれを打ち破り、日本の明るい前途を切り開くために全力をあげる決意を表明するものです。

各分野の国民運動の歴史的な高揚――日本共産党が重要な役割を発揮

「一点共闘」が空前の規模で広がり、世論と政治を動かす力を発揮している

 もう一つの流れは、各分野の国民運動の歴史的高揚であります。

 民主党政権が、国民の期待と公約を裏切る政治を、自民・公明両党とともに強行するもとで、国民の怒りがあらゆる分野で高まり、新しい政治を求める国民のたたかいが各分野で歴史的高揚をみせています。

 消費税増税反対、原発ゼロ、TPP参加阻止、オスプレイ配備反対など、国政の中心問題で、「一点共闘」が空前の規模で広がり、世論を変え、政治を動かす力を発揮しています。あらゆる国民のたたかいを、全国に草の根の組織を持つ日本共産党と自覚的民主勢力が支え、信頼を高めています。

国民運動の高揚のなかで、注目すべき三つの特徴が

 国民運動の高揚のなかで、注目すべき特徴があらわれています。

 一つは、これまでにない広範な人々が、閉塞状況を自らの力で打破しようと自覚的に立ち上がっていることです。広大な無党派の人々や、これまで政治とは距離があった広範な人々が、行動に立ち上がっています。「ただちに原発なくせ」「再稼働反対」を掲げた毎週金曜日の首相官邸前行動と、この動きの全国約100カ所への広がりなど、幅広い市民が街頭に出て声をあげていることは、日本の政治を変える歴史的出来事であります。また、TPP参加反対、消費税増税反対などで、従来の保守といわれてきた人々との共同が空前の規模で広がっています。さらに、オスプレイ配備反対を掲げた沖縄10万人集会、TPP参加反対の「オール北海道」の動きなど、自治体ぐるみのたたかいがさまざまな課題で広がっています。

 二つは、どの問題でも国民運動が掲げている旗が、国民多数の声に発展しつつあることです。消費税問題では、巨大メディアあげての大キャンペーンのもとでも、国民の多数が消費税増税に反対という状況は、増税法案強行後も揺るぎがありません。原発問題では、政府自身が、「過半の国民が原発に依存しない社会の実現を望んでいる」と認めざるをえなくなるなどの、国民世論の大きな変化が起こっています。TPP問題でも、「TPPに参加すれば農業や日本経済に悪影響が出る」ことが国民多数の認識となり、参加の賛否も相半ばで拮抗(きっこう)するところまで国民世論が変わってきています。オスプレイ配備に対しては、島ぐるみで反対している沖縄はもとより、日本国民全体を対象とした世論調査でも反対が6~7割と圧倒的多数となっています。これらの悪政を強行している諸勢力は、国会では多数でも、国民の中では少数となり孤立を深めているのであります。国民のたたかいが世論を変え、国民多数の声となっていることに、大いに確信を持とうではありませんか。

 三つは、問題の根本にある日本の政治の「二つの害悪」に怒りの矛先がむけられつつあることです。それぞれのたたかいを通じて、「アメリカいいなり」「財界中心」の政治が、国民の願いを実現するうえで最大の障害になっているという自覚が広がっています。「原発ゼロ」を求める運動の障害が、アメリカと財界にあることが明瞭になるもとで、首相官邸前の抗議行動が、日本経団連前の抗議行動に広がっています。オスプレイ配備反対のたたかいのなかで、沖縄では、「日米安保条約が問われている」「安保をもっと知らなければ」という声が、広範な人々のなかで広がっています。

日本共産党と「しんぶん赤旗」への新たな信頼と共感が広がる

 日本共産党と「しんぶん赤旗」は、広大な国民的共同のうねりのなかで、それぞれの一致点を大切にして、運動の発展に誠実に力をつくすという姿勢を貫いてきました。同時に、たたかいの「大義」を明らかにし、その「展望」を指し示し、「草の根」からそれを支えて奮闘してきました。あらゆる「一点共闘」に参加し、それぞれの「一点共闘」が互いに連帯を強め、日本を変える統一戦線に発展していくよう、力をつくしてきました。こうした姿勢が、新たな信頼と共感を広げています。

 原子力規制委員会の記者会見からの「しんぶん赤旗」排除問題は、国民運動における「赤旗」の役割を浮き彫りにするものとなりました。多くの市民が「これは『赤旗』だけの問題ではない。国民の知る権利にかかわる大問題だ」と批判の声をあげるもとで、原子力規制庁はついに「赤旗」排除方針を撤回し、会見参加を認めざるをえなくなりました。これは、国民共同の新聞としての「赤旗」への信頼と共感がかつてなく広がっていることを象徴的に示す出来事となりました。

 保守をふくむ無党派の人々と日本共産党との共同をさらに広げ、強めることこそ、日本の未来を開く最大の力であります。この力が現実の政治を動かしていることに確信を持って、国民運動の発展のためにさらに奮闘しようではありませんか。

領土に関する紛争問題と日本共産党の立場

 この間、尖閣諸島(中国名・釣魚島)、竹島(韓国名・独島)をめぐって、日中、日韓の緊張と対立が深刻となっています。

尖閣諸島問題――冷静な外交交渉による解決を

 まず尖閣諸島問題について報告します。

 私は、9月20日、「外交交渉による尖閣諸島問題の解決を」と題する「提言」を発表し、日本政府および中国大使館に、わが党の立場を提起しました。

 「提言」では、尖閣諸島について、日本の領有は歴史的にも国際法上も正当であるとの見解を表明したうえで、日本政府の対応として、つぎの二つの問題点があることを指摘しました。第一は、1972年の日中国交正常化、78年の日中平和友好条約締結のさいに、尖閣諸島の領有問題を事実上「棚上げ」にするというだらしない外交態度をとったことです。第二は、にもかかわらず、その後、「領土問題は存在しない」という立場をとり、それに拘束されて日本の領有の正当性を理を尽くして主張することができず、中国側の主張にも反論できないという自縄自縛(じじょうじばく)に陥(おちい)っていることです。

 こうした問題点を踏まえて、「提言」では、「尖閣諸島の問題を解決するためには、『領土問題は存在しない』という立場をあらため、領土に関わる紛争問題が存在することを正面から認め、冷静で理性的な外交交渉によって、日本の領有の正当性を堂々と主張し、解決をはかるという立場に立つべきである」と提案しました。これは日本政府に、この問題での「外交不在」から「外交攻勢」に転ずることを求めたものです。私たちは、この方向にこそ、問題解決の唯一の道があると確信するものであります。

 さらに、「提言」では、物理的対応の強化や軍事的対応論を、日中双方がきびしく自制すべきであることを強調しています。日本では、尖閣問題を利用して、軍事力強化、軍事同盟強化をあおる論調が起こっていますが、これは冷静な外交的解決に逆行する危険な主張であり、きびしく戒める必要があります。同時に、中国側にも、監視船による繰り返しの日本の領海内の航行など、冷静な外交的解決に逆行する動きがあることについて、わが党は先方に率直に指摘し、その自制を求めてきました。

 日本政府のだらしない外交態度の根本には何があるのか。そこには、過去の侵略戦争への根本的反省を欠いているという問題が横たわっています。そのために、日本政府は、台湾と澎湖(ほうこ)列島は日清戦争で不当に強奪したものであるのに対して、尖閣諸島は正当な手続きで領有したものであるという歴史認識上の区別ができず、「日清戦争に乗じて盗み取った」という中国側の非難に対して、有効な反論ができないでいるのです。

 わが党の「提言」に対しては、立場の違いを超えて、共感と賛同の声が広がっています。日本共産党は、この方向で事態の打開がはかられるよう、今後もあらゆる努力をはらうものであります。

竹島問題――どうやって冷静な話し合いのテーブルをつくるか

 つぎに竹島問題について報告します。

 日本共産党は、竹島は、歴史的にも国際法的にも、日本の領土であるという見解を発表しています。同時に、この島を日本に編入した1905年という時期は、日本による韓国の植民地化の時期と重なっているという問題があります。日本は、1904年に「日韓議定書」、「第1次日韓協約」を強制して、韓国の外交権を事実上奪っており、かりに韓国が日本の竹島領有に異議を持っていたとしても実際上異議を唱えることはできなかったのは事実であります。

 そうした歴史的事情を考えるならば、日本が過去の植民地支配に対する根本的反省と清算をおこなうことが、この問題での冷静な話し合いのテーブルをつくるうえで不可欠になってきます。とりわけ、1910年の韓国併合について、不法・不当なものだったということを認めること、日本軍「慰安婦」問題などの植民地犯罪について謝罪と賠償をおこなうことが必要であります。そうした立場のうえに、両国で歴史的事実をつきあわせた共同研究をおこない、解決への道を開くことを提唱するものです。

侵略戦争と植民地支配の真剣な反省を土台においてこそ解決の道が開かれる

 二つの領土に関する紛争問題は、それぞれ性格を異にしますし、解決の方法もそれぞれですが、日本側の姿勢として、過去の侵略戦争と植民地支配への真剣な反省を土台においてこそ、どちらの問題についても道理ある解決の道が開かれることを、私は、強調したいと思います。

 そして、日本共産党の提案は、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた歴史をもつ党ならではの提案であります。このことへの誇りとともに責任を自覚して、冷静な外交交渉による解決のためにあらゆる知恵と力をつくす決意であります。

総選挙で日本共産党の値打ちをどう語るか

 こうした政治情勢のもとでたたかわれる、来るべき総選挙で、日本共産党の値打ちをどう語るか。わが党は、つぎの諸点を重視してたたかいます。

あらゆる分野で日本改革のビジョンを示し行動する党

 第一は、「あらゆる分野で日本改革のビジョンを示し行動する党」ということであります。日本共産党は、国民の利益に反する政治と正面から対決するとともに、どの問題でも、「二つの害悪」を断ち切り、「国民が主人公」の新しい日本をつくる、日本改革のビジョンを示し、その実現のために行動する党であります。

 4中総以降、日本共産党は、一連の政策提言を発表してきました。2月7日には「経済提言」――「消費税大増税ストップ! 社会保障充実、財政危機打開へ」を発表しました。5月12日には「外交ビジョン」――「日米安保条約をなくしたらどういう展望が開かれるか」を提唱しました。9月20日には尖閣問題での「提言」――「外交交渉による尖閣諸島問題の解決を」を明らかにしました。9月25日には「『即時原発ゼロ』の実現を――日本共産党の提言」を発表しました。国政のあらゆる熱い焦点の問題で、反対だけでなく、別の道を示し、打開の展望を語ることのできる政党が日本共産党であります。その意味でいつでも政権を担える党が日本共産党であります。

 わが党が、こうした改革ビジョンを示せるのは、日本の未来を開く綱領をもつ唯一の党であるからです。そのことは、他党が、政党にとって“命”ともいうべき綱領を持たず、あるいは軽く、粗末にあつかっていることと対比しても、きわだっています。

反動的逆流を許さない最大のよりどころとなる党

 第二は、「反動的逆流を許さない最大のよりどころとなる党」ということであります。民主党の自民党化が完成し、自民党のいっそうの反動化がすすみ、「維新の会」が逆流の「突撃隊」の役割を果たす――こうした動きに正面から立ち向かい、それを許さない国民のたたかい、国民の理性の声の最大のよりどころとなっている党が、日本共産党であります。

 「維新の会」との関係でも、民主党、自民党、公明党、みんなの党など、他の諸党が、「橋下人気」に恐れをなし、「できればともに組みたい」と秋波(しゅうは)を送っているときに、この潮流の危険性に警鐘を鳴らし、毅然(きぜん)と対決している政党は、日本共産党だけです。その姿勢は、この動きに危機感を持ち、理性の声をあげている人々の信頼を広げています。

 反動的逆流とのたたかいという点では、日本共産党は、戦前の天皇専制の暗黒政治と侵略戦争のもとでの暴圧と迫害に対して、理性の旗を掲げて不屈にたたかい抜いた唯一の党であります。わが党の立場は、一貫した歴史に裏付けられたものであることを強調したいと思います。

国民の選択にたる政党らしい政党

 第三は、「国民の選択にたる政党らしい政党」ということであります。いま、国民のなかに深刻な「政党不信」が広がっています。国民への公約を簡単に投げ捨てる。選挙目当てに離合集散を繰り返す。国民との結びつきを持たない風頼みの「浮き草」のような姿。財政も企業・団体献金や政党助成金頼みで、自前で活動資金をつくることもできない。「維新の会」も、「改革者」のようなポーズをとっていますが、まともな政党の体をなしていないことにおいては、何ら変わりはありません。

 こういう政党状況のもとで、「どんな政策を掲げ、何を国民に公約しているか」だけでは、国民は選挙で政党を選択できません。“公約を裏切らない”“一貫した歴史と路線を持っている”“「草の根」の組織を持ち、国民の苦難軽減のために日夜奮闘している”“企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、自前の努力で財政をまかなっている”――国民の選択にたる政党らしい政党が、日本共産党であります。

1世紀近い歴史で試された党

 第四は、「1世紀近い歴史で試された党」ということであります。戦前の天皇専制の暗黒政治とそのもとでの侵略戦争に命がけで反対を貫いた歴史は、今日、わが党がアジアと世界で道理に立った野党外交をすすめるうえでも、生きた財産となっています。

 戦後、日本共産党は、自主独立の路線を確立し、旧ソ連と中国・毛沢東派という二つの大国による無法な干渉をはね返し、「社会主義」を看板にした覇権主義、自由と民主主義の抑圧をきびしく批判し続けてきました。これは、日本の運動の自主性を守り抜くとともに、科学的社会主義の本来の立場を守り発展させた、歴史的偉業でありました。

 わが党は、このたたかいのなかで、世界論、未来社会論などで、旧来の理論の抱えていた問題点を大胆に清算し、画期的な理論的到達点を築きました。そのなかで、「すべての人間の自由な発展」を最大の特質とするマルクスの未来社会論の輝きが豊かによみがえりました。日本共産党という党名は、こうした不屈の歴史と結びついた名前であるとともに、わが党がめざす未来社会の理想が刻まれた名前であります。

 来るべき総選挙は、反動的逆流と未来を開く本流が、正面からぶつかりあう歴史的たたかいになります。すべての党員のみなさんが、日本共産党の値打ちを誇りを持って語り抜き、力をあわせて躍進をつかみとることを、心から訴えるものであります。

2、総選挙にむけた政治的対決の焦点

 報告の第二の主題として、総選挙にむけた政治的対決の焦点についてのべます。

消費税増税実施を阻止――「経済提言」を語り広げよう

 まず、消費税増税問題と、わが党の「経済提言」について報告します。

 消費税増税法案が強行されましたが、実施は2014年4月からであり、わが党は、国政選挙での審判で実施を阻止するために全力をあげます。

法案は強行されたが、国民の怒りと矛盾は広がっている

 実施を前にして、大増税計画と国民との矛盾が噴出しています。大増税が、暮らしと経済に大打撃を与えることは、誰の目にも明瞭であり、多くの国民が不安と怒りを強めています。「毎日」の世論調査では、92%が「増税が暮らしに影響する」と答えました。政府は、「景気への影響は小さい」とごまかしていますが、民間シンクタンクの試算は、どれをとっても政府試算よりもはるかに深刻な影響を予測しています。

 消費税を増税しても、社会保障が良くならないうえに、財政も良くならないことが、いよいよ明瞭になっています。とくに、増税推進の各党が、いっせいに巨額の公共事業ばらまき計画を立てていることに、国民の怒りが広がっています。

「民自公増税連合ノー」とともに、どの党が増税実施阻止の一番の力かを訴えよう

 日本共産党は、総選挙で、消費税大増税の実施を阻止するために、「二重の審判」を訴えてたたかいます。

 第一は、民意を踏みつけにして増税法案を強行した「民自公増税連合」に「ノー」の審判をくだすことであります。

 第二に、どの党が伸びれば増税実施阻止の一番の力になるかが問われます。「経済提言」で、「消費税に頼らない別の道がある」ことを具体的に提案している日本共産党を伸ばすことこそ、増税阻止の一番の力となることを広く訴えてたたかいます。

 「増税の前にやるべきことがある」という立場では展望がありません。この立場では、「やるべきこと」をやった後には増税が待っています。そして、「やるべきこと」の中身も、公務員削減、社会保障費削減、比例定数削減など、国民の暮らしを壊し、国民の民意を削るものになっています。

 「維新の会」は、「消費税の地方税化」「地方交付税の廃止」を掲げていますが、これが実施されるとすると、(1)全国平均で約5%の税率引き上げになることにくわえ、(2)大多数の自治体で財政が悪化し、住民サービス切り捨てに拍車がかかることになります。大増税・地方切り捨ての党に、国民の暮らしをゆだねるわけにはいきません。

「経済提言」――人間らしい生活と雇用、社会保障充実、財政危機打開の展望を語り広げよう

 いま社会保障制度は、民自公3党が強行した社会保障制度改革推進法に見られるように、予算削減のための制度改悪から、国民の権利としての社会保障の否定へと、改悪の質が加速されようとしています。生活保護バッシングと切り捨てはその典型であります。

 雇用破壊の面でも、賃金の下落が続き、若者の就職難は引き続き深刻です。そのもとで、労働者派遣法改正を完全に「骨抜き」にし、非正規雇用労働者を拡大するとともに、日本航空や電機産業などで大量の正社員の無法なリストラ・首切りがすすめられていることは、絶対に許すわけにはいきません。

 日本共産党は、国民のたたかいに連帯し、暮らしと権利への攻撃に対して、正面からたたかい抜きます。そのなかで、「経済提言」が提案している二つの転換――消費税頼みから、「応能負担」の原則への抜本的転換、大企業応援の「成長戦略」から「国民の所得を増やす経済改革」への抜本的転換を主張し、その実行を強く求めます。

 「経済提言」を実行すれば、人間らしい生活と雇用が保障されるとともに、消費税に頼らずに、社会保障充実と財政危機を打開していくことができる――この展望を大いに語り広げようではありませんか。

原発問題――原発固執勢力に審判をくだし、「即時原発ゼロ」の実現を

原発固執勢力の背景には財界とアメリカの圧力がある

 つぎに原発問題について報告します。

 この間、「原発ゼロの日本」を願う世論と運動が広がり、政府も、「過半の国民は原発に依存しない社会の実現を望んでいる」と認めざるをえなくなりました。ところが、政府・民主党や自民党・公明党などは、「原発ゼロ」だとか「脱原発依存」を口ではいいながら、原発再稼働や原発建設の再開を容認・推進するなど、原発への固執を続けています。その背景には、財界やアメリカからの圧力があることは、いまや明瞭となっています。

 来るべき総選挙で、日本共産党は、国民世論に逆らって、原発に固執しつづける勢力に審判をくだし、「即時原発ゼロ」の実現を訴えてたたかいます。

「即時原発ゼロ」の新「提言」を活用し、原発固執勢力を追い詰めよう

 わが党は、9月25日に、「『即時原発ゼロ』の実現を」と題する新しい「提言」を発表しました。新「提言」では、昨年6月に発表した「原発撤退提言」からさらに一歩踏み込み、「即時原発ゼロ」を提起しました。それは、原発の危険を除去する必要性、緊急性がいっそう切実になるとともに、その条件もあることが明らかになったからです。

 すなわち――、

 ――事故被害は拡大し続けており、二度と原発事故を起こしてはならないこと。

 ――原発稼働を続ける限り、処理する方法のない「核のゴミ」が増え続けること。

 ――原発の再稼働の条件も必要性も存在しないこと。

 ――国民世論が大きく変化し、「原発ゼロ」をめざす声が国民多数になっていること。

 こうした状況を踏まえ、新「提言」では、「すべての原発からただちに撤退する政治決断をおこない、『即時原発ゼロ』の実現をはかること」を提起しました。

 そのうえで、新「提言」では、「即時原発ゼロ」は可能であることを、再生可能エネルギーの最大限の普及、電気料金問題、日本経済の持続可能な成長など、原発固執勢力の論点ともかみあって、明らかにしています。

 さらに、新「提言」では、福島の被災者支援と復興に総力をあげてとりくむことを、「原発ゼロの日本」をめざすたたかいと一体にとりくむことを提起しています。無責任な「収束宣言」を撤回し、「線引き」をせずにすべての被災者・被害者を支援すること、不当な「打ち切り」をやめ長期にわたる復興の過程を支援することなどを、提案しています。

 わが党の新「提言」は、全国で「原発ゼロ」をめざして声をあげ、立ち上がっている多くの人々から歓迎をもって迎えられています。

 ツイッターにはこういう書き込みがありました。「1年半にわたる一般市民による反原発運動の積み重ねを踏まえて、ついに政界から示された、原発即時全廃のための具体的提言です。必読」

 新「提言」を活用し、原発固執勢力を追い詰め、日本共産党の躍進で「即時原発ゼロ」実現への道を開こうではありませんか。

東日本大震災からの復興――国の災害政策の根本的転換を

政府の復興対策は、あまりに遅く、不十分で、最低限の真剣ささえ欠いている

 つぎに大震災からの復興問題について報告します。

 大震災から1年7カ月。政府の復興対策は、あまりに遅く、不十分であり、復興予算の流用問題が示すように最低限の真剣ささえ欠いています。被災地の復旧は遅れ、被災者のいのちと暮らしが脅かされる状況が続いています。

 復興の最大の課題は、生活と生業(なりわい)の再建、安定した住宅の確保となっています。しかし、被災地の懸命の努力にもかかわらず、多数の被災事業所が事業を再開できず、農林水産業の復旧の遅れも深刻です。住宅の再建のめどがたたず、多くの被災者が、今後の生活設計すらできない状態に追い込まれています。

国の災害政策の三つの根本的転換で本格的な復興を

 この1年7カ月の経験は、従来、政府がとってきた災害政策の枠組みが、被災地の本格的な復興をはかるうえで重大な制約となり、障害となっていることを明らかにしました。わが党は、被災者の緊急の要求にもとづく施策を一つひとつすすめる努力を引き続きはかりながら、つぎの三つの点で、国の災害政策の根本的転換をはかることを求めるものです。

 第一に、「個人財産の形成になる」などといって、住宅、商店、工場、医療機関などの復旧を支援しないという古い「原則」に固執していることが、復興の最大の障害になっています。これを根本からあらため、生活と生業の再建に必要な公的支援をおこなうことを基本原則にすえることを求めます。

 第二に、現在の支援策では、事業者の「規模」や「競争力」を口実にした「上からの線引き」によって、支援に差別を持ち込むことが公然とおこなわれています。また、同じ被害でも、区域指定の有無によって支援に大きな差がでるなど、被災者・被災地の実情や実態を反映しない「線引き」もおこなわれています。こうしたやり方を転換し、すべての被災者を支援の対象とすることを求めます。大型開発を優先するやり方を転換し、高台移転、住宅再建、漁港整備など被災者の生活再建にかかわる公共事業に、財政をふりむけるべきです。

 第三は、被災者を見捨てる「期限切れ」での支援打ち切りをやめ、生活と生業の再建を最後まで支援し、被災者とともに歩む姿勢を明確にすることです。恒久住宅のめども立たないまま、仮設住宅の期限が「2年」とされていることが、被災者の不安を大きくしています。国が、被災者の医療・介護の減免措置を9月末で打ち切ったことも大問題です。

 今後の災害対策を考えても、東日本大震災からの復興事業において、国の災害政策の根本的転換をはかることを、日本共産党は強く求めるものであります。

TPP参加絶対阻止の審判をくだそう

TPP参加阻止のたたかいは、引き続き重大な正念場にある

 つぎにTPP問題について報告します。

 野田内閣は、この間の一連の国際会議、日米首脳会談などで、TPP参加表明を画策してきましたが、先送りせざるをえなくなっています。この背景には、TPPにたいする国民の強い批判の高まりがあります。JA全中(全国農業協同組合中央会)とともに、日本医師会も絶対反対を決めるなど、たたかいの戦線が広がっていることは重要であります。

 しかし一方で、日本経団連、アメリカの圧力のもと、野田内閣は、表向きは「情報収集」といいながら、国民に隠れて実質的な交渉をすすめ、なし崩し的にTPPに参加しようとしています。牛肉のBSE(牛海綿状脳症)輸入規制の緩和など、TPP参加を先取りする動きも起こっています。たたかいは、引き続き重大な正念場にあります。

どの党が亡国のたくらみを打ち砕く最もたしかな力かを広く訴えよう

 TPPに参加すれば、農林水産業が壊され、医療が壊され、雇用が壊され、食の安全が危険にさらされ、経済主権が奪われ、国民にとって「百害あって一利なし」となります。日本共産党は、総選挙でTPP参加絶対阻止の審判をくだすことをよびかけます。

 民主党は、政権与党としてTPP交渉を推進しています。自民党は、「『聖域なき関税撤廃』など日本の国益に反する形でのTPP交渉参加に反対」という立場――すなわち“条件付き反対”、言い換えれば“条件付き賛成”という立場です。みんなの党と「維新の会」は、TPP参加を公然と推進しています。これらの諸党では、日本の食料主権、経済主権を守ることはできません。

 TPP参加に政党として断固反対を貫き、食料主権、経済主権を尊重した貿易ルールの確立を求める日本共産党を躍進させることこそ、この亡国のたくらみを打ち砕く、最もたしかな力となることを、広く訴えてたたかおうではありませんか。

オスプレイ配備撤回、日米安保条約の是非を問う

沖縄と本土の連帯したたたかいで配備撤回と低空飛行訓練中止を

 つぎに米軍基地問題と日米安保条約の問題について報告します。

 9月9日、10万人以上が結集した沖縄県民大会は、オスプレイ配備計画の撤回、米軍普天間基地の閉鎖・撤去を、島ぐるみの揺るがぬ意思として宣言しました。にもかかわらず、日米両政府は、10月1日、オスプレイの普天間基地配備を強行しました。この恐るべき蛮行・暴挙にたいして県民の怒りが沸騰しています。

 オスプレイの危険は、低空飛行訓練が予定されている本土の七つの訓練ルートなど日本全土に及びます。これまでに、沖縄では県議会を含む全42自治体で配備反対決議が可決され、本土も含めて、全国24都道府県の123自治体で配備や訓練に反対する意見書・決議が可決されました。日本共産党は、普天間基地へのオスプレイ配備の撤回、全国での無法な低空飛行訓練の中止を求め、沖縄と本土の連帯したたたかいを発展させるために、全力をつくします。

 オスプレイの配備は、「日本の防衛」とは何の関係もありません。海兵隊の海外遠征による「殴り込み」任務を遂行するため、迅速に「敵地」に侵入して戦闘作戦を実施する「侵略力」を高めることがその目的であります。低空飛行訓練を非常に重視しているのも、そのためです。海兵隊の「侵略力」を高めるために、沖縄県民と日本国民を危険にさらす。こんな暴挙を絶対に許すわけにはいきません。

 オスプレイ配備に対して、民主党は与党として推進し、自民党、公明党、みんなの党、「維新の会」も、事実上の容認・推進の態度です。この屈辱的な暴挙を撤回させ、普天間基地の無条件撤去をかちとるためには、日本共産党の躍進がどうしても必要であります。

安保の是非を問う声にこたえ、「外交ビジョン」を大いに語り広げよう

 この問題は、日米安保条約の是非を、直接に問うものとなっています。米国政府は、配備は「日米安保条約上の権利だ」(パネッタ国防長官)と公言し、日本政府は「日本政府に条約上の権限はない」という。首相は「(日本政府が)どうしろ、こうしろという話ではない」という。こうして日米両国政府が、安保を盾(たて)にこの暴挙を押し付けようとすればするほど、安保の是非が問われ、「安保をなくせ」という声は高まらざるをえないでしょう。

 日米安保の是非を問う声が、沖縄でも本土でも広がり始めたいま、日本共産党の「外交ビジョン」の重要性はますます浮き彫りとなっています。

 8月、イランのテヘランでおこなわれた非同盟諸国首脳会議に、緒方副委員長が参加しました。この会議参加にあたって、日本AALA(アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会)が、「外交ビジョン」の英語版を各国代表に手渡してくれました。

 各国政府代表から感想が寄せられましたが、あるラテンアメリカの政府の代表は、「日本のように発達した国にこれだけ強大な米軍基地があることは驚きです。まさに時代錯誤です。そうした実態をもつ日本に、軍事同盟を廃棄しようという勢力があり、現に非同盟会議に参加していることはとても大事です。成功を祈ります」とのべました。

 あるアフリカの政府の代表は、「『外交ビジョン』には、非同盟の根幹であり、今日の国際情勢のもとで、当然の提起がおこなわれています。アメリカとの同盟をなくそうという提起は、時代の要請に合致したものです。日本は先進国なのに、政治の点では後進的です。その後進性を乗り越え、新しい日本をつくる提案として興味深く読みました」と感想を語ってくれました。

 ある東南アジアの政府の代表は、「ASEAN(東南アジア諸国連合)についての評価をうれしく思います。斬新な発想と政策を示したものだと思います。日本にこうした政策をもつ党があることを初めて知りました。こうした提案は、もっとアジアで、ASEANで知らせてほしい」とのべました。

 非同盟運動は「すべての外国軍事基地の撤去」を一貫して掲げています。「外交ビジョン」での提起は、こうした世界の大勢とも合致した、未来あるものであることが、この首脳会議という国際会議の場の反応からも裏付けられたということを、ご報告しておきたいと思います。

 ここに大いに確信をもって、「外交ビジョン」を語り広げ、日米安保条約廃棄の旗を高々と掲げる日本共産党の躍進を実現しようではありませんか。

憲法問題――明文・解釈改憲の策動と正面からたたかう

集団的自衛権の行使へむけた解釈改憲の危険な動き

 この問題の最後に、憲法問題について報告します。

 自民党新総裁に、名うての改憲論者の安倍晋三氏が選出され、憲法改定を掲げる「維新の会」が国政に進出しようとするもとで、憲法改悪への危機感が広がっています。

 その一つの焦点となっているのが、集団的自衛権の行使へむけた解釈改憲の危険な動きです。この間、自民党は、党の方針として、「集団的自衛権の一部行使」を公式に打ち出しました。民主党・野田政権も、「集団的自衛権に関する解釈など旧来の制度慣行を見直すことも検討されるべきである」とする見解をまとめました。

 この動きは、単なる憲法解釈の見直しにとどまるものではありません。5月の日米首脳会談の「共同声明」は、日米の「動的防衛協力」なるものを初めてうたいました。これは米軍と自衛隊が地球的規模で打って出て、共同の軍事行動をおこなうというものです。さらに、8月の森本防衛大臣とパネッタ国防長官との会談で、ガイドラインの再改定をめざして協議に入ることで合意したことも、きわめて重大であります。これらは、集団的自衛権を現実に行使する――「米国と共同して海外で戦争をする国づくり」にむけた重大な歩みをすすめるものにほかなりません。

憲法問題を攻勢的に語り、憲法9条を守るたしかな力を大きく

 並行して、明文改憲の動きも露骨になっています。自民党は、憲法9条を改変して、自衛隊を「国防軍」とすることなどを打ち出した「日本国憲法改正草案」を発表し、「維新の会」は、「維新八策」のなかに改憲発議の要件緩和、憲法9条の是非を問う国民投票を盛り込みました。

 憲法9条を守るたたかいは、新たな正念場を迎えています。「9条の会」をはじめ、憲法改悪に反対し、憲法を生かした平和日本をつくるための共同のたたかいを、大きく発展させましょう。

 日本共産党は、綱領に「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」と明記し、首尾一貫した憲法政策をもつ政党であります。憲法問題を、総選挙で大いに攻勢的に語り、日本共産党の躍進によって改憲勢力に痛打を与え、憲法9条を守るたしかな力を大きくするために全力をあげようではありませんか。

3、総選挙躍進をめざす活動方針について

 報告の第三の主題として、総選挙躍進をめざす活動方針についてのべます。

総選挙の歴史的意義――「650万、議席倍増」に挑戦しよう

二つの流れの対決のもとで、日本の進路が問われる歴史的選挙

 来るべき総選挙は、「二大政党づくり」の動きが破たんに直面するという新しい情勢のもとでたたかわれます。わが党は、この反動・反共戦略と、この10年にわたってたたかい、国政選挙でも厳しいたたかいを余儀なくされました。しかし、いま、少なくない国民が「民主か、自民か」という偽りの「対決」の押し付けに愛想をつかし、日本の政治を変える真の道はどこにあるのかを真剣に探求しています。日本共産党の躍進の新たな条件が大きく広がり、私たちの奮闘いかんでそれを現実のものとすることは可能であります。

 同時に、来るべき総選挙は、一方で、古い政治の行き詰まりを反動的に打開しようとする反動的逆流が台頭し、他方で、新しい政治を求める国民のたたかいが各分野で歴史的高揚をみせるという、二つの流れの対決のもとで、文字通り日本の進路が問われる歴史的選挙となります。そこで問われる課題も、消費税、原発、震災復興、TPP、米軍基地と安保条約、憲法、領土など、どれ一つをとっても、日本の命運のかかった大争点が、国民の審判を受けることになります。

 来るべき総選挙は、歴史的岐路における歴史的意義をもつたたかいです。日本共産党が躍進をかちとることは、国民にたいする重大な責任であります。

650万以上の得票と議席倍増――18議席以上を目標に全力をあげる

 以上を踏まえ、総選挙にのぞむ目標としては、650万票以上の得票、10%以上の得票率を獲得し、現有9議席の倍増――18議席以上を目標に奮闘します。

 すでにのべた総選挙の重大な歴史的意義にてらすならば、日本の政治全体に衝撃をもたらすような、日本共産党の大きな躍進がどうしても必要です。反動的逆流の台頭を阻(はば)み、新しい政治を開く国民のたたかいを激励する躍進が必要です。直面する熱い政治的対決において、増税推進、原発固執、米国追随勢力に痛打をあたえる躍進が必要です。21世紀の早い時期に民主連合政府を樹立するという目標にむけて、新たな本格的スタートを切る躍進が必要です。日本共産党は、650万票以上の得票とともに、議席倍増を目標に掲げ、その達成に全力をあげるものであります。

 4中総決定では、総選挙の目標として、綱領実現をめざし中期的展望にたった「成長・発展目標」を自覚化するとともに、「『比例を軸に』を貫き、650万以上の得票、10%以上の得票率を獲得し、すべての比例代表ブロックで議席獲得・議席増をめざす」「5%以下の県をなくす」と提起しています。各都道府県では、この決定を受け、得票目標を決定していますが、その合計は765万票になります。

 議席倍増という目標は、すでに各都道府県が決定した「650万以上」に対応する得票目標に責任を持ち、それを実現すれば、十分に達成が可能な目標です。「比例を軸に」、「全国は一つ」で、全党・後援会の総力を結集し、選挙の担い手を広げに広げ、この目標の達成に正面から挑戦しようではありませんか。1970年代の第1の躍進、1990年代後半の第2の躍進につづく、日本共産党の第3の躍進が開始されたといえる選挙にしようではありませんか。

「議席倍増」の全国目標を、すべての比例ブロックの共同の仕事として達成しよう

 「650万、議席倍増」という目標を達成するうえで、全国11の比例ブロックが、「650万、議席倍増」との関係で、自らのブロックが負っている責任を自覚的にとらえ、ブロックの政治目標を実現するために知恵と力をつくすことが大切です。

 前回の総選挙、参院選の得票実績との関係で、議席増に比較的近い比例ブロックでは、その目標を確実にやりきることが、「議席倍増」にとって絶対不可欠となります。議席増のためには大きな飛躍が求められる比例ブロックでは、そうした比例ブロックで議席増をかちとってこそ、「議席倍増」が現実のものとなることを自覚して、それに正面から挑戦することが求められます。それぞれの比例ブロックが、「議席倍増」という全国目標との関係で、自らの目標を自覚的に位置づけ、達成に全力をあげようではありませんか。

 4中総決定にそくして、全国11の比例ブロックごとに、得票目標を具体化し、議席増のための政治・組織戦略を具体化するとりくみがすすめられています。必勝をめざす「政治スローガン」が決められ、比例代表選挙を「顔の見える選挙」にしていくための努力がはらわれ、すべてのブロックで後援会連絡会が結成されるなど、新たな努力が始まっています。この努力をいっそう強め、「議席倍増」という全国目標を、すべての比例ブロックの共同の仕事としてやりとげようではありませんか。

情勢の激変のもとで「すべての小選挙区での候補者擁立」の意義と役割

 4中総決定の「すべての小選挙区で候補者擁立をめざす」という方針にもとづき、9月末までに272人の候補者が決定され、未決定の選挙区でも候補者擁立の努力がおこなわれています。前回総選挙は152人の立候補であり、2倍近い候補者を擁立してたたかうことは、総選挙で躍進をかちとる大きな主体的条件となります。勇気をもって立候補され、活動の先頭にたっているすべての予定候補者のみなさんに、中央委員会総会として、心からの敬意を表明するものであります。

 候補者のみなさんから共通して寄せられている感想は、前回総選挙とは情勢が激変しているということです。民主党への怒りが渦巻き、自民党にも戻るわけにはいかない。「維新の会」への幻想もあるが、不安も広がっている。「二大政党づくり」が破たんに直面するもとで、どこに託していいかを真剣に模索している。日本共産党の姿が見えているところでは、共産党を真剣に選択肢として考えよう、期待してみようという動きが広がっている。こうした感想が共通して寄せられています。

 多くの国民が、閉塞状況を打破する新しい政治を真剣に模索・探求するもとで、日本共産党が、選挙戦の基礎単位である小選挙区のすべてに候補者を擁立してたたかうことは、有権者に進歩と革新の政治的選択肢を示し、比例代表の躍進に貢献する、はかりしれない意義を持つものであります。

 前回の総選挙で立候補を見送り、今回、立候補を表明した選挙区で、保守を含む無党派の多くの人々から歓迎され、党への新たな関心と期待を広げ、党活動に新たな活気をつくりだしていることは、きわめて重要です。

 来るべき総選挙は、「二大政党づくり」が破たんに直面するもとで、有権者の動向が大きく変化するたたかいとなります。従来の政党間の力関係を固定的にとらえず、「比例を軸に」を揺るがずに貫きつつ、小選挙区のたたかいでも議席獲得を念頭におき、勝利をめざして全力をあげます。議席を現実に争う局面が生まれた場合には、機動的に対応をはかります。中央として、要望にこたえて、選挙体制問題や候補者活動への援助などをさらに強めます。

参議院選挙・都議会議員選挙、中間地方選挙のたたかいについて

 参議院選挙・都議会議員選挙まで、あと9カ月余となっています。これらの選挙を総選挙と一体にたたかうことが重要であります。その共通の土台は、党を語り、「比例を軸に」、「650万以上の得票」を達成することです。

 年内の定例の地方議員選挙は46自治体で実施され、来春早々の北九州市議選、大分、前橋、静岡、富山、松江、那覇、奈良など県都の選挙が連続します。一つひとつの中間地方選挙で確実に勝利し、得票を伸ばし、国政選挙の躍進への波を起こしていこうではありませんか。

「総選挙躍進募金」をよびかけます

 選挙募金、供託金募金の目標を達成することは、選挙勝利のためにいよいよ重要となっています。「こんどこそ勝ってほしい」という思いで、募金を寄せてくれる有権者は確実に増えています。

 そこで、第5回中央委員会総会として、「総選挙躍進募金」をよびかけることを提案するものです。「躍進募金」は1口千円とし、お一人おひとりの条件に応じて、1口、さらに5口、10口とお寄せいただければ幸いです。また、少額の募金もぜひお願いします。後援会員、「しんぶん赤旗」読者、支持者の方々に広く訴えていきたいと思います。

 同時に、党機関としての独自の募金のとりくみも大いにすすめます。選挙躍進のための財政的土台をつくる活動に思い切ってとりくむことを心から訴えるものであります。

「総選挙躍進をめざす1千万対話・党勢拡大大運動」(「総選挙躍進大運動」)をよびかける

「総選挙躍進大運動」の目標と期限

 総選挙で、「650万、議席倍増」という目標を達成するためには、勝利のために不可欠な課題をやり抜き、政治的・組織的高揚のなかで解散をかちとり、選挙本番のたたかいにのぞむことが、どうしても必要であります。

 そのために、中央委員会総会として「総選挙躍進をめざす1千万対話・党勢拡大大運動」(「総選挙躍進大運動」)をよびかけることを提案するものです。

 「総選挙躍進大運動」の目標と期限は、つぎのとおりとします。

 ――「一人ひとりの党員の結びつきを生かし、広げる」という本来のあり方にたった対話と支持拡大運動をすすめ、1千万人との対話をおこないます。

 ――党勢拡大では、4中総で決定した「党勢拡大大運動」の目標を総達成します。党員拡大を中心にすえ、すべての支部が「大運動」期間中に新しい党員を迎え、新たに3万人の同志を増やすことを目標とします。「しんぶん赤旗」読者拡大では、すべての支部が毎月読者を増やし、日刊紙、日曜版の前回総選挙時を回復、突破することを目標として、独自の追求と手だてをはかります。

 ――「大運動」の期限は衆院解散までとします。党組織ごとに適切な節目標をもってとりくみます。とくに年内目標を設定するようにします。

 以上が、「総選挙躍進大運動」の提案であります。

対話と党勢拡大は、特別の自覚的なとりくみが求められる課題

 総選挙躍進をめざす活動方針としては、国民要求にこたえた活動、全有権者を対象とした大量宣伝、対話と支持拡大、党勢拡大、運動団体との協力・共同と後援会活動など、総合的な活動を発展させることが必要です。

 同時に、そのなかでも、対話と党勢拡大は、特別の自覚的なとりくみが必要な課題であることを、強調しなければなりません。

 私たちは、これまでの国政選挙でも、「早い段階からの対話」を方針に掲げて、とりくんできました。しかし、「対話が際限なく遅れる」という弱点を、克服できないでいます。また、対話の内容も、「一人ひとりの党員がもっている結びつきを生かし、広げる」という本来のあり方が弱まっていることは、2010年の参議院選挙を総括した2中総決定で、党活動の弱点として突っ込んで教訓とした問題でした。こうした弱点を繰り返していては、選挙戦の躍進はありえません。それを思い切って打開する新しい挑戦をおこなおう――解散までに「1千万対話」をやり抜き、解散後の選挙本番ではさらに青天井で対話を広げるというのが、「総選挙躍進大運動」の提起であります。

 党勢拡大については、私たちは、昨年7月の3中総決定で、「党創立90周年をめざす党員拡大を中心とする党勢拡大大運動」をよびかけ、12月の4中総決定で、この「大運動」を総選挙勝利を前面にしたものへと発展させ、さらに5月の全国活動者会議で、6、7月を目標総達成のための「特別期間」に設定して力をつくしてきました。その結果、9月末までに新規の入党者が約2万人という重要な成果をあげました。第5回中央委員会総会として、新しく入党され、党のさまざまな活動で新鮮な力を発揮しているすべての仲間のみなさんに、心からの歓迎のあいさつを送ります。

 同時に、党員拡大は、なお目標の5万人に届かず、この成果に安住するわけにはいきません。「しんぶん赤旗」の読者拡大では、安定的な前進の軌道にのせるにいたっておらず、9月末の段階で、「党勢拡大大運動」の開始時点から、日刊紙1541人、日曜版2813人の後退、前回総選挙時比では日刊紙89・4%、日曜版86・5%にとどまっています。

 私たちは、党勢拡大目標について、「『やれるか、やれないか』ではなく、やりきらなければ総選挙の勝利の保障はないという目標」(全活への報告)としてとりくんできましたが、この選挙勝利に不可欠な課題で、私たちの活動はなお道半ばであります。この目標をやり抜き、何としても党勢の上げ潮のなかで解散を迎え、どんな情勢のもとでも自らの力で勝利への道を開こうではありませんか。

 総選挙をめざす総合的活動を展開しつつ、「1千万対話」と、「党勢拡大目標の総達成」という、特別の目的意識性を必要とする課題をやり抜き、解散までに選挙躍進に不可欠の土台を築きあげようではありませんか。

「大運動」をどう成功させるか――「支部が主役」で「四つの原点」にもとづく選挙活動を

すべての支部が得票目標と、「総選挙躍進大運動」の目標を持とう

 「総選挙躍進大運動」をどうやって成功させるか。

 選挙勝利をめざす活動の基本は、支部の「政策と計画」のなかに得票目標をしっかりと位置づけて、「四つの原点」――(1)要求実現活動、(2)宣伝、対話と支持拡大、(3)党員拡大と読者拡大、(4)運動団体との協力・共同と後援会活動――にもとづく活動を、「支部が主役」でとりくむことにあります。

 こうした「支部が主役」の総合的活動のなかで、「1千万対話」と「党勢拡大目標の総達成」を、自覚的に位置づけ、特別の意識性を持って追求するようにします。

 その大前提となるのは、すべての支部が自覚的に得票目標を持って活動することです。現在、得票目標を持っている支部は53%にとどまっています。5中総決定を受けて、すべての支部が得票目標を持ち、「四つの原点」を具体化し、「総選挙躍進大運動」の目標を持ってとりくむことが、まず何よりも重要であります。

国民の切実な要求にもとづく活動にとりくもう

 まず、国民の切実な要求にもとづく活動について報告します。

 要求実現活動という場合に、消費税、雇用、原発、震災復興、TPP、米軍基地、安保問題など、直面する国政の大問題での要求にこたえる活動を、支部がとりくむことは、もちろん重要です。同時に、支部が、地域・職場・学園の身近な要求を生き生きとつかみ、その実現のために努力し、信頼を高めることも重要であります。

 また、全活の報告でものべたように、「要求」という場合に、いまの情勢のもとで、多くの国民ははっきりとした「要求」までいっていなくても、現状に対するさまざまな「不安」「懸念」「関心」「怒り」をたくさん持っています。それらを受け止め、耳を傾け、「聞く力」が大切であり、それにこたえる活動をおこなうという見地が大切です。たとえば、多くの国民は、「原発をどうしたらいいのか」「領土問題をどう解決したらいいのか」と考え、その答えを求めています。そうした国民の気持ちにこたえた活動をおこなうことも、いまの情勢のもとできわめて重要であります。

大量宣伝、対話と支持拡大――「1千万対話」を達成して選挙を迎えよう

 つぎに大量宣伝、対話と支持拡大について報告します。

 それぞれの地域で、ポスターの張り出し、ハンドマイクなどを使っての声の宣伝を重視し、幅広い有権者に日本共産党の元気と勢いが伝わる活動にとりくみましょう。比例・小選挙区・参議院あわせて約300人の国政候補者、2700人の地方議員が、「党の顔」として先頭に立ちましょう。全国2万の支部が、「草の根」の宣伝力を総発揮しましょう。インターネットなど新しい媒体を積極的に活用するとりくみを、全党的に強化しましょう。

 「1千万対話」運動では、各種名簿や台帳にあたり、「対話名簿」を整理しながら、つぎの四つのとりくみをおこなうことをよびかけます。

 ――一つは、約360万人の後援会員、約130万人の読者を総訪問し、対話してその願いをよく聞くとともに、選挙の協力依頼をおこなうことです。

 ――二つは、いっせい地方選挙、中間選挙で支持を訴えたすべての人と対話し、支持をよびかけることです。地方選挙では、比例票を超える得票を獲得した選挙が数多くあります。そのすべてを国政選挙での得票に結びつければ、650万票以上は可能となります。

 ――三つは、さまざまな要求実現活動で結びついた人との対話を広げることです。消費税、原発、TPP、オスプレイ問題などでの署名運動をはじめ、多面的な要求運動を強め、これらのとりくみで結びついた人々との対話と支持拡大をすすめます。

 ――四つは、「全国は一つ」の立場で、党員のあらゆる結びつきを生かした対話にとりくむことです。家族や親せき、知人や友人、同窓会など、一人ひとりの党員のあらゆる結びつきに光をあて、生かしたとりくみをおこないます。

 「1千万対話」という目標は、わが党の持つ結びつきを考えるならば、達成可能な目標であることを強調したいと思います。2010年参院選を総括した2中総決定では、この選挙で「有権者の過半数対話を目標とする」という方針をとったことについて、「党組織の実情の違いを考慮の外においた一律の目標の提起となり、適切ではなかった」という教訓を引き出しました。「1千万対話」という目標は、それぞれの党組織の力の大小、到達点にそくして具体化すべきものであり、全党の努力によって十分に達成可能なものであります。

 「総選挙躍進大運動」の全体を推進する「軸」として、10月から12月にかけてとりくんでいる第2次全国遊説の成功とともに、「集い」を100万人規模で展開する大作戦をよびかけます。「集い」の到達点は、2万2千回、参加者は35万1千人、とりくみ支部・グループは48%です。100%の支部・グループがとりくみ、100万人規模に広げようではありませんか。

党勢拡大の高揚のなかで選挙戦をたたかおう

 つぎに党勢拡大の高揚のなかで選挙戦をたたかうことについて報告します。

 参院選を総括した2中総決定、いっせい地方選挙を総括した3中総決定は、「自力が足らなかった」ことを教訓の根本として引き出しました。

 この教訓を踏まえ、昨年7月の3中総決定以来、1年余にわたってとりくんできた「党勢拡大大運動」は、全党のみなさんの奮闘によって、今後の党活動にとって、「宝」ともいうべき重要な教訓をつくりだしています。

 その第一は、わが党には党員を拡大する力があること、党勢拡大で飛躍をかちとりうる力があることを、全党の奮闘によって証明したことであります。とくに「特別期間」のとりくみは、特筆に値するものとなりました。7月の入党決意者は7千人を超え、1カ月の成果としては、1987年11月以来四半世紀ぶりの成果となりました。

 第二は、党員拡大を党勢拡大の中心・根幹にすえ、そのなかで「しんぶん赤旗」読者拡大のための独自の努力をはらうことによって、党勢拡大全体が前進するということが、証明されたことであります。「党員拡大を党勢拡大の中心にすえる」という方針は、これからとりくむ「総選挙躍進大運動」においても、揺るがず堅持していきたいと思います。

 第三は、新入党員を迎えた党組織で大きな変化が生まれていることであります。新入党員を迎えた支部ではどこでも、それが支部に新しい活力をつくりだし、支部のさまざまな困難を打開する契機となっています。「支部が主役」の配達・集金体制の確立のうえでも、大きな力を発揮しつつあります。すべての都道府県で、5人、10人以上の新入党員を迎えた支部が生まれ、その総数は855支部となり、支部活動に見違える変化が生まれています。数十年ぶりに25歳の青年労働者を迎えたある職場支部で、「長年支部会議を休んでいた党員が『若者が入党したと聞き、顔を見たくて参加した。頼もしい若者で感動した』と発言し、大爆笑になった」などの経験が、全国各地から寄せられています。

 これらは、今後の党活動を発展させる大きな「宝」であります。ここに確信を持って、党勢拡大の目標総達成に挑もうではありませんか。

 党勢拡大運動は、道半ばです。「総選挙躍進大運動」で、どのようにして目標総達成をかちとるか。カギとなる三つの問題を提起します。

 一つは、この運動を、すべての支部の自覚的な運動にしていくことこそ、目標総達成の最大の保障だということです。「党勢拡大大運動」で、党員拡大に踏み出した支部は6割、成果をあげた支部は4割です。読者拡大では、月単位でみると、成果をあげている支部は3~4割です。党員拡大でも、読者拡大でも、いかにすべての支部の自覚的な運動にしていくかが、目標達成の最大のカギとなっています。

 二つは、量とともに質を重視した党建設をすすめるということです。とりわけ、約2万人の新入党員、これから迎える新しい党員の初心を大切にし、ともに成長する党づくりが大切であります。支部も機関も、新入党員を温かく歓迎し、新入党員学習の100%修了に責任を持ち、「党生活確立の3原則」の確立のために、力をそそぎたいと思います。こうした努力は、新入党員への党としての当然の責任であり、さらに多くの新入党員を迎えるうえでも大きな力となるものです。

 三つは、党勢拡大運動を全支部の運動にしていくうえでの党機関の指導と援助の問題です。率直にいって、私たちには、「特別期間」のように「日報」など特別の体制をとったときには一定の前進・飛躍をかちとることができるが、そうでないときには大きな前進ができないという問題があります。これを脱する機関活動の根本的な改善・強化に中央も地方も挑戦したいと思います。総選挙の歴史的意義と、「650万、議席倍増」という目標を全党の共通のものとする、燃えるような政治指導とともに、党機関が、支部に入り、支部の意見をよく聞き、相談にのり、直面している困難をつかみ、支部と協力してその打開のために力をつくす活動にとりくむことがとりわけ重要であります。

 すべての党員は、「今度こそ勝ちたい」という熱い思いを持っておられると思います。その思いを総結集して、党勢拡大の目標を必ず総達成し、党勢拡大の高揚のなかで総選挙をたたかおうではありませんか。

 

運動組織・団体との協力・共同と、後援会活動の強化をはかろう

 つぎに運動組織・団体との協力・共同と、後援会活動の強化について報告します。

 各分野の国民運動が歴史的高揚を見せ、どの問題でも日本共産党が重要な役割を果たしています。運動の広がりのなかで、わが党への信頼と期待が広がり、「日本共産党にぜひ勝ってほしい」という声が、どこでも聞こえます。そうした人々の思いをくみつくし、党躍進に結実させるとりくみに、新たな知恵と力をそそぎましょう。

 運動組織・団体への「協力・共同」の申し入れを、大いにすすめたいと思います。政党支持の自由の尊重を大原則としつつ、つぎの観点でとりくみの発展をはかります。

 第一に、共通する要求・課題を実現するため、それぞれの立場を尊重しつつ、共同してたたかうことを確認します。

 第二に、事務所などへの日本共産党の宣伝物の掲示、政策やビラなどを、構成員に資料として配布してもらうことを依頼します。

 第三に、それぞれの団体の要求を実現する立場に立った党議員・候補者を含む政策討論会や、党との懇談会などの場を設けてもらうことを依頼します。

 第四に、党の開催する演説会への参加案内などを、構成員に伝えていただくことを依頼します。

 第五に、その他、可能な「協力・共同」の方法を双方で相談します。

 これらは新しい情勢のもとでの新しい問題提起ですが、党躍進に期待を寄せてくださる方々の思いをくみつくすとりくみに、知恵と力をそそごうではありませんか。

 後援会活動について、「後援会ニュース」を読んでもらう人を増やし、ニュースを定期的に届け、人間的・政治的結びつきを強めることは重要であります。同時に、すべての支部が対応する単位後援会を確立し、日常的に活動を発展させることを、後援会活動の土台として位置づけ、力をそそぎましょう。

職場支部、若い世代が輝く選挙戦――変化をとらえ、変化に働きかけよう

 職場支部と若い世代の中での活動では、「二つの変化をとらえ、変化に働きかけよう」ということを強調したいと思います。

 一つは、「政権交代」とその後の裏切り、大震災と原発事故、国民運動の歴史的高揚などの政治的体験を積むなかで、多くの労働者や若い世代のなかで、政治や社会に対する見方、生き方や働き方に対する意識に大きな変化が起こっていることです。原発ゼロ、消費税、TPP、雇用問題、オスプレイ問題など、政治のウソを見抜き、現状を変えるために自ら行動に立ち上がる人々が大きく広がっています。

 いま一つは、「党勢拡大大運動」をつうじて、この二つの分野で、萌芽(ほうが)的ではありますが、新しい前進の経験が生まれていることです。

 教職員分野や自治体分野、医療・福祉分野で党員拡大の新しい前進が始まっています。職場支部の比率の高い、いくつかの地区委員会から、約4割の職場支部が新しい党員を迎え、「職場でも本気で努力すれば前進できる実感をつかんだ」との声が寄せられています。民間大経営など厳しい条件の職場でも、多数の党組織が、党員拡大の目標を持ち、対象者をあげ、入党の働きかけに足を踏み出したことは、たとえ入党に至らない場合であっても、今後に生きる重要な第一歩であります。

 全党が党勢拡大運動にとりくむなかで、党が青年・学生との結びつきを多面的に持っていることに光があてられ、青年・学生分野で新しい前進への転機がつくられつつあります。この1年間、学生党員の拡大数は昨年の1・4倍、民青同盟員、民青新聞読者の拡大数は昨年の1・2倍、2・4倍となりました。新たな学園に、党支部や準備支部が生まれています。9・1学生現勢調査では、12年ぶりに前年比で前進をかちとりました。

 これらの二つの前向きの変化をよくとらえ、選挙戦のなかで絶対に中断することなく、変化を促進するために働きかけを強め、職場支部と若い世代が輝く選挙にしていくために、知恵と力をつくそうではありませんか。

これまでの努力が実るかどうか――ここからがいよいよ勝負の時期

 全党の同志のみなさん。この間、全党は、総選挙での躍進をめざして、政治的にも組織的にも、新しい探究と挑戦にとりくんできました。経済、原発、外交などあらゆる分野で日本改革のビジョンを具体化し、国民と大いに語り合い、現実政治に働きかけてきました。1年余にわたる「党勢拡大大運動」にとりくみ、今度こそ自力をつけて選挙に勝つために、力をつくしてきました。

 その努力が実るかどうか。ここからがいよいよ勝負の時期となります。全党の力を一つに集め、「総選挙躍進大運動」を必ず成功させ、政治的・組織的高揚のなかで解散を迎え、必ず躍進をつかみとろうではありませんか。

 以上をもって、幹部会報告をおわります。

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