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日本共産党

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赤旗

幹部会 第一決議

2020年10月6日

1、総選挙勝利を"前面"に、党員拡大を根幹とする党勢拡大を"中心"に

(1)「特別月間」――全党の奮闘で後退から前進に転じる"足掛かり"をつくった

 第28回党大会後、全党は、新型コロナ危機という、かつて経験したことのない困難のもとで、「国民の苦難軽減」という立党の精神に立ち、国民の命とくらしを守る活動に献身しながら、強く大きな党をつくる努力を堅持・発展させてきた。

 6月から9月までとりくんだ「党勢拡大特別月間」では、中心課題とした党員拡大で、約2万6千人に働きかけ、2790人が入党を申し込んだ。その結果、7月から3カ月連続で「現勢での前進」をかちとることができた。入党の働きかけに踏み出した支部も4割をこえた。目標とした党大会現勢の回復にはいたらなかったが、「支部が主役」の新しい党員拡大運動が開始され、「現勢での前進」が開始されたことは、重要な成果である。

 「しんぶん赤旗」読者の拡大では、「月間」の目標であった「毎月前進をかちとり、『3割増』に向かう持続的な前進の軌道に乗せる」ことを基本的に達成した。最後の月となった9月に党大会現勢を回復し、「月間」全体を通じて日刊紙で736人増、日曜版で2832人増、電子版で340人の増勢をかちとった。「月間」の目標を基本的に達成し、さらに党大会から9カ月を経て現勢を維持・前進させたことは、歴史的快挙である。

 第28回党大会決定は、党建設で後退から前進に転じる歴史的情勢が生まれていることを明らかにし、40年来の後退から抜け出し、党創立100周年までに3割増の党をつくることを提起したが、私たちは「特別月間」の活動を通じて、後退から前進へと転じる"足掛かり"をつくることができた。

 これらは困難な条件のもとでの全党の大奮闘のたまものである。中央委員会幹部会は、全国の同志のみなさんに、心からの敬意と感謝を申し上げる。

(2)「特別月間」の成果を踏まえ、総選挙に向け、党活動の発展を呼びかける

 「特別月間」の成果を踏まえ、今後の党活動をどうやって発展させていくか。

 解散・総選挙がいつあってもおかしくない情勢となっている。年内、あるいは年明けの早期解散の可能性もあり、いつ解散・総選挙となっても勝利をかちとるための活動が重要である。総選挙勝利をめざす活動を、党活動の"前面"にすえ、すべての有権者を対象とした宣伝・組織活動に打って出ることを呼びかける。

 同時に、党活動の"中心"に、引き続き、党員拡大を中心とする党勢拡大をしっかりと据えることが重要である。「特別月間」の奮闘によってつくられた党勢拡大の前進の流れを、絶対に中断させることなく、さらに発展させ、持続的前進の流れをつくりだすことは、総選挙勝利・躍進にとっての最大の保障となる。

 総選挙勝利を"前面"に、党員拡大を根幹とする党勢拡大を"中心"にの構えを、全党が揺るがずに貫き、奮闘しよう。

2、菅新政権とどういう政治的構えでたたかうか

(1)安倍政治の「継承・発展」――行き詰まりと新たな危険

 安倍政権に代わり、菅義偉氏を首相とする新政権が発足した。菅首相が国の政治のあり方について繰り返しているのは、「安倍政権の継承・発展」と「自助・共助・公助」の二つだけである。

 しかし、7年8カ月におよぶ安倍政権は、内政、外交、政治モラル、新型コロナ対策など、あらゆる面で行き詰まりがあらわになり、辞任表明はその結果であった。行き詰まった政治を「全面的に継承」する菅政権では、新しい政治を求める国民の期待を裏切ることになることは必至である。いま政治がなすべきことは行き詰まった「安倍政治」の「継承」ではなく、「安倍政治」の転換であり、「負の遺産」の一掃である。

 しかも、菅首相が「安倍政治の継承」とともに掲げた「発展」なるものの危険な中身が、早くも明らかになりつつある。日本学術会議の人事に対して菅首相が介入し、新会員候補105人のうち6人の任命を拒否した事態を「しんぶん赤旗」がスクープし、大きな問題に発展している。同会議が推薦した候補が任命されなかったことは過去に例がなく、今回の任命拒否は、憲法23条の「学問の自由」を脅かし、日本学術会議法にも反する、違憲、違法の暴挙である。これは、任命拒否された6人だけの問題ではなく、日本学術会議全体の問題であるとともに、学問の自由と国民の権利の侵害であり、すべての国民にとっての重大問題にほかならない。

 一連の事態は、菅政権が、より強権的で、ファッショ的な政権となる危険を示すものである。菅政権による強権政治を許さないために全力をあげよう。

(2)自己責任を押し付ける新自由主義の暴走か、おおもとからの転換か

 菅首相が「政治理念」として掲げた「自助・共助・公助」なるものは、本来の政治の仕事である公的責任を放棄し、それに代わるものとして、「自助」――自己責任を押し付ける、むき出しの新自由主義のスローガンである。

 「自助、共助」は政治が国民に押し付けるべきものではない。政治の仕事は「公助」――くらしを守り、良くする「公」の責任を果たすことにつきる。新型コロナ感染の広がりに苦しみ、歯を食いしばって努力している国民に対して、「まずは自分でやってみる」と自己責任を押し付ける政治では、国民の苦難は解決するどころか、ますます塗炭の苦しみをもたらすことになる。

 新型コロナ危機の体験を通じて明らかになったのは、人間は一人では生きていけない、社会の力で支えることがどうしても必要であり、とりわけ国や自治体など公の支えが不可欠だということだった。「自己責任」を押し付ける新自由主義では、この社会はもはや立ち行かないことが明瞭になったのである。

 破たんした新自由主義の暴走か、それとも、その道を大本から転換し、くらしを守り、良くする「公」の責任を果たす政治を実現するのか――いま、日本の進路をめぐる、大きな対立軸が浮き彫りになっている。

 わが党は、党創立98周年記念講演で、新自由主義路線を転換し、新しい日本をつくるための「七つの提案」を行った。この提案をおおいに国民に語り、たたかいを広げよう。

(3)新型コロナ危機から命とくらしを守り、菅政権を終わらせ、新しい政治を

 10月2日、日本共産党は政府に対して「新型コロナ危機から、命とくらしを守り、経済を立て直すための緊急申し入れ」を行った。党はひきつづき、新型コロナ危機から国民の命とくらしを守り、国民の苦難軽減のために全力をあげる。そのための国民的なたたかいを呼びかける。

 くらしと経済、憲法、沖縄、原発、ジェンダー平等など、あらゆる分野で運動を広げ、市民と野党の共闘を発展させ、次の総選挙で「安倍政治」の「継承・発展」をかかげる菅政権を終わらせ、新しい政治をつくるために全力をあげよう。

 性暴力被害者の相談事業をめぐって「女性はいくらでもうそをつけますから」と発言した自民党の衆議院議員に、大きな怒りが広がっている。性暴力に反対する「フラワーデモ」の主催者が呼びかけた、発言の撤回、謝罪と議員辞職を求めるウェブ署名は13万人を超えた。自民党の政治責任を問うとともに、ジェンダー平等社会の実現に力をあわせよう。

 大阪市を廃止し、特別区をつくる「大阪都」構想の住民投票が11月1日投票で実施される。このたたかいは、大阪の自治と民主主義を守り、安倍政治の最悪の補完勢力として自己責任・新自由主義を押し付けてきた、日本維新の会の野望を打ち砕くたたかいである。全国から大阪への支援と連帯をつよめることを訴える。

3、総選挙にのぞむ、わが党の基本的な立場

 来たるべき総選挙の目標は、第一に、市民と野党の共闘の勝利で、政権交代を実現し、野党連合政権を樹立することであり、第二に「850万票、15%以上」を得票目標に、日本共産党の躍進をかちとることである。

(1)市民と野党の共闘を発展させ、次の総選挙で政権交代を実現し、野党連合政権を樹立しよう

 日本共産党は、次の総選挙で政権交代を実現し、野党連合政権を樹立することを目標に掲げて、それに正面から挑戦する。

 何よりも、行き詰まった「安倍政治」の「継承・発展」を最大の看板にし、発足直後から憲法も法律も無視した強権をふるい、新型コロナ禍に苦しむ国民に、「まずは自助」と自己責任を押し付ける菅政権を、このまま続けさせるわけにはいかない。次の総選挙でこの政権を終わらせ、新たな政権をつくることは、野党にとって当然の責任である。

 この間の市民と野党の共闘の前進にてらしても、次の総選挙で野党が政権交代に挑戦する条件は大いにある。前回の2017年総選挙は、共闘が突然の逆流に直面するもとで、「市民連合」(「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」)や他の野党のみなさんと力をあわせて、分断と逆流をはね返し、共闘を守り抜くことが課題だった。来たるべき総選挙は前回とは違い、その後の参院選や地方選挙などで共闘の経験を積み重ね、野党間の関係も一歩ずつ前進・発展する中で迎えるものとなる。

 9月の臨時国会では、新・立憲民主党から、「菅政権を倒し政権交代を実現するために連携していきたい」と首相指名選挙での協力要請があり、日本共産党は、共闘をさらに進めることを願い、野党連合政権をつくっていくという意思表示として枝野幸男・立憲民主党代表に投票した。首相指名選挙において、今回のように、政権交代に向けた協力として、わが党が他党党首に投票したのは初めてのことである。ほかの野党もそろって枝野氏に投票し、衆議院では134票、参議院では78票が投じられた。衆議院でプラス100議席あれば政権交代が可能であり、そのことが現実的な目標として見えるところまで進んだ。

 政策的一致点という点でも、従来の一致点に加えて、新型コロナ危機を体験して、「新自由主義からの転換」という方向が、野党間で共有されるようになってきた。9月25日には、「市民連合」が、日本共産党や立憲民主党など野党各党に、野党による政権交代を実現するための政策に関する要望書を提出した。この要望書は、昨年の参院選での13項目の政策提言を、新型コロナ危機や安倍政権の退陣などを受けて発展させたものであり、野党の共同の政策になる中身であるとともに、野党による政権構想の土台になりうるものである。わが党は、要望書に全面的に賛同するとともに、野党間の協議によってその内容をさらに豊かなものにしていくために力をつくす。

 こうしたもとで、いま野党に求められているのは、「次の総選挙で、菅政権を倒し、政権交代を実現する」ことを宣言することであり、菅政権を倒した後の政権について、日本共産党も含めた「オール野党」で野党連合政権をつくることで合意することである。野党が、こうした姿勢をきっぱり打ち出してこそ、「政治を変える」という「本気度」が国民に伝わり、情勢の前向きの大変動をつくりだすことができる。

 次の総選挙を政権交代と野党連合政権樹立をめざす選挙にできるかどうかは、国民の世論と運動、日本共産党の奮闘にかかっている。中央として、野党間の合意形成のためにあらゆる努力を行う。全党が一丸となって、国民の切実な要求にもとづくたたかいにとりくみ、総選挙で政権交代と連合政権を実現しようと訴え抜き、野党の政治的合意に向けた世論と機運を盛り上げていくことを訴える。何よりも総選挙勝利をめざす活動を"前面"に、党員拡大を根幹にした党勢拡大運動を"中心"にすえ、日本共産党躍進の流れをつくりだすことが、次の総選挙を政権交代と野党連合政権樹立を実現する歴史的選挙にしていく最大の力であることを銘記して、ともに奮闘しよう。

(2)「比例を軸に」をつらぬき「850万票、15%以上」を実現し、小選挙区での議席大幅増をかちとり、日本共産党の躍進を

 来たるべき総選挙の比例代表選挙では、全国11ブロックのすべてで議席獲得、議席増を果たし、小選挙区では野党の選挙協力を成功させ、党の大幅議席増をめざす。

 総選挙において、わが党が比例代表選挙で「850万票、15%以上」の得票を実現し、議席を大きくのばすことは、政権交代へのわが党の責任を果たすうえでも、日本の政治の前途を開くうえでも決定的に重要である。これは、なにがなんでも実現しなければならない、わが党独自の責任である。党の小選挙区候補を擁立した選挙区でも、他党の候補を野党統一候補とする選挙区でも、全党が「比例代表選挙」を「自らの選挙」として、あらゆる選挙戦の主舞台としてたたかい、過去のどの選挙でもなかった位置付けで「比例を軸に」を中心にすえてたたかうことを、強く呼びかける。

 小選挙区において、野党統一候補の勝利とともに、日本共産党の候補者の必勝のために本気で奮闘することは、わが党の重大な責任である。小選挙区の予定候補者は、名乗りを上げた以上は、共闘と党の勝利を訴え、議席獲得に向けた決意を堂々と語りぬこう。事務所を設置し、ポスターを張り出し、街頭から党を語る先頭に立とう。

 「アメリカいいなり」「財界中心」という二つのゆがみ、「歴史逆行」という古い自民党政治の行き詰まりをただす根本的改革の展望を持つ党の躍進は、さまざまな逆流をはねのけて市民と野党の共闘を前進させるためにも、日本の政治の根本的転換にとっても最大の力になる。

 「比例を軸に」をつらぬいて「850万票、15%以上」をやりとげ、小選挙区での勝利もかちとり、日本共産党の躍進を必ず実現しようではないか。

 来年1月の北九州市議選挙をはじめ、6月の東京都議選挙など政令市、県都など重要な選挙がつづく。これからの一つひとつの中間選挙で着実に勝利を重ね、総選挙勝利の流れをつくりだそう。

4、総選挙勝利を前面にした、今後の活動の強化点について

(1)「支部が主役」の選挙戦――宣伝と対話・支持拡大に打って出よう

 全支部・全党員が、ただちに総選挙を前面にした活動にたちあがることを呼びかける。

 得票目標・支持拡大目標を決めた支部は34・1%、対話・支持拡大のとりくみ支部は16・6%、後援会をもつ支部は52・0%にとどまっている。すべての支部が、得票目標・支持拡大目標を決め、「支部が主役」の選挙戦にたちあがり、宣伝、対話・支持拡大を本格化しよう。

 比例・小選挙区候補を先頭に、国会議員と地方議員が、文字どおり全有権者を対象に「目で見え、声で聞こえる」宣伝に打って出よう。街頭からの訴えとともに、新型コロナ危機打開の党の提言をたずさえ、広い層との懇談にとりくもう。新型コロナ感染対策を徹底しつつ、大中小の「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」を、党の積極的支持者を増やす場としても位置付け、総選挙に向けた活動の「推進軸」として全国津々浦々で無数に開こう。

 「毎日が選挙戦」の構えで対話・支持拡大をすすめ、これまでの党支持者はもちろん、この間生まれた新たなつながりにも一気に当たり、党への支持を広げる担い手になってもらう働きかけをつよめ、その結果を台帳・名簿に反映させよう。「立体作戦」で、党員、「しんぶん赤旗」読者、後援会員の拡大をすすめよう。

 SNSの活動を、宣伝でも組織活動でも作戦の柱の一つにすえ、「草の根の党」の力を発揮して、日本共産党の政策と理念、党議員団の値打ち、魅力ある候補者の姿を発信しよう。

 青年・学生の中で党の風を思い切って吹かせ、選挙活動を強めよう。

 後援会活動を大きく発展させることも引き続き重要である。得票目標の達成にふさわしく、すべての支部に対応する後援会を確立し、後援会員を大きく増やそう。条件と必要に応じて個人後援会をつくろう。JCPサポーターへの登録と活動を広げ、気軽に参加しやすい後援会活動に力を注ごう。職場と分野別の後援会をいそいで確立しよう。

 募金活動を思い切って強めよう。政党助成金を使った買収事件など、政治とカネをめぐり国民の怒りは大きい。「企業・団体献金も政党助成金も受け取らない日本共産党への募金を」と訴え、選挙財政をつくりだそう。

(2)積極的支持者を増やす活動――改定綱領の力で選挙をたたかおう

 市民と野党の共闘をすすめながら、党の躍進をかちとるカギは、党の自力づくりとあわせて、積極的支持者を増やす活動にとりくむことである。

 わが党が第28回党大会で、綱領を一部改定したことは、国民に党の魅力と値打ちを語り、積極的支持者を広げる絶大な力となることは間違いない。

 新型コロナ・パンデミックのもとで、改定綱領の生命力が際立っている。

 米国と中国の双方で体制的矛盾が噴き出すとともに、両国の対立が深刻化している。中国についての規定をあらため、どんな国の覇権主義にも反対する立場を明記した改定綱領は、わが党への誤解を解くとともに、日本政府の覇権主義への屈従外交を正し、自主・自立の平和外交への転換を訴える確かな指針となるだろう。

 格差拡大、環境破壊という世界資本主義の矛盾が顕在化・激化し、「資本主義の限界」が指摘されるもとで、改定綱領で一段と豊かになった世界資本主義論、未来社会論は、わが党の魅力を伝える大きな力となるだろう。

 「ジェンダー平等後進国・日本」の異常な実態が明らかになる中、改定綱領は、性差別や性暴力に反対し、ジェンダー平等を求めて、勇気をもって声をあげはじめた人々とともにたたかう、連帯の絆となるだろう。

 改定綱領を指針に日本と世界の大局的展望を明らかにした志位委員長の党創立98周年記念講演が感動をよび、深いところからわが党の役割に共感が寄せられている。記念講演ダイジェストDVDを活用し、全支部、全自治体・行政区、各分野で「集い」にとりくみ、日本共産党の政策や理念を丸ごと語ろう。

 全党が改定綱領と党大会決定を深く身につけ、その力で総選挙をたたかい、必ず勝利しようではないか。

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