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日本共産党

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赤旗

第20回党大会

日本共産党綱領一部改定案の討論
についての不破委員長の結語

1994年7月23日報告、同日採択


 党綱領一部改定案についての討論の結語をおこないます。

 「理性と人間性」みなぎる人間集団として

 この大会では県、地区、支部、グループ、それに中央の十四名の同志が、それぞれの立場から、たいへん充実した討論をおこないました。人類史のロマンにもかかわる壮大な展望を自分のものとするとともに、党綱領の内容を日々の活動の指針としてうけとめているというのが、多くの発言に共通したものでした。

 私は、現行の綱領を採択した第八回党大会には出席していませんが、綱領の一部改定をおこなった第十二回党大会、十三回党大会、十七回党大会と、その時どきの討議を思いおこしながら、この間の党の理論的な成長と発展を痛感いたしました。これは、内外の激動のなかで、「理性と人間性」のみなぎる人間集団として、党がいかに鍛えられてきたかを表現したものであります。(拍手)

 報告では、二十世紀論についても、人類の未来展望についても話しましたが、日本における私たちのたたかいの意義と展望、その法則的な基礎を、人類史、世界史の雄大な流れのなかで浮きぼりにしたというのが、こんどの一部改定案の重要な特質の一つであります。

 それは、けっして偶然ではありません。ソ連の崩壊などの世界の現実が、そういう問題を提起しているからであります。また、なにものをも恐れずに真実を追求する科学的社会主義の立場から、提起されている問題にこたえることが、今日、切実にもとめられているからであります。

 "ソ連でなにが崩壊したのか"を明快に解明

 そういう問題の一つに、ソ連で一体なにが崩壊したのか、という問題があります。前回の第十九回党大会では、私たちは、ソ連で起こったのは、社会主義の失敗でも破綻(はたん)でもない。それは、「スターリン・ブレジネフ型の体制の崩壊」だ、と規定しました。今回の大会ではさらにたちいって、旧ソ連社会が、経済的土台までふくめて、反社会主義的、反人民的な体制――自国人民への抑圧、他民族への侵略と干渉の体制であったこと、だからこそ崩壊したのだという結論を、明確にくだしました。「これでスッキリした。大衆と話す場合もスパッと話せる」といった歓迎の声が、千葉の地区の同志から紹介されました。わが党のこの結論は、あくまで真理を追求する科学的社会主義の精神を発揮してえられたものであります。そして、その追求の過程そのものが、三十数年にわたるソ連覇権主義との日本共産党の闘争の実践に裏づけられたものであります。

 "世界と日本、その前途はどうなるのか"

 また、いま提起されている問題には、世界の前途は一体どうなるのか、という問題もあります。「資本主義万歳」論はけっして通用しません。ある時期までは、手ばなしでこれを謳歌(おうか)していた反動支配層のあいだでも、いまは、不安と動揺が色濃く表明されています。一年間に政権交代三回という日本の政治の現状も、それからまた、空前の円高・ドル安に直面しながら、結局は無策におわったナポリ・サミットも、すべてそういう状況の反映であります。

 党綱領一部改定案は、この問題にも明りょうな回答をあたえました。独占資本主義、帝国主義の支配と抑圧を打破する方向にこそ未来がある、というのが、二十世紀の全歴史が教えている教訓であります。党綱領は、人類史の未来を科学的社会主義ならではの壮大な視野で展望しながら、現在のわれわれのたたかいの価値ある意義をしめしました。

 そしてこの流れを世界論、時代論として一般的に問題にするだけでなく、社会進歩のその流れにそって、日本社会がいま当面している課題は何か、その課題をいかなる方向でいかなる手段で解決すべきか、そういう問題に明確な回答をしめしました。これこそが変革の党の綱領として肝心な点であります。反帝反独占の民主主義革命の路線、その中心問題の一つである独占資本にたいする民主的規制という提起が、いま内外の注目をあびていることは、報告で紹介したとおりであります。

 こういう内容をもって、現代的に充実、発展させた党綱領が、体制選択論などの反共攻撃を打ち破る理論的、政治的な決定的な力になることを、多くの同志が強調しました。まったく同感であります。早くその内容を全党に徹底し、意気高く党の躍進への活動にとりくもうではありませんか。

 綱領を日々の党活動の生きた指針に

 この党綱領が、世界と日本の将来についてロマンある展望をしめしていると同時に、そのまま日々の活動の力になるということは、多くの同志たちが強調したことであります。

 神戸の民青同盟グループの若い同志は、「入党工作にこのまま使える、読みあげて、そういうことだからはいってくれと言えばよい」(笑い)、こう語りました。千葉の地区の同志も、独占資本と国家機構の中枢地域で活動しているという東京都心の地区の同志も、「この綱領や規約をそのまま語れば入党工作はできる」と発言しましたし、また地区党のあいだで、「綱領がだんだんとおれの日常会話に近づいてきた」(笑い)などの感激的な会話が交わされているようすを報告しました。そのなかでとくに、大経営での活動の経験にもとづいて、「今回の改定が職場で多数派にむかう新たな力になると確信する」という発言があったのは、たいへん重要であります。

 日本共産党の綱領を党大会できまったときだけ読む、あるいは入党のときだけ読んでもらう、こういうことにとどめないことが大切であります。活動しながら、たえず党綱領にたちかえる、綱領の立場で自分たちの活動を考える、これがきわめて大事な点です。

 ここで私は、十一年前のことを思いだします。この同じ会場で、全国地区委員長の講習会をひらき、党綱領についての講義をしました。そのとき、"党中央は党大会や中央委員会の新しい決定を準備したり、その時どきの情勢に応じて新しい方針をうちだすときには、かならず党綱領の見地にたちもどる、それを正確にふまえ、党綱領の路線をたえず今日的に発展させるために議論している"、そういうことを紹介して、「みなさんがたのところはどうか」とたずねたわけであります。"新入党者に読んでもらうし、教育もやるが、党の幹部自身は綱領をふり返ろうともしない、こういう学校でもないと、日常はあまり縁がない、そういう活動があるんじゃないか"と問いかけましたら、満場、笑いでこたえました(笑い)。しかし、その笑いのかげに、身につまされるといった、自己点検のまじめな調子を同時に感じたものであります。

 実際、党綱領を忘れた党活動、党生活は、結局は、革命の党にふさわしい大きな志や展望に欠けたせまいものになってきます。それだけに今回の討論のなかで、これを日々の活動の指針としてうけとめたという発言が多かったことは、たいへん意をつよくするものであります。こんごとも、この党綱領を党活動、党生活の生きた指針とするために、全党が本気で身につけようではありませんか。(大きな拍手)

 改定案への追加部分について

 党綱領の内容について、党大会前の討論をふくめて、いろいろな改定の提案があり、検討した結果、とりいれるものを文書でお配りしました。若干の解説をおこないます。

 まず最初は、第一章の日本帝国主義のおこなった侵略戦争についての記述で、それがアジア諸国民にいかに深刻な被害をあたえたかを、綱領のうえでも明記するという問題であります。

 つぎに、第三章の日本への核兵器もちこみについての叙述を、「もちこんでいる」から「もちこんできた」にあらためました。アメリカの政府は九一年の秋ごろから核兵器の配備について一定の変更措置をとりました。アメリカは、これまで、日本への核兵器もちこみについて、いっさい公式の言明を避けて、問題を"灰色"の状態においてきました。これにたいして、わが党はこれまで、アメリカの日本への核もちこみについて、徹底的な実態の追及をもとに具体的な現実をあばいて告発してきたのですが、九一年秋の措置以後、この"灰色"の性格は、いちだんと色濃いものとなってきています。そういう状況をふまえての改定であります。ここで「もちこんできた」という言葉は、過去のことという意味ではなく、いわば現在完了形で、現在にもひびきを残している文章としてお読みいただきたいということを、注釈としておきます。

 第三、第四項は字句的な問題ですが、第五項は、「発達した資本主義国では、ソ連覇権主義への追随が多くの政治的道義的退廃を生みだしている」という文章でした。退廃などがどこにおきているのか明示されていないという意見がありましたので、「人民運動の一部に」という文章をくわえました。

 第七項は、もともとは「あらゆる災害・事故の絶滅」という文章だったのですが、台風や地震は絶滅できないという意見をいただきました。たいへんもっともであります。(笑い)

 しかし同時に、台風や地震、津波がひきおこす被害そのもの――これはしばしば「人災」とよばれますが、これは絶滅したいというのがわれわれの要求であります。提起された意見にこたえると同時に、この被害の絶滅という気持ちもあらわしたいということで、「あらゆる」という言葉を削ることにしたものであります。

 以上が、綱領の追加改定についての解説です。

 なお、規約との関係で、用字用語などは最終的には統一したものにしたいと思っておりますので、そのへんはおまかせいただきたいと思います。

 「自由と民主主義の宣言」の補正を新中央委員会に委任

 最後に一つの提案があります。前大会で、「自由と民主主義の宣言」の一部改定をおこないました。党綱領にも、三つの自由の問題がおりこまれているように、「自由と民主主義の宣言」の値うちはいよいよ光っております。ただ、十月革命以来の歴史の叙述にかんする部分は、今回の綱領の一部改定にあわせての改定を必要としております。具体的にいえば、第三章の「科学的社会主義と自由の問題」のうちのそれに関係する部分であります。

 この点について、今回の綱領一部改定の水準で必要な補正をおこなうことについて、党大会として、新たに選出される中央委員会に委任するという措置をおねがいしたい、そして、党綱領と首尾一貫した内容の「宣言」として、活用できるようにしたい、これが提案であります。

 以上で結語を終わります。(大きな拍手)

1994年7月25日付「赤旗」より転載


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