各分野政策(2017年)

2017総選挙/各分野の政策

4、女性

男女差別をなくし、女性が生きいきと力を発揮できる社会にします

2017年10月


 安倍政権がすすめる民主主義と立憲主義、くらしと人権をふみにじる政治に、多くの女性たちが怒り、「安倍政治を許さない」「新しい政治の実現を」とたちあがっています。日本共産党は、日本の平和と民主主義を守るためにともにたたかうとともに、男女差別をなくし、女性が生きいきと力を発揮できる社会の実現のために力をつくします。

 安倍首相は、政権下の5年間で働く女性が増加し、子育て世代の女性就業率は7割を超え、第一子出産後も働き続ける女性が5割を超えたとのべています(日本経団連創立70周年パーティー、2017年5月)。

 確かにこの5年で女性雇用者は167万人増えていますが、その75%は非正規雇用です。パートを含む女性の非正規労働者は56%です。女性パート労働者の平均時給はようやく1054円まで前進しましたが、賃金、賞与をふくめ正規との労働条件の格差は残されたままです。正社員の女性の賃金は、世界の多くの国は男性の9割まで改善していますが、日本ではいまだ7割です。管理職の女性比率も1割にとどまっています。

 「働き方改革」と銘打って安倍政権がすすめようとしているのは、長時間労働野放しの「残業代ゼロ」法案など、新たな困難と格差をひろげるものです。安倍政権がすすめる「アベノミクス」や「女性の活躍」は、大企業にとって使い勝手のいい女性労働力を増やすためのものです。

 安倍政権は選択的夫婦別姓を認めないなど法律上の差別の改善に背を向けています。自民党の憲法改悪草案が憲法24条を見直そうとしていることも重大です。

 日本共産党は、憲法と国連女性差別撤廃条約にたち、女性へのあらゆる差別をなくし、女性も男性も、平等に、人間らしく生きることのできる社会の実現のために力をつくします。

 

1、働く場での男女平等を前進させます

不当な男女賃金格差や昇進昇格差別の是正をはかります

同一(価値)労働同一賃金の原則にたった法改正をすすめます

 同じ仕事をしているなら賃金も同じ、さらに同じ仕事、同じ職種ではなくても、必要な知識・技能や経験、負担・責任などが同じなら賃金を差別しないというのが、同一(価値)労働同一賃金の原則です。政府や財界がすすめようとしている「同一労働同一賃金」は、仕事や会社への貢献度などによる差別を容認し、格差を固定化・拡大するものです。日本政府も批准しているILO(国際労働機関)条約「同一価値労働・同一報酬」(100号)にもとづいて、労働基準法や男女雇用機会均等法(均等法)に同一(価値)労働同一賃金を明記し、格差是正のための実効ある措置をとります。

均等法に「すべての間接差別禁止」を明記し、巧妙な女性への差別をやめさせます

 均等法施行30年余を経てもなお男女賃金格差や昇進・昇格の格差、低賃金・不安定な雇用の実態は解決していません。性を理由にした露骨な差別ができなくなった企業が事実上の差別を続けるために、総合職と一般職にわけるコース別雇用管理などの巧妙な女性差別がおこなわれているからです。国際機関では、形の上では性による差別とみえない基準でであっても、一方の性に不利益な影響を与える行為を、「間接差別」と規定し、違法な差別として禁止しています。ところが日本では均等法が「間接差別」と規定しているのは、労働者の募集や採用・昇進などの際に、転居を伴う転勤ができることを要件とするなど、わずか三つです。「間接差別」のほとんどが野放しです。

 均等法に「すべての間接差別の禁止」を明記し、権限のある救済機関を設置します。EUのように使用者に「差別はしていないこと」の立証責任をもたせ、実効ある措置をとります。まったく同じ職種でなくても、必要な知識・技能や経験、負担・責任などにもとづいて公正な評価を行えるよう、ILO(国際労働機関)条約「同一価値労働・同一報酬」(100号)にもとづく実効ある是正をはかります。

〇差別の是正に権限をもつ独立した救済機関を設置します

 現在、労働者からの相談や差別の訴えを受け付けている雇用環境・均等部(室)では、差別の是正を使用者に勧告しても使用者が従わなければ、それ以上、改善させることができません。気軽に相談することができ、差別があった場合にはその是正につよい権限をもつ政府から独立した救済機関を設置します。EUのように会社側・使用者に「差別はしていない」ことの立証責任をもたせます。

非正規で働く女性の権利を守り、均等待遇、正規雇用化をすすめます

パート労働法や労働者派遣法に均等待遇の原則を明記し、厳格な実施をはかります

 有期雇用やパートなどの非正規雇用でも同じ仕事なら正社員との時間比例で、同じ賃金、同じ労働条件を保障するために、同一(価値)労働同一賃金、均等待遇の原則を、労働基準法、パートタイム労働法や労働者派遣法に明記し、賃金や賞与、有給休暇、福利厚生などでの不当な差別をなくします。

非正規雇用の「使い捨て雇用」をやめさせ、正規を希望するパート・有期労働者を優先的に雇い入れることを努力義務にします

 本来、派遣や有期雇用は、一時的・臨時的なものです。正社員が当たり前の社会をめざし、改悪された労働者派遣法を抜本的に改正し、有期雇用の規制強化をすすめ、派遣や契約社員などは、臨時的・一時的な業務など合理的な理由がある場合に限定します。不当な雇止め、違法・脱法的な働かせ方を厳しく取り締まります。正規労働者の募集・採用の際には、その業務についていて正規を希望するパートや有期労働者などを優先的に雇うことを努力義務化します。

公務労働者も法の対象に加えます。女性が多い保育士、介護士、学童保育指導員などの労働条件を改善します。

異常な長時間労働を是正し、男女がともに仕事と家庭が両立できる人間らしい働き方にします

 男女がともに人間らしく働き、子育てしながら働き続けられるようにするには、長時間労働の是正をはじめとする働き方の抜本的な改善が欠かせません。男性の長時間労働を当たり前とする働かせ方は、家事、育児をもっぱら女性の役割とする男女性別の役割分担によって支えられているからです。6歳未満の子どもをもつ夫の育児・家事時間は、ドイツ、スウェーデンの男性の3分の1です。女性が働き続けられない、既婚女性がパートタイムを選ばざるをえない大きな要因です。また1997年の労働基準法改悪で女性の残業や深夜労働の規制が撤廃されて以降、女性にも長時間労働がひろがっています。働く女性の4人に1人が切迫早産、流産を経験するなど健康破壊・母性破壊も深刻です。残業時間の上限を法律で規制し、連続休息時間(勤務間インターバル)として最低11時間を確保するなど、長時間労働を是正します。子育て期の労働者の時間外労働の免除、短時間勤務制度は小学校入学前まで、深夜労働の免除も中学校入学前まで請求できるようにします。

 希望に燃えて総合職としての仕事についた女性たちが異常な長時間労働のもとで過労死する事態が大企業で頻発し、大きな社会問題になっています。

 安倍政権がすすめる「働き方改革推進法案」は、財界の念願である「残業代ゼロ」制度導入を柱としており、強行されれば、いっそうの長時間労働と過労死を促進するものです。子育て、介護などの家庭責任をもつ労働者、多くの女性にとっては、働き続けることが困難になります。そのほかにも「金さえ払えば解雇できる」仕組みの導入をはじめ、労働者、国民の反対の声を無視してすすめられている「働き方改悪」を許さず、長時間労働の規制、解雇の規制など雇用のルールを強化します。

働く女性の人権を守ります

セクシャルハラスメント対策を強化します

 職場のセクハラやパワハラは女性労働者の人権と働く権利を傷つける重大な行為です。退職や体調不良に追い込まれたり、相談・申し出をおこなった労働者が解雇や不利益取り扱いをされたりするケースも少なくありません。雇用均等室によせられた労働者からのセクシュアルハラスメントの相談数は6827件(2015年度)と、相談数の6割弱を占め最多です。男女雇用機会均等法でセクハラ防止措置が事業主に義務付けられていますが、セクハラ防止にとりくんでいる企業は6割弱にとどまっています(16年度雇用均等基本調査)。

 事業主が対策を徹底するよう、行政の指導・援助を強めます。国と都道府県に改善命令をだせる独立の機関を設置し、被害者の救済と保護、不利益取り扱いの禁止、希望にもとづく原職復帰などを明確にします。相談窓口を拡充します。セクハラをなくす先頭にたつ議会をつくります。

自営業・農業女性の労働を正当に評価します

 家族従業者に支払う給与が経費として認められていない現行制度は、自営業、農業に従事している女性に対する人権侵害だとして、廃止を求める運動がひろがっています。所得税法56条廃止の決議や意見書を採択した自治体は485(2017年7月31日現在、全国商工団体連合会調べ)にのぼります。国連女性差別撤廃委員会は、所得税法56条が家族従業女性の「経済的自立を事実上妨げている」として、見直し・検討をもとめています。所得税法56条を廃止して、妻など家族従業者の働き分を正当に評価し、必要経費と認められるようにします。

病気や出産時に安心して休める制度をつくります

 自営業・農業女性が加入している国民健康保険には病気やけが、出産時の休業補償がありません。病気や出産のときに安心して休めるような支援制度をつくります。国民健康保険に出産手当金・傷病手当金の「強制給付」の制度をつくり、経済的な負担の軽減をはかります。

 

2、子どもを産み育てながら、働き続けられる社会的条件をつくります

 職場で働く約半数の女性が第1子の出産前後で仕事をやめています。保育所不足や妊娠・出産による解雇、労働環境の困難など、出産・子育て、家庭と仕事を両立する制度や社会的条件や環境が不十分なためです。

国と自治体の責任で、安心して預けられる保育を保障します

「公立も含めた認可保育所の増設」「保育士の賃上げと配置基準の引き上げ」で待機児童をなくし、安心して預けられる保育を保障します

 保育所の待機児童解消が社会問題になって20年近く、待機児童問題はいっそう深刻な事態になっています。政府は、自らが保育への公的責任を投げ捨て、民営化などの規制緩和、保育条件の基準緩和による詰め込みなどをすすめてきました。待機児童問題の根本にメスを入れるのではなく、認可保育所より基準の低い企業主導型保育(無認可)や、小規模保育を中心とし、保育者の資格の基準緩和などをすすめてきました。「子ども・子育て支援新制度」は、国と自治体の保育に対する責任を後退させ、園庭のないビルの一室など保育条件を引き下げた施設の急増、保育料の大幅引き上げ、保育士の資格要件の緩和など、子どもの発達を保障する保育環境=保育の質を大きく後退させています。深刻な保育士不足についても、資格要件の緩和やICT化の支援などが中心で、根本的な配置基準の改善や保育士全体の賃金の底上げははかられていません。

 日本共産党は、当面、公立をふくめた認可保育所の30万人、3000カ所の増設、保育士の賃上げなどの労働条件の改善を中心に待機児童解消をすすめるとともに、公的責任で量質ともに安心して子どもを預けて働き続けられるだけの保育所を建設するための「保育所整備計画」をつくり、希望するすべての子に保育所入所を保障する政治を実現します。

→ くわしくは、保育所・待機児問題への日本共産党の緊急提言各分野の政策の5、【保育】2017年総選挙各分野の政策の5、【保育】をお読みください。

学童保育の待機児童の解消、環境整備と指導員の待遇改善をすすめます

 子どもたちが放課後や休みの日に安心して過ごせる学童保育を求める父母の願いや子どもが健やかに育つ権利保障にたって、学童保育の拡充をはかります。

 政府は、「放課後子ども総合プラン」(2014年)でかかげた2019年度末までに30万人分の受け皿整備の期限を2018年度末に前倒しするなどとしていますが、その中身は、学童保育と放課後子ども教室の一体型を中心とした整備です。

 学童保育数は、この1年で1649カ所増加し、2万9287カ所、入所児童数は約7万1000人増えて、114万8318人となっています。その一方で、入所を希望して入れなかった子どもたちの数も把握できただけでも約1万7000人にのぼっています(全国学童保育連絡協議会「学童保育の実施状況調査結果」、2017年5月発表)。約6割を占める公営以外の学童保育は運営者や施設に直接申し込むしくみになっているところも多く、把握できていない待機児童数は40万人ともいわれています。

 2014年、父母や指導員たちの長年の運動によって厚生労働省が設備と運営に関する基準を示しましたが、解決すべき課題が山積しています。政府の施策は学童保育の増設も、施設の改善・拡充も、指導員の教育・待遇改善も市町村まかせであり、財政支援もきわめて不十分です。

必要な数だけ学童保育を増設し、待機児童を解決します

 学童保育のない125の市町村、学童保育のない3120小学校区、ここで生活している子どもたちは潜在的待機児童にさせられています。政府は、「放課後子ども総合プラン」(2014年)で、2019年度末までに30万人分の受け皿を整備するとしていますが、その中身は、学童保育と放課後子ども教室の一体型を中心とした整備です。「学童保育」とすべての子どもを対象とした「放課後子ども教室」とは役割が異なっています。一体化ではなく、それぞれの充実をすすめます。国と自治体が実態にみあった学童保育整備計画をつくり、待機児童を解消します。

大規模施設の解消を早期にすすめます

 厚生労働省の基準では、集団の規模は「おおむね40人以下」とされています。改善の努力も進められてきましたが、3年たった今も4割が41人以上の施設です。子どもたちに負担を強いる大規模施設を一刻も早く解消します。適正規模になるよう施設の分割をしやすくするために、補助単価を見直し改善をはかります。

指導員の待遇改善をすすめます

 指導員の多くが非正規雇用です。正規職員は、公営で2・9%、民営で18.6%に過ぎません。年収は、半数以上の指導員が150万円未満です。国の補助単価が平日6時間の非常勤職員の基準(約150万円)で出されていたからです。2017年度予算から1人分は310万円で算出される改善が行われていますが、指導員という専門性を保障するために、補助単価を改善し、指導員の処遇改善につながる仕組みをつくります。2015年から指導員は「放課後児童支援員」の資格者でありそのための教育を受けること、一施設で複数の有資格者を配置することが義務付けられ、「支援員」への教育がすすめられていますが、いま政府の地方分権推進会議で検討されています。「支援員」の資格の義務付けの規制緩和は許しません。

高すぎる利用料の改善をすすめます

 学童保育を必要とする子どもたちが経済的理由で利用できない事態を放置することはできません。8割を超える市町村が独自になんらかの減免措置をおこなっていますが、経済的事情を心配せず必要とするすべての子どもが利用できるようにするためには国としての減免制度が必要です。

妊娠・出産への不利益取り扱い(マタハラ)をやめさせ、解雇、退職勧奨を根絶します

 妊娠や産休、育児休業を取得したことによる解雇、賃下げ、配置転換、降格などの不利益取り扱いがいまだに横行しています。都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に寄せられた婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いとハラスメントの相談は7344件(2016年度)、女性労働者の妊娠・出産にかかわる母性健康管理が不適切とされた是正指導件数は4917件にのぼります。こうした事例は氷山の一角です。

 労働基準法や男女雇用機会均等法などで解雇や雇止め、不利な配置転換などの不利益取り扱いは禁止され、2017年1月からは上司・同僚による妊娠・出産、育児休業利用に関する嫌がらせなどのハラスメントの防止措置が事業主に義務付けられているにもかかわらず、依然として違反が横行しています。

妊娠中や出産前後の女性が安心して訴えることのできる相談窓口を増やします。雇用環境・均等部(室)の体制の強化・拡充、企業への指導を徹底し、違反した企業名のすみやかな公表、罰則の強化などをはかります。

だれもが利用できる育児(介護)休業制度へ充実します

 育児休業制度の利用率は、母が81・8%、父が3・16%です(2016年度)。男女がともに育児休業を取得できるようにするために、当面、所得保障を父母それぞれにつき3カ月間は100%にする、分割取得を可能にするなどの改善をすすめます。根本的には男女の賃金格差、性別役割分業の考え方が男性の育児休業取得を困難にしています。男性も育児休業を取得できるようにするために、男女賃金格差の是正、子育ては“男女共同の責任”であることを徹底します。

 昇進・昇格や賞与、退職金の算定の際、育児休業期間を“労務を提供しなかった期間”として不利益な取り扱いをしてもよいとなっています。こうした取り扱いは育児休業制度の育児休業制度の趣旨に反するものであり、改めさせます。代替要員確保の助成金の増額や助成期間の延長など中小企業への支援を充実します。

 育児休業の取得条件は、有期雇用をふくめ6カ月以上勤続している労働者すべてに対象を拡大します。有期雇用の父母につけられている子どもが1歳6カ月になるまで雇用が続いていることという厳しい条件は不平等であり、改善します。

 短時間勤務制度や時間外・深夜労働免除制度は、子どもの対象年齢の拡大などの充実をはかります。子どもの病気などで利用できる「子ども看護休暇」は、学校行事への参加などにもつかえる「家族休暇」制度とし、両親が各年10日以上に拡充します。

 制度利用による不利益扱いを許さず、原職復帰原則の確立、苦情処理・救済制度の拡充、指導・監督の徹底、違反企業への罰則強化などをはかります。

 介護休業中は社会保険料免除もないなど不十分です。3カ月が限度となっている休業期間の延長と所得保障の充実をすすめます。

 

3、政策・意思決定の場での男女の平等な参加を実現します

 政策・意思決定過程への女性の平等な参加は、著しく遅れた分野の一つです。日本の国家公務員の本省課長相当職以上の女性4・3%、都道府県の本庁課長相当職以上8・5%、市区町村13・5%、民間企業の課長相当職以上9・3%などに対し、EU加盟国では女性管理職比率が5割に近づいている国もあります。女性国会議員比率では衆議院で9・3%であり、列国議会同盟の調査で191カ国中の163位、先進国で最低のランクです。

 女性が国、地方の議員や各分野の意思決定の場に参加し、指導的役割を発揮できるよう、女性差別のない社会、仕事や社会活動と家庭の両立が可能な社会的条件をつくります。

国会、地方議会で女性議員を増やします

 政党が国政・地方選挙の候補者への女性の登用を率先してすすめることは当然のことです。日本共産党はこれまでも女性候補を積極的に擁立し、衆議院議員の女性比率は28・6%、参議院は35・7%、地方議員は35・8%です。綱領に男女平等をかかげる党として、有権者の男女比率にふさわしく女性議員5割をめざしてとりくみをすすめます。市民連合のみなさんと共通政策として確認した「議員男女同数化」の実現、日本共産党を含む超党派の議員によって検討され、国会に提出された「男女の候補者ができる限り同数となること」をかかげた「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」の成立をめざします。

 小選挙区制度を廃止し、民意を反映する比例代表による民主的な選挙制度への改革を行います。比例定数削減は、民意を切り捨て、女性の政治参加の促進にいっそう障害をもたらすものであり絶対反対です。選挙区300万円、比例区600万円という世界的にも異常に高い供託金も女性の政治参加促進の障害となっており、引き下げます。

 女性が議員として活躍できるように、社会全体で女性差別の是正、妊娠・出産、子育てや介護などと社会活動が両立できる条件整備、議会でのセクハラや女性議員いじめなどをなくす議会運営の民主的改革などをすすめます。

国と自治体が責任をもって公務分野で女性を登用します

 政府は、第2次男女共同参画基本計画(2005年12月)以来、2020年までに各分野の指導的地位につく女性比率を30%にする目標をかかげつづけてきましたが、2016年、国家公務員の女性管理職目標を課長級7%、指定職相当5%に引き下げてしまいました。

 政府は、自らが掲げたあらゆる分野で政策意思決定に参加する女性比率を2020年までに30%にするという目標を堅持し、率先して、女性国家公務員、女性地方公務員での目標達成に責任をもつべきです。そのためには、そもそも国家公務員の女性割合が18%、地方公務員で33%と少ない現状の改善が必要です。公共部門の職員数自体がOECD平均の半分以下で、女性の多くが「官製ワーキングプア」で働いている公務労働の現状を打開し、公務員定数削減による非正規化の流れを転換することが不可欠です。政府と自治体が計画的に女性の採用、登用をすすめるようにします。

民間企業に改善計画、数値目標等の策定・公表を義務づけます

 2016年4月に施行された「女性活躍推進法」は、民間企業に目標や改善計画作成などを義務づけましたが、対象は301人以上の企業です。当面100人以上の規模の企業を対象にし、中小企業の負担軽減のための支援策を設けます。企業がおこなうべき実態分析や目標設定、計画策定の項目、公表すべき内容を改善し、採用に占める女性比率や管理職・役員の比率、男女賃金格差、非正規の比率、産休等の制度の利用状況などの公表、改善にむけた数値目標と具体的な取り組みをふくむ計画の策定を義務づけます。男女格差の大きい大企業には実施報告の提出を求めます。

大学、審議会などあらゆる分野で男女の平等な参加をめざします

 社会のあらゆる分野の政策・意思決定の場への男女の平等な参加は、民主主義社会の当然の姿であり、その社会の男女平等の進み具合を示すものです。

 大学、大学院で学び研究者になる女性が増えています。しかし、女性研究者をとりまく環境や、教育・研究の条件は劣悪です。研究者にしめる女性割合は15・3%ですが、講師31・7%、准教授23・7%、教授15・5%と順に低くなり、他の本務を持たない非常勤講師では女性割合が5割を超えています。昇進差別やセクハラをなくし、出産・育児休職からの復帰支援策の拡充、大学内保育施設の充実など、能力を十分に発揮できる環境づくりをすすめます。

 民間団体が自主的に目標や計画をもって取り組むことを激励します。

 防災・復興に女性の意見を反映できるしくみをつくります。中央・地方の防災会議、避難所運営への女性の参加を促進します。

 

4、女性の人間としての権利・尊厳を守ります

 女性差別撤廃条約を批准している日本政府は、女性差別是正の義務があります。差別是正の前提となる法律上の差別規定は一刻も早く是正します。暴力は、人間としての尊厳、基本的人権を享受することを妨げるものです。人間の尊厳が大切にされる社会をつくる努力とともに、理不尽な暴力にさらされている女性たちを保護、救済し、自立して生活できるよう実効ある措置を講ずることは、政府や地方自治体に課せられた大事な仕事です。

選択的夫婦別姓を実現する政府・国会をつくります

 憲法24条は「個人の尊厳と両性の本質的平等」をうたい、その権利を擁護しています。ところが日本にはいまだ法律に差別的規定が残されています。最高裁判所判決をうけ、ようやく婚外子相続、女性だけに課せられた離婚後6カ月の再婚禁止期間の100日への短縮が実現しましたが、夫婦同姓の強制などの差別が残されています。

 民法を改正し、選択的夫婦別姓の導入、男性18歳、女性16歳と男女で異なる結婚最低年齢を18歳に統一し、再婚禁止期間を廃止する、戸籍法に残る婚外子差別規定を撤廃するなど、家族に関する法律上の差別を全面的になくします。戦前の「家制度」を理想とし、夫婦の姓については「女性の活躍」の立場から「通称使用」を認めるのみの安倍政権には民法に残されている差別を解決することはできません。早急に国会で審議し選択的夫婦別姓制度を導入する国会と政府をつくります。

DV、性暴力の防止、被害者支援を充実させます

DV被害者の救済と保護、自立支援、暴力を防止するための施策の強化をすすめます

 配偶者暴力相談支援センターに寄せられるDV相談は2014年度に10万件をこえ、2016年度も10万6367件にのぼっています。DV被害者の救済と保護、自立支援の充実、暴力を防止するための施策の強化をすすめます。DV防止法を改正し保護命令期間の延長をすすめます。国の予算を増やし、関係諸機関との連携協力・ネットワークづくりと切れ目のない支援、配偶者暴力相談支援センターの増設、24時間相談体制の確立などをすすめます。民間シェルターへの委託費、運営費への財政的支援を強め、施設条件の改善をすすめます。中長期滞在できるステップハウスへの助成、公営住宅への優先入居など被害者の自立、生活再建のための支援を強めます。DV被害者や子どもの心身のケアをふくめ専門スタッフの養成・研修の充実、加害者更生、警察内での教育の徹底などをすすめます。

性暴犯罪の防止、性暴力被害者支援を強め、性暴力のない社会づくりをすすめます

 性犯罪被害者や支援者を中心とする声と運動の広がりのなか刑法改正がおこなわれました。性犯罪は「被害者の心身に多大な苦痛を与え続けるばかりか、人格や尊厳を著しく侵害する悪質重大な犯罪」と規定し、強姦罪の構成要件の見直しと罪名の「強制性交等罪」への変更、女性も男性も被害の対象に、強制性交等罪などの法定刑の引き上げ、監護者であることによる影響力に乗じたわいせつな行為等の処罰規定の新設、被害者の告訴がなくても起訴できる非親告罪化などです。日本の社会のなかで遅れた分野となっている性暴力にたいする対応の改善へ、一歩すすめたものです。

被害者支援を抜本的に強めます。国と自治体の責任で24時間対応のワンストップ相談支援センターを少なくとも各県1カ所につくり、被害者に配慮した相談体制、必要な医療体制、二次被害防止のため専門家の養成・研修、心身の回復に効果的な支援などを強めます。性暴力被害者支援法の成立に力をつくします。

 男女平等、人間の尊厳を守ることの大事さを社会の隅々にゆきわたらせ、性暴力のない社会をつくります。

ストーカーへの迅速な対応を強め、被害防止をめざします

 つきまといや面会・交際の要求、無言電話やメールなどをくりかえすストーカー被害が後を絶ちません。警察に寄せられたストーカーの相談は2万2737件にのぼっています(2016年)。ストーカーへの迅速な対応、被害の防止対策をすすめます。この間、2000年に重大な人権侵害としてストーカー規制法が制定され、2013年、2016年の改正で、メール送信を規制対象にする、禁止命令有効期間1年を規定するなどの法改正が行われています。今後も、実効ある法改正を検討するとともに、被害者が相談できる窓口や体制の充実、関係機関の連携強化、被害者が一時避難できる施設の拡充、民間シェルターへの助成、加害者更生プログラムの研究・実施などを急いですすめます。

米兵による暴行を許さず、日米地位協定の見直しをすすめます

 米兵による女性・少女への暴行・傷害・殺害事件が後を絶ちません。米軍の特権的地位を認めた日米地位協定によって、「公務中」の犯罪の第一次裁判権は日本側になく、「公務外」でも容疑者が基地内に逃げ込めば、日本側に身柄が引き渡されない限り起訴できません。不当な日米地位協定を抜本的に改正します。根本的には米軍基地があるかぎり米兵・米軍属による犯罪・事件はなくなりません。米軍基地の撤去が必要です。元凶である米軍基地を押し付けてきた日米両政府の責任が厳しく問われています。

日本軍「慰安婦」問題の解決をはかります 

 日本軍「慰安婦」問題は、日本がおこした侵略戦争のさなか植民地にしていた台湾、朝鮮、軍事侵略していた中国などで女性たちを強制的に集め、性行為を強要した非人道的行為です。当時の国際法規からみても違法行為です。

 「慰安婦」とされたすべての被害者が人間としての尊厳を回復してこそ真の解決になります。政府は、女性の人間としての尊厳を踏みにじった歴史の真実に対して、「性奴隷制」の加害の事実を認め、被害者への謝罪と賠償の責任をはたすべきです。「慰安婦」問題で「軍の関与と強制」を認め、歴史研究や歴史教育を通じて「同じ過ちを決して繰り返さない」とした「河野談話」にそって、子どもたちに歴史の事実を語り継いでいくことが必要です。

 

5、どんな生き方を選択しても、安心して暮らせる社会をつくります

ひとり親家庭への経済的支援を拡充します

児童扶養手当の拡充、未婚のシングルマザーへの寡婦控除の適用を実現します

 母子家庭の母親の81%が働いていますが、そのうち47%がパート・アルバイト、派遣社員であり、非正規雇用労働者です。母子家庭の年平均就労収入は181万円、両親と子ども世帯平均の3割にもとどきません。母子家庭への経済的支援拡充は喫緊の課題です。ひとり親家庭の命綱である児童扶養手当の支給額を第一子から抜本的に拡充します。所得制限の見直し、多子加算の引き上げなどをすすめます。児童扶養手当を支給開始5年後に半減する措置をやめさせます。安心して生活し、子育てをするために、長期の安定した雇用確保の就労支援、保育所への優先入所、安価で良質な公営住宅の供給など、安定した暮らしへの支援を強めます。

 結婚歴のないシングルマザーにも寡婦控除が適用されるように所得税法を改正します。法改正以前にも、保育料の算定、公営住宅利用の手続きなどで、寡婦と同等の控除をうけられるようにします。

 父子家庭への支援をすすめます。一人で仕事と子育てをする大変さは、父親も母親も変わりません。より長時間労働を強いられている父親の場合、子育てのために仕事を変えざるをえない人も少なくありません。就労収入は母子家庭を上回るものの、300万円未満の世帯が44%、200万円未満も22%にのぼっています。父子家庭の実態に即した子育て支援・生活支援をつよめます。

安定した雇用確保、公営住宅の供給などの支援をすすめます

 長期の安定した雇用確保の就労支援とともに、保育所への優先入所、安価で良質な公営住宅の供給など、安定した暮らしへの支援を強めます。

最低保障年金を確立し、無年金・低年金をなくします

低年金の土台である男女の賃金格差をただします

 男女賃金格差など女性の地位の低さがそのまま影響し、女性の厚生年金受給額は男性の6割です。女性の国民年金平均月額は5万2339円、基礎年金だけの受給者の多くは女性であり、平均月額は5万円未満です。国連社会権規約委員会は、日本の高齢女性の年金は適格な基準を満たしていないと指摘し、改善を求めています。国連女性差別撤廃委員会も最低保障年金制度をつくることを日本政府に勧告しています。女性の低年金の土台を引き上げるために、男女賃金格差の是正、パート労働者と正規労働者の均等待遇、業者女性などの働き分を正当に評価する税制などへの改善をすすめます。

最低保障年金の確立、公平な制度へのとりくみをすすめます

 最低保障年金を確立し低年金、無年金を改善します。パート労働者の社会保険加入の権利を保障、厚生年金の遺族年金を女性が働き納めた保険料が受給額に反映できるようにするなど、公平な年金制度にします。サラリーマン世帯の専業主婦の保険料は「応能負担の原則」で、夫が高額所得の場合には応分の負担をもとめるしくみにします。全額国庫負担の最低保障年金制度を実現し、女性の低年金や無年金の解決のみならず、「第3号被保険者問題」など、年金制度の矛盾を解決する道を開きます。第2号被保険者が負担している専業主婦の基礎年金部分も自営業の主婦や学生の国民年金負担のいわゆる「不公平」という問題も解決します。

配偶者控除の縮小・廃止による庶民増税には反対します

 政府は、2016年12月の「税制改正大綱」で、配偶者特別控除を満額受けられる年収上限を105万円から150万円に引き上げるなど、配偶者控除・配偶者特別控除の見直しをおこないました。今回の見直しは、配偶者控除の廃止や「夫婦合算」などの新たな制度等が検討されるなかで、廃止の結論は先送りとしたうえで出されたものです。

 政府は、“女性の社会進出を妨げる”“専業主婦優遇”などとして、配偶者控除の縮小・廃止をすすめようとしてきましたが、「女性の活躍」を口実にした庶民増税そのものでしかありません。配偶者控除は、基礎控除と同様、最低限度の生活費に相当する額は非課税にするという「生計費非課税の原則」に立ったものです。何の代替措置もなく配偶者控除の縮小・廃止をすすめれば、この原則に反し、税負担を重くすることになります。配偶者控除を廃止すれば、年収300万~400万円の世帯で5万4500円、500万~600万円の世帯なら7万1000円も増税です。いま税と社会保障制度をめぐっておきている最大の問題は政府がこの応能負担原則を投げ捨てようとしていることです。配偶者控除の縮小・廃止の動きもその一つであり、女性の就労支援のためではありません。

6、女性が健康に生涯をおくるための支援をすすめます

 女性には思春期、妊娠・出産期、更年期など、生涯を通じて男性と異なる健康上の問題に直面します。疾患の罹患率も男女で異なっています。何より妊娠、出産を担う身体的特徴をもち、月々の生理が健康に安全な環境で保障されなければなりません。女性の性と生殖にかんする健康と権利(リプロダクティブヘルス・ライツ)を尊重する観点に立って女性が健康に生涯をおくるための支援、女性の体・性差を考慮した医療の充実をすすめます。

検診、健康診断の充実など女性の健康支援をつよめます

 乳がん検診の受診率は36.9%、子宮頸がん検診の受診率は33.7%(16年国民生活基礎調査)にすぎず、OECD(経済協力開発機構)35カ国のなかで最低レベルです。早期発見で治癒率は向上します。国の予算を引き上げ自己負担の軽減・無料化をはかります。

子宮頸がん予防が重要課題となっていますが、この間、公費接種の対象となったHPVワクチンについては、副作用の頻度が高く、重い症例もあることが問題になっています。接種勧奨は再開せず、疫学調査もふくめた副反応被害の徹底した検証をすすめます。

骨粗しょう症や甲状腺障害など女性に多い疾病の予防・健診の充実をはかります。

 長時間の残業や深夜労働による過労・ストレスで体調を崩す女性が増え、精神疾患の労災認定も増えています。生理休暇取得率は1・6%まで低下し、月経障害や不妊に悩む女性も少なくありません。男女ともに長時間労働を規制し、生理休暇を気兼ねなく取得できるよう、企業への指導を強化します。企業の定期健診に女性関連項目を加えます。働く女性の長時間労働、深夜労働の実態・健康影響調査をすすめます。

 若年層を対象にした妊娠・出産の機能を持つ女性の体についての教育、性教育、性感染症予防教育をすすめます。

妊婦健診、不妊治療への助成の充実、出産費用の軽減をすすめます

 妊婦健診は母体や胎児の健康のために欠かせません。すべての市区町村が14回程度以上の検診の公費負担でおこなっていますが、この公費負担のために国が自治体に出している地方交付金の使い道は自治体の裁量に任されるため、妊婦に支給される金額は市区町村でまちまちです。検査項目も市区町村によって異なっています。どこでも同じように安心して受けられるように国の補助事業にします。

 出産費用は年々上昇しつづけており、正常分娩の平均的出産費用で、現在42万円の出産育児一時金より少ない県は3県のみです。実際の出産費用に見合うように出産育児一時金を大幅に増額します。妊娠希望者・予定者、妊婦の配偶者などへの風疹予防ワクチン接種費用への国による補助をすすめます。高額な費用がかかる特定不妊治療費(体外受精、顕微授精)の助成が1年に2回、5年間だったのが、2016年4月以降、年齢制限、回数制限がおこなわれ、1回15万円、初回40歳未満の場合は6回、初回43歳未満は3回までに削減されました。助成額を増額し、所得制限を緩和します。健康保険の適用範囲の拡大をめざします。不妊専門相談センターの整備・拡充をはかり、カウンセリング体制の強化をすすめます。

 心身ともに不調になりやすい産後のケア事業をすすめます。国の予算を増やし、すべての自治体が退院直後の母親の心身のケアや育児サポート事業を継続してすすめていけるようにします。

産科医不足を解決します 

 産婦人科と産科を掲げる病院は26年連続して減少し、過去最低の1332施設となり、「妊婦健診に通うのに片道2時間」などの悲鳴があがっています。産婦人科医不足も深刻です。歴代政権による「医療費削減」の名による医師数の抑制、診療報酬の抑制・削減、不採算を理由にした国公立病院の産科の切り捨てなどが原因です。「医療費削減」路線を転換し、国の責任で計画的な打開策をこうじることが必要です。

 医師の養成数を抜本的に増やし、国の責任で産科医の育成・研修などをすすめます。地域の産院・産科病院への公的支援を強め、産科・小児科・救急医療などの診療報酬を引き上げます。国公立病院の産科切り捨てをやめ、周産期医療を守る拠点として支援します。産科医の過酷な労働条件の改善をすすめます。女性産婦人科医の妊娠中の当直免除、産休・育休中の身分保障、代替要員の確保、職場内保育所の設置、職場復帰に向けた研修など仕事と家庭の両立支援をすすめます。助産師・助産院への公的支援をすすめます。助産師の養成数を増やし、「院内助産所」の設置など医師と助産師の連携を国の責任ですすめます。

 

登録テーマ: 各分野政策(2017年)女性
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