各分野政策(2013年)

2013年参議院選挙各分野政策

20、地域活性化・まちづくり

地域に根ざした産業の振興、安心して暮らせる地域・まちづくりをすすめます

20136


 自公政権下で進められた構造改革、「三位一体改革」による地方交付税削減、市町村合併の押しつけによって、地方経済の疲弊化とともに、地域社会・コミュニティの崩壊が進んできました。「シャッター通り」が各地に広がり、大型店の身勝手な出店・撤退が野放しにされた結果、各地で「買い物難民」が生まれています。

 「大企業がもうけを増やせば地域も良くなる」とばかりに、大企業の呼び込みのための誘致補助金や基盤整備に巨額の税金が投入されてきましたが、リーマン・ショック後の経済動向の変化の中で進出企業の撤退が相次ぎ、「呼び込み政策」の破綻が明らかになってきました。

 「道州制」などを中心とした「地方分権」の議論も盛んですが、財界が強く要求している「道州制」の推進は、いっそうの自治体合併を進め、大企業の活動しやすい環境づくりをめざすものです。これでは、地域住民の暮らしと営業を切り捨て、さらに地域経済を破壊し、いっそうの過疎化を進めることになります。

 福祉や医療の後退と地方支出の削減を進め、地方の疲弊を招いた構造改革路線を根本的に転換し、地方自治体が、「住民福祉の増進」の精神を発揮し、安心して暮らせる住民サービスの充実と生活基盤の整備、地域経済の振興・雇用の確保で元気な地域づくりなどを進められる財源保障を軸に、自治権の拡充をはかることが必要です。

 

地域に根ざした産業振興への転換をすすめます

 各地で住民の血税を注ぎこんで「大企業呼び込み」の政策が進められましたが、企業がほとんど進出してこなかったり、せっかく進出しても地元の雇用は増えないまま、景気が悪化したら、たちまち撤退してしまったりという事態が相次いでいます。

 地域経済をよくするためには、「大企業さえ呼び込めば、そのおこぼれで地域が栄える」という破綻した古いやり方と決別し、その地域に現にある力を育て、伸ばし、それによって雇用と消費を増やし、さらに力をつける振興策――内発型・循環型の地域振興策に転換することが必要です。地域に根ざした中小企業、地場産業、農林漁業を総合的に支援してこそ、安定した雇用と仕事を作り出すこともできます。

 

農林漁業を地域経済の柱として振興します

 農林漁業は、「食料自給率の向上」によって国民の命と暮らしをまもることをはじめ、洪水防止や国土・環境を保全することなどの多面的機能とともに、地域経済活性化の柱という面でも大きな役割を持っています。農林漁業の振興は、生産者だけにとどまらず、地域の食品加工業者、生産者から消費者まで運ぶ輸送業者などを含めた振興につながります。

 農林漁業を「基幹的な生産部門」として位置づけ、39%まで落ち込んでしまった食料自給率を50%に引き上げることを当面の目標にすえて、価格・所得保障、後継者支援、生産者と消費者の連携強化をはじめ農林漁業の振興に国をあげて取り組みます。

 農山村の条件不利を是正するための農業の直接支払い(所得補償)の拡充を図ります。多くの県・市町村が行っている農林水産業への新規参入者への助成を、国の制度として実施し、施策の底上げを図ります。当面、月15万円の生活資金を3年間助成する「農林漁業新規就農者支援制度」を導入します。作業道の整備や、所有者不在の森林伐採を公共事業として進め、住宅や公共施設の建設での地元産材利用に国が助成するなど、林業の活性化を進めます。

 安倍政権が推進しているTPP(環太平洋連携協定)は、〝食と農“に壊滅的な打撃を与える「亡国の道」であり、断固反対します。

 

自然エネルギーの開発と本格的普及をすすめます

 原発即時ゼロの政治的決断を行うとともに、原発に偏重してきたエネルギー政策を転換し、自然エネルギーに思い切ってシフトしていくことが、重要になっています。

太陽光・太陽熱、地熱、小水力、風力、波力、あるいは畜産や林業など地域の産業とむすんだバイオマス・エネルギーなどは、まさに地域に固有のエネルギー源です。この再生可能エネルギーの活用を地元の中小企業の仕事や雇用に結びつくように追求し、地域経済に取り入れることができれば、そこから得られる電気やガスを販売することで地域に新たな収入が生まれ、地域経済の活性化に役立ちます。

ドイツでは、原発で働く人は3万人ですが、再生可能エネルギーの分野では38万人が雇用されており、再生可能エネルギーには抜群の雇用効果があります。

 

「買い物難民」をなくし、安心して住み続けられるまちづくりを進めます

 農水省の調査では、自宅から生鮮食品の販売店まで500メートル以上あり自動車を持たない人が、全国で910万人にも達しており、65歳以上の高齢者に限定しても350万人もいると言われます。この高齢者の4割は3大都市圏に居住しており、「買い物難民」が過疎地域だけでなく、大都市の近郊にまで広がっています。

 大型店の出店の影響で小さな小売店が廃業し、その後で大型店も撤退してしまったために、「バスで往復1時間近くもかけて駅前の大型店まで行かないと買い物できない」というような状況が各地にみられます。こうした大型店の身勝手な出店・撤退等による生活環境や地域経済への影響評価と調整・規制を行う「大店・まちづくりアセスメント」などのルールをつくります。規制対象となる大型店の床面積を現行の1万平方メートル超から3000平方メートル超にするなど、「まちづくり三法」の抜本改正をすすめます。

 歩いて暮らせるまちづくりをすすめるためにも、商店街や小売店を「地域の共有財産」と位置づけ、商店街振興対策予算を拡充します。「空き店舗」の借り上げ、改装費などへの補助を拡充します。群馬県高崎市が、今年4月に創設した「まちなか商店リニューアル助成事業」を参考に、個々の商店の改装や店舗等で使用する備品の費用などへの助成を行います。移動販売車への補助、商店街・小売店への移動手段の確保などを行います。中山間地域では、「山の駅」(仮称)など地域の条件に合ったライフ拠点づくりを進め、地域の産物の直売、金融の窓口、診療所、日常の買い物、郵便、行政の情報提供、都市住民との交流などの拠点として整備します。

 

過疎地における生活維持・地域活性化のための対策を強化します

 全国で過疎化が進行し、大都市部との格差がいっそう拡大して、ますます深刻な事態となっています。現在、過疎地域には約1000万人(人口の約8%)が住み、730市町村(41%)、国土の54%という広大な面積に広がっています。こうした地域が担っている国土の保全や水源の涵養、食料の供給などの重要な機能が、維持できなくなると懸念されています。とりわけ、住民の半数以上が高齢者といういわゆる「限界集落」では、基礎的な集落の共同機能が果たせなくなるなど、住み続けるのが困難な状況に直面しています。

 自動車が使えない高齢者などの生活を支えるため、市町村の支所や役場、病院、ライフ拠点を結ぶコミュニティバスの運行、高齢者の多い集落に対する集落援助員、多雪地域の冬季安全保安員などの配置のための財源を、国の責任で保障します。

 大規模開発や大規模な利用に偏重した公共事業・開発政策を優先する姿勢を改め、集落ごとに緊急度の高い生活道路、集落排水、合併浄化槽などの生活基盤や、地域産業の基盤整備を急ぎます。類似の事業の一本化でむだをなくしつつ、条件不利地域の補助率を引き上げます。

 過疎地域の持つ環境保全、水源涵養、食料供給などの機能を維持発展させることは、都市住民にとっても重要な課題です。漁民や山村住民による流域の共同管理、棚田や森林の保護・育成、伝統文化の継承で、都市住民との交流・共同を広げます。

 削られた地方交付税をもとにもどし、条件不利地域でも自治体本来の仕事ができるよう、十分な財政措置をとるべきです。市町村合併の押し付けをやめさせ、中心市に行政サービスを集中する定住自立圏構想に反対します。

 

離島振興について

 日本共産党は、「安心して住み続けられる離島を」を掲げて、離島振興に取り組んでいます。先の通常国会で、超党派でとりくんだ離島振興法の改正にあたっては、「ライフラインの確保・充実」と「就労、就職の場の確保・創出」を二本の柱に諸施策の創設・拡充を求めました。

 「ライフラインの確保・充実」では、離島ならではの困難性を踏まえた、①社会保障、②教育、③公共交通の拡充措置が必要です。医療、介護や障害者福祉などの施策では離島補助制度の創設をもとめます。教育では、必要な職員を配置するための措置をもとめます。公共交通では、離島航路などを「海の国道」としてさらなる支援措置をもとめます。

 「就労、就職の場の確保・創出」では、①地域資源を活用した起業支援、②島内外の若い世代の交流・定住・起業につながる一貫した支援体制の構築、③所得向上にむけた離島の沿岸漁業者の漁業権の拡大をもとめていきます。

 全会一致で成立した改正離島振興法では、就業の促進や妊婦の通院出産支援、介護サービスの確保、定住の促進や再生可能エネルギーの利用促進などにさまざまな配慮規定がもりこまれました。こうした規定もおおいに活用しつつ、住民のみなさんと力をあわせて具体化・改善をはかっていきます。

 

沖縄の振興策について

 沖縄の振興策には特別の配慮が必要です。産業振興策、とくに沖縄の亜熱帯気候・風土を生かした農水産業や加工製造を育成し、雇用の安定を確保すべきです。地元の要請にかみあった予算措置が求められており、県民生活に大打撃となる環太平洋連携協定(TPP)参加や消費税増税はやめるべきです。「振興」に名を借りた基地の押しつけは許されません。

 

地域の足をまもります

 06年、新しいバリアフリー法(バリアフリー新法)が制定されました。「誰もが自由かつ安全に移動・利用することは基本的権利である」という考え方にたち、「事業者まかせ」ではなく、国として、国民の足の確保、交通・移動の権利を保障しうる施策を計画的に実施することが必要です。

 公共施設はもちろんのこと、多数が利用する施設、歩道、地方の駅や利用者数の少ない駅などのバリアフリー化をすすめます。法基準の見直し、計画づくり、実施には、利用者、住民、NPOなどの参加と協働を広げます。

 規制緩和万能路線を改め、地方の鉄道、公営バス、コミュニティバス、LRT、離島航路・フェリーなど、生活に欠かせない地域公共交通を維持します。バリアフリー化がすすんでも移動困難な人のための輸送手段(個別的代替輸送・スペシャルトランスポートサービス)の確保をはかります。

 整備新幹線については、在来線の廃止や多額の地元負担につながる現在の計画を見直し、予算規模も、財政状況をふまえた適正なものにします。

 

交通事故を防ぎ、子どもやお年寄りが安全に暮らせるまちをつくります

 シートベルトの着用義務化や飲酒運転規制の強化など、自動車の安全対策によって、年間の交通事故による死亡者数は最高時の4分の1に減ってきましたが、その中で歩行者の死亡事故の割合が増えています。また、2011年には、はじめて65歳以上の高齢者が死亡者の半数を超えました。通学中の小学生の列に車が突っ込むという悲惨な事故も多発しています。子どもやお年寄りが安全に暮らせるまちをめざして、交通安全対策を強化します。

 大型事業中心の公共事業のあり方を見直して、通学路などを中心に、幹線道路の歩道整備を急ぎます。生活道路や狭い通学路を抜け道にする車の通行を抑制するため、制限速度を30キロ以下にするゾーン規制を行うなどの安全対策をすすめます。ヨーロッパでは当たり前の自転車専用道路や自転車レーンを整備し、安易に自動車に頼らず自転車利用をしやすいまちにするとともに、自転車による歩行者の事故被害を防ぎます。

交通安全対策の詳細は、こちら

 

 

 (c)日本共産党中央委員会