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日本共産党

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赤旗

実効性・規範力を高める核兵器禁止条約
――第2回締約国会議の成功を歓迎する

2023年12月2日 日本共産党幹部会委員長 志位和夫

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一、核兵器禁止条約第2回締約国会議は、ロシアやイスラエルによって核使用の脅迫が行われ、他の核保有国も核戦力の維持・強化をはかるなど、核兵器問題での重大な逆行が起こっているもとで、核兵器禁止条約の国際法としての実効性・規範力をいっそう強化し、その具体的運用を前進させ、「核兵器のない世界」への大きな希望を示す会議として大きく成功した。日本共産党は、笠井亮国際委員会副責任者・衆院議員を派遣し、会議成功のため奮闘した。締約国会議の大きな成功と核兵器禁止条約の前進を、心から歓迎する。

一、政治宣言は、「核の危険が高まっている」ことに警鐘をならし、「核兵器のいかなる使用も、また使用の威嚇も国連憲章を含む国際法違反」であり、「明示的であれ暗黙的であれ、いかなる状況であれ、核兵器によるあらゆる脅威を明確に非難」した。
 また、政治宣言は核兵器が「平和と安全を守るどころか、強制、脅迫、緊張の高まりにつながる政策手段」となっていると、これまでにもまして核抑止を痛烈に批判した。締約国会議は、次回会議までに、核兵器の人道的影響とリスクに関する新たな科学的証拠に基づき、「核抑止に基づく安全保障概念に挑戦」し、「核抑止力」論からの脱却を訴える報告書を作成することも決めたことは重要である。
 これらは、核兵器禁止条約が、核保有国による核使用の手をきつく縛るうえでも、核兵器固執の最悪の拠り所となっている「核抑止力」論を打ち破るうえでも、大きな規範力を発揮していることを示すものである。

一、政治宣言は、核軍備縮小・撤廃について定めたNPT第6条の義務や核兵器廃絶の「明確な約束」について、どの核保有国も「法的拘束力のある第6条の義務を果たしていない」とつよく批判する一方、核兵器禁止条約の発効によって、「NPT第6条の履行を前進させた」として、禁止条約とNPTは補完しあうことを確認した。それは、NPTを盾に禁止条約を拒否する核保有国の非難がまったく成り立たないことを浮き彫りにするものである。

一、前回会議後、条文にもとづく活動が着実にすすめられた。なかでも被害者支援、環境修復、国際協力と援助に関する第6条と第7条に関して、被爆者の苦しみが続き、多くの人が救済されないままになっていることが改めて明らかにされ、締約国が次回会議に向け、被害者支援や環境修復の計画をつくり、実行すること、そのための国際協力をすすめることなどが確認された。被害者を支援し、環境修復を財政的に援助する「国際信託基金」の設立にむけたガイドラインの策定も決定された。条約が実際に運用され、ここでも、国際法としての実効性、規範力を高めていることは重要である。

一、会議には35カ国がオブザーバーとして出席し、NATO加盟国など米国の同盟国からのオブザーバー参加国の出席と発言は歓迎された。
 一方、日本政府の不在に対して、「日本がいないのはおかしい。不思議な国」との失望が広がっている。赤道ギニアは「日本は核廃絶を主張する一方で、国連総会には核保有国と足並みを揃えて投票している」と、日本政府の態度をただした。
 日本政府が「橋渡し」といいながら、オブザーバー参加すらせず、対話や議論を拒否したことは、恥ずべき態度である。
 日本共産党は、唯一の戦争被爆国で活動する政党として、日本政府が「核抑止力」論からの呪縛を断ち切り、禁止条約に参加することを強く求める。

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