連載インタビュー企画 あなたの想いをカクサ〜ン! vol.5
ポーケン師匠

うぉほん! 今回わしが憲法をテーマにインタビューするのは、熱血弁護士の仁比そうへいさんじゃ。

仁比

師匠、初めまして。よく熱血といわれますが、体温も高いんですよ。平熱45度ありますから。

ポーケン師匠

な、なぬっ?

仁比

はははっ、冗談です。でも、熱血は確かです!

ポーケン師匠

ふぉっふぉっふぉっ。確かに熱気がムンムン伝わってくるわい!さてさて、仁比さんは弁護士じゃから、憲法のことには当然お詳しいですな。

仁比

はい。弁護士として、憲法の輝きを実感する瞬間にたくさん立ち会ってきました。派遣切り、原発、水俣病やハンセン病の裁判…。一つ一つが、憲法に保障された基本的人権を守り、生かすたたかいでした。「生きてきてよかった」「声をあげてよかった」―そう思える社会を切り開く最大の武器が憲法だと、私は痛感しています。

ポーケン師匠

熱いのう(笑)。今、自民党が、「憲法を変えよう」と改憲案まで出しておるが、仁比さんはどうお思いですかな?

仁比

ずばり、ねらいは戦争放棄を定めた憲法9条ですね。自民党は「国防軍をつくる」と言っていますよね。これは単に、自衛隊の名前を変えるというだけの問題ではありません。海外で武力を行使し、米軍と肩をならべて「戦争ができる軍隊」に変えたい。こういうねらいがあるんです。

ポーケン師匠

自民党は「戦争放棄は変更しない」と言っておるようじゃが。

仁比

そう言いながら、「戦力を持たない」と定めた9条2項を削除しようとしています。9条2項は大事なんですよ。これがあるために、これまで政府は「自衛隊は軍隊ではない」と言い、国連軍への参加など海外での武力行使もできないという立場をとってきました。これをなくすということは、「自衛隊を、海外で戦争できる、当たり前の軍隊にしたい」ということなんです。

ポーケン師匠

ぽっぽっぽーっ!(怒) 戦争は本当に悲惨じゃ。先の戦争でも国内外でたくさんの犠牲を生んでしまった。それを二度とくりかえさない決意が、憲法にはこめられておる。それを、そんな風に投げ捨てようとは、なんと罪深い…。

仁比

「平和がいい。戦争はいやだ」は多くの人の願いですよね。昨年11月に高校生12,480人が回答した憲法意識調査でも、憲法9条を「変えない方がよい」と63%が答え、その理由は「戦争への道を開くおそれがある」が75・9%と最多でした。

憲法意識調査結果

ポーケン師匠

若い世代にも憲法の価値がそんなふうに浸透しているというのは、うれしいことですな。

仁比

師匠、ホントですね。ただ、自民改憲案の問題はそれだけじゃないんですよ。

ポーケン師匠

なんとな!? これ以上ひどいことがあるのかの?

仁比

たとえば、憲法13条の「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」に書き換え、12条で「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」と、国民の自由に制限を加えるような言葉が書き加えられています。

ポーケン師匠

なんと! じゃ、いま、たとえばネットでこれを読んでくれとる若人も、自由に自分の思いを発信したり表現したりできなくなる可能性もあるということじゃな。許せんっ!とぅっ!

仁比

いまの憲法は「表現・結社の自由」を保障しています。人それぞれ、いろんな考えや価値観があるのは当然のこと。それを認め合いながら、合意づくりの努力を重ねるのが民主主義です。でも、自民改憲案は、「公益及び公の秩序を害することを目的とした」活動や結社は「認められない」と明記しています。どの考えや価値観が「公の秩序を害する」かを、国が決めてしまおうと。

ポーケン師匠

そんなことになったら、わがカクサン部はもちろん、あらゆるグループやサークルの活動が、あっという間に監視やダンアツの対象になるんじゃないか!? 戦前のような、ものいえぬ社会はごめんじゃ。

仁比

まさに時代逆行ですね。しかも自民党は憲法改悪のハードルを下げようとしています。一般の法律は国会議員の過半数の賛成で成立しますが、憲法はそう簡単に変えてはならないので、国会の3分の2が必要となっている。それを、一般法律並みに2分の1に引き下げようというんです。

ポーケン師匠

憲法96条の改定案じゃな。今のルールでは勝てないからルールを変えろというのは、ひどいではないか。

仁比

憲法は、主権者である国民が、二度と戦争や、戦前のような人権抑圧をさせないために、権力をしばるものです。だから、改憲には厳しいハードルがある。自民党は、内容の面でも手続きの面でも、いまの憲法を殺してしまおうとしているんですね。

ポーケン師匠

許せん!あちょーーーーっ! しかし、憲法問題は、自民党の思惑どおりには進んでおらんの。この間、「しんぶん赤旗」に自民党の元幹事長が登場して、96条改正は「絶対にやるべきではない」と発言したそうじゃないか。朝日新聞がコラム欄で「自民党の重鎮が宿敵というべき共産党の求めに応じるとは驚きだ」と書くとか、メディアでずいぶん話題になっておった。

仁比

9条は変えるべきだという立場の人の中からも、「憲法が憲法でなくなる」などの批判がわき起こっています。理をつくし、共同を広げる立場でがんばってきて、96条改定反対の世論が、改定賛成派を上回り、政府を追い詰めています。

ポーケン師匠

ふぉっふぉっふぉっ!!頼もしいですな。

仁比

日本共産党は、憲法改悪の暴走と真正面からたたかいます。そして、憲法前文も含むすべての条項を守り、憲法の平和・人権・民主主義の原則を政治に生かす立場でがんばります。

ポーケン師匠

わしも平和の武術「日本国拳法」で加勢するぞ!そりゃーっ! 仁比さんの想いを、カクサ~ン!

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