拡散を! 就活セクハラに相談窓口あります―参院東京選挙区候補・吉良よし子


写真 吉良よし子参院東京選挙区候補 6月。厚労省ホームページ・総合労働相談コーナーの案内に新たな表示が加わりました。

「学生、就活生からの相談もお受けします」

 これまでほとんど泣き寝入りするしかなかった就活セクハラ、就活ハラスメントに開かれた相談窓口。もし被害があったら、ぜひこの窓口を活用してほしい。窓口の存在を知らせたい――。5月16日、参院・厚生労働委員会で、日本共産党・吉良よし子参院議員の質問が開いた扉です。

「ОB訪問で、〝エントリーシートが通ったら合コン〟〝選考に通ったら体〟と言われた、インターンシップで愛人関係にならないかと言われたなど、就活セクハラが横行している事態がこの間明らかになっております」

 5月16日、参院厚生労働委員会での吉良よし子質問。ニュースサイト「ビジネス・インサイダー・ジャパン」記事に掲載された声から、「就活セクハラ」に迫りました。同社がおこなったアンケートでじつに回答者(660人)の半数が就活中にセクハラがあったと答えているのです。

「就活のときのノートを見せるという口実で家に誘われ、大量に酒を飲まされ、意識がはっきりしない状態で体を触られ、体に点数を付けられ、人格を否定するような言葉もたくさん言われ、このセクハラが原因でまともに就活できなかった、何度も死にたいと思った…」(同)。

 吉良さんは、こんな深刻な実態がありながら、当時審議中だった女性活躍推進法等改定案では就活生のセクハラ被害が救われないことを厳しく指摘しました。

吉良 就活そのものが不安の連続です。私自身、就職氷河期の就活で、60社にエントリーして内定が出たのは1社だけ。12次選考まであった会社もありました。長い選考過程で何度も自分の長所をアピールし、短所をうまい言葉でくるんで〝自己分析〟させられる。個性が大事と言われるけれど、求められる個性はどこも快活でしっかりしてて…。そんな自分を演じるしかない。50回、60回と品定めされ不合格になれば、人格が丸ごと否定されたような思いになります。知人は、クレーム対応の練習と称して、人事担当者の前で「申し訳ありませんでした!」を何十回も繰り返させられ、心が折れたと話していました。そんな就活の過程で起きるセクハラがどんなに過酷か…。被害者が、業界ごと志望をあきらめたり、就活そのものができなくなるほどダメージを受けるのが痛いほどわかります。

 自身、最終段階の役員面接で「女性を採るのはリスクだ。結婚や出産もあるからね」と面と向かって言われたときのことを、「JCP WithYou」オープニングイベント(3月21日)でこう語りました。

 ――「まあ…、そう…ですね」と笑ってごまかした。そんなふうにしか言えなかった、あの時の自分を、今も忘れられない。

吉良 今、さまざまな性差別にたいして起きている#MeTooの声は、「私たちの世代が黙っていたから今の若者に苦しみを引き継いでしまったのではないか」「今度こそ、こんな思いは私たちで最後にしよう」という苦い後悔を含んだ決意だと思う。私も同じ思いで国会の質問に立ってきました。
 
写真 質問する吉良議員

(写真)質問する吉良議員=5月16日、参院厚生労働委員会

 吉良さんが質問でくいさがったのは、男女雇用機会均等法の「事業主のセクハラ対応義務」(11条)や、「行政から事業主への是正指導」(29条)が、就活生を対象にしないのは実態にあわない、という点でした。

 政府は、11条はあくまでも雇用関係にあるものを対象にしているので就活生は対象にならない、就活セクハラは別途「指針」をつくって予防する、と逃げる。「指針」は大事だが、それだけでは全社に徹底される保証がない、相談窓口の設置や是正指導につながる保証がない、と粘る吉良議員。

 そのやりとりのなかで政府が示したのが都道府県労働局にある「総合労働相談コーナー」という窓口でした。求職者も対象にしている「個別労働関係紛争解決促進法」(個紛法)。これに基づく相談窓口で就活生に対応すると答えたのです。この答弁が、最初に書いたホームページ改定につながりました。

吉良 質問準備のとき、厚労省には「指針だけで何ができるのか、実効性があるのか、聞きますよ」と予告してありました。だから政府は現行法で少しでもやれることがないか、探して、個紛法での対応に行きついたのだと思います。その後、党国会議員団にたいして、厚労省が「(相談は)就活中が望ましいが、期限は定めていない」と答えたのも大事です。ハラスメント被害は心身ともに傷ついて、1年、2年たってようやく人に話せるようになったという人が多いんです。たとえ後からであっても、ぜひこの相談窓口を活用してほしい。たくさんの相談が寄せられることが、充実した指針づくりへ、均等法改正へ、そしてILO(国際労働機関)で採択されたハラスメント禁止条約の批准へ、つなげる力になります。
 就活生は孤独です。同級生が内定したと聞くと焦る。親にも心配かけたくない。私も親に不合格を報告するのが辛くて、電話線を抜いていました。「ビジネス・インサイダー・ジャパン」のアンケートでも、被害にあった人のじつに7割以上が告発はおろか誰にも相談していないのです。だからこそ、相談窓口があることを広く知らせたい。


写真 ガーベラと吉良さん
 ブラック企業をなくそう!――6年前、31歳で初当選したとき、吉良さんの訴えは街頭で多くの人の足を止め、国会でブラック企業の企業名公表制度を実現させました。初当選から6年。結婚・出産をへて〝子育て議員〟として2期目に挑戦する吉良さん。

吉良 ツイッターでこうつぶやいてくれた方がいました。「…たった30分の残業に泣けてくることがある。上の子の通院にも付き添いしてあげられず、母に助けを求めて行ってもらった。誰にも引き継げない仕事、家のことも今日は夫に頼めない状況で。しんどい。#吉良よしこ もお迎えにダッシュすることあるんだろうか」。私も「ありますよー。駅のホームから保育園に電話かけて『すみません!今向かってますので~』と言いながら、駅からダッシュしてお迎え…」ってリツイートしました。
 接客業でお迎えの時間が迫っていても焦りを顔に出せない辛さ。駅から家まで歩きながら缶ビール1本飲むのが唯一の夫の自由時間、という方…。子どもがいてもいなくても、シングルでも、本当にみんな余裕のない生活にあえいでいます。人間らしい働き方ができる社会を切ないくらい求めています。この思いを実らせたい。みなさんと力をあわせて社会を変えるために、何としても国会に戻ります!

 

「十人十色の人生に寄り添い、支えていく政治を!」――駆け続ける吉良さんです。

写真 新宿で対話する吉良さん

(写真)7月10日夜、新宿駅東南口での「こんばんは宣伝」。「『セクハラなくします』と声をかけると、うん、うん、とうなずきながら通り過ぎる女性の方が多かった」(吉良さん)

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