JCP With You/ジェンダー平等社会めざして/新春座談会

日本共産党は昨年1月の第28回党大会で綱領を改定し、男女差別の解消など「ジェンダー平等社会の実現」を日本改革の目標の一つに掲げて党中央にジェンダー平等委員会をつくり、党内外でさまざまな活動をしてきました。責任者の倉林明子副委員長・参院議員、副責任者の山添拓参院議員、事務局長の坂井希さんが1年の歩みと新年の抱負などを語り合いました。
 
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■出席者
ジェンダー平等委員会
責任者  倉林明子さん(副委員長・参院議員)
副責任者 山添 拓さん(参院議員)
事務局長 坂井 希さん
 

倉林さん・野党の一致点が強く豊かになった

 
倉林 コロナ禍のもとで弱い人たち、とりわけ女性に被害が集中したといえる状況があります。強く感じたのは、安倍前政権と菅政権がいかに役割を果たせなかったか、逆行することをしたのかということです。多くの女性が職を失い、家事・育児負担の増大、DVなどさまざまな困難に直面し、女性の自殺者の急増にみられるように、命にかかわる深刻な状況に置かれたまま、新しい年を迎えています。ほんとうに胸が痛みます。
 
山添 もともとジェンダー平等後進国の日本で、コロナ禍が女性や社会的に弱い立場に置かれた人たちに、より大きな被害を与えることは明らかだったにもかかわらず、政府は「自己責任」だと必要な支援をしないで過剰な負担をかけています。ジェンダーの視点を欠いた自民党主導の政治のひどさをまざまざと見せつけられ、改めて政治を変えなければいけないと感じています。
 
坂井 ジェンダー平等委員会は昨年4月、アピール「新型コロナウイルス感染症対策にジェンダーの視点を」を出し、政府に「コロナ対策のあらゆる場面でジェンダーの視点を取り入れること」を求め、働く女性、シングルマザー、妊産婦への手厚い支援、女性・子どもに対する暴力・虐待の防止などを提言しました。さまざまな女性団体や支援団体とも協力し、共同してきました。たとえば、DV・虐待被害者の女性や子どもたちに10万円の特別定額給付金を直接受け取れるようにするとりくみでは、党の国会議員団や地方議員がいっしょに国や自治体に要請するなどして、総務省に受け取れるようにする通知を出させるところまで政治を動かしました。
 
倉林 この1年の国会論戦では、コロナ対策のほか、選択的夫婦別姓や刑法改正、女性差別撤廃条約の選択議定書、職場のパンプス強制の問題などジェンダーの課題が野党を中心に積極的に取り上げられました。ジェンダー平等を大きく前進させる点で、共産党と他の野党の一致点がより強く豊かなものになったよね。
 
山添 国会にいて感じるのは、ジェンダー問題の院内集会が頻繁に開かれるようになったということです。女性差別撤廃条約の選択議定書の批准を求める集会から、選択的夫婦別姓や同性婚、デートDV、セーフ・アボーション(安全な中絶)など多彩なテーマで開かれています。野党を中心に多くの国会議員が参加するなど、国会の中の雰囲気を大きく変えています。
 
倉林 そんななかで、自民党の選択的夫婦別姓をめぐる年末の逆行ぶりには驚いたね。
 
坂井 選択的夫婦別姓について、11月6日の参議院予算委員会で、小池晃書記局長の導入を迫った質問に菅首相は導入に前向きな答弁をしていましたからね。
 
倉林 菅首相も踏み込んだ答弁しはったなあと感心したのに、その後、自民党は政府の第5次男女共同参画計画の最終案に盛り込まれていた「選択的夫婦別姓」の文言を削除させてしまった。自民党総裁の菅首相の責任重大やね。
 
坂井 高校生9000人近くが参加した賛否を問うオンライン投票では9割が賛成するなど世論は大きく変化しているのに…。
 
倉林 もうこの世論は止まらないよね。
 
山添 選択的夫婦別姓の導入に消極的な理由として、政府や自民党はこれまで二つをあげていました。国民の中にさまざまな意見があるということと、家族の在り方にかかわるという二つです。ところが、導入賛成の世論が大きく広がったために、前者はもう言えなくなりました。そのために、今回、削除理由として自民党は、家族の一体感とか子どもの氏の安定性とか抽象的で説得力に欠ける後者の理由しか言えなくなっています。
 
倉林・坂井 なるほど。
 
山添 選択的夫婦別姓の導入が進まない原因は、「行政の縦割り」ではなく、「自民党の横やり」にあることが鮮明になった意義は大きいですね。(笑い)
 
倉林 うまいこと言うたね。(笑い)
 
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倉林さん

「政治のゆがみただす」党を語って・山添さん

 
坂井 11月に開かれたNGO日本女性大会のパネルディスカッションで、3回も「共産党」や「しんぶん赤旗」に触れた発言がありました。選択的夫婦別姓とフラワーデモ、女性議員をどう増やすかという問題をめぐって、いずれも、共産党のとりくみを評価する内容でした。喜びとともに、いっそう頑張らないといけないぞと身が引き締まりました。
 
倉林 期待に応えるためにも、共産党自身の自己改革の努力も引き続き重要になるね。党綱領の改定で日本改革の目標としてジェンダー平等社会の実現が明記され、党綱領の実践として「学び、自己改革する努力」が呼びかけられた。党内で男女平等などジェンダー平等を実現することが全ての党組織、党員の課題となり、この1年、党中央でも地方の党組織でも学習会が数多く開かれ、活動や組織の見直しが進んだと思うよ。
 
坂井 梅村さえこさん(衆院北関東ブロック比例候補)が街頭演説でジェンダー平等について話していたら、若い女性が演説後に声をかけてきた。ジェンダー不平等の現状に、もう日本に住みたくないと思っていたが、ジェンダー平等社会の実現に真剣にとりくむ政党があることを知り、日本はまだ大丈夫だと思うようになったと。女性は、その後ジェンダーの学習会に参加し、入党してくれたというんです。
山添 ジェンダー問題を政治がとりくむ問題として正面から掲げて国会や地方議会で積極的に質問したり、運動に参加したりする一方で、自己改革にもとりくむ政党があることに希望を感じたのでしょうね。その希望にしっかりと応えていきたいですよね。
 
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山添さん

坂井さん・生きる希望取り戻す活動さらに

 
坂井 コロナ対策に無為無策の菅政権のもとで、多くの女性や社会的に弱い立場の人たちがほんとうに苦しんでいます。そういう人たちに、日本共産党があるよと知らせ、いっしょに問題を解決して生きる希望を取り戻していただけるような草の根のとりくみをいっそう強めたいですね。
 
山添 日本の女性や若者たちが抱えるジェンダー問題として、非正規雇用や低賃金など働き方の問題がとても大きいと思っています。働き方のジェンダー格差を本気でなくそうと思えば、どうしても自民党政治がつくってきた財界いいなりの政治のゆがみをただす必要がある。そのゆがみをただし「ルールある経済社会」を築くことを綱領にすえる共産党のことを大いに語っていきたいですね。
 
倉林 今年は、衆議院の解散・総選挙が必ず行われます。コロナ禍を経験して、国民は、ジェンダー平等社会は、国民の命をとことん守ることを基本にすえる政権をつくらないと実現できないと気づきはじめています。菅政権には絶対できないし、逆行する危険性が大きい。総選挙で、共産党を躍進させるとともに、野党共闘を勝利させて自公両党を少数に追い込み、菅政権を倒し、野党連合政権をつくりたい。総選挙の年のスタートにあたり、そう決意しています。
 
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坂井さん

ジェンダー平等委員会などの主なとりくみ

 
2020年
1月18日 日本共産党が第28回党大会で、綱領一部改定とジェンダー平等委員会の新設を決める
2月10日 ジェンダー平等委員会が初会合。志位和夫委員長が「運動団体や市民団体から大いに学ぶことからはじめてほしい」とあいさつ
3月3日 参院予算委員会で小池晃書記局長が女性への職場でのパンプス強制問題を取り上げ、安倍首相(当時)が強制は「許されない」と答弁
4月2日 ジェンダー平等委員会が内閣府と厚労省にヒアリングし「新型コロナ感染症対策にジェンダーの視点を」と求める
4月24日 ジェンダー平等委員会がアピール「新型コロナウイルス感染症対策にジェンダーの視点を」を発表。女性や子どもに集中する矛盾と困難の解決へ力を合わせようと呼びかけ
9月28日 日本共産党が東京都内で女性・性被害者への蔑視発言をした自民党の杉田水脈衆院議員に謝罪と議員辞職を求めて緊急宣伝行動
10月28日 ジェンダー平等委員会と国会議員団ジェンダー平等推進委員会が政府に「第5次男女共同参画基本計画」策定で、ジェンダー平等社会実現に向け実効性のある計画にするよう申し入れ
11月6日 参院予算委員会で小池書記局長が、菅首相がかつて選択的夫婦別姓の導入を提唱していたことを示し、実現を迫る。菅首相は「政治家として責任がある」と前向き答弁
 
(2021年1月4日付「しんぶん赤旗」より転載)

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