現場Note

小さな瞳、見つめる未来は――カヤネズミ、環境変化で激減

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写真部 白石光

 今年はねずみ年です。日本にすむネズミで一番小さい種がカヤネズミ。近年その数が減り、生息する都府県のほとんどで絶滅危惧種に指定されています。

 ビーズのような、つぶらな瞳のカヤネズミ。その体長はおとなの親指ほど。体重も7~8㌘程度です。

 主に鹿児島県から宮城県に生息し、日本海側の北限は新潟県です。河川敷や休耕田などの、背の高いイネ科の草が茂るカヤ原で一生を過ごします。

 母親は子育ての時期になると、ススキなどの葉を細く裂き、握りこぶしほどの球状の巣を2~3個編み、その内の一つで子どもを産み育てます。

 夜行性で、食べ物はバッタなどの昆虫や、イネ科の種子。田んぼではイネと一緒に生えるヒエなどを食べます。コメを食べるのは、ほんの少し。

 カヤ原などの草地は、100年前には国土面積のうち10%以上を占めていましたが、現在は1%ほどに。そのため、生息地が激減し生息数が減っています。

 カヤ原を守ることは、そこで生きるさまざまな生き物を守ることにつながります。

 カヤネズミ保護などの活動をする、全国カヤネズミ・ネットワーク代表の畠佐代子さん(50)によると、「今も残っているススキ草地のような、乾燥したカヤ原は草刈りや野焼きなどで管理がされています。問題はススキ草地の管理放棄や、河原や土手にあるカヤ原が維持できなくなっていること」と言います。

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 河川改修で河原が公園やグラウンドに変わったり、土手がコンクリートで覆われたり、カヤ原の生き物が、すみにくい環境に変わっています。

 カヤネズミを守るためにできることはあるのでしょうか。

 畠さんは言います。「繁殖期には草刈りをしない、巣があるところの草を少し残す、田んぼの稲刈りの際に端を少し残す。それだけで、すみかを保てます」

 カヤネズミなどが生きるカヤ原の役割を考えてみませんか。

カヤ原って?

 カヤとはススキやオギなど、成長するとおとなの背丈を越えるほど大きくなるイネ科の植物の総称です。カヤ原は、カヤが群生している場所です。

 カヤ原には、カヤネズミのほかにオオヨシキリなどの小鳥やヘビ、昆虫などさまざまな生き物が暮らしています。

日本に仲間は何種類いる?

 日本には、カヤネズミ、ヒメネズミ、アカネズミなどの草原や森の中などにいる15種類の野ネズミと、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの人家周辺にいる3種類の家ネズミが生息しています。