各分野政策(2017年)

2017総選挙/各分野の政策

28、地方自治―地域の活性化支援と地方財源の確保

地方自治ふみにじる政治を転換し、憲法の「地方自治の本旨」に基づき自治体の自主性と財源を保障し、住民のくらしと地域の活性化を支援します

2017年10月


 医療や介護、子育て、地域振興や災害対策など、住民にとって最も身近な行政である地方自治体が、「住民福祉の機関」として果たす役割はますます重要です。政府には、すべての自治体がその役割を最大限に発揮できるよう支援し、財源を保障することが求められています。

 ところが安倍・自公政権は、地方自治体を支援するどころか、地方財政の削減と企業の儲け先づくりのために、行政サービス切り捨てと公共施設の統廃合を自治体に迫り、政策誘導のために地方交付税制度まで改変するなど、地方自治をふみにじる政策をすすめています。

 日本共産党はこの政治を転換し、憲法がうたう「地方自治の本旨」に基づく地方自治体の自主性と、その取り組みに必要な財源を保障するとともに、地域住民のくらしを守り、地域の再生をめざす取り組みを全力で支援します。

 

1.地方切り捨ての「集約化」と「地方行革」に反対し、地域活性化に取り組む地方自治体を全力で支援します

 安倍・自公政権が人口減少対策として打ち出した「地方創生」とは、行政サービスと公共施設等の「集約化」をすすめ、人口減少と地域の疲弊をますます加速させるものです。「公的サービスの産業化」を徹底する民間参入促進の「地方行革」の通知も出して、自治体業務を軒並み民間企業に開放させようとしています。さらに政府は、「国際競争力の強化」の名のもとに大都市を中心とした自治体には大型開発を集中し、国際港湾の整備や、高速・高規格道路へのアクセス道路などの負担を強いています。「地方創生」の先には、道州制導入と新たな自治体再編がねらわれています。

 公共施設の大規模な統廃合を目的にした「公共施設等総合管理計画」は、16年度中にほぼ全自治体が策定し、今後は実行の段階に移すよう自治体に迫っています。公営企業については、事業の廃止と完全民営化の検討が要請され、事業廃止は16年度中だけでも133事業にものぼり、上下水道をはじめ都道府県を旗振り役に、民間委託や民間譲渡を推進しています。

 各地で新たな大型開発や「周辺地域」の切り捨てなどが指摘されるコンパクトシティ計画も重点課題としておしすすめられ、自治体間の広域で「集約化」を行う連携中枢都市圏なども推進しています。自治体窓口業務の民間委託では、18年度から地方独立行政法人に開放されることになり、住民のプライバシー漏洩や偽装請負、行政サービスの後退が危惧されます。

 日本共産党は、政府が「地方創生」の名のもとにすすめる「集約化」と「地方行革」に反対し、地方の基幹産業である農林水産業の6次産業化、中小企業と小規模事業者の振興、観光産業や地域おこしなどの振興策、住宅や商店のリフォーム助成制度への支援、自然・再生可能エネルギーの地産地消など、地方自治体が取り組む真の地域活性化策を全力で支援します。

 自治体が行う子育て支援、若者の雇用創出や正社員化への後押し、定住促進策への財政支援を大幅に拡充します。東京一極集中の政策を改め、地方移住のU・I・Jターンへ支援を拡充し、若者の「地方回帰」の流れを後押し、地方の交通網を維持します。

 これらの取り組みを支援するため、「地方創生」関連交付金は、地方自治体の自主性を保障し、すべての自治体を支援する使い勝手の良い制度に改め増額します。

 老朽化が課題となっている公共施設等について、住民の利益に反する統廃合に反対し、住民合意のもとでの維持・管理・更新への対策に必要な財源を保障します。

 安倍・自公政権と財界がねらっている道州制導入と新たな市町村の大再編に断固反対します。

 

2.地方交付税の変質と削減に反対し、「住民福祉の機関」として運営できるよう自主性と財源を保障します

 地方交付税制度の改変や削減など、安倍・自公政権による地方財政への攻撃もいっそう激しくなっています。

 地方交付税制度は、すべての地方自治体が標準的な行政サービスを行うために必要な財源を保障し調整する制度です。ところが政府はこの間、交付税算定の費目の一つである「まちひとしごと創生事業費」のなかに、自治体の「必要度」に加え、とりくみの「成果」を導入・拡充するという条件不利自治体が危惧する制度を持ち込みました。16年度からはトップランナー方式(民間委託などで低く抑えた経費水準を「標準」とする計算方法)も導入し、民間委託化の圧力を強めています。こうした交付税制度の目的・精神を歪める改変を繰り返す政府に対し、地方6団体からも危惧が表明されています。

 さらに、昨年来、財務省や財界などが、〝国が借金して交付税を交付しているのに、地方では基金が増えている〟などと地方の基金増加を問題視し、地方交付税を削減しようとする議論が繰り返されています。

 これに対し地方6団体が、「地方の基金残高が増加していることをもって地方財政に余裕があるかのような議論は断じて容認できない」などと猛反発したのは当然です。この間、基金が増加した主な要因は、公共施設等の更新への対応や、頻発する自然災害への対応、合併自治体が交付税算定の特例期間終了に伴う減額へ備えたことにあります。

 そもそも基金を自治体がその裁量と責任で一定水準確保するのは当然です。同時に、個別の自治体において、大型開発の準備や単なる「ためこみ」などの問題があるとすれば、住民のくらしに切実な要求課題の実現のために活用されるべきです。

 日本共産党は、地方自治体が地方自治法に定められた「住民福祉の増進を図る」機関としての役割が果たせるよう、交付税削減に反対し、財政需要が増すばかりの地方自治体の実情に見合うよう一般財源総額を拡充します。地方交付税の不足分については、臨時財政対策債の発行ではなく、交付税率の引き上げで対応します。

 地方交付税制度を歪めるトップランナー方式は廃止します。「まちひとしごと創生事業費」については総額を確保したうえで、「成果」による算定は全額を「必要度」による算定に改めます。

 全国の自治体が、頻発する地震や豪雨、火山噴火など大規模自然災害に備えたり、被災・避難した住民に安定的・継続的な支援をしたりできるよう、国の責任で財源を拡充します。

 

 (c)日本共産党中央委員会