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日本共産党

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赤旗

2016参議院議員選挙/各分野の政策

54、安保・基地・自衛隊

――集団的自衛権、日米軍事同盟強化、沖縄新基地反対、基地被害とオスプレイ、日米安保条約廃棄、武器輸出の全面禁止を

2016年6月


・憲法違反の安保法制=戦争法を廃止し、立憲主義を取り戻します

 ――安保法制=戦争法を廃止します。

 ――集団的自衛権行使を容認した閣議決定を撤回し、立憲主義を回復します。

 参議院選挙政策の「重点政策」の「(1)安保法制=戦争法廃止、立憲主義の回復、安倍改憲を許しません」を参照してください。

 

・沖縄の新基地建設を許さない

 参議院選挙政策の「重点政策」の「(5)基地のない平和な沖縄を――米軍新基地建設押しつけを中止します を参照してください。

 

(3)地球規模の日米軍事同盟強化、「新ガイドライン」にもとづく日米共同体制、一体化反対。「思いやり」予算撤廃、抜本的な軍縮を実現するために全力をあげます

 戦後70年をへたいまも、沖縄をはじめ日本全土に133もの米軍基地(米軍専用84、自衛隊との共同使用49)がおかれ、アメリカの世界戦略の前線基地として強化されつづけています。日本の総面積の0.6%にすぎない沖縄県に米軍専用基地の74%が集中し、沖縄本島の面積の18%、県全体の10%を占めています。横須賀基地や横田基地のように、首都圏に広大な基地が置かれているのも、日本以外にありません。

 日本に駐留する米軍の部隊は、海兵遠征軍、空母打撃群、遠征打撃群、航空宇宙遠征軍など、その名の通り、世界のどこで紛争がおこっても、真っ先に殴り込むことを任務とした部隊です。「日本を守る」ための軍隊ではありません。

 米軍は08年、通常型空母の2倍の戦闘能力をもつ原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備を強行しましたが、15年には、原子力空母ロナルド・レーガンに交代させました。しかも、米海軍は09年以降、6年連続で、横須賀に停泊中の原子力空母から、原子炉等の定期修理に伴う放射性廃棄物を搬出し、最終処理するために、米ワシントン州の海軍造船所に運びましだ。原子炉の修理や放射能物資の搬出はしないと明記している日米合意(1964年8月のエードメモワール=覚書)に明白に違反するものです。

 また、無法な空母艦載機などによるNLP(夜間離着陸訓練)や超低空飛行をはじめ、米軍機の騒音被害、航空機・艦船による油漏れなどの環境汚染が各地で住民のくらしと健康を脅かしています。こうした現実は、とても独立国とはいえない異常きわまるものです。

地球規模の軍事同盟への転換をはかる新ガイドラインの撤回を

 日米両政府は2015年4月、日米ガイドライン(日米防衛協力のための指針)の18年ぶりの再改定に合意しました。安倍政権が強行した安保法制=戦争法は、この新ガイドラインを具体化したものです。

 再改定合意の直後におこなわれた日米首脳会談の共同声明は、新しいガイドラインが、「同盟を変革」し「日本が地域のグローバルな安全への貢献を拡大する」と強調しました。

 従来のガイドラインは、「周辺事態」のさいに日米両国が軍事協力をするというのが建前でした。ところが、新「ガイドライン」では「周辺事態」がなくなり、さらに、米軍への支援については、「後方地域」、「非戦闘地域」に限っていたものが、「後方地域」の言葉が消えました。

 「地球の裏側」「戦闘地域」まで行って、米軍と一緒に戦争する――これが新しい「ガイドライン」の狙いです。イラクへの侵略戦争やアフガニスタンへの報復戦争のような、米国の戦争で、「殺し、殺される」戦闘を行うという憲法9条を蹂躙する共同戦争計画を明記しているのが特徴です。これは、日米安保条約の実質的な改定であり、地球規模の軍事同盟への根本的な転換を意味します。

 新ガイドラインについて防衛省は、「わが国の平和安全法制との整合性も確保しつつ、『切れ目のない』形でわが国の平和と安全を確保するための協力を充実・強化」するもので、「地域・グローバルや宇宙・サイバーといった新たな戦略的領域における同盟の協力の拡がりを的確に反映」することができるようになったこと、そのための「同盟調整メカニズム、共同計画の策定」をうたったことを強調しています。

 防衛省がいうように、安保法制=戦争法は、新「ガイドライン」を実行するための実行法にほかなりません。新「ガイドライン」を確認したさいの日米の共同発表文は、「最も現代的かつ高度な米国の能力を日本に配備することの戦略的重要性を確認」し、米海軍によるP-8哨戒機の嘉手納飛行場への配備、米空軍によるグローバル・ホーク無人機の三沢飛行場へのローテーション展開、改良された輸送揚陸艦であるグリーン・ベイの配備及び2017年に米海兵隊F-35Bを日本に配備する計画を示し、2017年までに横須賀海軍施設にイージス艦を追加配備することや、空母ジョージ・ワシントンをより高度な空母ロナルド・レーガンに交代させることを明記し、戦争法の下で、米国と肩をならべて戦争ができる、より強靭な自衛隊づくりの意図を明らかにしています。

――日米軍事同盟を地球規模での軍事同盟に変質させる新ガイドラインの撤回を求めます。

オスプレイ配備を撤回させ、無法な低空飛行訓練をやめさせます

 オスプレイの強制配備と低空飛行訓練による被害などで、反対運動が広がっています。

 オスプレイの配備に対して、沖縄、首都圏を含む本土各地で、配備撤回や低空飛行訓練の中止を求める意見書・決議が次々と上がっています。

 安倍政権は、「沖縄の負担軽減」のための「訓練の本土移転」と称していますが、もともと、米軍は、7つの低空飛行訓練ルートなど、日本全土でオスプレイの低空飛行訓練を実施する計画でオスプレイを配備したのです。米軍の「環境審査報告」では、年間330回の低空飛行訓練が計画されており、その訓練拠点として、岩国、キャンプ富士、厚木、横田、三沢など全国の米軍基地を使用しようとしています。安倍政権は、自衛隊が導入する予定のオスプレイを佐賀空港に配備する方針を明らかにするとともに、米軍のオスプレイの訓練移転先として、佐賀空港や、陸上自衛隊の北海道大演習場、岩手山中演習場、相馬原演習場(群馬県)、饗庭野演習場、大矢野原演習場(熊本県)などを候補地としています。繰り返されるオスプレイの訓練は、騒音と墜落の危険を全国にひろげるものです。

 そもそもオスプレイは、アメリカ自身が「構造的欠陥」を認めたものです。飛行中にエンジンが停止しても安全に着陸できるオートローテーション(自動回転)機能がありません。2015年5月にハワイで発生した墜落事故について、米海兵隊は、昨年11月の調査結果で、着陸するさいに砂やほこりを巻き込み、特定の物質が左エンジン内に付着したことで出力が低下して失速したと、結論づけています。主要因は、強風で視界不良だった着陸帯への着陸を試みようとした操縦士の判断ミスだったとしたものの、エンジンフィルター(空気ろ過装置)の改善が必要だとしています。オスプレイは高出力のエンジンを備えており、離着陸の際は地面に対して強い吹き降ろし(ダウンウォッシュ)を引き起こすため、エンジンが異物を吸い込むリスクは、通常のヘリよりも高いことが早くから指摘されていましたが、昨年5月の事故になり、ようやく、オスプレイ改修に踏み切ることになったものです。しかし、改修される日程は明らかにされておらず、各地で低空訓練をくりかえしているオスプレイが、エンジンフィルターの改善や、自動回転機能の不備など機能欠陥を抱えたまま飛び続けていることが想定されます。日本政府はただちに運用停止を求めるべきです。

――日本共産党は、普天間基地へのオスプレイ配備の撤回を要求します。

――オスプレイの全国展開に反対し、無法な低空飛行訓練の中止を求めます。

「思いやり予算」の撤廃を強く求めます

 安倍政権は、今年3月、在日米軍駐留経費(思いやり予算)の支出を今後5年間(2016~20年度)延長する新しい特別協定を成立させました。

この特別協定は、昨年4月、日米両政府が合意した新日米ガイドライン(軍事協力の指針)によって、日米安保条約=日米軍事同盟を地球規模の軍事同盟に転換したもとで、在日米軍の駐留と活動を支えるために、日本の経済負担が「不可欠の要素」(岸田外相)として増額させたものです。

 「思いやり予算」は、日本が負担する義務のない費用です。

 日米安保条約にもとづく日米地位協定は、在日米軍の駐留費用は米軍自身の負担と定めています。ところが米国の強い圧力の下で、日本はそれを負担し、とくに、1978年以降は、日本人基地労働者の労務費や米軍施設建設費などを「思いやり予算」として日本国民の税金で支払い、やがては、米軍の訓練費用や家族住宅の水光熱費までもがその対象にされました。

 政府の財政制度審議会でさえ、昨年には、「(厳しい財政事情の下)在日米軍駐留経費(思いやり予算)負担についても聖域視することなく見直しを行い、その縮減を図る必要がある」(昨年11月24日付建議)と見直しを求めていました。ところが、安倍政権は、アメリカの圧力に屈し、「縮減」どころか、今後、5年間で133億円増額となりました。

 2016年度予算では、「思いやり予算」は、同じく条約上、日本に負担義務のない米軍経費である、沖縄の米軍基地たらいまわしのための経費、いわゆるSACO経費、辺野古での新基地建設費である「米軍再編関連経費」を含めて、前年度比343億円増の3749億円までに膨れ上がっています。

 アメリカ側は、「どんな基準をとってみても(日本のおもいやりは)寛大なもの」(2008年の米下院公聴会でのアルビズ国務副次官補の証言)とし、同じ米国の同盟国のドイツやイタリアとは際立った負担を評価しています。先の通常国会でも、日本共産党議員が、日本の突出した負担の理由を質問しましたが、安倍政権ははっきりとした説明はできませんでした。

 米軍への「思いやり予算」(SACO・米軍再編経費を含む)は3749億円、米兵1人当たりで768万円にものぼります。3749億円あれば、月額3万円の給費制奨学金を100万人の学生に支給できます。あるいは、認可保育所を4年間程度で30万人分建設し、かつ、保育士の給料を月額5万円引き上げることができます。

――安保条約上の義務のない米軍への「思いやり予算」を撤廃し、国民のために使うことを強く求めます。

大軍拡予算を削減し、くらしのために

 軍事費(防衛関係費)が過去最高額の5兆541億円にのぼります。安倍政権は2013年度以降、毎年軍事費を増額し続けており、今回は史上初めて5兆円を踏み超えました。

 名護市辺野古の新基地建設など米軍再編経費や、垂直離着陸機オスプレイ、F35ステルス戦闘機など、米国製の高額兵器購入にかかる経費の増加によるものが目立ちます。いずれも戦争法や新ガイドライン(日米軍事協力の指針)の具体化に直結したものばかりで、戦争法で新たに可能となった戦闘発進中の米軍機への給油や、新たに建造する海上自衛隊のイージス艦には米軍と海自が共同部隊化する指揮通信システム・CEC(共同交戦能力)を搭載し、オスプレイなどに給油できるKC46空中給油機も導入します。同時に、米国製の武器を安倍政権が〝爆買い〟していることが、膨大な軍事支出につながっています。米国政府から武器を購入する有償武器援助(FMS)の金額は、安倍政権発足時2012年度の1332億円から、15年度(見込み)には4657億円へと3・5倍に急増しています。FMSとは別に、外国企業から武器を購入する一般輸入とあわせると、15年度の海外からの武器購入額は5100億円を超えます。高い敵基地攻撃能力を持つ戦闘機F35Aのように「専守防衛」の建前から大きく逸脱した攻撃兵器が含まれています。ほかに垂直離着陸機オスプレイ、新早期警戒機E2D、滞空型無人機グローバルホーク、イージスシステムが並びます。一般輸入にも水陸両用車AAV7をはじめ米国製武器が多く入っています。

 日本共産党は、自衛隊の情報保全隊が、平和・民主主義・活向上を求める国民の世論や動向、個人の言動を日常的・系統的に調査・監視していることを明らかにしました。戦前の「憲兵政治」をほうふつとさせるこうした活動は、重大なプライバシーの侵害であり、集会・結社の自由や表現の自由、思想・良心の自由を侵害する許しがたい憲法違反の行為です。

――海外で戦争するための大軍拡予算に反対します。軍事費を削り、くらしに回させます。

――自衛隊による、憲法違反の国民監視を許しません。

武器輸出の全面禁止の実現を――「武器輸出3原則」の形骸化は許されません

 「武器輸出三原則」は、歴代日本政府自らが、「憲法の平和主義の精神にのっとったもの」として繰り返し国会答弁してきたものでした。1981年には、「日本国憲法の平和理念である平和国家としての立場」を示すものとして国会決議され、国際紛争には武力を行使しないという憲法の原則にそった、日本の国是とされてきたものでした。

 ところが安倍政権は2014年4月、「武器輸出三原則」を撤廃し、武器や関連技術の輸出を包括的に解禁する「防衛装備移転三原則」へと大転換をとげる閣議決定を行いました。「紛争当事国や国連決議に違反する場合は輸出を認めない」とはしてはいますが、従来の原則では禁輸対象となってきた国際紛争の「恐れのある国」が禁止対象から外され、F35 戦闘機の国際共同生産で問題となったイスラエルへの制限もなくなりました。軍事協力の強化と一体に、ミサイル防衛、地対空ミサイル、潜水艦等大型兵器の共同の開発がすすみ、国策としての武器輸出は多方面で進んでいます。「日米軍事協力の新ガイドライン)」によるアメリカとの「防衛装備・技術協力」の一体化のもとで米軍機修理などの役務提供も可能になるなど、国際的な紛争を助長するリスクも高まっています。

 「武器輸出三原則」形がい化と武器輸出への大転換とあわせて、防衛省による産・官・学の軍事研究=「安全保障技術研究推進制度」(2015年度開始)の動きが顕著になっていることも軽視できません。

――「武器輸出三原則」を投げ捨て、武器輸出を拡大する新「原則」を撤回させます。海外派兵型装備などの軍拡に反対し、武器輸出を全面禁止します。

 (4)日米安保条約=日米軍事同盟をなくし、対等・平等・友好の日米関係を築きます

 日米安保条約の最大の問題は、占領軍を駐留軍へと名前だけ変えて居座らせ、「全土基地方式」という世界に類のない屈辱的なやり方で日本を米軍「基地国家」とし、米国の軍事的支配の鎖に縛りつけたことです。

 相次ぐ米軍犯罪やオスプレイ配備強行など、米軍基地と沖縄県民をはじめ日本国民との矛盾点はすでに限界を超えています。しかも、憲法違反の集団的自衛権行使容認の閣議決定と安保法制=戦争法による戦争する国づくりが急速に進められるなか、地球的規模の「日米同盟」の危険な侵略的変質はさらにすすみ、日米安保条約と日本国憲法がいよいよ両立しなくなりました。

――日米安保条約をなくし、対等・平等の立場にたって、日米友好条約を結ぶことを提案しています。

――危険な日米の従属構造をこのまま続けていいのか。日米安保条約の是非を正面から議論することを呼びかけます。

 

 

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