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日本共産党

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赤旗

2016参議院議員選挙/各分野の政策

46、性暴力被害者支援

2016年6月


性暴力被害者の支援を拡充し、刑法改正(性的自由)をすすめます。

 20歳以上の男女を対象とする内閣府「男女間における暴力に関する調査」(2014年)によると、「男性から無理やり性交された」経験のある女性は6.5%、人口比にして約350万人にのぼっており、菅義偉内閣官房長官も「多くの被害者の方が今おられることを深刻に受け止めております」(16年3月、池内さおり衆議院議員質問)と答弁せざるを得ない深刻な現状にあります。

 しかも、同調査では、4割近い女性が未成年時に被害に遭っていること、また「その被害を誰にも相談しなかった人」が7割近くにのぼることも明らかになっています。

 こうした被害が性犯罪として訴追されているのはごく一部であり、多くの性暴力被害者は救済されていません。「魂の殺人」といわれる強姦を始めとして、性暴力は人間の尊厳を根底から破壊し、PTSD発症など心身に長期に重大な被害を与える許しがたい行為でありながら、被害者が自らを責め、恥じて潜在化するなどで、適切な医療の受診や加害者訴追ができない事例、警察に被害を訴えても被害者が激しく抵抗しなかった等として被害届が受理されない、起訴されないなどの事例も多々あります。

 若年女性や子どもをめぐっては、いわゆる「JKビジネス」、犯罪的アダルトビデオ撮影(AV被害)などの性的搾取も広がっていますが、実態はほとんど把握されておらず、被害者の受ける深刻な打撃は計り知れません。

 こうした実態に対処するためには、政府の取組を抜本的に強化することが必要です。

 日本共産党は、個人の性的自己決定権を尊重し、性暴力被害者の支援の拡充と、性暴力、性的搾取の根絶に向け、これらの課題にとりくむすべての皆さんとともに力を尽くします。

1.性暴力被害に対応するワンストップ支援センターの根拠法制定と設置促進

 被害の潜在化を食い止め、被害者が医療受診と心身のケア、加害者を訴追するための証拠保全、警察への被害届などを早期に一括して行えるよう、ワンストップ支援センターの設置が求められています。国連は「人口20万人に1カ所」の水準を示しています。

 内閣府は、各都道府県に最低1カ所を目標にしていますが、設置や運営に一番必要とされる予算措置はないため、全国26都道府県27カ所にとどまっています。地域格差が大きく、とりわけ相談、医療、被害者ケア、警察へのアクセスが1カ所でできる「病院拠点型」は病院の負担が重いために、開設がすすんでいません。

 「病院拠点型」の全国的先進例である性暴力救援センター大阪(SACHICO)は立ち上げに数千万円を要し、24時間365日のホットラインと相談体制の維持に年間約3000万円の運営費を要しています。

 これらの財政措置を実現し、全国各地での設置を促進するため、日本共産党は民進党など野党共同で「性暴力被害者支援法案」を提出しました。野党各党と力を合わせて、早期に法整備を行い、国連のもとめる水準に近づけるようにします。

2.若年女性に対する性的搾取の法規制と、支援体制の拡充

 国連の児童売買、児童買春及び児童ポルノ特別報告者による日本に関する報告書は、今年3月、10代の女子が従事するJKビジネスなど性的搾取を促進する商業活動の禁止を勧告しました。また近時、犯罪的なアダルトビデオ撮影被害者の訴えにより、性的搾取の一端が関係者・弁護団の尽力で明らかになってきました。被害者は、脅迫や欺罔による意に反する撮影(多くは犯罪行為の撮影)とその映像の半永久的拡散に甚大な打撃を被っています。こうした当事者の意に反した性を売り物に莫大な利益を上げる構造にメスをいれなければなりません。

 アダルトビデオ製作販売に係る刑法犯、職業安定法・労働者派遣法違反業者に厳正に対処させるとともに、規制立法を策定します。JKビジネスの商業活動禁止を求めます。

 こうした様々な形態の性的搾取について、政府は実態を把握していません。事態に的確に対処するために実態把握を早期に行い、被害者支援を総合的に行う必要があります。支援を要する被害者の多くは若年女性であり、現行制度の狭間となっている現状を改め、行政や民間の多様な相談窓口にアクセスしやすい工夫をします。

 厚生労働省「婦人保護事業等の見直しに関する検討会 論点整理」(2013年3月)を全面的に生かした、総合的な「女性支援法」制定、婦人相談所、婦人保護施設等の改組発展、民間団体との協力と支援の拡充、アウトリーチ型支援の推進、受入施設の拡充を行います。

3.被害者の立場での刑法改正(性的自由)の前進を

 性暴力をめぐる刑事司法の現場では長い間、「そんな時間にそんなところを歩いていたから」等々と被害者を非難し、加害者の行動に理解を示す捜査や取調べが行われてきました。こうした「強姦神話」を刑事司法から一掃するため、関係機関の教育研修の徹底など取組強化と法改正を同時にすすめる必要があります。

 法制審議会刑事法部会が1907年制定後初めての性的自由に関する規定見直しに向け、刑法改正の要綱案をまとめました。強姦罪・強姦致死傷罪の法定刑の下限引き上げ、強姦罪・強制わいせつ罪を非親告罪とする、18歳未満の子どもを監護権のある者が影響力を利用してわいせつな行為や性交などをした場合は強姦罪・強制わいせつ罪と同様に処罰できる規定の新設等を内容としています。現在のあまりに軽すぎる性犯罪の量刑などについて適正化をはかるものです。

 日本共産党は、こうした改正の方向を支持し早期の改正をもとめるとともに、今後も引き続き、諸外国の先進事例や国連各機関からの勧告にもとづく、国際水準に見合った刑法改正が不可欠と考えます。

 配偶者間強姦規定、暴行脅迫要件の緩和・撤廃、いわゆる性交同意年齢の引き上げ、被害者が年少者である場合の公訴時効廃止・停止についても早期の見直しが必要です。

 地位・関係性を利用した性的行為に関する規定も、教師と生徒、雇用関係、障害者施設職員と入所者、医師と患者、スポーツコーチ、協会役員と選手など加重規定を設けるべきです。性的自己決定権を保障する刑法改正と特別法の議論を推進します。 

 性暴力の根底には性差別があります。根絶に向けては、何よりも一人ひとりが自己に内面化された性差別意識(ジェンダー不平等)を自覚し、乗り越えていく努力が必要です。

 そのために若年層への教育はもとより、あらゆる年齢層の人々への啓発も重要です。加害者教育の取組にも力を注ぎます。

 

 

 

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