各分野政策(2013年)

2013年参議院選挙各分野政策

22、地方自治

地方財政の削減と道州制に反対し、住民の命とくらしを守る地方自治の発展をめざします

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 長引く経済不況など国民のくらしが脅かされるもとで、住民にもっとも身近な地方自治体のはたす役割が増しています。いま国に求められているのは、地方自治体が、「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第1条の2)という本来の役割を担える財源を保障し、福祉・教育、地域振興、防災対策など現に進めている取り組みを一体に強めることです。

 しかし安倍自公政権は、地方財源を保障するどころか、不十分な財源措置をいっそう弱めようとするとともに、地方自治を破壊に導く道州制導入を、憲法改悪と一体に掲げています。日本共産党はこうした地方切り捨て政治を転換し、住民の命とくらしを守る地方自治の発展をめざします。

 

1.必要な財源を保障し、住民福祉の機関の役割を強めます

 いま地方自治体は、住民の命とくらしを守るため多くの課題に迫られています。

 貧弱な国の制度を補うために進めている社会保障制度の独自の拡充、自治体病院での医師・看護師の確保、雇用の維持・創出や中小・零細企業への支援など疲弊した地域経済の活性化対策、農林水産業の持続的発展などのとりくみは、どれも切実な課題です。東日本大震災からの復興では、被災者の生活となりわいの再建支援、公共施設や鉄道などの復旧が急がれます。南海トラフ巨大地震など大規模災害への防災対策の充実・強化も緊急課題です。

 ところが、地方にたいする国の財政措置は不十分と言わざるを得ません。

 小泉内閣時代の「三位一体の改革」による地方交付税の大幅削減によって地方自治体は深刻な財政難に直面し、「平成の大合併」に追いやられた自治体も少なくありません。この小泉「構造改革」路線は地方からの強い批判を受け、若干の地方財源の復元や、臨時財政対策的な交付金措置がとられる一方、高齢化などによる社会保障費の自然増などで増額が求められる地方財源総額は抑えられています。

 安倍自公政権は地方財源の抑制にさらに踏み込もうとしています。13年度予算では、地方公務員給与の大幅削減を前提とした地方交付税の削減をおこないました。さらに、来年度の財政運営指針=「骨太の方針」では、安倍首相の「地方行財政制度の見直し」指示をうけ、この間の臨時財政対策的な交付金措置の見直しをはじめ、「義務的経費の踏み込んだ見直し」や「地方財源の国と歩調を合わせた抑制」など、地方財源の抑制・削減の正式な方針化がねらわれています。

 こうしたいっそうの財源抑制・削減が行われれば、地方自治体が少子化や高齢化などで増えつづける財政需要に十分対応できない事態に直面しかねません。

 日本共産党は、地方自治体が直面する課題に取り組む財源を保障し、地方のとりくみを全力で応援します。地方財政の重要な柱である地方交付税の復元・増額をはかり、地方交付税本来の財源保障と財政調整の両機能を回復・強化するとともに、国の財政責任を社会保障制度の充実の観点で拡充します。

 日本維新の会などが主張する地方交付税の廃止は、国の財源保障の責任を投げ捨て不十分な自治体相互間の財政調整制度にして、その財源を消費税大増税でまかなおうとするもので、サービス切捨てと大増税がふりかかるものであり反対します。

 国が、子ども医療費の現物助成を自治体がおこなうと交付金でペナルティを課す、介護保険料の減免に一般財源をつかうなと「指導」するなど、地方独自の取り組みにたいして行っている不当な妨害・介入に反対します。

 

2.道州制に反対し、地方自治の充実をはかります

 自公政権は、「三位一体の改革」と市町村合併のおしつけで地域の疲弊をまねいた自らの責任は棚に上げ、“国民の閉塞感を打開するためには、一層の地方分権が必要だ”などとして、「国と地方のあり方」を根底から変質させる策動に突きすすんでいます。それが「道州制」です。

 道州制とは、長年にわたって財界が求めてきたもので、国と地方をあわせた国家制度の大改編です。国の仕事を外交・軍事・通商・司法などに限定し、憲法にうたわれた社会保障や教育など国民の基本的な権利をまもる国の責任は投げ捨てるものです。いまの都道府県をなくし全国を十程度に区分けして「道」「州」をおき、いま約千七百ある市町村を再編し、将来的には三百程度の「基礎自治体」にしようというものです。

 こうした方向は「地域分権」などではなく地方自治の変質・破壊そのものです。自治体はいっそう住民から遠くなり、国から地方への財政支出の削減で、住民施策の水準の確保が危ぶまれます。財界は、広域行政をになう道州の一番の役割を大型開発など産業基盤の整備と位置づけ、財源を集中させることをもとめています。

 第2次安倍内閣のもとでこの道州制導入にむけた議論が活発化しています。「道州制基本法について早期の制定をめざす」とする安倍首相の発言をはじめ、日本経団連の道州制推進「提言」の発表、橋下大阪市長など道州制推進首長らと日本経団連共催による「道州制推進フォーラム」の開催などが相次いでいます。

 安倍政権は、先の総選挙公約に道州制導入を盛り込んだ自民党、公明党、日本維新の会、みんなの党を結集し、道州制推進基本法の制定を画策し、財界の要請に沿って2018年の道州制導入をめざしています。民主党も道州制賛成の立場です。

 しかし、こうした動きにたいし、全国町村会が道州制に反対する「書簡」をすべての国会議員に配付したのをはじめ、全国町村議会議長会は「道州制の導入には断固として反対」とする「緊急声明」を発表しました。全国知事会は道州制推進で一致しておらず、全国市長会は市町村合併を前提とすることに反対しています。

 福祉とくらし、経済、地方の今後にかかわる大きな問題であるにもかかわらず、国民的議論もないなかで、自治体関係者をはじめ少なくない反対を押し切っての道州制の推進は許されません。

 日本共産党は、地方自治を変質・破壊させる道州制に強く反対し、幅広い共同をひろげ、「道州制推進基本法」の国会提出、制定をやめさせるために全力をあげます。

 政令市を解体し、府市に大型開発のための財源を吸い上げ、道州制をめざす大都市制度改編(「都構想」)の具体化に反対します。

 市町村の大規模再編に反対し、住民自治が体現できる身近な行政運営を維持・強化します。合併してできた市や、政令市など規模が大きな自治体では、旧市町村や行政区の自治機能を強化するなど、地域の自治機能の回復・強化をはかります。

 保育所や福祉施設の国の最低基準をなくし地方の条例にゆだねるという方向がすすめられ、都市部の一部自治体では保育の質の低下が現実のものとなっています。国が責任をもつべき基準を後退させず、子育て、介護、医療、教育などへの国の負担を充実させます。

 

 (c)日本共産党中央委員会