政策

2009年総選挙 分野別政策 23 住宅・マンション

「住まいは人権」の立場で、住宅・居住環境を守り改善します


 住宅は、生存と生活の基盤です。格差と貧困をなくすためにも、住まいの不安をなくし、安心できる居住環境をつくることが求められています。

 1996年に開かれた第2回国連人間居住会議で採択された「イスタンブール宣言」でも、「適切な住まいに住む権利」が基本的人権として確認されています。居住の権利を守ることは世界の流れになっています。

 経済危機を契機にした日本のリーディング企業がおこなった過酷な非正規労働者切りによって仕事も住居も失った労働者が「年越し派遣村」に集まるという世界でも例がない事態が生まれました。政府がおこなった雇用破壊とともに、住宅政策の抜本的な改善が求められています。同時に当面、住宅喪失者に対する緊急策として公営・UR住宅、雇用促進住宅を供給するとともに、初期費用や家賃の軽減、入居期間を再就職できるまでとするなどの措置をとり、一刻も早く正常な生活が営めるよう公共的支援を強めます。

 こうした事態に及んだのは、住宅確保をもっぱら個人責任にしたことにあります。06年に成立した「住生活基本法」では「居住の権利」は明記されず、戦後の住宅政策を支えてきた、公営・公団 (UR)住宅など公共住宅の提供、住宅金融公庫融資による持ち家支援策を改変し、住宅供給を市場に委ねる政策をとっています。日本政府の対応は明らかに世界の流れに逆行しています。その結果、高齢者や低所得者をはじめ、仕事とともに住居を失う若者が住居に困る事態を招いているのです。国民が安心して暮らすための住宅保障が大きく後退し、格差と貧困をいっそう拡大する要因になっています。

 また、安全検査の民間まかせと安上がり競争を奨励した建築行政によって、耐震強度偽装事件やエレベーターの異常な事故が起きるなど、住宅の安心・安全も脅かされています。住宅地に高層、超高層マンションが入り込むなど、住環境や景観の破壊も深刻です。

 日本共産党は、この住宅政策を転換し、国民の居住の権利を明確にし、その保障を基本とするよう「住生活基本法」(「住宅基本法」)を改正します。その内容としては、(1)国民の住まいに対する権利の規定、(2)耐震性や居住スペースなど、めざすべき居住・住環境の水準の法定化、(3)適切な居住費負担の設定、(4)公共住宅の質量ともの改善の明確化、(5)国民の居住権を守るための国・自治体や住宅関連業者・金融機関などの責務を明確化するなど住宅政策は、市場任せでなく国・自治体が責任を持つようにします。

 そして、以下のようなとりくみを地域からすすめ、国民の居住生活の改善・向上をめざします。

 住宅を改善し、住環境を保護します......住宅の耐震化やバリアフリー化など、安全で快適な住宅をめざす改善を自治体として支援します。耐震偽装事件に象徴される欠陥住宅問題の被害をなくすために、建築確認・検査制度を民間まかせにせず国や自治体の責任を明確にするなどの改善をおこなうとともに、消費者保護、被害者救済などの制度改善をすすめます。「瑕疵担保履行法」の施行にあたっては、その周知徹底をはかるとともに中小建設事業者の保険料負担を軽減します。民間賃貸住宅に暮らす高齢者や子育て世帯、「生活困窮フリーター」と呼ばれ、低賃金のために家賃が払えない若者などにたいする自治体の家賃補助、敷金・礼金など住宅確保のための初期費用貸付や相談業務など、「チャレンジネット」のとりくみを広げます。

 42年ぶりに土地区画整理事業の計画決定段階での提訴を認める判例変更が行われました。都市再開発や土地区画整理事業などまちづくりへの住民参加をすすめ、「住民が主人公」のまちづくりを支援し、住環境や景観、コミュニティーを守り、改善します。それを目的・基本理念として、国・自治体に住民参加を義務付ける「建築基本法」の制定をめざします。

 公営住宅を改善します......公営住宅は、法制度の改悪で、ごく限られた低所得者しか入居できないため、住民の共同活動も困難を抱えています。しかも、東京都をはじめ大都市は、新規建設をおこなわないため応募倍率が32.1倍(東京)、15.7倍(大阪)(05年度)となり、現在の計画では、10年かかっても住宅に困っている人の需要を充足することはできません。

 公営住宅の新規建設をすすめるとともに、民間賃貸住宅を借り上げて公営住宅にするなど多様な供給方式の活用で公営住宅を大幅に増やします。現行の月収20万円から15万8千円への入居基準の引き下げをやめ、若い子育て世代も入居できるようにします。また「孤独死」を防ぐため単身高齢者見守りなどをおこなう自治会に対する支援制度を強化・充実します。家賃も収入にあったものにし、収入が増えると不当に高い家賃を課して居住者を「追い出す」ことをやめさせます。期限付き入居制度(期限がくれば理由の如何を問わず契約更新をおこなわない)、入居承継を配偶者しか認めないとすることや、入居時の資産調査などをやめさせます。

 公団住宅(UR住宅)を改善します......中堅所得者を対象として誕生した公団住宅(UR住宅)・公社住宅は、今では新規建設から全面撤退しました。そのうえ10年間で8万戸削減する「削減・民間売却」方針を実施し、耐震強度不足を理由にした取り壊しを進めようとしています。また「家賃改定ルール」により3年ごとに家賃が値上げされるなど、家賃負担が重くなっています。建て替え後の家賃が2~3倍にもなり、住み慣れた団地を去らなければならない居住者が増えています。また敷地の民間売却がすすみ、隣地への高層マンション建設など、地域社会が大きく変わる事態も進行しています。

 住み続けられる家賃にするため、家賃は負担能力を考慮したものにします。高齢者や子育て世帯への家賃減額制度をつくるなど家賃制度を改善します。「団地再生」の名で進められようとしている団地再編(一部建替え、集約化など)に際しては、住民の声を尊重し、建替え家賃減額制度の適用などによって、誰もが戻って住み続けられるようにします。

 規制改革会議の押しつけによって、公団住宅に定期借家契約が導入されようとしています。定期借家制度は賃借人の権利を弱め居住の安定を脅かすものであり、日本共産党は制度そのものに反対しましたが、この制度創設の口実は「民間賃貸住宅の供給促進」であり、公共住宅である公団住宅に適用することには、一片の道理もありません。ただちに導入計画を撤回すべきです。

 雇用促進住宅の全廃方針を撤回し、居住権を保障します......定期契約者も含めて入居者の声を十分に聞き、納得のいく話し合いをおこない、一方的な住宅廃止や入居者退去の強行をやめさせます。低賃金や不安定雇用などで住居を確保できない人たちの住宅対策の一環として、雇用促進住宅の新たな活用をすすめます。

 分譲マンションの維持・管理を支援します......分譲マンションは1400万人の人々が暮らす場であり、都市における新しいコミュニティーの場でもあります。マンションの維持・管理に対する公的な支援を充実し、安全、快適で、長持ちするマンションをめざすとりくみを支援することが求められています。

 国や自治体の責任で耐震診断・改修への助成を強めるとともに、共用部分のバリアフリー化、省エネ化、アスベストの除去などを支援します。自治体の実態調査や相談窓口の整備などをすすめ、マンション管理の主体である管理組合のとりくみへの行政の支援を充実します。大規模修繕など、マンションを長持ちさせるとりくみを支援します。電気、ガス、水道など、ほんらい公共がおこなう基本的サービスの居住者負担を軽減するために、行政や、電力・ガス会社などに応分の負担を求めます。すでにいくつもの自治体が実施しているように、集会室、ゴミ置き場、遊び場などは、その公共性にふさわしく固定資産税を減免します。集合住宅の共用部分の固定資産税を減免させます。マンション購入時の購入者保護をすすめます。

 マンションの老朽化と、居住者の高齢化が問題になっていますが、管理組合の理事会をなくし、管理会社がマンションの管理組合も代表できるようにして管理を管理会社まかせにする「第三者管理方式」「新管理者管理方式」をファミリータイプまで広げることに反対します。「住民が主人公」という立場のマンション管理士の育成・活用や、管理組合団体などの自主的な助け合いのとりくみへの支援、行政の相談体制の整備など支援体制を充実します。

 多くのマンションが、自分のマンション建設当時にできた「受信障害対策」地域のための共聴設備をかかえ、その費用を負担しています。地デジ化にともない、この共聴設備の改修、「受信障害対策」地域の変更などが必要となります。しかし、これまで国は、マンション管理組合と共聴設備利用者の「当事者まかせ」にしてきたために、共聴設備の改修は遅々として進んでいません。2011年にアナログ停波という無謀なスケジュールを延期して、地デジへの移行時間を確保することが必要です。いま「受信障害対策」で新たな問題が起きていることは、地デジへの移行という国の方針にもとづくものであり、きちんと国が責任をはたすべきです。実態調査などで「受信障害対策」の共聴設備等改修問題の実態を行政としても把握し、改修費用等への助成の抜本的な充実をはじめとした「地デジ対策」の改善を求めます。



 

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