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日本共産党

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66 核兵器

日本共産党は被爆国の政党として、「人類の死活にかかわる核戦争の防止と核兵器の廃絶」を綱領にかかげ、その実現のために力を尽くしています

2019年6月

核兵器の脅威は今日の差し迫った問題です

 核兵器の脅威はけっして過去のものではありません。

 米ソが対立していた1980年代には世界で7万発の核兵器が存在していました。その後、今日まで約1万4千発にまで減りましたが(*アメリカ科学者連合など、2019年5月)、それが一発でも使われれば、広島と長崎へのアメリカの原爆投下のように、とりかえしのつかない事態をまねきます。

 (*)アメリカ(6185発)、ロシア(6500)、イギリス(215)、フランス(300)、中国(290)、インド(140)、パキスタン(150)、イスラエル(80)、北朝鮮(25)で13,890発(アメリカ科学者連盟発(FAS)、2019年5月)

 https://fas.org/issues/nuclear-weapons/status-world-nuclear-forces/

人類破滅の脅威

 核兵器は、熱線や爆風によって、都市を一瞬にして破壊し、人々を無差別、大量に殺りくします。広島と長崎に投下された原子爆弾は、現代から見れば旧式の小型のものでしたが、4か月余りのうちに21万人の命をうばいました。生き延びた人々も放射線障害などによって長年苦しみました。被爆者が語る言語に絶する体験は、この兵器が他に例をみない非人道的な、大量破壊兵器であることをはっきりと示しています。いかなる理由であれ、いかなる地においても、再び使われてはならない「悪魔の兵器」です。

 核兵器の使用は、人類の破滅につながる危険ももっています。

 現存する核兵器のごく一部(100発程度)が都市で爆発しただけでも、舞い上がった粉塵によって、地球全体の気候に変動がおき、20億が飢餓にひんすると予想する研究結果があります(核戦争防止国際医師会議「核の飢饉」2013年)。

核兵器使用の危険

 核兵器が現実に使用される危険はなくなっていません。

 実際、核保有国は、核兵器への依存する姿勢をつよめています。アメリカのトランプ政権は、核兵器をより使い易くする政策をとり、新たな「小型」核兵器の開発にもふみだしています(「核態勢見直し」2018年2月)。さらに、1980年代の米ソ対立時代につくられたINF条約(中距離核戦略全廃条約)から一方的に離脱を表明しました。一方、ロシアも、このアメリカの動きに対抗することを表明し、地域紛争での核兵器の先制使用や新型核兵器の開発をすすめようとしています。こうしたもとで、新たな核軍拡競争の懸念も高まっています。2021年に期限をむかえる米ロの戦略核兵器制限条約(新START)が延長されない可能性もあります。また、核兵器を持つインドとパキスタンの軍事緊張が高まっていることも重大です。朝鮮半島の非核化と平和体制の確立も途上にあります。

 核兵器が偶発的に使われてしまう危険もあります。

 米ロ両国で約1800発の核弾頭を搭載したミサイルがが「高度警戒態勢」にあるといわれています(米国科学者同盟(FAS)”Nuclear Notebook 2017”より)。これは何か異変があればすぐにでも発射できる状態になっているということです。意図的な核攻撃だけでなく、人為的なミスなどで、核ミサイルを打ち合いかねない危険な状態にあります。また、核兵器にかかわる重大事故は、世界各地でいくつもありました。

 それが破滅的な結果にいたらなかったことは、まことに幸でした。しかし、私たちと子供や孫たちの未来を「幸運」に委ねつづけることはできません。今日の私たちが直面するこの現実の脅威を根絶するには、すみやかに核兵器を廃絶する以外にありません。

核兵器は廃絶できます

 核兵器を廃絶することは技術的には十分可能です。

 アメリカはこれまで約7万発の核弾頭を製造してきましたが、そのうち約6.35万発を解体しています。約3,000発を解体した年もありました。仮に、このペースで核兵器を解体するとすれば、約5年たらずのうちに現存するすべての核兵器を解体することが可能です。これらの核弾頭にあるプルトニウムは約60㌧と言われており、その管理も決して不可能な量ではありません。

核兵器禁止条約(TPNW)

 核兵器を廃棄し、それを検証し、再び製造されないようにするには、国際的な枠組み=条約が必要になります。大量破壊兵器の禁止・廃絶を取り決めた条約としては、化学兵器条約(1997年発効)、生物兵器条約(1975年発効)があります。しかし、もっとも残虐で、最大の被害をもたらす核兵器についてはこうした法=条約はありませんでした。

 この状況を克服するためにつくられたのが、核兵器禁止条約(以下、TPNW)です。2017年7月に、国連加盟国の約3分の2にあたる122カ国が賛成して採択されました。TPNWは、国際協定として歴史上はじめて、核兵器を明示的に違法化し、禁止するものです。これまでも様々な核兵器に関する条約がありましたが、核兵器を違法化したものはありませんでした。ここにTPNWの歴史的な意義があります。

 TPNWは、開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵、移転、受領、配備、そして、使用と使用の威嚇など、核兵器にかかわる活動を全面的に禁止しています(第1条)。核保有国が条約に参加するために、その核兵器を廃棄する手順も定めています(第4条)。さらに、被爆者や核実験被害者への援助も定めています(第6、7条)

 条約は、「核兵器使用の被害者(Hibakusha)および核実験の被害者の容認しがたい苦難と損害」に留意し、核兵器廃絶を訴え続けた「ヒバクシャ(Hibakusha)の取り組み」を評価しました(前文)。このように、禁止条約は、被爆者を先頭とする反核運動がつくりあげた条約だと言えます。

 条約はすでに70カ国が署名し、23カ国が批准しています(6月19日現在)。50番目の国が批准してから90日後に発効することになっています。批准のためには、各国の国内法との関係などで、一定の時間がかかっていますが、近い将来の発効が見込めます。一部には核大国の「批准するな」との圧力もあると言われています。しかし、この流れを押しとどめることはできません。

日本共産党の活動

 日本共産党はTPNWの成立にむけても、力を尽くしました。

 志位和夫委員長を団長に、国連本部でひらかれた条約の交渉会議に二度参加しました。会場で演説をおこなうとともに、「要請文」や「文書発言」を提出しました。また、38の国・機関と精力的に要請を行いました。最初は核保有国の参加が得られなかったとしても、「賛成する諸国の政府によって核兵器禁止条約を早期に締結」し、核兵器廃絶への一歩を踏み出すことを呼びかけました。この内容は、多くの参加国に共有され、その方向で会議がすすみました。その点では、一つの貢献ができたと言えます。

「核兵器のない世界」を実現するために力を尽くします

 核保有国は「核抑止力は自衛に必要」などと主張して、TPNWに反対しています。「核兵器のない世界」を求める世界の世論に背を向けるものです。様々な問題で対立が目につく米ロや米中ですが、昨年の国連総会(2018年10月)などで核保有五大国は一致して、TPNWに反対する共同声明を発表してきました。

 アメリカをはじめとする核保有国は、核不拡散条約(NPT)再検討会議で、全会一致で合意した「核兵器の完全廃絶」の「明確な約束」(2000年)や、「核兵器のない世界を実現し、維持するための枠組みをつくる特別の努力」(2010年)を反故にしようとしています。アメリカ政府は、「いまの情勢のもとでは核軍縮はできない。環境づくりが先だ」などと主張して、「核軍縮のための環境創出」(CEND)なるものを提唱しています。しかし、これは「いまは核軍縮にはとりくまない」というものに等しく、核兵器廃絶を永遠にさきのばしする企てにほかなりません。

 核兵器廃絶に前進するには、こうした核兵器にしがみつく勢力の逆流と抵抗をうちやぶっていかなければなりません。

2020年NPT再検討会議にむけて

 TPNWを支持する非核保有国は、こうした核保有国らの姿勢を厳しく批判しています。

 来年でNPTは発効から50年、無期限延長から25年をむかえます。NPTはもともと、米英仏ロ中の5大国に核兵器の保有を認める一方、その他の国の核兵器取得を禁止する不平等な条約です。その最大のねらいは五大国による核兵器の独占にあります。にもかかわらず、この条約に191カ国もの国が参加しているのは、第6条で核兵器廃絶を交渉する義務を全ての締約国に課しているからです。「いずれ廃絶するので、新たに核保有は行わない」という妥協のうえになりたっている体制です。核保有国が核軍縮を行わないなら、NPT体制が弱体化、破たんしかねません。

 それだけに非核保有国は、核保有国に対し、「これまでの再検討会議の合意を守り、第6条の義務を履行せよ」と、核兵器廃絶への行動を強く迫っています。核兵器を違法化するTPNWが成立し、その発効が近い将来にも見通せる状況のもとで、核保有国は大きな政治的、道義的圧力を感じています。

 核保有国にたいして核兵器禁止条約を力に、「これまでの合意と条約の義務を実行せよ」と迫る広大な世論をまきおこしていくことが求められます。

核抑止力の批判―非人道性の告発

 とくに、核兵器を自衛や安全のために不可欠だとする「核抑止力」論を打ち破ることが重要です。

 その土台となるのが核兵器の非人間性、非人道性を広く告発していくことです。政府レベルでも、2015年NPT再検討会議に向けて「核兵器の人道上の影響」に関する国際会議が開かれてきました(2013年3月ノルウェー、2014年2月メキシコ、同年 12 月オーストリア)。諸国政府の代表が被爆者の体験を通じて、ヒロシマ・ナガサキの被爆の実相を学んだことは大きな意味を持ちました。同時に重要なことは、その脅威を今日の問題として受け止めたことです。多くの政府が「核兵器による壊滅的な結末は政府のみならず、この相互につながった世界において一人ひとり、すべての市民に影響を与える問題」「それらは人類の生存、私たちの環境、社会経済的な発展、経済、将来の世代の健康をも左右しうる問題」だと訴えました(核兵器の人道上の結末に関する共同声明、2015年4月28日)。

 「核抑止力」論は、「こうした破滅的事態を起こすぞ」と相手を威嚇するものに他なりません。そのためには、いつでも使用できる態勢にしておくことが必要です。そうなれば、核兵器使用の危険はたかまり、威嚇された相手の核保有を「誘発」しかねません。

 この核兵器の非人道性の議論が、TPNWを生みだす原動力となりました。この議論を2020年NPT再検討会議にむけても、政府レベルで再活性化させ、さらにひろげていくことが重要となっています。その点で、被爆者を先頭とする市民社会の役割がいっそう大きくなっているといえるでしょう。

諸国政府と市民社会の共同

 「核兵器のない世界」へと前進する根本的な力は、世界の世論と運動です。とくに、核兵器廃絶をめざす諸国政府と市民社会(反核平和運動をはじめとする市民の運動、非政府組織、学者、国会議員など)の共同を発展させることが重要です。

 原水爆禁止世界大会は、そうした国際的な共同行動の要となってきました。毎年、内外の平和運動の代表とともに、国連幹部や非核保有国の政府代表が参加して、交流と共同を発展させてきました。2020年NPT再検討会議に際しては、アメリカの運動団体の提案で、同様の趣旨の原水爆禁止世界大会をニューヨークでもひらくことが計画されています。

 2016年4月からはじまった「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」(『ヒバクシャ国際署名』)が、2020年までに世界数億を目標にとりくまれています。これまでに、署名数は941万人(2019年5月27日現在)、署名した自治体首長の数は、20県知事1,135市町村長に達しています(2019年4月24日現在)。これを被爆75年の2020年にむけて飛躍させていくことが求められています。

 日本共産党も、市民社会の一翼をになって、世論と運動の発展に尽力していきます。

被爆国にふさわしい外交に転換します

 国際的な世論の発展とともに重要なのが、一つひとつの核保有国と同盟国で、禁止・廃絶を世論の多数にし、その方向で核兵器に固執する政治を変えていくことです。とりわけ、被爆国日本で禁止条約に署名し、批准する政府をつくることは、国際的な動向にとっても、重要です。

 安倍晋三政権は、核兵器禁止条約には「署名も、批准もしない」と断言し、世界の大きな流れに逆行しています。TPNWが核保有国と非核保有国の「分断」を深める、というのが表向きの理由です。しかし、真の理由は、日本がアメリカの核戦力=「核の傘」に依存しているからです。つまり、日本は「自衛」のためには、アメリカが他国に核兵器を使用したり、威嚇したりすること期待しているのです。

 安倍政権は、アメリカの「核抑止力」=「核の傘」が「自衛」に不可欠だという立場を表明しています(「防衛計画の大綱」2018年12月(*))。アメリカも核戦力で日本を守ると宣言しています(日米首脳会談、2017年2月10日(**))。

 (*)「核兵器の脅威に対しては、核抑止力を中心とする米国の拡大抑止が不可欠であり、わが国は、その信頼性の維持・強化のために米国と緊密に協力していく」

 (**)「核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の米国の軍事力を使った日本の防衛に対する米国のコミットメントは揺るぎない」

 こうした態度は、核兵器の使用とその威嚇とともに、それを援助、奨励、勧誘することも禁止したTPNWとはまったく相容れません。いま日本政府に問われているのは、核兵器の非人道性を体験した被爆国として、核兵器の使用を認めるのかどうかという、根本的な問題です。

 日本共産党は、核兵器の非人道性を訴え、核兵器を禁止・廃絶する世界の流れの先頭にたつなど、被爆国の政府にふさわしい行動をとること、とりわけ、「核の傘」から脱却してTPNWに参加することを求めます。それを政府が拒みつづけるなら、TPNWに参加する政府をつくるために全力をあげます。

日米核密約破棄、「核の傘」脱却で、非核の日本を

 アメリカの「核の傘」から脱却するうえで重要な問題のひとつは、「日米核密約」を破棄し、非核三原則を厳守・法制化することです。

 これは、日本政府がアメリカとの間で、日本に寄港・飛来する米艦船・航空機の核兵器搭載については、「条約上の権利」として認めた秘密の取り決めです。2000年の国会審議で、日本共産党の不破哲三委員長(当時)は、1960年の日米安保改定時に結ばれた「討論記録」という決定的な事実を示し、その存在を明らかにしました。

 また、沖縄に配備した核兵器を本土返還までに撤去する一方、「重大な緊急事態」には再持ち込みの権利をアメリカに認めた密約も存在します(「日米共同声明に関する合意議事録」1969年)。 2015年に明らかになった米国防総省の文書は「危機の際に核兵器を(沖縄に)再持ち込みする権利」がいまも有効であることを示しています。この密約が、核兵器を再び持ち込む基地として、嘉手納、那覇などとともに、辺野古をあげ、「いつでも使用できる状態に維持」するとしていることも重大です。

 日本政府は、この「密約」は有効なものではないなどとして、破棄していません(外務省「有識者委員会」報告書2010年)。アメリカが必要と判断すれば、核兵器が持ち込まれ、核戦争の足場とされる危険があります。被爆国を先制核攻撃の拠点にすることは許されません。

 日本は「核兵器をつくらず、持たず、持ち込ませず」の「非核三原則」を国是としてきました。日本共産党は、「核抑止力」=「核の傘」の鎖を断ち切ること、「日米核密約」を廃棄して、「非核三原則」を厳守・法制化するなど、名実ともに「非核の日本」に進む実効ある措置をとることを強く求め、その実現のために全力をあげます。

原爆被害への国家補償と被爆者施策の抜本的改善をすすめます

原爆被害への国家補償を

 広島と長崎の被爆者は、原爆投下の直接の被害だけでなく、放射線の影響をはじめとする様々な病や健康の不安、さらには社会的な差別や経済的な困難などをかかえてきました。戦争責任を負う日本政府が、被爆者に補償をおこなうべきです(*)。TPNWも、「核兵器の使用または実験によって影響を受けた」犠牲者にたいして「医療、リハビリテーションおよび心理的な支援を含め、年齢および性別に配慮した支援を差別なく十分に提供し、かつ、彼らの社会的かつ経済的包摂を提供する」と定めています。

 (*)米軍の原爆投下は、国際法に違反する不法行為です。しかし、日本政府はその賠償請求権を、サンフランシスコ講和条約によって放棄しており、米政府に請求することはできません。原爆被害者が米国政府に対して直接損害賠償請求権があるかどうかについては議論があります。したがって、日本政府が原爆被害者に国として補償すべきです。

 ところが歴代政府は、戦争の犠牲はすべての国民が等しく耐え忍ばねばならないという「戦争被害受忍論」にたって、国としての補償を認めていません。また、被爆者をはじめとする運動によって、被爆者援護の施策を改善させてきていますが、いまだに原爆症認定を却下された被爆者が訴訟をおこさなければならないような状況がつづいています。

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は、原爆被害への国家補償をもとめて、長年たたかいつづけています。15万人余りの被爆者(被爆者健康手帳保持者(*))の平均年齢は82歳をこえています(2018年3月末現在、厚生労働省発表)。政府は一刻も早くこの願いにこたえて、原爆被害への国家補償と被爆者施策の抜本的改善に踏み切るべきです。

 (*)被爆時に一定の範囲の地域にいた者、原爆投下2週間以内に入市した者、被爆者救護をおこなった者、またそれらの胎児。手帳交付により、医療費が無料となり健康診断などがうけられる。

原爆症認定制度の抜本的改善を

 被爆者の長年にわたる運動や原爆症認定集団訴訟(2003~9年)などのたたかいが、政府の援護施策を確立、改善させてきました。2009年8月には、麻生太郎総理大臣(当時)と「今後訴訟の場で争うことのないよう、定期協議会の場を通じて解決を図る」との「確認書」を取り交わしました。

 現在、被爆者が疾病にかかった場合には、健康管理手当(毎月34,430円)が支給されます。それが原子爆弾の放射線に起因する原爆症と認定されれば、医療特別手当(毎月140,000円)が支給されます。しかし、政府厚労省は、原爆被害を過小評価し、原爆症に認定する被爆者を少数に限定してきました。認定された被爆者は2018年3月末現在、7,640人にとどまっています(厚生労働省発表)。被爆者のわずか5%にすぎません。

 こうした政府の姿勢を改めるために「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」がたたかわれ、被爆者たちの勝訴がつづいています。被爆者は高齢化しています。また、訴訟に踏み切るには大きなエネルギーが必要です。政府厚労省は司法の判断に従って、認定制度を抜本的に改善すべきです。

 被爆者が訴訟に踏み切らなければならない現状は、原爆症認定制度そのものが大きな矛盾と問題点をかかえていることを示しています。政府は内部被ばくの影響を低くみるなど、認定の幅を意図的に狭くしています。日本被団協は、狭い「認定基準」による「足きり」をやめ、被爆の実態にふさわしく、全ての被爆者に一定の手当てを支給したうえで、障害の度合いに応じて加算する、という抜本的で、合理的な提言を出しています。

 日本共産党は、被爆者の要求を支持し、原爆症認定制度を、現行法の改正を含め、被爆者の実情・要求にそったものとするために尽力します。被爆二世対策、また海外に住む被爆者が日本に住む被爆者と同等の援護措置を受けられること、被爆実態に見合った被爆者手帳交付条件の見直し(被爆地域の拡大)を進めます。原爆投下後に放射性物質を含む「黒い雨」が降り注いだ、援護の対象となる降雨指定地域の拡大を国に求めます。

ビキニ水爆実験被災者への支援と賠償を

 1954年にアメリカがマーシャル諸島ビキニ環礁でおこなった水爆実験で、一千隻にものぼる日本のマグロ漁船の船員が被爆しました。第五福竜丸の船員が急死したことは大きな社会問題となり、水爆禁止を求める署名が当時の有権者の半数近く3,500万に達しました。これを背景に、翌1955年には第一回原水爆禁止世界大会が開催されました。

 反核世論の広がりを恐れた日米政府は、被爆の全容を明らかにしない「政治決着」をはかりました。米国の「好意」によるわずかな見舞金で、損害賠償責任を免除し、被爆調査を打ち切ったのです。被災者はなんら救済もなく放置されました。

 2014年に米公文書館で、漁民らの被災資料が発見されたため、市民団体が厚労省に迫り、それまでないとしてきた被災調査の資料を開示させました。2015年2月21日には、紙智子参議院議員の追及で、水産庁がビキニ被災文書類を初めて公表しました。

 被災から65年近くがたちますが、被災漁民の苦難、人権侵害、さらにその実態を隠蔽、放置してきた政府の責任は重大です。2016年から国家賠償請求訴訟もたたかわれています。日本共産党はこのたたかいとも連帯し、政府が被災の全容を明らかにするとともに、高齢化がすすむ被災者に救済措置をとることを要求します。

 

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