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日本共産党

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赤旗

2014年 総選挙各分野政策

3、年金

年金連続削減路線を阻止し、無年金・低年金の解決に足を踏みだして、今も将来も信頼できる年金制度を確立します

2014年11月


安倍内閣の“際限なき年金削減”に反対――年金制度の2段階の改革で、今も将来も安心できる制度を実現します

 安倍内閣のもと、「特例水準の解消」(過去の物価下落時にスライドを適用しなかった分を取り返す)という名目で、昨年12月振込分から1・0%、今年6月振込分から0・7%、あわせて1・7%の年金削減が強行されました。自公民の「3党合意」に基づくものです。その結果、月10万円の年金の人は、額面でも9万8300円に下がっています。

 しかも今、高齢者の家計は、消費税増税やアベノミクスによる物価上昇の直撃を受けています。現役世代の「実質賃金」と同じように物価値上がり分を考慮した「実質年金額」を計算すると、安倍内閣が成立した2012年12月との比較で、現在(2014年9 月時点)の年金は6%の減少です。月6万4000円の基礎年金なら4000円、月10万円の年金額であれば6000円の実質減・目減りです。

 安倍内閣は来年度、物価の大幅上昇のなかで「マクロ経済スライド」を初めて発動させ、年金の「目減り」をさらに進める方針です。そのうえ、物価が下がった場合にも「マクロ経済スライド」を発動させる新たな仕組みの導入や、支給開始年齢の先送りなど、さらなる年金削減案も検討しています。まさに、際限なき年金削減です。

 年金保険料の引き上げ、給付削減、支給開始年齢の先延ばしなど、歴代政権が年金制度の改悪を繰り返すなか、国民の年金不信が広がっています。現役世代では、国民年金保険料の未納率が4割に達し、免除者や未加入者も含め、保険料を払っていない人・払えない人が1000万人を超えるなど、制度の「空洞化」が進行しています。高齢者でも、年金を1円も受給していない人が100万人にのぼり、国民年金の平均受給額が月5万円に満たないなど、無年金・低年金問題は深刻です。安倍政権の際限なき年金削減は、高齢者の貧困をますます深刻化させ、“年金なんて当てにできない”という国民の年金不信を拡大し、年金制度の存立基盤を根底から掘り崩しかねません。

 日本共産党は、安倍政権の年金切り捨ての大暴走を阻止するため力を尽くします。年金削減政策を中止し、低額年金を底上げして「減らない年金、頼れる年金」への転換を進め、最低保障年金の導入による無年金・低額年金問題の根本的解決をめざします。

 

<日本共産党の2段階の年金改革案>

 第1段階として「減らない年金」を実現し、低額年金の底上げを図ります。

 「特例水準の解消」を名目にした年金削減を中止します。2015年度の「マクロ経済スライド」発動に反対し、この仕組みの撤廃をめざします。「マクロ経済スライド」の物価下落時の発動や支給開始年齢のさらなる先延ばしなど、安倍政権が検討する新たな年金削減の阻止に全力をあげます。物価指標を理由にした「マイナス改定」や、物価上昇率が名目手取り賃金上昇率を上まわった場合に物価スライドを名目手取り賃金上昇率の範囲に抑える仕組みなど、年金支給の抑制・削減につながる仕組みを見直し、「減らない年金制度」へ転換します。

 「保険料を25年間、納めないと年金を受け取れない」という現行制度をすみやかに改めます。2012年、自公民3党は受給資格が得られる期間を「25年」から「10年」に短縮する法案を可決しましたが、その施行日は“消費税率が10%に上がったとき”とされており、安倍首相の増税「先送り」で実現は棚上げになっています。そもそも、年金制度の改善は国民の生活と権利をまもるため無条件に行うべきものであり、それを、消費税増税を押し付けるための“人質”に使うなど言語道断です。日本共産党は、受給資格期間の短縮を消費税増税と切り離し、すみやかに実現するために全力をあげます。

 あわせて、低年金の重点的な底上げを行います。現行の基礎年金は、受給額の2分の1を国が税財源で負担する仕組みとなっています。この仕組みを拡充し、受給者全員に定額(基礎年金満額の2分の1)の税財源を投入する仕組みにあらためます。これが実現すれば、現在、月4万円の年金を受給している人は、受給額が月5万3000円に増額されます。

 改革の第2段階で、全額国庫負担による最低保障年金制度の確立に進みます。第1段階の低年金の底上げを発展させ、保険料納付にかかわらず月5万円の最低保障額を設定し、その上に、支払った保険料に応じた給付を上乗せする制度をスタートさせます。これにより、国民年金で40年間、保険料を納めた人は、月8万3000円の年金を受給できるようになり、厚生年金も、給付水準の低い人から底上げがされていきます。

 公的年金制度のなかに、最低保障の仕組みがないのは、先進国では日本だけです。国連の社会権規約委員会からも、「最低年金を公的年金制度に導入すること」がたびたび勧告されています。最低保障年金の導入に足を踏みだせば、低年金・無年金の増大、年金制度の「空洞化」、サラリーマン世帯の専業主婦の「第3号被保険者問題」など、今日の年金制度が抱えるさまざまな矛盾を抜本的に解決する道が開けます。

 これらの改革に必要な財源は、消費税増税にたよらず、第1段階:歳出の浪費を一掃し、富裕層・大企業への優遇を是正する、第2段階:応能負担の原則に立って所得税の累進課税を強化する――という2段階の税・財政改革によって確保します。同時に、大企業の内部留保を活用した賃上げと正規雇用への転換、中小企業の振興、農林水産業の再生など、国民の所得を増やし、日本経済を健全な成長軌道に乗せる経済改革を行い、税収増を図ります。また、仕事と子育ての両立支援、子育ての経済的負担の軽減、日本社会のゆがみをただす改革を行い、「少子化」問題の克服に取り組みます。

 正規雇用が当たり前の社会をつくり、「働く貧困層」をなくして中小企業の経営をまもる改革は、年金保険料の未納者や滞納事業所を減らし、年金財政の支え手を増やす決め手ともなります。「少子化」問題の克服は、安定した年金制度を確立するうえでも重要です。

 年金制度を2段階で充実させる改革、その財源を消費税にたよらず確保する税・財政の改革、「ルールある経済社会」に転換する経済の民主的改革により、今も将来も安心・信頼できる年金を実現していきます。

 ―詳しくは、「消費税にたよらない『別の道』」の項をご覧ください。

 

年金積立金の株式運用反対――過大な積立金は計画的に取り崩して給付保障に

 安倍首相は今年5月、イギリスの金融センター・シティで外国人投資家を前に「世界最大の年金基金の改革を進めています」と表明しました。外国投資家による“日本株買い”を呼び込むため、年金積立金を大量に株式市場に投じることの宣言です。

 これまでも、年金積立金の一部は株式運用され、「実体上、PKO(株価維持策)に使われている」と批判されてきましたが、歴代政権は曲がりなりにも“年金積立金は安定運用が原則”と説明し、株式運用は一部に限定してきました。ところが、安倍内閣は、年金積立金を株価維持のために使うことを公然と宣言し、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」の運用の基本となる「資産構成(ポートフォリオ)」の見直しを打ち出して、それを「成長戦略」の目玉にしたのです。

 今年10月、GPIFは、運用における国債の比率を60%(±8%)から35%(±10%)に引き下げる一方、国内株式を12%(±6%)から25%(±9%)に引き上げるポートフォリオの変更を発表しました。現在、GPIFが管理する年金積立金は130兆円で、20兆円程度が株式運用されていますが、ポートフォリオの改定で新たに20兆円を超える公的資金が株式市場に投入されることになります。

 年金積立金の原資は国民が払った保険料です。その目的は、老後の年金を保障することにあり、安定運用が当然の原則です。高リスクの株式運用で損失が出れば、そのつけは、年金削減や保険料引き上げとなって国民に押し付けられます。

 公的資金投入による株価吊り上げは、市場をゆがめ、株価の乱高下を招きます。そうなれば一般投資家は損をし、各企業で働く労働者も苦しむことになります。金融大国の米国ですら、公的年金の積立金で株を買うことはしていません。

 国民の財産が危険にさらされる一方、ヘッジファンドなどの投機筋や銀行・証券会社は巨額の利益を得ます。また、株式運用は民間金融会社に委託して行われるため、銀行や証券会社には多額の「手数料」も支払われます。昨年度は222億円の手数料が、年金保険料から金融業界に支払われました。

 国民には「年金財政が苦しい」といって支給削減や保険料引き上げを押しつけながら、国民から集めた巨額の積立金を金融界や大企業の利益のために使うなど、もってのほかです。日本共産党は、年金積立金の株式運用の拡大に反対し、リスクの高い投機的な運用をやめさせます。

 ヨーロッパ諸国では、公的年金の積立金は、給付費の数カ月分しか用意されていません。国民年金・厚生年金あわせて154兆円(2012年度)――給付の3年分という日本の“貯めこみ”は異常です。こうした巨額の積立金については、これまでも、グリーンピア(大規模年金保養基地)に代表される浪費型事業、厚労官僚の事務費や接待費、「天下り」法人に対する不透明支出などに「流用」され、国民の年金不信を高める一因となってきました。

 日本共産党は、利権と腐敗の温床ともなっている過大な年金積立金を計画的に取り崩し、報酬比例(2階部分)の給付水準を維持するために活用していきます。

 

「消えた年金」「消された年金」問題を、一人たりとも被害者を残さないよう、一日も早く、国の責任で解決します

 「消えた年金」「消された年金」問題は、国が引き起こした問題であり、被害者には何の責任もありません。“被害者を一人も残さない”“一日も早く”という立場で、日本共産党は、国が解決に責任を果たすことを求めます。

 年金記録が消えたり、消されたりしていないかどうか、一人ひとりの受給者・加入者にわかるよう、国が管理・保有している情報をきちんと提供するとともに、相談・問い合わせ、記録の照会や訂正、未払い金の支払いのスピードアップなどに対応できる体制の抜本的強化をはかります。第三者委員会などでは、物証がなくても、申立てや証言などを尊重して支給することなどを進めます。

 「消えた年金」「消された年金」問題の根本には、国民の年金受給権をまもることには無関心で、保険料徴収と納入率アップを至上命令にするという、年金行政の大きなゆがみがあります。年金をはじめ、社会保障は国民の権利であり、行政の国民の権利をまもるために仕事をするという基本原則を、行政の上から下まで徹底することこそ、求められている改革です。この立場で、年金保険料の流用の中止、世界に例のない巨額の積立金の計画的な取り崩しと給付への充当など、年金行政の抜本的改革を進めます。

 社会保険庁解体・年金機構発足を口実に、「消えた年金」「消された年金」問題に対する国の責任を放棄することを許さず、「分限免職」した職員の再雇用をはじめ、問題解決の体制をとり、解決に責任を持つことを求めます。

 

パート、派遣、契約社員など非正規雇用で働く人たちの厚生年金加入の権利を保障します

 厚生年金など社会保険に加入することは、本来、非正規雇用も含めた労働者の権利です。法人又は従業員数が常時5人以上の事業所は、正社員の4分の3以上の時間を働く労働者をすべて厚生年金に加入させる義務を負っています。ところが、この義務を果たしていない事業所が少なくありません。派遣社員も、派遣元企業に社会保険加入の義務が課されていますが、責任逃れや違法行為が蔓延しています。

 2012年の法改定で、①従業員数501人以上の企業、②週の所定労働時間20時間以上、③月額賃金8・8万円以上、④雇用期間1年以上――という要件を満たす人が、厚生年金の対象とされました。こうした改善措置を実効あるものとするためにも、低賃金や重い保険料負担の解決、雇主の違法・脱法行為の是正、低すぎる給付の引き上げなどが必要です。

 日本共産党は、経営が苦しい零細企業などについては社会保険料の軽減制度などをもうけて支援を行うと同時に、違法・脱法行為をなくし、非正規雇用で働く人たちの社会保険加入・厚生年金加入の権利をまもります。この問題を解決するためにも、年金制度充実の2段階の改革と、人間らしい雇用と賃金を確立する民主的経済改革に取り組みます。

 

公的年金等控除改悪など“高齢者増税”を見直し、「天引き」をやめさせます

 安倍政権は、「年金制度改革」の一環として、公的年金等控除のさらなる縮小など「新たな高齢者増税」をねらっています。かつて、小泉政権が強行した「高齢者増税」――公的年金等控除の縮小や老年者控除の廃止は、低所得の高齢者に増税を強いるとともに、国保料(税)など他制度の保険料や自己負担に波及して、“雪だるま式”の大負担増を引き起こしました。

 「老後破産」という言葉がメディアの話題となることに示されるように、高齢者の貧困・生活破壊が重大な社会問題となっています。高齢者には増税・負担増の追い打ちでなく、負担軽減こそ必要です。日本共産党は、65歳以上の公的年金等控除の最低保障額を140万円に戻すとともに、所得500万円以下の高齢者について老年者控除を復活します。

 介護保険料や住民税の年金「天引き」の強制をやめさせ、各人の希望で、普通徴収などに変更できるようにします。

 

「一元化」や「積立金方式」を看板にして負担増・給付減をおしつける改悪に反対します

――制度間の格差をなくして、公平な年金制度へ前進させます

 2012年、自公民3党は厚生年金と共済年金を統合する被用者年金の「一元化法」を可決しましたが、その中身は、厚生年金の給付や内容はなんら改善せず、ただ、“保険料を高い方に、給付は低い方に揃える”というだけの改変でした。

 この間、自民党の一部や民主党は、国民年金と被用者年金(厚生・共済年金)の給付水準が大きく違うことなどを理由に、「制度間格差」の解消の名で、「年金制度の一元化」をさかんに言いたててきました。

 しかし、民主党政権時代に打ち出された、国民年金と被用者年金を統合して「最低保障年金+所得比例年金」に再編する「一元化」案は、自営業者に大幅な保険料値上げを押しつける一方、被用者の多数が受けとる年金額は現行制度よりも引き下げるなど、“負担は重い方に、給付は低い方にあわせる”改悪案にすぎず、あえなく頓挫しました。社会保障費削減路線の枠内で、保険者組織を統廃合する「改革」案では、国民が願っている“公平な年金制度”はつくれません。

 日本共産党は、「一元化」の名による負担増・給付削減に反対し、年金制度間の格差をなくして、真に公平な年金制度をめざす改革を進めます。そのために、一番、現実的な方法は、国民年金や、厚生年金の低い部分の底上げをはかり、全体として格差を縮小していくことです。「第1段階」で低年金の重点的な底上げを行い、「第2段階」で最低保障年金を導入するという2段階の改革は、この点でも有効な打開策となるものです。

 この間、財界の一部や維新の党などが、年金財政の「積立方式への移行」を主張していますが、その中身は、公的年金を、民間保険会社の年金保険と基本的に同じ仕組みにするというものです。仮にこれが導入されれば、国民が受けとる年金額は「自分で積み立てた金額+運用益」にとどめられ、国の公費負担や企業の保険料負担は縮小・廃止されていきます。このように、年金を完全に“自己責任”とし、“貧しい給付”をいっそう貧しくする「積立方式」の導入で、年金危機と国民の将来不安が解消しないことは明瞭です。

 有権者の一部から「積立方式」への期待の声が出てくる背景に、「将来、まともな年金が受け取れるとは思えない」「自分たちが支払った保険料が官僚の食い物にされている」など、年金制度への強い不信があります。雇用と賃金が破壊されるもと、若い世代が「保険料を払えない、どうせ年金なんか受けとれない」と思わざるをえない状況も広範に存在します。

 その点で、▽年金削減を中止して、低年金を底上げして「減らない年金・頼れる年金」を実現する、▽受給資格期間を短縮し、最低保障年金を導入して、無年金・低年金問題を根本的に解決する、▽「天下り」根絶や投機的運用の中止などで積立金の運用を透明化し、計画的に取り崩して給付に充てる――など、日本共産党の年金改革案は、国民の制度不信を払しょくするものとなっています。

 285兆円にのぼる大企業の内部留保を活用し、賃上げや正規雇用への転換、中小企業への支援強化で現役世代の所得増を図るという日本共産党の経済改革案は、「将来、年金を受け取れない」若者をなくすとともに、真に持続可能な年金財政の土台ともなるものです。

公的年金を解体する「積立方式」ではなく、年金制度の再建・拡充と経済の民主的改革を行ってこそ、安心できる老後保障を実現できるというのが、日本共産党の考えです。

 

社会保障の給付削減をねらい、国民のプライバシーを危機におとしいれる共通番号(マイナンバー)の実施に反対します

 安倍・自公政権が提出し、民主・維新などの賛成で法律が可決された社会保障共通番号(マイナンバー)制度は、国民一人ひとりに背番号をつけ、各自の納税、保険料納付、医療機関での受診・治療、介護・保育サービスの利用などの情報をデータベース化して、国が一元管理するというものです。政府は2015年10月から、識別番号(マイナンバー)と氏名・住所・生年月日・性別を一体に記載したカードを全国民に送り、16年には、顔写真やICチップの入った「個人番号カード」を導入することを計画しています。

 もともと、国民の税・社会保障情報を一元管理する「共通番号」導入を求めてきたのは、財界でした。日本経団連は2000年代から、各人が納めた税・保険料の額と、社会保障として給付された額を比較できるようにし、“この人は負担にくらべて給付が厚すぎる”などと決めつけて、医療、介護、福祉などの給付を削減していくことを提言してきました。社会保障を、自分で納めた税・保険料に相当する“対価”を受けとるだけの仕組みに変質させる大改悪にほかなりません。社会保障を「自己責任」の制度に後退させ、「負担に見あった給付」の名で徹底した給付抑制を実行し、国の財政負担、大企業の税・保険料負担を削減していくことが、政府・財界の最大のねらいです。

 年金の分野では、保険料の納付額と、受けとる年金額が比較・対照され、“過大な給付を受けている”という攻撃のもと、さらなる年金削減が打ち出されることになります。

 この間、年金の保険料収納の現場では、徴収業務の民間委託や差し押さえの強化などがすでに問題になっています。「共通番号」の導入にともない、国の税金・社会保険料の徴収業務が“統合”がされ、機械的な徴収や無慈悲な滞納制裁がさらに横行することも懸念されます。

 日本共産党は、社会保障を民間の保険商品と同様の仕組みに変質させ、国民に負担増・給付削減を押しつけるための「共通番号」導入に反対します。社会保障を“自己責任”にかえる策動を許さず、国民の権利としての社会保障をまもります。

 政府が国民一人ひとりに生涯変わらない番号をつけ、多分野の個人情報をコンピューターに入力して行政一般に利用すること自体、重大な問題を持つものです。

 本来、個人に関する情報は、本人以外にむやみに知られることのないようにすべきものであり、プライバシーをまもる権利は憲法によって保障された人権の一つです。

 今般、法律が可決されたマイナンバーは、既存の「住基ネット」などとは比較にならない大量の個人情報を蓄積し、税・医療・年金・福祉・介護・労働保険・災害補償などあらゆる分野で活用されるものです。役場への申請はもちろん、病院の窓口や介護サービスの申し込みに使われるなど、公務・民間にかかわらず多様な主体が、そこにアクセスをしていきます。これが導入されれば、個人情報が“芋づる式”に引き出され、プライバシーを侵害される危険性が高まることは明らかです。

 また、データ管理を国から委託される企業に、国費をつうじて巨大な利権をもたらすことも問題視されています。

 日本弁護士連合会は、「『社会保障番号』制度に関する提言」(2007年10月)で、「米国の社会保障番号(SSN)がプライバシーに重大な脅威を与えていることは広く知られている」「あらゆる個人情報がSSNをマスターキーとして検索・名寄せ・データマッチング(プロファイリング)され、個人のプライバシーが『丸裸』にされる深刻な被害が広範に発生している」「SSNの身分証明性を悪用されて、『なりすまし』をされたりする被害も広がっている」と指摘し、日本への「社会保障番号」導入に反対を表明しています。

 実際、アメリカでは、「社会保障番号」の流出・不正使用による被害が全米で年間20万件を超えると報告されています。同様の制度がある韓国でも、06年、700万人の番号が流出して情報が売買され、大問題となりました。イギリスでは、労働党政権下の06年に導入を決めた「国民IDカード法」が、人権侵害や膨大な費用の浪費の恐れがあるとして、政権交代後の11年に廃止されました。

 日本共産党は、個人の人権を脅かす策動を許さず、国民のプライバシー権をまもるため、マイナンバー法の実施中止・撤廃を求めて全力をつくします。

 

 

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