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赤旗

離婚後300日問題 無戸籍をなくし、つくらない

2008年8月5日


 戸籍のない子の問題が社会問題化しています。

 離婚後三百日以内に生まれた子は“離婚前の夫の子”とするという民法七七二条の規定と実態の矛盾によるものです。

一歩改善にとどめず

 現実には結婚生活が破たんしていても離婚成立に長時間かかり、戸籍上の夫以外の男性との生活が始まって、正式離婚後三百日以内に子どもが生まれる場合が少なくありません。

 現在の夫の子を離婚前の夫の子として届けるのは、事実とも違い、子どもの幸せにならないと思うのは当然です。

 そうした子が戸籍を持つことができず、健康診断も受けられず学校にも行けないなどの境遇に置かれる場合も多く、成人後は結婚・出産の障壁にもなっていました。

 「戸籍がないと人として認められていない気がする」などの当事者や家族の訴え、世論の高まりを背景に、国は、この間、一定の対応を進めています。

 これまで前の夫との調停が難しいことも少なくなかった中で、実の父に認知を求めればいい認知調停の方法を活用できるようにしました。一定の条件があれば住民票取得が可能になっています。出生の届け出は窓口で拒否できないものであり、関係法務局に指示を求めるようにという文書も出しています。一歩前進です。

 しかし、一連の措置も当事者に情報が伝わり、届け出がおこなわれなければ事態は変わりません。「広報」など、きめ細かな対応が必要です。

 さらに、当面の穴埋め的な措置にとどまらない改善が求められています。

 離婚後三百日以内の出生でも、前の夫の子でないことが明らかな場合は、現在の夫の子や「嫡出でない子」として出生届を受理できるようにすることです。

 昨年、法務省は、離婚後の妊娠を医師が証明すれば出生届を受理する措置を取りましたが、これで対象になるのは約一割です。

 離婚後妊娠に限定したのは、当時の法務相や自民保守層が「貞操観念」を持ち出し、安倍首相も“婚姻制度の根幹にかかわる”とブレーキをかけたからです。

 当事者はもとより世論調査でも約70%が“離婚前妊娠でもいまの夫の子と認めるべきだ”としています。自治体からも結婚生活の破たんが明確な場合は離婚前妊娠についても出生届を受理すべきだという意見書が出されています。

 憲法は、個人の尊重と法の下の平等を定めています。

 子どもの権利条約は、子どもに最善の利益を与えることをうたい、出生による差別の禁止、出生後直ちに登録される権利を定めています。これ以上、出自によって、無戸籍になる子どもたちをつくらないために政治の責任で改善することが求められています。

民法の見直し検討を

 諸外国では、社会の発展、家庭関係の変化に対応した民法の規定の見直しが進められています。

 いま、民法七七二条がつくられた百十年前と婚姻状況は大きく変化しています。新婚夫婦のうち「一方または双方が再婚」は四分の一を超えます。法務省の調査は、離婚前に半年から数年の別居をしている例が多いといいます。民法の見直し、検討が必要です。



 

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