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赤旗

青森県立六戸高校 ルールちゃんと検討したい 生徒・教師・保護者・地域代表が議論

服装・髪形・スマホ使用...

 よりよい学校づくりのため生徒と教師、保護者が対等な立場で話し合う3者協議会に、さらに地域の代表も加えた4者協議会。青森県六戸町(ろくのへまち)の県立六戸高校で19日に初めて開かれ、学校のルールについて生徒が思いを訴え、議論し合いました。(記事=高橋拓丸、写真=赤平加奈恵通信員)

 六戸高校の体育館を会場に、生徒10人、保護者4人、教職員3人、地域から学校評議員1人が代表として出席。代表者たちを囲むように、オブザーバーとして1、2年生の全生徒(3年生は卒業)も約110人が参加。代表以外の生徒たちも積極的に発言しました。

 議題は、生徒へのアンケートで全体の75%を占めていた「服装・頭髪のルール」と「スマートフォンの使用ルール」。

 4者協議会は、生徒の意見表明の権利を保障し、主権者意識を高めるために4年前から準備されてきました。当日の様子はメディアにも公開されました。

 

「校則だから」?

 服装のルールでは、ツーブロック(トップを長めにし、サイドを短く刈りあげた髪形)の禁止や、靴下の色や丈の決まりについて意見を出し合いました。

 2年生の男子生徒が、校則には「清潔で高校生らしい髪形をする」としか書かれていないが、実際にはツーブロックが禁止されていると指摘。「ツーブロックは眉にも耳にもかからず、清潔な髪形だと思います」と訴えました。

 教職員側は、校則に具体的な髪形が明記されていないのは時代の流行に応じて運用するためと回答。進路指導の教諭は、受験や就職の面接マナーの書籍類を参考の一つとしており、その多くでツーブロックはやめるよう記載されていると話しました。

 オブザーバーの生徒たちが次つぎに挙手。「面接とか進路が理由なら、進路が異なる全員を同じに禁止する必要はないんじゃないですか」「極端な話、全員同じ髪形にすればいいという話になってしまいます」などと発言しました。

 2年生の女子生徒は「"そう決まっているから""校則だから"が前提では、協議会の意味がありません。ちゃんと検討してほしいです」と注文しました。

 議論を受けて生活指導の教諭は、現状の方針は教職員だけで決めた内容だとし、「4者みなさんの声を聞いて、また検討する必要があると感じています」と話しました。

 

違う立場の意見

 スマートフォンの使用ルールについて、同校では放課後に演習室で保護者への連絡だけの使用が許可されています。生徒側は昼休みや学校行事中の使用も認めるよう求めました。

 2年生の女子生徒は、「昼休みのうちに、親に迎えの連絡をしたいときもあります。コロナ禍で思い出をつくる機会が減っていて、行事の中でも(記念撮影などに)使いたい」と発言しました。

 保護者側からは、「今のルールをゆるめたら、それ以外の遊び目的での使用も結局は出てくるのでは」「演習室は独習にも使う生徒もいるので、部屋は分けてほしい」「行事中の撮影がネット上で悪用される危険もあります」など意見が出ました。

 教職員側は、携帯電話は学校では必要がないとしている文部科学省の通達にもとづき、現在は限定的に使用を認めていると回答。スマートフォンで撮影した写真がインターネット上でのトラブルにつながる可能性と、過去の実例についても説明しました。

 オブザーバーの生徒からも、演習室以外で所持していた際の預かり指導(没収)の基準や、緊急速報など災害時に備えた使用ルールの緩和を求める発言がありました。

 行事の記念撮影については、デジタルカメラなどインターネットにつながっていない機材を使うことを提案する生徒もいました。

 

主権者意識育む

 議論は2時間近くに及びました。

 協議会のあと、生徒代表の1人として参加した2年生の三浦一晟(いっせい)生徒会長は、「始める前は準備が大変で、不安もありました。でも学校のルールへの地域の方や先生がたの意見を聞くことができ、初めての経験だけど、おもしろかったと感じています」と話しました。

 司会を務めた酒田孝教諭は、「夏には第2回協議会も予定しています。今回はまだ生徒も議論に慣れていない部分があったけど、これから回を重ねて自分たちの権利を学び、主権者意識を育てていってほしい」と語りました。

(「赤旗」2021年3月29日)