セクハラも性差別もない社会を 国際女性デー

写真・国際女性デー・街頭宣伝

3月8日、国際女性デー。この日、東京・有楽町で日本共産党の国会議員が「セクハラも性差別もない社会を」と訴えました。強い風に揺れるミモザを手に――。

写真・山添

山添 拓・参院議員の訴えから
男性20代に追いつかない女性の平均年収!

 私たちの日本には憲法14条で法の下の平等が定められ、憲法24条は同性の合意のみにもとづく婚姻を定めています。参政権、選挙の投票権の平等は44条にあり、男女の賃金差別を禁止する労働基準法4条もあります。1985年には雇用機会均等法が作られ、それからすでに30年以上も経過しています。
 日本の実態はどうでしょうか? フルタイムで働く男性の平均年収は、20代後半に418万円になります。ところが女性の平均年収が417万円になるのは、40代後半になってようやく、なんです。しかも女性の平均年収はそこで“頭打ち”になり、男性の20代後半に追いつかないまま終わる。
 働く女性の半分が非正規の仕事に就いています。非正規シングル女性の7割が年収250万円以下という調査も。この状況を改善することなしに、女性の社会参加、政治参加を大きく広げていくことはできないだろうと思います。
 正規の人には長時間労働で過労死水準まで働かせ、非正規職にとっては不安定さ、安すぎる最低賃金が足かせに――これが女性にとっても大きな障壁になっているのではないでしょうか。
 8時間働けば普通に暮らせる社会へ。8時間働けば十分暮らしていけるだけの最低賃金の大幅引き上げを。正規で安心して働ける環境を!――政治の力で、女性も男性も安心して働き暮らせる社会をごいっしょに実現しようではありませんか。

写真・吉良

吉良よし子・参院議員の訴えから
本気で差別のない社会をめざす

 ジェンダーギャップ指数世界149カ国のなかで第110位の日本では、女性がいざ働こうとしたとき、さまざまな困難が伴います。
 伊藤詩織さんへの性暴力事件も、彼女の求職中に起きたことでした。財務省事務次官から女性記者へのセクハラ事件、東京医大をはじめとする医学部での入試差別――すべて女性が働こうとしたり、働く中でおきたこと。
 それは私にとっても他人事ではありません。就職氷河期、やっとこぎつけた面接で、「女性を採るのはリスクがある。結婚も出産もあるからね」と言われました。なぜ女性だけ、出産、子育てというプライベートを就職活動で聞かれなければならないのでしょう。男性だって子育てにかかわる責任と権利がある。だれも自分の生活や人生を犠牲にしない働き方を実現するべきです。長時間労働の是正、実現していこうではありませんか。
職場のハラスメント、セクハラも許しておくわけにいきません。セクハラ被害で心身を病んで働けなくなった女性がどれだけこの国にいるでしょう。ハラスメントを禁止する法律が必要です。しかし、いまの安倍政権は禁止規定を入れるつもりがない。
 先日、決算の本会議質問でこの問題をとりあげて、伊藤詩織さんの名前を出したとき、麻生大臣がニヤニヤと笑う顔が本会議を中継しているテレビに大写しになりました。詩織さんは自身の性暴力被害について、「魂の殺人」だとおっしゃっていた。それを鼻で笑いながら聞く感性が私には全く理解できません。人の痛みがわからない、人権感覚のかけらもない安倍政権の政治を終わらせて、本気で差別のない社会をめざす政治に変えようではありませんか。

写真・本村

本村伸子・衆議院議員の訴えから
セクハラ禁止法をつくれる政治を

 2月26日、安倍首相に質問しました。自民党衆院議員が女性への盗撮や性暴力をおこなったとして準強制性交等罪などで告訴された。甘い処分は許されない、と。この議員は辞職しましたが、自民党の重鎮議員が「問題にならないようにやらな駄目だよな、同じことをやるにしても」と、信じがたい発言をしました。自民党の国会議員、大臣の意識が、日本の遅れたジェンダー平等の足をさらに引っ張っている、そういう自覚がないのですかと安倍首相に質しました。
 首相の答弁は、個別の事案についてはお答えできない、女性への暴力やセクハラは許されない、そして「女性が輝く社会を」と。しかしその言葉に実態がともなっているでしょうか。女性大臣はたった1人。私たち野党が共同提出している「性暴力被害者支援法案」は審議すらやらせてもらっていません。性暴力被害者支援交付金も本当にごくわずかしか予算計上されていない。
 私は安倍首相に、日本は女性差別撤廃委員会からもセクハラ禁止規定をつくるよう求められている、ということも述べました。男女雇用機会均等法の現行法では、セクハラ被害をうけた女性が厚労省労働局に訴え出ても、セクハラと判断できない、どちらが悪いと判断できない、と言われています。セクハラと認めてほしい、謝罪してほしい、二度と起きないようにしてほしい、と切実な思いで訴え出る被害者の声が届かない。セクハラを禁止し、何が禁止される行為かを法規定し、被害者が救済される制度にするべきです。世界銀行はOECD高所得国のなかで日本だけがセクハラを規制する法がないと名指ししているのです。安倍首相はこの質問にも、聞かれたことに答えず、用意された答弁書を読むだけでした
 国連女性差別撤廃委員長だった方が「日本はジェンダー平等無風地帯」と表現しました。もっともっと声をあげて、ごいっしょにジェンダー平等、だれもが大切にされる社会を実現していきましょう。

写真・田村

田村智子衆院議員の訴えから
「コース別」も「ニセ同一賃金」も超えて

 1923年、日本で初めて国際女性デーをお祝いした運動の創始者・櫛田ふきさんのお話を伺ったことがあります。戦争中、「女性に参政権を」という運動は大変な弾圧の中だった。小さい家でろうそくの灯りで花を見ながら、思いを同じくする女性たちが決意を固め合ったと語ってくれました。3月8日は、女性の政治参加の自由、男女平等への脈々とした運動に思いをよせ、さらに前に進める決意をする日として日本でも根付かせていきましょう。
 いま、驚くような差別が明らかになっていますね。医大、医学部での入試差別。女性はテストの点数が高い、面接も上手だ、だからこれはまずいと点数操作をおこなっていたという。
 また、いまだに日本では衆議院の女性議員は1割、参議院でも2割にすぎません。職場の女性管理職も、2020年までに30%にするという国の目標は程遠い実態です。
私の学生時代に雇用機会均等法ができました。ところが、すぐあとに作られたのが「コース別」という働き方。転勤も残業もやるという人は総合職、転勤できるかどうか不安だという人は一般職と、就職のときにコースを選ばせ、女性は結婚も出産もあるのだから一般職でいいでしょう、と差別を温存した。そもそも就職のときに先々まで人生設計しなさいと迫る方があまりに時代錯誤です。
 安倍内閣のいう「同一労働・同一賃金」も問題です。将来転勤する可能性のある人と比べて、転勤しないだろうという人は、より専門的な仕事で経験を積んでいても基本給が低くてもかまわない――これが「同一労働・同一賃金」なんだという。5年10年先に転勤するかなんて今はわからないのに、予めそんな差を認めるなんて、おかしいのではないでしょうか。こうやって、結局、経済界が女性を安く使う仕組み、差別できる制度をさまざまな形で温存し続けているのです。同じ仕事をしていたら同じ基本給。当たり前を実現しようじゃありませんか。
 女性議員を増やしたいのはもちろんですけれども、男女平等や女性の権利にまともにとりくむ議員を増やさなければなりません。残念ながら国会では、女性でもそれに逆行する質問や言動をする方がおられる。私たち日本共産党は、女性はもちろん男性も、女性の地位向上に真剣にとりくむ候補者たちです。どうぞ日本共産党を大きく伸ばしてください。そしてジェンダー平等は「市民と野党の共闘」の旗印でもあります。この共闘も大きく前にすすめるよう、みなさんとご一緒にがんばっていきます。

 

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