性暴力なくし、女性の地位向上を 国際女性デー

DSC_4070.JPG

国際女性デーの3月8日、東京・新宿駅東南口で日本共産党が街頭宣伝を行いました。春らしくあたたかい陽気に手に持つミモザが揺れるなか、ジェンダー平等社会の実現のとりくみを日本共産党の議員が訴えました。

DSC_3949.JPG

新宿区で男女混合名簿の実現と、着たい制服を選べるように変えてきた。性暴力のない新宿を実現したい――高月まな・新宿区議会議員

 国際女性デーのこの日、改めて皆さんとご一緒にジェンダー平等の声をあげたいと思います。

 私は、女性への差別をなくし、あらゆる人が平等に尊厳を持って生きられる社会をつくりたいという思いで、日本共産党員として、新宿区議会議員として、活動を続けてきました。

 いまもなお日本社会を覆っている家父長的な価値観、伝統的な家族観が、女性の生きづらさをうみだしてきました。それがコロナ禍のなかで、特に、女性の貧困や、暴力や搾取を一気に顕在化させているという状況ではないかと思います。

 女性の貧困は、多くの女性が非正規雇用で低賃金であることが一つの原因です。特に、介護や保育などのケア労働は、女性の仕事とされ、少ない収入のままです。私も、議員になる前は、介護ヘルパーとして働いていました。最初に勤めた高齢者デイサービスは時給900円でした。また、別のあるヘルパー事業所では、同僚の9割が女性で、70代の高齢女性も多く、みんな非正規でした。

 先日、ある女性からお手紙をいただきました。その方は、新宿区内で18年間、介護ヘルパーで働いていました。コロナ禍で収入が減り、月の収入が5万円の時もあったそうです。生活が苦しく、区役所に相談したら、生活保護を勧められたというんです。生活保護ももちろん国民の権利ですが、介護の仕事にやりがいをもって18年間頑張ってきたのに、その結果が生活保護なんてと落胆していました。「若い世代にはとてもこの仕事を勧められない」と書いてありました。

 この貧困、格差をなくすためには、男女同一賃金、とくにケア労働の処遇を改善する。これがジェンダー平等の第一歩だと考えています。

 私は4年前の選挙で、新宿区政に押し上げていただきました。日本共産党新宿区議団は、様々な分野で、ジェンダー平等のために取り組んで、区政を動かしてきました。

 今まで中学校の制服は、女子はスカート、男子はズボンとされてきました。私の原点、社会を変えたいと思ったきっかけは、中学校の制服の問題でした。私もトランスジェンダーとして、もともと男子生徒として中学校に通うなかで、制服が男女どちらかしか選べず、かっちり分けられていることで、傷つき、生きづらさを感じていました。新宿区議会でとりあげて、2019年からは、スカートもズボンもどちらも選べるように改善することができました。女性にとっても、寒い日にスカートしかはけないのは体にも良くないです。さらにこのテーマを進めて、今後は制服でも私服でも選べるようにする、自由な服装で学校に通えるようにしたい。そして同じ年には、全ての小中学校で男女混合名簿も実現しました。

 また、コロナ禍で「生理の貧困」が顕在化しました。新宿区議団として要求し、区役所の窓口での生理用品の無料配布が実現しました。2022年には区の施設や区立小中学校の女子トイレに無料で生理用品を配置するよう予算修正案を提案し、その年の9月には、すべての区立小中学校のトイレに生理用品の設置が実現しました。

 さらに、痴漢撲滅の取り組みでは、都営大江戸線などに女性専用車両を導入するよう鉄道事業者への働きかけを要望しました。新宿区からは働きかけがありませんでしたが、都議団の活躍で、今年の1月から大江戸線の女性専用車両が実現されました。

 新宿区にもパートナーシップ・ファミリーシップ制度を求め、同性カップルも安心して暮らせる街にしたい。このテーマは、私は4年間、繰り返し求めてきました。他の会派の議員と力を合わせて共同で条例提案をしました。残念ながら、新宿では与党の反対で実現しません。でも、この間、世論の高まりと、各地で制度が広がる中で、昨年11月、東京都が制度を実施し、同性カップルも区営住宅を利用できるようになりました。

 私はこれから2期目をめざしますが、ぜひ実現したいことがあります。それは、「性搾取のない街・新宿」です。

 報道などで、「トー横キッズ」をご存じかと思います。貧困や虐待など、さまざまな原因で、全国から女性や若者が新宿の繁華街に集まり、性犯罪や性搾取の犠牲になっています。最近は低年齢化し、10代前半の被害も深刻になっています。いま民間の団体が、懸命に保護、支援の活動をしていますが、本来、民間まかせにしないで、行政がやるべき仕事ではないでしょうか。区として保護シェルターを設置し、女性相談員を増やし、たらいまわしにされない相談窓口をつくり、新宿を「性搾取のない街」にしたいと思います。この仕事を私、高月まなにやらせてください。

 まもなく統一地方選挙があります。全国の共産党地方議員団がジェンダー平等のために奮闘しています。いま、政府与党などの、ジェンダー平等を頑なに認めない逆流、ジェンダー・バックラッシュがうずまいています。この流れを跳ね返して、地方政治から、ジェンダー平等の流れを起こしましょう。私も全力を尽くします。ありがとうございました。

 DSC_3980.JPG

女性の多い職場の待遇を改善することがジェンダー平等に不可欠 東京都で痴漢撲滅プロジェクトを実現させた――原純子・都議会議員(江戸川区選出)

 今日、38日は国際女性デーです。1910年にデンマークで、この日を、女性の権利を大きくみんなで声をあげ、連帯する日にしようとよびかけられ、今日まで連綿と続いている素敵な日です。

 私がここにつけています、ミモザの花。イタリアではこの日に男性から女性にミモザを贈るそうです。もうすぐ春かな、そこまで春がきている、そんな陽気ですね。女性が社会に参加し、地球上から、あらゆる暴力をなくす、世界共通の課題を前にすすめるために世界中のみんなで手をつなごうのよびかけを、ここ新宿から、共産党も連帯をこめて訴えさせていただきます。

 私は、都議会議員の前は、障害をもった子どもの保育士をしていました。仕事はとてもやりがいがあったのですが、一つだけ、賃金がとても低い。そのことが本当につらかったです。専門的な知識、スキルをとても求められるのに、一般の職種の平均より月10万円も低く、国と都によって低く抑えられていることを腹立たしく思っていました。

 3年前のコロナ急拡大のときには、感染のなか休めず、働かなければいけなかったのが、保育や介護や看護など、女性の多い職場でした。エッセンシャル・ワーカーと言われる人たちです。大事な職種なのに非正規が多く、女性が多く、自分の子がコロナにかかっても仕事を休めなかったなど、矛盾が噴出しました。女性労働者が、不安定雇用で、救済策もなく、悪政に苦しめられ、調整弁にされる、そういう社会を根本から大きく変えなければ、女性の地位は向上しないし、保育の質も守れないと思い、政治改革の道を選択しました。エッセンシャル・ワーカーの社会的役割を正しく評価し、正規雇用で働き続けられるようにすることは、この国のジェンダー平等をすすめる大事な課題だと思います。

 性暴力を許さない、あきらめず声をあげようと#MeToo運動が広がり始めたのは2017年くらいでしょうか。深刻な被害に泣き寝入りをしないと女性たちが声をあげ、日本で伊藤詩織さんが深刻な被害を告発したのもこの時期です。2019年からはフラワーデモがとりくまれ、性犯罪裁判での無罪が、逆転有罪になる画期的な成果もありました。私自身、フラワーデモに参加し、大きな力をもらいました。

 日本共産党都議団は、これに参加するなかで、身近な性暴力は痴漢だと気づき、2020年秋にアンケートにとりくみました。痴漢被害のWEBアンケートには1400件以上の声が寄せられ、電車内や路上、学校、映画界、トイレなどあらゆる場所で痴漢被害がおこっていること、電車に乗れなくなるなど、重い後遺症に苦しむ多くの人たちがいる、そういう実態がよせられました。初めて痴漢にあった年齢は18歳以下が71.5%、そのうち12歳以下が34.5%と、子どもの被害が多いことに私たちは衝撃をうけました。

 20212月、都議会で米倉春奈都議が、アンケート結果の深刻な実態をつきつけ、都の認識を問い、本気の痴漢対策を求めました。痴漢の問題が政治課題として、都議会の議場で全面的に議論されたのは、これが初めてでした。女性専用車両の導入拡大など様々な対策を提案し、都がだんだんと動きました。

 都議団は盗撮被害について調査し、202112月議会で、福手ゆう子都議が実態を告発し対策を求めました。それまで都営地下鉄は「痴漢に注意」と、被害者に注意をよびかけるものでしたが、「加害を許さないと対策を」と市民とともにムーブメントをおこし、いまは、「痴漢、盗撮、暴力は犯罪行為です。お困りの方は駅係員にお知らせください」と放送が構内で繰り返し放送されることになっています。みなさんも、聞いたことがあるのではないでしょうか。最近、都営地下鉄内に張り出されたポスターは、「助ける準備はできていますか?」と、第三者が傍観者にならないことを呼びかけるものになっています。これは大学生のアイデアでつくられたそうです。

 受験シーズンに受験生を狙う卑劣な#痴漢祭りとのツイートが拡散されたことをうけ、私たちも特に受験シーズンの痴漢対策を求めました。今年1月、都は初めて痴漢撲滅キャンペーンを実施しました。女性専用車両が都営新宿線に続いて都営大江戸線にも導入され、「これで安心して通学できます」という声が寄せられました。JRや東京メトロにも、都議団として痴漢対策を求めて懇談を進めています。都の新年度予算として、痴漢撲滅プロジェクトとして5000万円が組まれ、いま審議されています。内容は被害の実態調査、プロジェクトチームの設置などです。どれも共産党都議団が求めてきたことで、大事な前進です。思い出したくない辛い被害体験をアンケートによせてくれたみなさんの声が、痴漢ゼロの運動を前にすすめています。市民の声が政治を変える力になっています。

 性別や性自認、性的指向の違いによる差別のない社会、誰もが生きやすい社会をめざしたい。東京都は、東京都同性パートナーシップ宣誓制度を昨年11月からスタートしました。今年2月末までに606組の届け出がされています。パートナーとの新生活はみんなに祝福されるべきものです。本当に待たれていた制度だったんだなと思います。

 しかし、国会ではどうでしょうか。岸田首相は、同性婚をめぐって、「きわめて慎重に検討する課題。家族観、価値観、社会が変わってしまう」などと答弁しました。家父長制の古い価値観にしがみついているんですね。多様な性をもつ人を排除し、いないかのように扱うことは、決して許されません。性自認や性指向は白黒はっきりするものではなく、グラデーションと言われています。私も、あなたも、全ての人たちが自分のなかにもっている自分らしさを大切にし、お互い尊重しあって生きていく。それを支えるのが政治の役割ではないでしょうか。同性婚の法制化実現を求めます。

 共産党都議団として、今後も企業などにパートナーシップ制度の理解をひろげ、福利厚生の対象にすること、区市町村と連携し、制度のない自治体でも同性カップルが公営住宅に入居できるようにしていきます。多様性が花開く社会をつくっていこうではありませんか。

 みなさん、ご存じでしょうか。日本のジェンダーギャップ指数は146ヵ国中116位となっています。後進国です。家庭、地域、学校、会社、官庁、そして法律、条令、あらゆるところに男性優位がはびこっています。人権意識が低い政治家たちがはびこる自民党、男尊女卑のカルト政治をかえる力は、結党以来男女平等と平和を掲げてきた日本共産党を今度の統一地方選挙で大きく伸ばしていただくことです。

 我が共産党東京都議団は19名のうち14名が女性議員です。女性の政治参加をもっともっとふやして、政治を変える必要があるというふうに思います。日本共産党の地方議員候補者は、女性が4割です。もちろん、ジェンダーの課題を、自身のこととして真剣に学ぶ男性議員・候補者も、みなさんの声を区政・市政に届けるたのもしい存在です。きたる統一地方選で、日本共産党をのばしてください。ジェンダー平等を前にすすめ、平和で明るい未来をつくっていこうではありませんか。ジェンダー平等にとりくむすべてのみなさんに敬意と連帯を申し上げ、国際女性デーの私の訴えとします。ご清聴ありがとうございました。

 DSC_4047.JPG

ジェンダー平等と逆行しているのは岸田政権                   困難な女性に手を差し伸べる政治に変えよう――仁比聡平ジェンダー平等委員・参議院議員

 みなさん、こんにちは。ご紹介いただきました日本共産党ジェンダー平等委員会委員で参議院議員、弁護士の仁比聡平でございます。

 本当に春めいた国際女性デーになりました。世界の女性の地位と権利の向上、平和を求めて、国際女性デーをこの春先の3月、この時期に始めた先輩たちの思い、本当に素敵だなと思います。日本では100年前が第1回でした。侵略戦争と植民地支配に向かう、そんな暗黒社会の中で、女性たちは無権利者だと言われ、家父長的な家族制度の下で本当に苦しい思いをし、参政権もありませんでした。そこから100年、先ほどの高月新宿区議や原都議会議員のお話をうかがっていて、やっぱりみんなの声が日本社会を確実に前向きに動かしてきたなと思います。私たちも力を合わせて、これから本当に一人ひとりのみなさんが多様性を尊重し合って生きていくことのできる日本をつくっていくために、決意を新たにのぞんでいきたいなと思いました。

 さてみなさん、世界の女性の地位と権利の問題、女性差別を撤廃しようという問題は、性的少数者の差別を許さない、平等を実現しようという問題と、根っこはひとつですよね。この間、岸田総理大臣の総理補佐官という人が、「同性愛の人が隣にすんでいたら嫌だ」なんていう、本当にひどい差別発言をしたでしょう。みなさん、どう感じられましたか。世論調査をテレビや新聞などが次々やりましたが、圧倒的多数の国民のみなさんが、「あんな同性愛者に対する差別発言は絶対に許せない」、そう声をあげられましたよね。そして「同性婚を認めるべきだ」という声もおよそ7割にのぼっている。私はその世論調査を見て、改めて日本社会はジェンダー平等に向かって大きく前進をしている、国民のみなさんの声、本当にジェンダー平等の方向に向かってすでに大きく動いているということを痛感したのですが、いかがでしょうか。

 国会では違いますね。国会では、岸田総理大臣自身が「同性婚を認めたら社会は変わってしまう」と答弁をしているように、これだけ圧倒的多数の国民のみなさんの声があるのに、政治がこれに背を向ける。「ジェンダー平等を実現したい」「そういう社会をつくりたい」「1人ひとりを大切にする社会をつくりたい」とみなさんが願っているのに、政治が、とりわけ政権が壁になっているというのが、日本社会の女性差別の撤廃、ジェンダー平等に向かう大きな対決点なのではないでしょうか。

 同性愛をめぐって、性的自認や性的な指向というのは、本人に左右できるものではないんだという知見は、これは日本でも裁判所が当然の前提にするように、世界の当たり前の常識になりました。けれど、現実の生活の中では、「男だから」「女だから」といって、そうした意識や偏見のもとで、辛い思い、悔しい思いをたくさんしてこられた方が、このご通行中のみなさんの中にもいらっしゃるのではないでしょうか。私たちは、そこを変えたいと思います。平等の結婚を求める、結婚の自由、婚姻の平等を求める裁判の中で、当事者の方々が、〝同性婚を認めようとしない日本の政治、同性婚を認めないという、その事実そのものが、今の社会の中に新たな偏見、差別を再生産しているではないか〟とおっしゃっています。私はその通りだと思うんです。みなさん、ご一緒に声をあげて、今開かれている国会で、LGBT、同性愛者への差別を許さない法律をつくらせるとともに、同性婚を日本でもしっかり認めようと、国会で立法をしっかりやっていくために、ご一緒に大きな声を集めていきたいと思うんです。みなさん、どうぞよろしくお願い申しあげます。

 さてみなさん、ジェンダー平等を求める国民のみなさんの声が、わくわくするような、大きなうねりになる中で、選択的別姓、「名前は人権」、「氏、姓は私のアイデンティティ」、大好きな人ができて一生寄り添っていこうと結婚をしようとする時に、「だけど姓を男性の側に変えなきゃいけない、それはおかしいじゃないか、選べるようにしようじゃないか」、そうした運動は、戦後早い段階から日本の社会でも大きく広がってまいりました。1996年に選択的別姓を実現しましょうと、法制審議会という、法律家をはじめとした日本の知恵が集まる会議で、ちゃんと決まって法案もできたのに、以来四半世紀もこれが実現しないという、本当に異常な日本の国会になっていると思います。私たち日本共産党は、他の思いを同じくする野党のみなさんや、それから自民党や公明党の中にも「これは実現すべきだ」という声がたくさんありますから、みんなでこれを実現して、みんなが平等、とりわけ家族関係というのは両性の合意にもとづいて、本当に尊厳を大切にして行わなければいけないという憲法24条をちゃんと実現する社会にしようとかんばっているんですね。みなさんもきっと賛成してくださると思います。

 実は1年前、20223月に、京都の宇治という町で4人の女性の高校2年生が市議会に、この選択的別姓を実現しようという意見書を国に向かってあげてくださいという請願をしたんです。そしてすごいのは、市議会はこれを採択したんですね。採択に先立って、意見陳述を彼女たちは行いました。残念ながら、自民党や維新など反対する人たちがいて、「家族の一体感が希薄化するではないか」とその高校生たちに問い詰めるわけですね。けれどその高校生たちは、請願を出した4人の中には親子で姓が違う人もいるけれども、「本人も、私たちだって、何の問題も感じていません」とか、「今、女性の多くが結婚のときに夫の姓にするのが当たり前のようになっているけれど、それはおかしい。その流れを私たちが変えたいんです」と堂々と述べているわけです。別の人たちから、「家族やお友達と意見交換をしてこの議会に臨みましたか」と聞かれて、1人の高校生はこう答えました。「母から『夫の姓に変えた時に違和感があったが、当時は当たり前と受け止めていた。でもあなたは姓を選べる制度の導入で、困っている人を助けてあげて』といわれて、この議会に来ました」。お母さんの声を市議会でしっかり紹介をした女子高生もすごいと思うけれど、そんな風に答えたお母さんも、私は本当に素敵だなと思うんですね。

 今日の国際女性デーを前にして、著名なノンフィクション作家の沖藤典子さんという方が、ご自身の氏、姓の問題をめぐって、『「父の支配」を乗り越えた時』という本を出版されました。女の子として生まれて、お父さんから「女の子だから家の苗字が継がれない。育てがいがない」などと言われて育ったそうです。「その父の言葉が脳裏に焼き付き、私を支配していました」と沖藤さんが語っておられます。学生の時に、「ならば自分の方があなたの姓にするよ」という夫さんと出会い、結婚をされたんだけれど、そしたら今度は、夫さんの方が「なぜ男のくせに」とか「養子なのか」などという偏見、差別にさらされ続けてきたというんですね。みなさんも自分らしく生きていきたい、相手の、そしてまわりの、あるいはすべての人の個性を尊重して大切に生き合っていきたい、そういう風に願いながら、現実の人生の中で古い家制度の意識を感じざるをえないということ、ありませんか。そしてみなさん、そのかたまりが今の自民党政治を支えているのではありませんか。半世紀たっても選択的別姓を実現しようとしない、そこには戦前の古い家父長制度を引きずる特定の価値観を、法律ですべての人に強制して恥じないという、人権、民主主義の国とは本当に思えない、とんでもない後ろ向きの動きがあるんだと思うんですね。

 昨年以来、こうした政治の大きな根っこに統一協会と自民党政治の戦後50年にわたる深い闇があるということが、あらわになってきたのではないでしょうか。特定の、しかも権利を認めようとしない価値観、家族観をみなさんに強制し、次の世代にも押し付けていこうとする、みなさんこれには、ノーの声をご一緒にあげていこうではございませんか。

 お話があったように、この3月から4月にかけて、全国で統一地方選挙が行われます。みなさんの11票に「すべての人が自分らしく生きていくことができる、本当のジェンダー平等の社会をつくろう」「民主主義の日本社会をつくろう」という願いを込めて、投票所に足を運んでいただきたいと思うんですね。とりわけ女性のみなさん、戦前とは違って、みなさんには1票の権利があります。みんなの1票で日本の社会を必ず変える、自分らしさを奪う壁になっている政治を今こそ変えようという声をあげる、この思いを、今日、国際女性デーにあたってご一緒に固めあおうではございませんか。

 もうひとつ、ジェンダー平等の問題をめぐって、体だけではなく、人々の精神、人格を破壊してしまう性暴力を絶対に根絶しなければならい、このみなさんの願いを政治がどう受け止めるのか、これは本当に抜き差しならない大切な大問題になっています。東京都を「痴漢ゼロ」に向かって、都民のみなさんの声で頑張って大きく動かしてきた、そうした取り組みを確信にしながら、女性に対する性暴力や性搾取を温存し、拡大していこうとするバックラッシュとは、真正面から立ち向かう政治の力が今こそ必要なのではないでしょうか。

 この新宿の街は、日本中の繁華街の中で、性搾取、性暴力が歴史的に行われ、今も厳しい状況が続いています。そうした中で、とりわけ若い女性たちがスカウトに食い物にされる、性搾取のターゲットにされる、そうしたことを許さないという、女性を先頭にした大きな運動が手をつなぎ広がっていることは誇るべきことだと思うんですね。例えば歌舞伎町などで行われてきた若年女性の支援の取組み、これは国会であの安倍元首相も「きわめて重要なものだ」と答弁をしたように、党派を超えて応援をしていこうというのが、社会の全体の流れです。ところがその応援のために国が始めた事業、都がそれを具体化している事業を、攻撃するという動き、みなさん、インターネットなどでもご覧になったことがあるのではないでしょうか。公金の不正利用なんていうが、それは事実無根です。東京都監査委員会がちゃんと調べたけれど、そんな根拠はなかったというのが結論なんですね。それでも例えばNHK党や維新の議員が、国会でこの困難な女性を支援する事業そのものを攻撃する動きを行っていることは、あってはならないことだと私は正面から申しあげたいと思います。すべての人が暴力や性搾取から守られ、まぬがれ、安心して街の賑わいを楽しめる、若い女性たちが居場所がなくて本当につらい思いをしている時に、ちゃんと手を差し伸べることのできる行政、それをしっかり実現していく政治こそ、みなさんが願う日本社会の姿なのではありませんか。AV出演を強要して、女性たちを食い物にして、自分たちが儲けたら、対象にした女性はボロボロにして捨ててしまう、そんな社会は絶対に終わらせようと、日本共産党は全力をつくして頑張りぬいていきたいと思います。

 声をあげることができずにいらっしゃるみなさん、たくさんいらっしゃると思います。ぜひ身近な日本共産党の仲間たちに声をおかけいただければ、全力をつくしてご一緒に歩んでいきたいと思います。

DSC_4031.JPG

 最後にみなさん、ウクライナ侵略戦争、ロシアがウクライナをわが領土であるかのようにほしいままにする武力行使を始めてから1年が過ぎました。女性たち、子どもたちをはじめ、この1年間の空爆や占領や、そして国際法を踏みにじる大量虐殺などの戦争犯罪のもとで、どんなにつらい思いをしてこられたか。私たち日本共産党は、みなさんに支援のカンパをお願いし、その全額を届けてまいりました。先日、国連女性機関(UNウィメン)という機関に私自身、お届けさせていただきましたけれど、「いつ終わるか、1年たってもまだまったく見通しがたたないという中で、シェルターの中での避難生活というのは地獄のようです。とりわけ女性たちに対する性暴力も残念ながら起こっています。こうした日本からの支援は本当にうれしいことです」と言葉をいただきました。みなさんにその声をお返しするとともに、さらにいっそう、「ロシアはウクライナから撤退せよ」「国連憲章にもとづく平和の秩序を取り戻そう」「どんな紛争も絶対に戦争にしない、戦争の心配のない世界とアジアをつくろう」、日本共産党、先頭に立って頑張りぬいていきたいと思います。

 日本が憲法9条を踏みにじって、集団的自衛権の行使容認を認めた安保法制、「戦争法」から8年、こうした安倍政治が推し進めた「『戦争をする国づくり』は、憲法違反だ、憲法9条違反だ」という裁判の中で、女性たちが原告になった裁判の訴状では次のように述べられています。「戦争という力による屈服を問題解決する手段として容認する社会、それ自体が女性に対する偏見や差別を再生産し、女性に対する暴力を増幅させてしまう。戦争は女性に対する差別と暴力の究極の形態であって、女性に対する暴力を増幅させ、それによって男女平等の達成をはなはだ困難なものにする」。その通りではありませんか。女性のみなさん、若い世代のみなさん、そして世代を問わず男性のみなさんも、女性に対する差別と暴力の究極の形態、この戦争に断固として反対し、戦争の準備ではなく、憲法9条をもつ日本の国が平和外交、「平和の準備」こそ、その国であってこそ、みなさんお1人おひとりの、そして次の世代のみなさんも、みんなが自分らしく生きていくことができる、そういった社会をつくれるんだと、大きな確信をもって手をつなぎ合っていこうではございませんか。

 日本共産党は国連憲章が生き、憲法が実現をする、そうした日本社会をめざして、今日の国際女性デーを契機に決意を新たにのぞんでまいりたいと思います。とりわけ迫る統一地方選挙で、みなさんの11票でそうした社会の実現のために大きく力を合わせていきたいと心から願っています。みなさんの願いに反したり、聞こうとしないような国会の姿、ひしひしと感じて悔しい思いをしていますよね。だからこそ、この政治を変えるというその共同の輪をご一緒に大きく広げていこうではございませんか。みなさんの大きなお力添えを心からお願い申しあげまして、私、日本共産党ジェンダー平等委員会委員、参議院議員の仁比聡平からのお訴えとさせていただきます。長い時間のご清聴、ありがとうございました。

 

前へ

「戦争はジェンダー平等に逆行」 党ジェンダー平等委員会が街頭宣伝

次へ

日本共産党の国会議員 ジェンダー質問特集