政府は15日、再審制度を見直す刑事訴訟法改定案を閣議決定しました。同日、国会に提出しましたが、同改定案にはえん罪被害者や法律家からも不十分さを指摘する声が上がっています。日本共産党、中道改革連合、チームみらいの3党は同日、再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)を全面禁止とする対案を衆院に提出しました。(関連記事1)(関連記事2)
再審法と呼ばれる刑訴法の「第4編 再審」の条文はわずか19条しかなく、再審を開くか審理する再審請求審で、検察に証拠開示させる条文がありません。そのため、担当する裁判官によっては検察に証拠開示を強く促さないなど、審理に格差が生じていました。また、再審決定が出ても、検察の抗告を禁じておらず、再審が行われる前の抗告審に日数が費やされ、救済が遅れてきました。
こうしたことから、日本弁護士連合会などが、証拠開示と検察官の抗告禁止を柱とした再審法改正を求めてきました。
ところが今回、政府が提出した改定案は、証拠開示の範囲を「再審請求理由に関連」するものに限定し、検察の抗告も「原則禁止」にとどめ、検察が抗告する余地を残しました。また、当事者の意見を聞く前に、基本書類だけで、再審請求を棄却できる「スクリーニング規定」や、証拠を支援者や報道機関に提供すると弁護士が罰せられる規定などが盛り込まれました。
政府提出案は、検察の裁量を残す一方で、裁判所や当事者と支援者らを縛る内容となっており、本来の改正の趣旨に逆行しています。

