民意を切り捨て、民主主義の土台を破壊する議員定数削減をやめさせるため力をあわせましょう
2026年10月30日 日本共産党
国民のみなさん
自民党と日本維新の会、国民民主党の3党は10月29日、衆院比例代表定数31削減を中心とする「現行制度見直し案」で合意し、今臨時国会に法案を提出し成立させると表明しました。3党は、現行選挙制度の最大の問題である「民意をゆがめる小選挙区制」にはいっさい手をふれず、比例定数を31も削減し、少数政党の議席獲得を阻む配分方式まで導入するとしています。比例代表を縮小し、いっそう小選挙区制中心の制度につくりかえる民主主義破壊の大改悪です。
議員定数や選挙のあり方は、民主主義の土台をなすものです。ほとんどの野党の反対意見を一顧だにせず、国民的な議論も行うことなく、一部の政党が談合した「見直し案」を多数の力で国会と国民に押し付けることは断じて許されません。
議員定数を減らせば、国民の声はますます国会に届きにくくなります
国会議員は、主権者・国民の代表です。民意を正確に反映した国会での徹底した議論を通じて国の進路をきめるのが、国民主権の議会制民主主義です。
議員の数を減らせば、国民の声を国会に反映させる「経路」は細くなり、国民の声はますます議会に届きにくくなります。憲政史上最大規模の議員定数31削減は、地方の議席を減らし、少数意見や少数政党を排除し、若者や女性の政治進出を妨げ、多様な民意の議席への反映をいっそう困難にします。国会に国民の声が届かなくなれば、国会の最も大事な役割である政府監視機能が弱まることは明らかです。
議員定数削減ありきで、民主主義の土台を破壊する議論に道理はありません。
比例定数31削減は、比例を縮小・後退させ、小選挙区制中心を強める大改悪です
3党合意は、現行制度の最大の問題である小選挙区制を「聖域」にしたまま、「民意の反映」を建前としてきた比例代表選挙の規模を縮小し、比例の機能を後退させることによって、小選挙区中心をいっそう強める大改悪を行おうとしています。
(1)自民・維新の議席占有増ねらう
比例定数を標的にした31削減は、小選挙区中心をいっそう強め、比較第一党の議席占有率を高めるものです。今回の「見直し案」で、与党の議席占有率は高まるという予測を自民党自身が示しています。自民・維新の議席占有率を上昇させ、独裁政治を進める、ここに高市自民・維新政権の最大のねらいがあります。
現行の小選挙区比例代表並立制のもとで、26年2月総選挙において自民党の比例代表選挙の得票率は36.7%です。ところが、小選挙区では49.2%の得票率で86.2%もの議席を得ています。議席に反映しない投票(「死票」)が投票の半数2735万票にのぼり、死票率50%以上となる小選挙区数は全体の半数近くの133におよんでいます。この民意を切り捨てるのが小選挙区制です。比較第一党の自民党が「虚構の多数」を得ることで、多数のおごりを生み、民意を反映しない強権政治を横行させ、国民の政治不信をつくりだしているのです。
「民意をゆがめる小選挙区制」を廃止し、民意を反映する比例代表中心の選挙制度への抜本改革の議論こそ必要です。
(2)日本共産党など少数政党排除のしくみ
3党合意は「少数政党に配慮した」といいますが、比例定数削減と一体で導入する「修正サン・ラグ式」は、1議席目の配分で得票を1.4で割り、得票の7割しか評価しないことで、ブロックで1議席を争うような少数政党の議席獲得を阻む「足きり」を組み込む配分方式です。「中小政党有利」などというものではありません。少数政党にとっては、比例定数削減で議席獲得に必要な得票ラインが上がるうえに、「足きり」を受けることになります。日本共産党など少数政党の排除をねらった謀略的な改悪にほかなりません。
重複立候補者の当選基準1/6への引き上げも少数政党の「足きり」を強めるものです。別々の選挙制度を「並立」するといいながら、小選挙区選挙の結果を比例代表選挙の当選資格に連動させることが問題であり、比例代表選挙を小選挙区制にいっそう従属させることは認められません。
中国・四国ブロックの統合は、31削減と一体で比例全体を縮小させ、地方の議席を減らすものです。比例代表の定数を増やし、比例中心の制度にすることこそ必要です。
比例31削減ありきで比例代表を縮小し、比例の機能を後退させる大改悪を許してはなりません。
日本の国会の議員定数は、国際的にも歴史的にも少ない。定数増こそ必要です
そもそも議員定数はどうあるべきでしょうか。
日本の議員数は、国際的にみても歴史的にみても少ない数です。主要国は人口11万~15万人に下院議員1人に対し、日本は人口26万人に衆院議員1人です。OECD(経済協力開発機構)加盟38カ国の中で36番目の低い水準です。わが国でも1925年男子普通選挙法制定時には人口12万人に衆院議員1人を配分することを基準とし定数466としました。現行の衆院議員定数465は、わが国の普通選挙100年の歴史で最少です。
3党合意は、2015年国勢調査人口と2030年の推計人口を比較して、「人口減少に応じた定数削減」といいますが、これまで人口増に見合った定数増は行われてきていません。将来の人口減少を理由にすることに一片の道理もありません。
直近の定数削減が行われた2016 年、衆院議長の下に置かれた有識者調査会は「削減する積極的な理由や理論的根拠は見出し難い」と答申し、その法案審議で「定数削減に合理的根拠は存在しない」ことを与野党が共有しています。これが定数削減問題の国会議論の到達点であり、議論の前提とすべきです。
議員定数を増やすことこそ必要です。わが党は総定数を500に戻すことを提案しています。
国民に悪政と痛みを押し付け、強権政治の加速をねらっています
今回の定数削減の策動は、維新が連立入りのため、自民の嫌がる裏金問題とその原資となった企業・団体献金の禁止を棚上げし、そのすり替え・ごまかしのため持ち出してきたものです。そのうえ維新や高市首相は、定数削減の口実として「身を切る改革」を喧伝してきました。「身を切る改革」は、政権の側が国民に負担と痛みを押し付ける時の常套句です。「印象操作」「目くらまし」にのせられてはなりません。「切られるのは国民の代表」です。国民の代表である国会議員の議席は金額で量るものではない、ときっぱり反撃しようではありませんか。
重大なことは、自民・維新政権が定数削減を「改革のセンターピン」と位置づけ、選挙制度を与党の独裁を実現する手段とし、その先に社会保障負担増と大軍拡、改憲などの強権政治を加速しようとしていることです。民主政治の土台をなす選挙制度を改悪し、国民の多様な声、少数意見や少数政党を排除して、強権政治をすすめる、民主主義破壊の暴挙を断じて許してはなりません。
国民のみなさん
日本共産党は、昨年12月、自民・維新政権による民主主義破壊の策動に対して、議員定数削減反対の一点での国民的共同を呼びかけ、国会内外の運動と連帯してたたかってきました。議員定数削減反対の緊急行動が各地で行われ、世論と運動がひろがっています。
いま、3党合意による比例定数31削減の大改悪に対して、国民の声を切り捨てる定数削減に反対し、民主主義を守る国民的たたかいを大きく広げましょう。議員定数削減法案を断固阻止するため、広範な世論を結集することを緊急に呼びかけるものです。


