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AI開発競争がもたらす危険から国民と人間社会を守るために、日本政府がただちに行動を起こすことを求めます

2026年10月1日 日本共産党国会議員団

AI(人工知能)は、幅広い分野で人々の暮らしと社会の発展に貢献する可能性をもっている。一方で、AIの急速な発展と普及は、人間社会に二つの重大な危険をもたらしつつある。

第一は、人間の制御を離れて暴走する危険がある最先端AIが、人間社会に破滅的な打撃をもたらしかねないリスクである。

AIが人間の指示や安全措置から離れ、サイバー攻撃を行う、重要インフラや金融システムを破壊する、軍事利用の拡大が戦争を起こし、核戦争にまでエスカレートする危険などが指摘されている。すでにAIが人間の制御を離れ想定外のサイバー攻撃を行うなどの端緒的な事例が報告されている。最先端AIの開発を進める米国の巨大AI企業であるアンソロピックやオープンAIの経営責任者自身が、この危険が目前に迫っていることを警告し、開発の抑制、国家による規制の強化、国際的な監視の枠組みづくりの必要性を訴えるなど、開発の当事者から警告が出されていることは、この危険が現実に迫っていることを示している。

第二は、巨大企業がAIを利用することで、経済、雇用・労働、人権、環境にもたらされるリスクである。OECDやIMFも、AIの利用拡大によって雇用破壊や賃下げ、労働条件の悪化が起きる危険を指摘している。本来、労働時間の短縮など人間の労働を改善するために活用すべきであるが、日本経済に大きな影響力を持つ大企業がAIによるコストカットを優先すれば、「AIリストラ・不況」になりかねない。個人情報の漏えい、プライバシーや著作権の侵害、ディープフェイク、データセンターによる環境破壊など、AIが急速に普及しているだけに、その負の影響が深刻になる危険が大きい。

重大なリスクにもかかわらず、米中を中心とする開発競争は激化し、巨額の投資と急速な社会実装が進んでいる。AIの無秩序な開発・利用が、国民の暮らしと経済、さらには人間社会へのかつてない規模のリスクをもたらしかねないときに、これを回避するために、政治が責任を果たし、早急に行動することが求められる。

1、米中をはじめとする開発国に最先端AI開発の一時停止・禁止を求めるなど、リスク回避のための国際協定を結ぶ外交を行う

最先端AI開発競争によるリスクは日本国民にとって重大であるが、日本一国では回避することができない。他国の技術開発のこととして手をこまねいているわけにはいかない。国連のグテーレス事務総長もAIの急速な開発競争について、“超大国が他国に先行するために開発を急げば深刻なリスクを招く”として国際的な連携や共通の安全策が「不可欠だ」と訴えている。

――米中をはじめとする主要なAI開発国に対し、最先端AIの開発を一時停止・禁止し、国家としての規制をただちに行うように求める。

――国連をはじめ国際社会に対し、最先端AIの開発を一時停止・禁止し、安全性の検証と人間による統制のための規制と監視の国際協定を結び、国際的な枠組みを構築するための協議をただちに始めるように働きかける。

2、日本国内においても、AI開発、利用、投資のあらゆる分野で、リスク回避のための必要な措置をとる

国内でも、AIの利用が企業、行政、教育など幅広い分野で急速に進んでいる。業務の効率化や人手不足への対応などが期待される一方、AIの導入が経済、雇用・労働、人権、環境、地域社会、そして平和に及ぼす影響について、十分な検証や対策が追いついていない。政府は、AIの「開発・利用促進・競争力強化」最優先の姿勢を改め、AIがもたらすリスクを調査・評価し、被害を未然に防ぐために必要な措置を行うことを求める。

――AIによるリスクを防止するために、AI開発にかかわる企業、大規模に利用する企業、AI開発に巨額の投資を行っている企業・投資家に対して、国としての調査・監督・指導の体制を確立する。

――AIの利用が国民生活の向上と民主主義の発展に資するよう必要な措置をとる。

「AIリストラ・不況」を起こさせない、雇用と労働者の権利を守る体制と法整備を行う。

個人情報の不適切な収集・利用、ディープフェイクによる権利侵害、著作権の侵害などから、人権・民主主義・プライバシーを守る。

データセンター建設などによる住環境の破壊、電力・水資源の大量消費など環境と地域住民の生活を守ること等、国民の生活と権利を守る体制を整備・発展させる。

――AIの軍事利用を中止する。人間の判断を超えた攻撃と殺戮、誤情報・誤認・誤作動による戦争の危険があるうえに、指揮統制や核兵器の運用にAIが組み込まれれば、人間による状況把握・判断が十分に行われないままエスカレートし、核戦争にまで発展する危険がある。自衛隊の指揮統制システムへのAI導入計画を中止するとともに、関係国・国際社会に危険な軍事利用の中止を求める外交を行う。

――最先端AIの安全性、制御可能性、人権、民主主義、労働、環境など国民生活への影響を独立した立場から評価・監督するため、政府やAI事業者から独立した権限と専門性を持つ第三者機関を設置する。