日本共産党

しんぶん赤旗

政策

日本共産党のかかげる政策をご紹介します

2025年参議院選挙各分野政策

19、子どもの権利

子どもの権利が保障される国に

2025年6月

 日本は、子どもの権利条約を批准して31年となります。子どもの権利条約は、①生命、生存及び発達に関する権利、②子どもの最善の利益、③子どもの意見の表明、尊重、④差別の禁止の4原則を掲げ、国連で1989年に採択されました。現在、国連加盟国数を上回る196の国と地域で締約され、世界で最も広く受け入れられている人権条約です。

 ところが、日本は、子どもの権利が大切にされる国になっていません。ユニセフの調査(2025年)では、日本の子どもの精神的幸福度は、先進国36カ国の中で32位と大変低く、15~19歳の自殺率は高所得の国の平均のほぼ2倍にもなっています。

 子どもたちは9人に1人が相対的貧困に置かれ、昨今の物価高騰が追い打ちをかけています。不登校が急増し小中高生合わせて41万5,252人となり、全国の児童相談所が対応した児童虐待に関する相談は21万9,170件と過去最高です。日本は子どもにとって大変生きづらい国になっています。

 日本政府は、国連子どもの権利委員会から、子どもの権利の保障が不十分だという勧告を繰り返し受けてきました。「教育制度の過度に競争的な性格」が「子どもの肉体的および精神的な健康に否定的な影響を及ぼし、子どもが最大限可能なまでに発達することを妨げている」(2004年)、「自己に関わるあらゆる事柄について自由に意見を表明する子どもの権利が尊重されていない」(2019年)など厳しい評価です。日本政府が長期にわたって無視し続けてきたことは重大です。

 2023年に、こども家庭庁が設置され、こども基本法の施行、こども大綱が決められました。長年の運動により、ようやくこども基本法に、子ども・若者を権利の主体とし、意見表明と自己決定を年齢や発達段階に応じて尊重し、子ども・若者の最善の利益を第一に考えることを、政府のこども施策の基本的な方針とすることが盛り込まれました。この全面実施が政府に強く求められます。日本共産党は、子どもの権利が保障される国に転換するために力を尽くします。

子どもの権利救済機関・子どもコミッショナーをつくる

 政府から独立した子どもの権利救済機関(子どもコミッショナー)を早期に設置します。人権擁護の立場で専門集団が子どものSOSを受け止め、政府の子どもの権利条約の履行を監視・評価し、個別事案の相談・救済、制度改善、子どもの権利条約の普及にあたる子どもコミッショナーは、子どもの権利を保障するために不可欠です。すでに70カ国以上で、子ども施策を担当する省庁とは別に設置されており、国連子どもの権利委員会も日本に設置を勧告しています。スコットランドの子ども・若者コミッショナーはコロナ対策を政府に意見表明し、韓国も人権擁護委員会が活動しています。

 ところが日本では、2023年のこども家庭庁設置とこども基本法の施行で、市民の強い要望がありながら、「誤った子ども中心主義になる懸念がある」「恣意的な運用や暴走の恐れがある」などを理由に、子どもコミッショナーの設置は法律に入らず実施されませんでした。

 日本では、条例に基づく子どもの相談・救済機関の設置が地方自治体ですすんでいます。43の自治体に設けられ(子どもの権利条約総合研究所の調査)、SNSのいじめ相談から改善につなげたり、校則への不服申し立てや、子どもの権利の学習や広報など、さまざまな努力が行われています。

 いじめの放置をはじめ、子どもの権利侵害は深刻です。独立機関は、訴えがあったら調査する権限、公表し勧告する権限などが必要です。

子どもの参加、意見表明権の保障 被選挙権は18歳に

 社会が子どもの参加、意見表明権を保障することは、子どもの権利にとって何より大事です。ところが社会問題となった校則ですら、政府は「子どもの意見表明権の対象外」だと答弁しており、2024年国会で可決した離婚後共同親権導入の民法改正においても、条文で「子の利益」をいう一方、子どもの意見表明権は明記されていません。

 国連・子どもの権利委員会は一般的意見第7号(2005年)で、「乳幼児は条約に掲げられたすべての権利の保有者である」「乳幼児期はこれらの権利の実現にとってきわめて重要な時期である」と強調しました。出生時からのすべての子どもの意見表明権を保障することが求められています。

 ――国や地方自治体の施策、学校の運営などにおいて、子どもの意見表明権を保障する制度と体制をつくります。こども基本法で定めた「こども施策」策定等での意見表明の機会と意見の尊重、子どもの参加を、教育行政をふくめ全面的に実施させます。

 ――若者の政治参加をすすめます。被選挙権年齢を18歳へ引き下げます。未成年の選挙運動禁止を撤廃します。

 ――子どもの権利条約の子どもとおとなへの普及を本格的にすすめます。学校教育の中で、子ども自身が子どもの権利条約について学習する機会をつくることはもちろん、すべての教職員が研修等で、理解を深めるための取り組みを充実します。ガイドブックを作成・普及し、保護者はもちろん子ども施策に関わる大人たちにも学ぶ機会を促進し、社会全体への普及に取り組みます。

過度の競争と管理をやめ、子どもを人間として大切にする学校を

 急増する不登校は、子どものせいではありません。不登校の子どもの多くは、さまざまな理由で心が折れた状態にあります。子どもの生きる権利、安心して休む権利を大事にすべきです。「学習活動」への支援が中心の国の不登校対策の基本を、子どもの心の傷への理解と休息・回復の保障へと転換し、子どもも親も安心できる支援をすすめます。過度の競争と管理をやめ、子どもを人間として大切にする学校となることを提案します。

 OECD諸国で最低水準の教育予算を抜本的に増やし、中学校35人学級をすみやかに実施し、さらに30人以下の小人数学級をめざすなど、子ども一人ひとりと向きあえる教育条件に改善します。

 ➡詳しくは「不登校についての提言」(2025年5月23日)(https://www.jcp.or.jp/web_policy/2025-05-teigen.html)、また、各分野の政策「66、教育」をごらんください。

子どもの貧困の解決をすすめます

 セーブ・ザ・チルドレンが行った「子どもの権利条約 採択35年 3万人アンケートから見る子どもの貧困と子どもの権利に関する意識2024」には、子どもたちから「ご飯は1日1回晩御飯だけ」「小学校、中学校の修学旅行に行けなかった」「髪を切るお金がなく校則違反に」「みんなはスマホを持っているのに買えない」の声が寄せられていると紹介されています。

 日本の子どもの貧困率は11.5%、9人に一人(2021年時点)です。なかでも深刻なのが134万世帯に上るひとり親世帯で、貧困率は44.5%(2021年)、半数の子どもたちが貧困状態にあります。

 「貧困と格差の拡大」を生み広げたのは、低賃金で働く非正規雇用の労働者を増やし、軍事費を増大させる一方で、社会保障を削減してきた政府の施策にあります。日本の家族分野への社会支出は、対GDP(国内総生産)比で1.7%であり、イギリス2.4%、スウェーデン3.4%、フランス2.7%、ドイツ2.4%に比べて、極めて低い水準です(2019年データによる比較)。

 憲法25条で、すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すること、国は社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上と増進に努めなければならないとうたっています。子どもの権利条約は、子どもの身体的・精神的・道徳的・社会的な発達のために相当な生活水準についての権利(第27条)を規定しています。日本共産党は、憲法と子どもの権利条約に基づいて子どもの貧困の解決をすすめます。

経済的支援、社会的支援を強めます

 ――子どもの貧困の改善へ、数値目標を明確にして、必要な給付にとりくみます。

 ――ひとり親家庭を支援する「児童扶養手当」を拡充します。

 ひとり親世帯は134万世帯にのぼっています。暮らしについて「苦しい」「大変苦しい」とこたえた母子世帯は75.2%(国民生活基礎調査2022年)、物価高が押し寄せ、さらに暮らしを圧迫する事態が起きており、困窮世帯への支援の拡充が急がれます。児童扶養手当の所得制限を緩和し第1子から拡充します。第2子、第3子以降への加算額についても大幅に引き上げが必要です。年6回の支払い回数を毎月支給へさらに改善をすすめます。現行18歳までの支給を20歳未満にします。

 ――離婚後の養育費問題などの解決、強めます。

 ――義務教育の子どもの経済的な困難、給食費・学用品・修学旅行費などを援助する「就学助成」、高校生等がいる低所得世帯を対象にした「高校生等奨学給付金」を拡充します。

 ――女性自立支援施設(旧・婦人保護施設)、児童相談所や一時保護施設などの公的支援予算を抜本的に拡充します。

 ――生活保護を「生活保障制度」に改め、母子加算、児童養育加算、学習支援費を復活・拡充させます。生活保護世帯の子どもが”世帯分離なし”で大学に通えるようにします。虐待などの被害者が、制度を利用しながら専門学校・大学などに進学、通学できるようにします。

 ――子育て世代の住宅支援、家賃補助をすすめます。

 ――ヤングケアラーの支援を強めます。

 ――不安定雇用、長時間労働を是正し、安定した雇用と賃金を保障する労働のルールを確立します

社会の連帯と共同のとりくみを支援します

 ――フードバンク、子ども食堂など民間の食料支援の取り組みに、助成や場所の提供など公的な支援を拡充します。

 ――居場所がなく街をさまよう少女たちを性的搾取から守る民間の若年女性支援団体や被害者支援団体へ、公的な支援を実施、拡充させます。

子どものための社会保障、福祉を拡充します

 子どもの権利条約は、「子どもの最善の利益を主として考慮すること」(第3条)を基本とし、子どもの生存権・発達の権利を保障(第6条)することをうたっています。子どものための社会保障、福祉を拡充します。

子どもの医療費無料化を国の制度にします

 高校卒業までの子どもの医療費無償化を国の制度として実施します

 国民健康保険税の子どもの均等割りを廃止します

学校給食の無償化を国の制度にします

 憲法26条の「義務教育は、これを無償とする」に即して、学校給食の無償化を国の制度にします。

「幼保無償化」の完全実施をすすめます

 「幼保の無償化」(2019年から実施)は、対象が3~5歳と、住民税非課税世帯の0~2歳児に限られており、0~2歳の保育料、3歳以上の給食費が子育て世帯の負担となっています。所得制限なく、幼児教育・保育の無償化をすすめます。0歳~就学前のすべての子どもの給食費の無償化をすすめます。

保育所、学童保育所、子ども関連施設を、子ども一人ひとりが大切にされる体制・環境にします

 子どもたちが権利の主体として一人ひとりが大切にされ、子どもの声が尊重されるよう、保育士や指導員、職員の配置基準の引き上げ、欠員への対策、職員の待遇改善を行うための公定価格や補助金、支援の抜本的引き上げを行います。

 ➡各分野の政策「18、子ども・子育て」「21、保育」「22、学童保育」をごらんください。

学費の無償化をすすめます

 学費は無償化が世界の流れです。憲法は国民に「ひとしく教育を受ける権利」(第26条)を保障し、教育基本法も「経済的地位などによって差別されない」としています。子どもの権利条約は中等教育について「例えば無償教育の導入のような適当な措置をとる」としています。日本共産党は、大学や短大、専門学校などの高等教育、さらに公立、私立高校、各種学校も含めて教育費の完全無償化をめざします。当面、教育費負担を大幅に減らしていきます。朝鮮人学校の高校無償化の適用外をやめさせます。

 ➡詳しくは各分野の政策「66、教育」をごらんください。

児童虐待をなくします

 児童虐待は、子どもに対する最も重大な権利侵害です。身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクトと、子どもの心身の成長や人格の形成に重大な影響を与えるものです。2022年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待に関する相談は21万9,170件と過去最高となりました。毎年、50人前後の子どもが虐待で死亡しており、無理心中による子どもの犠牲は、2004年1月から2022年度の約20年間で635人にのぼります。

 子ども虐待の背景には、貧困の拡大や子育てへの公的支援が足りない中で、親たちが経済的にも精神的にも追い詰められていることなどが指摘されています。虐待事件が相次ぐ中で、2022年には民法が改正され、親の子どもに対する「懲戒権」が削除されました。親による子どもへの体罰を容認している印象を与えるとして批判されてきたこの規定がなくなったことは重要です。

 しかし増大する虐待の問題に、対応する児童相談所や一時保護所などの体制が追いついていません。親などへの支援も遅れています。虐待を個別の家族の問題としてのみとらえ、家族を孤立させるのではなく、出生前から子どもと親への公的支援を強めるとともに、雇用不安や貧困を広げる社会そのものを変えていきます。

被害を受けた子どもの心身の回復にあたる社会的養護の体制と環境を改善します。

 ――被害を受けて傷つき、今後の不安を抱えている子どもの意見表明権を大事にすすめます。

 ――児童相談所と一時保護所の役割がますます重要です。しかし、対応する児童福祉司は、専門的で慎重なかかわりが求められる事例を多数抱え疲弊しています。政府は児童福祉司の増員を進めてきましたが、未だ人口2万人に対し1人程度で、欧米の人口数千人につき1人と比べ極めて少ない水準です。国が推進するAIによる一時保護判定は、試行段階で6割の疑義が生じ破綻しています。児童福祉司をはじめ職員を抜本的に増やし、専門性にふさわしい処遇改善、常勤配置で職員の定着をすすめます。

 ――児童相談所と一時保護所をふやします。虐待などを受けた子どもが最初に保護されるのが一時保護所、また、里親、子どもシェルターなどの民間施設での一時保護委託です。被害を受けた子どもの心身の回復にあたれるよう、児童福祉士の増員とともに、看護師、ソーシャルワーカーなどの医療ケアの専門家の配置と増員をすすめます。一時保護の委託を受ける民間団体の施設への財政支援等を強めます。

 ――一時保護所への入所の長期化も問題です。上限2ヶ月の期間が半年以上を越える子どもが全体の2~3割にのぼっています。復帰する家庭の条件整備がすすまない場合や、家庭以外の施設等の受け入れで、乳児院、児童養護施設、里親、児童自立支援施設、自立援助ホームなどがいっぱいであったり、年齢、性別、人間関係などでマッチングがすすまないことなどが原因としてあげられます。子どもたちのケースは年齢も内容も様々です。厳しい事情を抱えた子どもたちが、必要な時に、すみやかに、安心して家庭的雰囲気の中で暮らせる場が確保できるよう、国と自治体の責任で、児童虐待数の増加にふさわしい対策を早急にすすめます。

 ――一時保護所の子どもの学校通学や持ち物の制限は、機械的にせず、被害から子どもを守ることと一体に子どもの意見を尊重する対応をすすめます。人権を無視した身体検査などは是正します。

親の更生や学びを支援し、虐待の根本にある貧困と社会的孤立の解消に力を入れます

 ――民法の懲戒権が廃止されました。「しつけ」の名による体罰、虐待は間違いであること、子どもの権利条約に立って、子どもは人権・権利の主体であることを、広く広報して社会的認識にしていきます。

 ――親自身が病気や経済的困難を抱えたり、地域で孤立したり、自身が幼いころに虐待を受けて育ってきているケースもあります。親にたいする相談、学びと経済的支援を強めます。

 ――出産前からの医療と福祉のケア、産後ケア、子育て支援をすすめます。

 ――虐待を個別の家族の問題としてのみとらえるのではなく、雇用不安や貧困と格差の広がり、孤立を招く社会のあり方を変えていきます。

性虐待・性的搾取から子どもを守ります

 2023年、故・ジャニー喜多川氏による半世紀にわたる子どもへの性加害が明らかになりました。内閣府の「こども・若者の性被害」調査(2023年6月)によると、16~24歳の4人に1人以上が何らかの性暴力被害を受けており、性交を伴う被害に遭った人のうち最初の被害年齢は中学生以下が24%と大変深刻です。

 ――子どもへの性暴力は罪を加重します。子どもの頃に性被害にあった場合には、それが性被害だったと気づく頃には時効を迎えている場合も少なくないことから、子どもが被害者の場合は時効を停止するなどの見直しを行います。

 ――仕事で子どもと接する人について、学校や民間教育保育事業者に性犯罪歴の確認を義務付ける「日本版DBS」制度が2026年をめどに始まりますが、子どもに性的嗜好(しこう)を持つ者が未認定事業者に集まる可能性があること、初犯は防げないことなど、DBSだけで子どもを守ることはできません。個人情報の漏洩などを防ぎながら法の有効性を高めると同時に、事業者の研修、教育現場での養護教員やスクールカウンセラーの増員、再犯防止プログラムなど加害者更生の継続的支援、性犯罪治療への支援も含め、子どもを性加害から守るとりくみを進めます。

 ――新宿・歌舞伎町に集まる「トー横キッズ」など、家庭などに居場所がなく繁華街で夜をすごす少女たちを性風俗業者や暴力から守ることは政治の責任です。民間で取り組まれているアウトリーチ活動の自主性を尊重しつつ補助を抜本的に拡充します。相談体制を強化します。

 ――18歳未満の子どもを被写体とする児童ポルノは、子どもの人権を侵害する性虐待・性的搾取であり、断じて容認できません。児童ポルノ事犯の被害児童数は、2016年以降、毎年1,000人を超え、ここ3年は1,400人以上にのぼっています(警察庁調べ)。児童ポルノ禁止法における児童ポルノの定義を「児童性虐待・性的搾取記録物」と改め、重大な人権侵害からあらゆる子どもをまもることを立法趣旨として明確にし、実効性を高めることを求めます。近年は人工知能(AI)で生成された児童の性的画像が膨大な規模で出回っています。現行法に基づく厳正な対応と同時に、新たなAI技術を使った事態に対応できる規制のあり方について国民的な議論と合意づくりが必要です。

 ――スマホとインターネットを悪用した「デジタル性暴力」の被害が深刻化しており、送った画像を悪用したリベンジポルノや性的脅迫(セクストーション)で追いつめられる被害者の多くが10~20代の子ども・若者です。相談体制を抜本的に強め、現行法、条例などを駆使して厳正に対処するとともに、インターネットサービスを提供する企業への義務強化、アプリ運営者、プラットフォーム会社の責任を強化する国際的なとりくみを求めます。

 ――「性は人権」「ジェンダー平等」の立場で、互いの性を尊重する人間関係を築くことを目指す包括的性教育を、子どもはもちろんおとなも学ぶとりくみを進めます。

子どもの権利が保障される安全安心の街づくりをすすめます

ボール遊びやバスケ、スケートボードなどスポーツができる公園を

 子どもには遊ぶ権利があります。昨今、ボール遊びが禁止の公園が増え、子どもの遊ぶ権利が脅かされています。ボール遊びやスポーツができる公園を、子どもたちが使いやすい地域の中にひろげます。

 公園の遊具を安全で使いやすいものにする予算を増やします。

 公園に安全な水飲み場や子どもが安心して使えるトイレを確保するようにします。

安全な通学路、歩道、自転車道の確保を ヘルメットの助成を

 道路での子どもの痛ましい事故が相次いでいます。安全な通学路を確保します。2008年に道路交通法が改正され自転車が車道を走ることになりましたが、日本の車道は大変狭く、自転車道のスペースが十分確保されないまま子どもたちが自転車に乗る危険な状況が全国にあります。また、草木が道路側にのび、薄くなった道路標識も危険です。生活道路予算を増額し、直ちに、子どもたちに安心な道路にしていきます。

 自治体で行われているヘルメットへの助成は地域格差があります。子どもヘルメット、通学ヘルメットへの助成を全国どこでもうけられるようにします。

電車やバスの廃線・減便から児童、学生の通学を守ります
図書館を増やして、子どもたちが利用しやすくします
児童館、子どもの居場所づくりをひろげます
授乳やおむつ替え、子どもが安心して使えるトイレを公共施設、駅、民間施設でふやしていきます
駅、公共施設のエレベータ設置、駅のホームドア設置をすすめます

すべての子どもたちの人権が大切にされるために

 ――人権や個人の尊厳が本当に大切にされる社会の土台を築くため、年齢・発達に即した、科学的で人権に立脚した世界水準の「包括的性教育」を公教育に導入します。

 ――子どもの貧困、病気や障害、LGBTQ(性的マイノリティ)など、社会的支援を必要とする子どもたちの人権が守られていない状況が多々あります。すべての子どもたちの権利が保障されるよう、あらゆる努力をはかります。

 ――外国籍の子どもを仮放免や在留資格がないまま放置し送還すること、医療を受けさせないことなどは、子どもの権利条約違反です。子どもと家族に在留特別許可を出し、日本で安心して住み続けられるようにするべきです。国際人権基準に沿った人権尊重の制度に徹底的に見直します。

 ――子どもたちの権利を大切にするためにはおとなの働き方の改革が不可欠です。保護者がゆとりをもって子育てにあたれるよう、賃上げと一体に労働時間を短縮します。

 ➡詳しくは「賃上げと一体に、労働時間の短縮を働く人の自由な時間を拡大するために力を合わせましょう」(2024年9月20日)(https://www.jcp.or.jp/web_policy/2024/09/post-987.html)をごらんください。

「離婚後共同親権」を導入した民法を見直す

 多くの反対と危惧の声を押し切って「離婚後共同親権」の導入が強行されましたが、父母間の合意がない「共同親権」を家庭裁判所が強制すれば、子の利益を害する重大な危険があります。DV被害者をふくめ、不本意な「共同親権」が強制されて子どもの利益が害されることのないようにしていくことが必要です。

 ――子どもの権利擁護の立場から、戦前の明治民法下で戸主が家族を支配していた時代の名残である「親権」そのものを見直します。民法の「親権」にかんする規定を抜本改正し、子どもの権利と福祉を実現する親と社会の責任・責務という位置づけを明確にします。子どもの意見表明権を明記します。父母の合意がないもとで家庭裁判所によって共同親権を指示されることがないよう改正します。

 ――家庭裁判所の体制強化、大幅増員や子どもの意思・心情を尊重する徹底した研修、特にDV・虐待ケースでは専門家が子どもの意思の確認を行う仕組みをつくります。

 ――面会交流を改善します。国が立て替え払いし不払い親へ求償するなど、養育費の支払い確保をすすめます。