臨時国会が5日に召集されます。しかし、国会召集前から閣僚の資質が問われる事態が相次いでいます。冒頭から高市早苗首相の任命責任が問題となる異常事態です。(関連記事)
「報道で書かれているので、そういう発言をしたのだと思う」―簗和生(やな・かずお)農水相は2日夕方の記者会見で、衆院選で自身を支持しなかった首長の自治体道路予算を「大幅にカットした」と発言したことを認めました。政権与党の議員が、税金の使い方を私物化し、有権者を脅したことを認めた重大問題です。
週刊誌の報道によると、簗氏は、同氏の選挙区である栃木3区の那須烏山市と那珂川町の予算を削減したと発言。両市の首長が簗氏を支援しなかったから「当たり前だ」と言い放ちました。
しかも、簗氏が発言を認めたのは、2日の2回目の会見でした。同日午前の閣議後会見では、「コメントを控えたい」と回答拒否を繰り返しました。国民の納得を得られないとの批判が強まるなかで、やむを得ず2度目の会見を開かざるを得なくなったのです。
しかし、簗氏は2回目の会見でも「誤解をまねくものだった」というだけで、税金の私物化、有権者への恫喝(どうかつ)を何ら反省していません。閣僚どころか、議員としての資質が問われます。
そもそも簗氏は、第2次高市改造内閣で初入閣した2人の裏金議員のうちの1人です。簗氏は、1746万円の政治資金収支報告書への不記載が発覚。自民党から党役職停止6カ月の処分を受けました。こうした人物を起用した高市首相の任命責任が厳しく問われます。
閣僚の資質が問われるのは簗氏だけではありません。日本維新の会から初入閣した中司宏規制改革担当相は、大阪府枚方市長在任中、官製談合事件で有罪判決が確定。中司氏は同事件に関連して裏金を受け取っていた疑惑を「しんぶん赤旗」日曜版がスクープ(9月27日付)しました。
藤井比早之(ひさゆき)総務相は、今年2月の総選挙で、藤井氏陣営から報酬を受け取った地方議員が選挙ポスターを張った同じ日に選挙運動にも参加していたと週刊誌で報じられています。公選法では選挙運動を行う人には報酬の支払いは禁止されており、買収の疑いがあります。
国会軽視 悪化の恐れ
臨時国会では、国会審議のあり方も問われます。自民党の村井英樹国対委員長は、日本維新の会の遠藤敬国対委員長と会談し(9月18日)、国会の「効率化」を確認。村井氏は、国対委員長就任直後の23日、Xに、首相の予算委員会への出席を「原則不要」とする民間シンクタンクの提言を紹介した日経新聞電子版(同月22日配信)の記事を投稿。同氏は、かねてより首相の国会対応の削減を主張しています。特別国会では高市首相の国会答弁や出席の少なさが問題になりました。こうした国会軽視がさらに悪化する危険性があります。

