中部電力が浜岡原発(静岡県)で想定する地震の揺れ(基準地震動)に関するデータをねつ造した問題で、中部電は14日、外部弁護士らによる特別調査委員会の報告書を受けて、浜岡原発3、4号機の再稼働のための原子力規制委員会への申請を取り下げると発表しました。一方、林欣吾社長は同日の会見で「決して諦めることなく、再申請に向けた取り組みを進める」と原発に固執する姿勢を示しました。(関連記事)
中部電が同日公開した報告書は、審査の遅れについて経営層が担当部署を「叱責していたことが圧力として作用し、不適切行為が行われた要因となった」という見解を示しました。また不適切行為について、結果として安全性に問題ない▽規制委の指摘に納得できない▽早期の再稼働を実現しなければならない―などの「独自の正当化理論」という「極めて特異な考え方」が社内にあったと指摘しました。
地震動データの記載内容に関して、当時社長だった勝野哲会長らが報告・相談を受けていたことも明らかになりました。対応によっては「隠ぺいであると批判され、規制委の信頼を損ねるリスク」や「浜岡の成立性に関わる指摘を受ける可能性」が外部弁護士などから言われていたコンプライアンス上の「重要な局面」で、結果的に「適切とは言い難い対応を取るに至った」と指摘されました。
同社は、再発防止策の方向性と役員の人事を発表。勝野氏(元電気事業連合会会長)、林社長らは今月末で退任。新社長には安井稔氏(現・専務執行役員)が就任します。当面、会長は空席となります。勝野氏は、中部経済連合会会長を辞任する意向も明らかにしました。
浜岡原発の基準地震動の評価に関する不正は、遅くとも2012年に始まりました。コンピューターを使った数値計算で地震動を計算させる際、都合の良いデータを意図的に選定するなどの手法で不正を続けてきました。原子力規制庁が通報を受けて同社と面談を開始した昨年5月以降にデータを操作したことも明らかになっています。

