厚生労働省が3日発表した「新・地域医療構想策定ガイドライン」で、各地の病院を統廃合し、病床を大削減する方針を自治体に示していることが明らかになりました。(解説)
「ガイドライン」は、高齢化のピークとされる2040年に向け、手術などの高度医療を担う「急性期拠点機能」を持つ病院を、「人口20万~30万あたり一つ」を目安に「集約化」するよう指示。この方針どおりに医療体制の見直しが行われれば、たとえば、人口20万~30万人の地方都市では複数の病院により担われている高度医療の機能・体制が、1カ所に統合されることになります。
さらなる病床削減も計画しています。「ガイドライン」は、病床を機能ごとに「高度急性期」「急性期」「包括期」「慢性期」の四つに分類し、再編・効率化を進めるよう指示。「ガイドライン」と同日に厚労省が発表した試算は、25年時点で16万床ある高度急性期病床を40年には13・4万床とし、現在50万床の急性期病床は40年には24万床と半分以下に減らす見通しを示しています。急性期医療の縮小をめざす姿勢は明瞭です。
日本は、人口当たりの医師数が世界でも低水準で、もともと医療提供体制が不足している国です。ところが、自民党政権は旧「地域医療構想」による病床削減を推進。25年には、公明党や日本維新の会と「医療費4兆円削減」に向けた「病床11万床削減」に合意するなど、国の社会保障予算を削減するため、医療提供体制を切り捨てる改悪を連打してきました。今回示した新たな病床削減案も、これまでの路線の強化・拡大を狙うものと言えます。
国による医療体制の縮小・解体計画の押しつけを許すのか、住民の命と健康を守り、地域医療再生の共同を広げるのかが、来年の統一地方選の大争点の一つとなることは必至です。

