政府のインテリジェンス(情報活動)機能を強化する「国家情報会議」設置法案が8日の参院本会議で審議入りしました。日本共産党の山添拓政策委員長は同日、国会内での記者会見で、同法案の重大な問題点を告発し「参院で徹底審議の上、廃案に追い込んでいきたい」と表明しました。(関連記事)
(写真)記者会見する山添拓政策委員長=8日、国会内
同法案は、政府の「スパイ活動」の司令塔として「国家情報会議」「国家情報局」を設置。官邸の意向を直接、情報機関に伝えて情報集約を強化します。山添氏は、同法案が「スパイ防止関連法」制定や「対外情報庁」創設を見据えた第一段階とされていることに言及。「外国勢力が日本で行うスパイ活動は違法とし、日本政府が行うスパイ活動は強化していくということであり、道理がなく矛盾に満ちた発想に基づいている」と批判し、同法案の三つの問題を指摘しました。
第一に、戦争国家体制づくりの一環だという点です。山添氏は「安保3文書」では日米共同での情報収集や情報共有、連携強化をうたっていると指摘。敵基地攻撃能力となる長射程ミサイルの運用のためには、攻撃対象になる国の意思や軍事動向についての情報を収集する活動を行うことになるとし、同法案は「安保3文書に基づく大軍拡を進めるための情報収集機能の強化であり、日米の軍事的連携強化の一環だ」と批判しました。
第二は、市民監視を強め、人権侵害を拡大する問題です。高市早苗首相が衆院の審議で、政府の政策に反対するデモの参加者が「情報活動の監視対象になることは想定し難い」と答弁したが、すでにイラク戦争時の自衛隊情報保全隊の市民監視事件や大垣警察市民監視事件、大川原化工機冤罪(えんざい)事件など広く恣意(しい)的な市民監視、違法な情報収集活動が行われてきたと強調しました。参院本会議で、過去の違法とされた事件について高市首相から反省の弁はなかったと指摘。市民監視やプライバシー侵害などについての第三者によるチェック機関もないとして、「違法行為を繰り返しながら謝罪も反省もなく、さらに情報収集機能を強化すること自体が問題だ」と批判しました。
第三に、時の政権による世論誘導や政界工作の拡大の懸念があることです。自民党総裁選や総選挙で高市陣営が中傷動画の拡散に関与していたとの報道があることにふれ、「高市政権のもとで提出された同法案の危険は一層深刻だ」と強調しました。

