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2026年3月10日

長射程ミサイル配備強行

熊本 健軍駐屯地前で市民抗議

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(写真)陸自健軍駐屯地の東側敷地に入る長射程ミサイルの発射装置=9日未明、熊本市東区

 防衛省は9日未明、熊本市の陸上自衛隊健軍駐屯地に、憲法違反の敵基地攻撃能力を持つ長射程ミサイルを搬入し、事実上の配備を強行しました。住民の激しい抗議の中、約1000キロの射程を持つ「12式地対艦誘導弾能力向上型(地発型)」が運び込まれました。同ミサイルの配備は全国で初めてです。(関連記事)

 発射装置や射撃統制装置を積んだ車両は、7日に陸自富士駐屯地(静岡県)を出発し北九州市・新門司港などを経由。夜陰に紛れるように駐屯地の東側敷地に入りました。防衛省は、今後の本格配備に向け引き続き関連装備品搬入などの準備を強行する構えです。

 駐屯地正門前には配備に反対する市民約150人が集まり、配備撤回と住民説明会の開催を求めました。

 「ストップ!長射程ミサイル・県民の会」の山下雅彦会長(東海大学名誉教授)は、熊本県知事や熊本市長も「事前の連絡は無く報道で知った」と表明しているとし、「防衛省は何の予告も無く不意打ちで暴挙に出た」と厳しく批判。全国各地で大軍拡に苦しむ市民らの連帯にふれて憲法9条を守り広げる取り組みを呼びかけ、「配備されたからといって『分かりました』では済まない。これからもたたかい続けよう」と訴えました。

人口密集地が標的に 軍備で国民守れない

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(写真)長射程ミサイルの搬入に抗議する市民ら=8日夜、熊本市東区

 長射程ミサイル搬入に抗議し8日夜から9日未明まで行われた監視行動では、さまざまな市民、団体から怒りの発言が相次ぎました。

 「平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本」の海北由希子事務局長は、搬入されたミサイルを製造している三菱重工小牧北工場(愛知県)への抗議行動を報告。SNS・メディア報道を通じて世界に戦後80年間の不戦の思いを伝えようと述べ、「皆さん声を上げよう。今日の行動も絶対に伝わる」と話しました。

 人口密集地への配備に不安を抱く地元住民の発言も。同駐屯地から歩いて10分の場所に住む男性(68)は、米軍によるイランの女子小学校爆撃にふれ「この地域にそういう事態を招きかねない配備だ」と強調。住民の避難や被害補償の説明が必要と訴え、「(国が)国民・住民に向き合ってもらえない限り、絶対配備は許せない」と怒りをにじませました。

 敷戸弾薬庫に長射程ミサイル配備が狙われる大分市など、他県からも参加者が駆け付けたほか、静岡県の「富士にミサイルやめて!の会」からメッセージが寄せられました。

 熊本県大津(おおづ)町から参加した女性(49)は本紙の取材に、肺がんを患っていると打ち明け、大軍拡の一方で高額療養費の自己負担引き上げを狙う高市政権を批判。「貯金を切り崩して治療を続けており、ミサイル1発数億円の無駄遣いには怒りしかない。国民の命は軍備では守れない。税金はミサイルではなく他のことに使うべきです」と話しました。

 日本共産党の党員、地方議員らも多数参加。東奈津子党県議予定候補は「住民無視のやり方は許せないと改めて怒りが湧いた。今後は弾薬庫新設まで計画されており、ミサイル配備反対の党派を超えた共同をつくるため、党も役割を果たしたい。『国防は国の専管事項』という県の姿勢も問うていく」と語りました。