【ベルリン=吉本博美】ロシアによるウクライナへの全面侵略開始から24日で丸4年となります。両国の和平交渉の最中でもロシア軍によるウクライナ民間人への攻撃が続き、国連ウクライナ人権監視団(HRMMU)が1月に発表した報告によると、22年2月以降の死者は1万4999人、負傷者は4万601人にのぼりました。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、国外で難民となっているウクライナ人は約590万人、国内避難民数は約370万人で、1080万人以上が現在も人道支援を必要としています。(関連記事)
世界最大の人道支援ネットワーク、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)は20日、国際連合事務局(スイス・ジュネーブ)での会見で、ロシア軍がウクライナ国内のエネルギー施設を集中的に破壊したことから、厳冬下で数百万人分の暖房・電気の供給が不安定にさらされていると指摘。特に高齢者や慢性疾患を抱えている人々の多くの命が危険にさらされており、22年以降の冬季で最も過酷な人道危機が発生していると訴えました。
戦争犯罪として国際刑事裁判所(ICC)から起訴されている、ロシア軍によるウクライナの子どもの誘拐も未解決のままです。ウクライナ政府によると、22年2月以降で少なくとも約2万人が連れ去られ、帰還者は約1割にとどまっています。
キーウの人権団体「地域人権センター」は、23年~25年8月に計約2万7000人の子どもがロシア国内外の「再教育キャンプ」に送られ、ロシアの政治家や兵士による思想教育や軍事訓練が行われたと調査結果を公表。子どもたちの帰還のための支援を国際社会に要請しています。
ロシア国内では厭戦(えんせん)ムードが高まっています。独立系世論調査機関レバダ・センターの昨年12月の調査結果によると、和平交渉を望む国民は66%に増加。侵略継続を訴える人は25%と過去最低となりました。
米国のトランプ大統領は2期目就任直後からウクライナの頭越しにロシアと交渉。ロシア側の要求の大半を認める方向でウクライナに領土割譲を迫ったことが事態をいっそう複雑にさせています。キーウ国際社会学研究所の世論調査によると、和平案を巡るロシア側の条件(ウクライナのNATO加盟の放棄、東部一部地域の割譲、ウクライナ軍の大幅削減)にはウクライナ国民の約8割が断固反対だと表明しています。

