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2026年1月25日

徹底解明 軍事費

「財政の軍事化」進む
異常な伸び 農水の4倍

 日本は長年、軍事費を国内総生産(GDP)比1%に抑えてきましたが、安保3文書を境に「軍事費」は様変わりしました。従来、軍事費とは防衛省の当初予算を指しましたが、▽他省庁の軍事関連予算▽補正予算への防衛省予算の計上―が加わり、「財政の軍事化」が進んでいます。軍事費の全体像を見ていきます。


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 防衛省予算に計上される軍事費は三つに分類されます。(1)自衛官や防衛省職員の給与や食事に充てる「人件・糧食費」(2)装備品の購入・修理や基地整備、隊員の教育訓練などの「一般物件費」(3)軍事ローンの返済分「歳出化経費」―です。

 このうち急増しているのが歳出化経費です。高額兵器の購入や基地整備は単年度では支払いきれずに複数年度に分割払いするため、同経費を毎年計上しています。軍事ローンである「後年度負担」は2026年度予算案で総額17兆9524億円に上り、巨額のツケを将来に回しています(グラフ①)。これに伴い、歳出化経費は4兆6857億円に上り、同省予算の半分超を占めました。安保3文書策定前の22年度と比べると約2・3倍(約2・6兆円増)へと突出して増えました。

 ローンが急増した背景には(1)長射程ミサイルの大量導入などの敵基地攻撃態勢づくり(2)米国製兵器の“爆買い”や、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設、米軍訓練を移転するための馬毛島(鹿児島県西之表市)への基地建設などの異常な「米国奉仕」―があります。

「第2」の軍事費

 法の趣旨をゆがめ補正予算も「第2の軍事費」にしています。本来、補正予算は財政法で「特に緊要となった経費」に限ると定め、大規模災害など当初予算の編成時に予期できなかった事態に対応するために編成すべきものです。

 補正予算への軍事費計上を常態化させたのは12年に発足した第2次安倍晋三政権です。毎年度1000億~4000億円程度盛り込むようになりました。安保3文書以降の23~25年度では8000億円を超え、当初予算と合わせて空前の規模となっています。(グラフ②)

 さらに「総合的な防衛体制の強化」と称して、他省庁の予算も軍事費に組み込んでいます。具体的には、(1)研究開発(文部科学省や経済産業省など9府省)(2)公共インフラ(国土交通省や内閣府)(3)サイバー安全保障(政府全体)(4)「同志国」との国際協力(外務省)の4分野です。これに加えて海上保安庁や国連平和維持活動(PKO)予算などを「関連経費」に算入。関連経費を含めて軍事費のGDP比2%としています。米国の要求に応じてGDP比3・5%になれば、これらも増えることになります。

 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員に防衛省が提出した資料によると、関連経費は23年度7748億円、24年度9833億円、25年度1兆2247億円と増加し続けています。特に増えているのは「研究開発」です。26年度は5144億円と3年間で約3倍に増加。政府全体で軍事研究にのめりこんでいます。

“禁じ手”国債も

 こうした大軍拡のために“禁じ手”の「軍事国債」発行も拡大し続けています(グラフ③)。戦時国債の乱発によって侵略戦争に突き進み、経済・国家財政を破綻させた戦前の反省を踏まえ、歴代政権は軍事費を国債でまかなうことを否定してきました。しかし、岸田政権が23年度に戦後初めて、護衛艦などの建造に国債発行を強行。26年度予算案では5973億円を盛り込み、総額で2兆9709億円に達しました。歴史的な円安で物価高が加速する中、将来世代に負担を押しつけています。

 “禁じ手”を重ねた軍拡の結果、防衛省予算は5兆円台で推移していましたが年1兆円規模で積み増し、4年間で約3・6兆円(約1・7倍)増えました。他の予算と比べれば、明らかに異常な伸びです。22~26年度の間では軍事費は突出して増える一方、文教科学振興費は約6500億円増、食料安定供給費は29億円増にとどまり、中小企業対策費は削減されました(グラフ④)。省庁別でみても、26年度予算案で防衛省予算は、国土交通省や文部科学省の約1・5倍、農林水産省の4倍以上になっています。

 現行計画でも財源の不足分(年3・6兆円)を「歳出改革」や増税(法人税、たばこ税、所得税)で確保するとしていますが、恒久的な財源のめどは立っていません。「GDP比3・5%」になれば、追加で10兆円の財源を賄わなければならず、消費税増税や社会保障の削減、国債の乱発などは必至です。トランプ米政権は、さらにGDP比5%という、途方もない金額を全同盟国に要求しています。

 軍拡を推進する勢力は、財源も示しておらず、将来世代に負担を押しつけることについてもまともに説明しません。大軍拡は暮らしを破壊する「亡国の道」であり、許されません。

 (前回は1月18日付に掲載しました)