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2025年12月21日

沖縄 名護市長選勝利へ決起

クミコさんで新基地ノー
小池書記局長が情勢報告

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(写真)声援に応える(左から)小池、クミコ、稲嶺、穴井の各氏=20日、沖縄県名護市

 沖縄県名護市長選(来年1月18日告示、25日投票)で、辺野古新基地反対を掲げる「オール沖縄」の、おながクミコ予定候補必勝の総決起集会(主催=日本共産党沖縄県委員会、沖縄県統一連)が20日、同市内で開かれました。選挙戦は、国いいなりで新基地を容認し、基地と引き換えの「振興策」を掲げる現職との事実上の一騎打ちです。(クミコ氏の訴え要旨)

 クミコ氏は「15年間、辺野古は絶対ノーだと声をあげてきました。辺野古の陸にも海にも基地をつくらせないと訴えてきた稲嶺進元市長の思いを受け継いで、これから先の4年間も、市民の代表として辺野古を止めるためにがんばっていきたい」と訴えました。

 小池晃党書記局長が情勢報告しました。政権与党が過半数割れし、公明党が連立を離脱するなど、前回市長選と全く異なる政治状況であり、「沖縄県民が政府を追い詰めつつある中での選挙」だと指摘。「名護市だけでなく、沖縄と日本の未来を占う選挙です。玉城デニー知事とともに、無謀な新基地建設にノーを突きつける―。その願いをおながクミコさんに託しましょう」と力を込め、二つの重要争点を訴えました。

 第1の争点は「破綻した新基地建設か、平和と希望の未来か」です。

 政府が強行する新基地建設は、(1)大浦湾の地盤工事のため砂くい7万1000本の打ち込みが必要だが、今のペースでは20年以上かかる(2)軟弱地盤は海面下90メートルに達しているが、工事可能なのは70メートルまでで、完成しても沈み続ける(3)埋め立てを終えたのは計画の16%にすぎないのに、総工費9300億円の7割を使った―などをあげ、「政治的にも技術的にも財政的にも破綻は明白」だと批判しました。

 小池氏は「新基地建設に一片の道理もない」として3点を指摘。第1は、欠陥機オスプレイの基地になることです。近年、事故率が過去最高水準になり、米軍も重大事故の「リスクが増え続けている」と述べていることなどをあげ、「欠陥機配備のための愚かな計画はやめさせよう」と訴えました。

 第2は、基地のたらい回しです。新基地は普天間基地(宜野湾市)を「移設」するものですが、普天間周辺では保育園や小学校に米軍ヘリの部品が落下するなど、事故が繰り返されています。小池氏は、普天間のヘリは沖縄中を飛び回っており、基地がある限り、この苦しみが続くと指摘。「基地の苦しみは『移す』のではなく、なくすこと」だと力を込めました。

 第3は、沖縄に戦火を呼び込む出撃拠点になるということです。小池氏は、米軍は紛争の際、沖縄の島々から相手の艦船を攻撃する戦略に転換しており、その要員・物資を空輸するのがオスプレイだと指摘。「沖縄を戦場にする出撃基地建設は絶対に認められない」と訴えました。

 小池氏は、現市長は一片の道理もない計画に異を唱えないばかりか、新基地建設に必要な美謝川(みじゃがわ)水路切り替えで、市長権限を使って協力していると告発。その見返りとして「米軍再編交付金」を受け取っていることが、「動かぬ証拠だ」と指摘しました。

 再編交付金は長期的な安定財源にならず、政府の意向に左右される「麻薬」のようなものだと批判。「市民の将来に禍根を残す基地ではなく、日本初のホープスポット(希望の海)に認定された辺野古・大浦湾の自然を未来に引き継いでいこう」と力強く訴えました。

 第2の争点は「市民に冷たい市政か、暮らし最優先の市政か」です。

 小池氏は、現市政が米軍再編交付金で予算を膨らませる一方、市民の所得は減り続けていると告発。現市政の失政として、(1)介護保険料が県内一、負担が重いのに、市独自の減免制度がない(2)市内に県立病院以外、産婦人科が1カ所しかない(3)農林水産予算・農業産出額・名護産品の使用率が軒並み減少している(4)公契約条例がなく、入札制度の見直しも不十分だ―をあげました。

 小池氏は「基地の見返りの交付金を受け取っても市民所得は減り、福祉サービスは県内最低水準、基幹産業は衰退。これが現市政8年間の厳然たる事実だ」と批判。「おながクミコ市長で、市民が主役の市政、生活第一の市政に変えよう」と力強く訴えました。

 小池氏は(1)生活が一番の名護市へ(2)地元の産業が一番の名護市へ 市民の所得を増やす(3)平和が一番 戦争準備から平和と友好の名護市へ―という、おなが氏の主要政策を紹介。「辺野古新基地を止めることと、暮らしを良くすることは決して矛盾しない。新基地を中止させ、巨額の予算とエネルギーを市民の生活と未来への投資に振り向けることこそ必要だ」と述べ、「平和と希望のバトンを子どもたちに手渡そう。力をあわせ、おながクミコ市長を誕生させよう」と呼び掛けました。

 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員、「沖縄の風」の伊波洋一、高良さちか両参院議員がメッセージを寄せました。