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2025年12月20日

大軍拡へ所得税増税

与党税制大綱 維新また公約破り

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 自民党と日本維新の会は19日、2026年度与党「税制改正大綱」を策定しました。大綱では、軍事費の2倍化=国内総生産(GDP)比2%(約11兆円)への引き上げの財源として、所得税額に1%を新たに付加する「防衛特別所得税(仮称)」を盛り込み、27年から実施すると明記。初めて大軍拡のための所得増税に着手しました。(関連記事)

 維新は野党時代、軍事費のGDP比2%超への引き上げを主張する一方、いわゆる「防衛増税」には反対していました。企業・団体献金禁止の棚上げに続く自民党への迎合で、有権者に対する裏切りです。

 また大綱は、東日本大震災の復興財源に充てる「復興特別所得税」の税率を2・1%から1・1%に引き下げます。このため額面上の国民負担は当面変わりませんが、復興特別所得税の課税期間(13~37年度)を10年間延長するため、長期的には負担が増します。復興特別所得税の終了後も軍拡所得税は続きます。復興財源の軍拡への事実上の流用です。

 22年12月に決定した安保3文書では、「防衛力整備計画」分として5年で約43兆円を確保し、このうち約1兆円強を税制措置で賄うとしています。23年度税制改正大綱では、(1)法人税(2)所得税(3)たばこ税―の引き上げで確保する方針を掲げていました。このうち法人税(防衛特別法人税=仮称)とたばこ税は、昨年末に決めた25年度大綱で26年4月からの実施を明記。所得税に関しては、当時の自公連立与党内で国民の反発を恐れて慎重論が出たため結論を先送りしていました。

 一方、トランプ米政権は同盟国に一律GDP比3・5%以上の軍事費を要求しています。24年度名目GDPに照らせば21兆円規模となり、「防衛所得特別税」が当初の税率から引き上げられる危険があります。