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2006年6月30日(金)「しんぶん赤旗」
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国際サッカー連盟(FIFA)のブラッター会長の審判批判が気になります。
「審判の方こそイエローカードものだ」
イエローカード16枚、レッドカード4枚が乱れ飛んだ25日のポルトガル―オランダ戦。試合後にブラッター会長が、「一貫性を欠いた」とイワノフ主審(ロシア)を公然と批判しました。
試合は、カードが多く飛び交ったことは事実です。しかし、イワノフ主審の判定の多くは妥当なものに見えました。警告、退場を示された選手は、ほとんど抗議することなく従っていたことにもそれは示されています。あのときはむしろ選手たちの姿勢こそ批判の対象となるべきものでした。
にもかかわらず、公然と審判批判をする――。
そもそも審判員を決定したのは、FIFA自身(審判委員会)です。今回から選考方法も変え、より実力を持った主審を自信を持って選んだはずです。その際、ブラッター会長も「23人の主審はW杯における33番目のチームであり、現在、世界で最高の審判員である」と発言しています。
もちろん改善すべき点、問題点はあるでしょう。しかし、それは十分な検討が必要であり、試合後すぐ頭ごなしに行うべきものではありません。
なぜなら、こうした軽率な発言によって、必要以上に、世間の人々や選手たちの、審判への不信感を助長することになってしまうからです。
審判への信頼のない競技はスポーツではなくなります。ブラッター会長の方こそイエローカードです。
(フランクフルト=和泉民郎)
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