2005年2月24日(木)「しんぶん赤旗」

安全確保に予算必要

寝屋川教職員殺傷事件

石井議員が質問


 教職員殺傷事件が起きた大阪府寝屋川中央小学校で、インターホンと防犯カメラが寝屋川市教育委員会の「勝手に取り付けるな」という反対のもと、前校長が私費で設置したものだったことが二十三日の衆院文部科学委員会で明らかになりました。日本共産党の石井郁子議員が、学校の安全確保について文科省の姿勢をただしました。

 石井議員が明らかにした市教育委員会の危機管理マニュアルは、人、モノ、金の対策なしに教職員の「目と心で対応せよ」というもの。同小では子どもたちに渡されている防犯用の笛もPTAが支出。同小の危機管理訓練も、さすまたや木製の三角定規、竹ぼうきを使って体を守るという内容でした。

 寝屋川市の教職員組合の緊急調査では、インターホン設置は市内三十七校中八校、防犯カメラは九校でしたが、インターホンは五校が寄付、防犯カメラも全部寄付。石井議員は「緊急の整備計画も予算措置もなく、寄付に頼っている。文科省の施策として問題だ」と指摘しました。

 寝屋川中央小の事件は、校長、教頭、教務主任とも会議で不在で、職員室にわずかな教職員しかいない状況で起きました。石井議員は、用務員や警備員も減っており、予算削減のしわ寄せが学校からマンパワーを奪っていると指摘。「文科省として、警備員をはじめ必要な職員の配置を予算をつけてやるべきだ」と主張しました。

 中山成彬文科相は「防犯対策は、地域の特性を踏まえ、現場中心で考えてほしい。文科省は最大限の支援をしなければならない」と答えました。また文科省は、すべての国公私立の小中学校に警備員を配置した場合、約七百億円弱の予算が必要との見通しを示しました。


府議団が知事に申入れ

 大阪府寝屋川市の教職員殺傷事件で、日本共産党大阪府議団(宮原威団長)は二十三日、太田房江府知事と竹内脩府教育長に、子どもたちと教職員の安全を守るための抜本的な対策を求めました。

 申し入れは、▽中央小学校関係者の意見、要望を十分に聞き、教職員の増員、心理カウンセラーの派遣など万全の対策をとる▽大阪市をのぞく府内全小学校への警備員の継続的な配置と幼稚園、保育所、中学校等へも配置し、国に財政措置を求める▽小学校一、二年での三十五人学級の前倒し実施と小中学校全学年、高校への拡大。担任外教諭の配置の復活、不登校などに対応する専門の教職員、スクールカウンセラーなどの全校配置▽教室からの通報システムなど、学校の安全システムの確立に必要な施設・設備への財政的援助――などを要望しました。

 申し入れの席で府議団は、「大阪教育大学付属池田小学校での事件のときに警備員の配置も提案したが、そうした対応の遅れも背景にあると思う。真摯(しんし)に検討してほしい」と要望。竹内教育長は、「不審者の侵入抑止のハードルをもう一段高くする必要を感じている」とのべました。



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