2005年2月23日(水)「しんぶん赤旗」

創価学会が墓地断念

新潟・能生町議会で報告

町民の反対強く

　創価学会が、新潟県能生（のう）町で計画していた巨大墓地計画を撤回しました。二十二日の町議会本会議で田中勉町長が報告しました。

　報告によると、創価学会は二十一日、町に出していた農業振興地域除外申請と、町経由で県に出していた大規模開発事前協議書を撤回しました。

　創価学会は、同町筒石地区の上流約六十ヘクタールに一万八千基の墓地を造成するとして、地権者や町関係者らへの工作をすすめてきました。

　町民側は計画公表直後の昨年十月、環境や漁業資源保全を求めて「巨大墓地造成に反対する住民の会」を結成。有権者の６７％の署名を集め、十二月の町議会で反対請願が採択されました。

　学会や工事担当の大成建設側は激しい巻き返しを図りましたが、地権者の間にも「反対」の声が強くなり、断念に追い込まれました。学会側は町への撤回申し出のなかで「開発用地取得が困難になった」としています。

　この日は町議会開会日で、町役場横に町民二百五十人が二十余の「大漁旗」を持って集結。計画撤回という町長の報告に、満員の傍聴席から拍手が起こりました。

　「住民の会」代表（四人）の塚田四一・筒石漁協組合長は「やはり住民の声は強かった。地権者の立場も考え、予定地の有効利用にも知恵を集めたい」と語りました。