2005年2月23日(水)「しんぶん赤旗」

吉井議員の代表質問 要旨

「三位一体改革」法案

交付税削減 地方は悲鳴


 二十二日の衆院本会議で日本共産党の吉井英勝議員がおこなった「三位一体改革」関連法案についての代表質問(要旨)と答弁は次の通りです。

 「三位一体の改革」は、国庫補助負担金と地方交付税の削減、不十分な税源移譲で自治体財政を圧迫し住民サービスを脅かしています。〇五年度の地方交付税総額は、大幅削減で「予算が組めない」と地方から悲鳴があがった水準のままです。国庫補助負担金の削減額に比べ税源移譲の額が少なく、国から地方への支出の削減は今後、一兆五千億円にもなります。そのうえ地方交付税を削減して、どうして地方財源の自主性、自立性の強化につながるのですか。

 税源移譲で自治体の自主性を高めると言うなら、公共事業の補助金にメスをいれるべきです。ところがその対象となったのは義務教育や国民健康保険でした。

 義務教育費の国庫負担制度は「三位一体の改革」のもとで削減が重ねられ残るのは給与本体のみ。同制度を廃止し相当額を税源移譲すると四十道府県で税源移譲額が補助金額を下回るという文科省の試算があります。歳入の格差を調整する地方交付税も今後大幅に削減する計画であり、自主財源の乏しい自治体は財源確保が困難になります。義務教育費国庫負担金の縮減・廃止は政府の公教育からの財政的撤退であり、教育の機会均等を放棄する道です。

 国民健康保険の国負担分の一部に替えて都道府県負担を導入しますが、これが国保財政の危機的状況の打開につながるのですか。

 前年度から六十五億円も削減した上で、介護施設整備補助金を交付金化、これでは特別養護老人ホームの待機者が三十四万人もおり、施設整備がますます求められる中で、高齢者介護を保障する国の責任を放棄するものではないか。

 農業近代化資金助成法等助成金の所得譲与税化は、人口に応じた配分となるため財源が人口の多い都市部に集中し、農山漁村と都市部の格差はますます広がります。

 どこの自治体に住んでいても、すべての住民に「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障するというのが憲法二五条の立場。自治体の責務を財政的に保障するのが、財源保障と財源調整の二つの機能をもつ地方交付税です。今後税源移譲がすすめばますます交付税の役割とその総額確保は重要となります。


吉井質問への政府の答弁

 小泉首相 地方交付税の規模について、財源保障機能については、その全般を見直し縮小する一方、地域間の財政力格差を調整し、一定水準の行政を確保する機能は今後とも必要。

 引き続き交付税改革に取り組んでいく。

 義務教育費国庫負担金については、国の責任を引き続き堅持する方針のもと、費用負担に関する地方案を生かす方策を、教育水準の維持、向上を含む義務教育の在り方について幅広く検討し今年中に結論を出す。

 国保の負担の在り方、都道府県負担の導入については、国保制度の基盤、体力の強化を通じた国保制度の安定化に役立つものと考えている。

 麻生総務相 地方団体が標準的な行政水準を維持するのに必要な財源を確保して財政力格差を調整する地方交付税制度は今後とも必要不可欠。安定的な財政運営へ必要な交付税を確保する必要がある。



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