2005年2月21日(月)「しんぶん赤旗」

イレッサ副作用死

公表の588人上回る

小池議員に政府が示唆


 肺がん治療用抗がん剤イレッサの副作用によって死亡した人が、これまで厚生労働省が公表していた五百八十八人より多い可能性が二十日までに分かりました。また、出荷量が「約五百五十四万錠」であることも判明しました。日本共産党の小池晃参院議員の質問主意書に対する政府答弁書で明らかになったものです。

 世界に先駆けて二〇〇二年七月に発売されてから昨年末までのわずか二年半の間に、副作用によって「五百八十八例」が死亡したとされています。これは、メーカーのアストラゼネカ社と医療機関などから厚労省が報告を受けていた数字です。答弁書は「すべての死亡例を把握した上での件数とは考えていない」として、もっと死亡例が多いことを示唆しました。

 また、答弁書は日本でのイレッサの出荷量が「約五百五十四万錠」であることも明らかにしました。公定の薬価は当初一錠=約七千二百十六円で現在約七千七十四円。販売実績は約四百億円近いと推定されます。

 政府は先月の専門家検討委員会でア社の解析結果をもとに「東洋人には延命効果がみられる」としてイレッサの使用続行を決めました。その一方で「日本人患者の有効性を判断できない」という見解も示しました。

 ア社の解析結果の「東洋人」には日本人は含まれていませんでした。

 答弁でも、ア社による臨床試験の「初回解析の結果のみでは、日本人患者における生存期間に対するイレッサの有効性を判断できない」としています。有効性の判断は、同社が日本人を対象として実施している臨床検査の結果を待つ必要があり、結果が判明するのは〇七年としています。

 昨年十二月、初回解析の結果を受けてア社は欧州医薬品審査庁にイレッサの承認申請を取り下げました。一方、日本では引き続き販売・使用をしています。



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