2005年2月12日(土)「しんぶん赤旗」

国王の暴挙に抗議

ネパール首都で人権団体

警察が妨害、市民を連行


 【ニューデリー=小玉純一】カトマンズからの報道によると、十日、国王の暴挙と抑圧に抗議するネパールの人権団体や市民は、首都カトマンズ市内の広場で集会をおこなおうとしましたが、待機していた多数の警官隊に妨害され、少なくとも十二人が逮捕されました。警察は催涙ガスも使用し、集まってきた人々を次々と警察車両に押し込み、連行しました。

 しかし、市民や活動家は、通行人をよそおいながら、静かに国王に抗議する意思を表示。一部の活動家らは、今後さらに抗議行動を強化するつもりであることを、かけつけたジャーナリストらに語っていました。

 人権諸団体は七日、ギャネンドラ国王が一日に全権を掌握し非常事態宣言を発して人権を抑圧してきたことに抗議し、民主主義回復を求めて集会をおこなうと発表していました。警察は九日、集会を計画した中心人物の一人、クリシュナ・パハディ氏を連行するなど十日の行動に圧力をかけていました。

 国王当局は十日、首相経験者二人を含む七人の政治指導者の拘束を解除しました。しかしネパール共産党(統一マルクス・レーニン主義)のネパール書記長と会議派指導者のコイララ元首相らは依然として自宅軟禁下におかれたままです。

 また、王制当局は、国内メディアに対する報道管制をさらに強め、国王や治安当局への批判が国民の間に広がるのを食いとめようとしています。

 他方、反政府武装組織の毛沢東派は、地方で警察署や拘置所を襲うなどの行動をおこなっています。



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