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2005年2月10日(木)「しんぶん赤旗」 「非常事態」に抗議計画ネパール民主主義回復へ結集会議派、共産党、各政党協力して【ニューデリー=小玉純一】ギャネンドラ国王が一日に全権を掌握、非常事態宣言を発して体制批判を封じたネパールで、政党や人権団体は民主主義回復のためのたたかいを準備しています。 一九九〇年の民主化以降、首相を出してきたネパール会議派のアルジュン・ナルシン中央委員・元教育相は、本紙に対し、「会議派は約三百人、他党指導者や学生活動家も含めて千人以上が逮捕ないし自宅軟禁下にある。私の家のまわりに治安部隊がいて監視下にある。七日から電話回線が回復したが、この電話もたぶん傍受されているだろう」と述べました。 氏は、国王の暴挙は憲法に違反しており、人権と民主主義を求めてたたかうのが同党の立場だと強調。報道統制で人々が情勢を知ることが難しいが、非公然の会合を繰り返し開いて討議することにしており、いずれ大きな集会がもたれるといいます。そして「すべての政党と手を組んでたたかう」ため、他党と連絡をとっていると話しました。 たたかいを討議ネパール共産党(統一マルクス・レーニン主義=UML)のラワル中央委員によると、同党は、ネパール書記長はじめ相当数の幹部が自宅軟禁または逮捕されているなか、六十五人中二十二人の中央委員が四日に会合を開き、国王の暴挙に抗議し、民主主義を回復するたたかいを行うことを確認しました。全政党が団結してたたかっていくために、ネパール会議派と協議しており、どのようにたたかうか検討しているといいます。 立憲君主制と複数政党制をもたらした九〇年の民主化闘争や二〇〇二年、国王による首相解任・直接統治に反対する闘争でも両党は共同しました。昨年夏以降、政権参加をめぐって見解が分かれていましたが、再び共同することが注目されています。 国王が非常事態宣言の理由にした武装勢力、毛沢東派については会議派、UMLともこれまで通り批判的態度をとっています。毛沢東派は十三日から無期限の道路封鎖、交通ストを呼びかけていますが、これに同調することはないとしています。毛派は昨年夏、首都に向かう道路を一週間封鎖し経済混乱をもたらしました。 10日行動を予定十日に抗議行動を予定している人権団体の幹部は、「基本的人権を抑圧するすべての命令が撤回されなくてはならない」と強調。「行動参加者は逮捕されるだろう。今後のたたかいに向け力の温存も必要だから、参加者は多くないだろう」と述べ、継続的なたたかいを準備していく考えを示しました。その過程では「政党と共同していく」と述べる一方、「毛派の暴力路線は支持しない」と表明しました。 軍の検閲を受ける報道界では、ジャーナリスト連盟が国王の暴挙に反対の声明を出すと、治安当局が連盟会長と書記長を逮捕しました。報道によれば週刊新聞ビマーシュは、最新号を一部空白のままで発行し、検閲に抗議。英字週刊新聞ネパール・タイムズの論説は、民主主義を木にたとえて「木は自由に呼吸するための新鮮な空気をもたらす」「木は伐採されるべきでなかった。しかし切られてしまったいま、われわれは当局者に緑を回復するよう求めることができるのではないか」と民主主義の回復を求めました。 |

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