2005年2月8日(火)「しんぶん赤旗」

庶民には定率減税廃止
高利益の大企業に減税

小泉内閣が描く“あるべき税制”


 小泉内閣の増税路線で日本の税制はどうなってしまうのか。七日の衆院予算委員会。日本共産党の佐々木憲昭議員の質問は、家計には大増税、大企業・金持ちには減税という、税制をめぐる小泉内閣の逆立ちぶりを明らかにしました。

衆院予算委の佐々木議員質問

政府の当初の説明ねじまげ

 佐々木氏は、定率減税の縮小・廃止による増税を押し付けるために、「恒久的減税」という政府の当初の説明をねじまげ、「臨時異例の措置」だったとごまかしていることを批判しました。

 政府のごまかしはそれだけではありません。一九九九年に定率減税が導入された時の法律は、定率減税は、「抜本的な見直しを行うまでの間」(経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び所得税の負担軽減措置に関する法律第一条)おこなう措置と書かれています。ところがその「抜本的な見直し」はまだおこなわれていません。

 谷垣禎一財務相は「抜本的見直し」について、「三位一体改革もあり、来年度に向けすすめている」としか答えることができませんでした。

 佐々木氏は、「素直に読めば『抜本的な見直し』が決まっていないのだから、定率減税を継続させるのが当然」とのべました。

大企業に応分の負担を求めよ

 九九年度の税制改正で実施された「恒久的減税」は、(1)法人税の引き下げ(2)所得税の最高税率の引き下げ(3)個人の所得税の定率減税―の三点セット。大企業と大金持ちの減税となる(1)、(2)はそのままにして、庶民への増税となる定率減税だけ縮小・廃止するのが、政府・与党の方針です。

 谷垣財務相は、参院予算委員会で「定率減税を除く二つの部分は、これからのあるべき税制を先取りしている」とのべています。佐々木氏は「あるべき税制」の姿を正式に決めた政府の公の方針はないのに、なぜそれを「先取り」したなどといえるのかと迫りました。

 谷垣財務相は「あるべき税制に向かった歩みをしている」としながら、「法人税の引き下げは、グローバル化のなかでやらなければならない。法人税率、所得税の最高税率の引き上げをやれば、日本は空洞化する」と答弁。結局、政府の描く税制の姿が、大企業・大金持ちには減税、庶民には増税をというものであることがはっきりしました。

 佐々木氏は、「あまりに逆立ちしている」として、大企業の利益は空前、その一方で家計はきわめて厳しいという日本経済の現実をふまえ、大企業に応分の負担を求めるのが当然で、疲弊している家計に大増税を求めるやり方は中止するよう求めました。

廃止の主張は 公明言い出す

 与党内で、定率減税の廃止を真っ先に言い出したのは、公明党でした。

 佐々木氏は二〇〇三年十一月、NHKの討論番組で、公明党の北側一雄政調会長(現国土交通相)が定率減税廃止を提案したのにたいし、自民党の額賀福志郎政調会長ですら「サラリーマン中堅層には増税になる。どう消費に結びつけるかが問われているときに、いかがなものかという議論も党内にある」と発言していたことをあげ、「結局は公明党の言い分を受け入れて庶民増税を強行するのか」と質問。

 谷垣財務相は「どなたがいいだしたかは別だが、当時は経済への見方もいろいろあった。経済は自立的発展ができるような状況になってきている」と、あくまで増税にすすむ姿勢をみせました。



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