2005年1月30日(日)「しんぶん赤旗」

シリーズ米軍基地 基地の現場から

首都に日米共同の輸送拠点

横田(東京) 空自総司令部も移転


 司令部の統合・移転、軍民共用化…。在日米軍再編をめぐり、さまざまな案が交錯する米空軍横田基地(東京都)。一方で、地球規模の展開能力や自衛隊との一体化が進み、機能強化が着実に進んできました。


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■横田基地■

 兵員約3700人。3000人弱が第374空輸航空団に属し、在日米軍司令部、第5空軍司令部スタッフは各200〜250人程度です。所属機はC130輸送機11機、C21輸送連絡機4機、UH1Nヘリ4機。

在日米軍の中枢

 「ここからは在日米軍司令部です」

 横田基地の東側に位置する第七一四ビル。その一階通路をまっすぐ歩くと、案内した同基地の広報担当者はこう説明しました。たしかに「USFJ」(在日米軍司令部)の看板がかかっており、今まで歩いてきた区画が「第五空軍司令部」だったことを理解しました。

 面積約七百四十ヘクタール、人口増加の著しい東京都西多摩地域の中心部に位置する横田基地には、空軍に加えて陸・海軍や海兵隊の兵士が行き交っています。在日米軍、第五空軍(在日米空軍)司令部などが置かれる、在日米軍の中枢です。

 昨年九月、来日した米太平洋空軍のヘスター司令官はインタビューで、横田基地をめぐる再編について次のように明言しました。

 「第五空軍と第一三空軍(司令部・グアム)の司令部統合を検討している。ただし、移転先は明確ではない」

 両司令部の統合は、「司令部運営をいっそう効率的で機能的にするため」(ヘスター司令官)。アジア太平洋からインド洋までを担当する巨大司令部をつくる構想です。

 同司令官は、「航空自衛隊の航空総隊司令部(東京都府中市)の横田移転が公式に協議されている」とも言明しました。航空総隊司令部は、空自の戦闘部隊を統括しています。へスター司令官は、空自の北部航空方面隊司令部も置かれている米軍三沢基地を「(日米)統合使用のモデル」としています。

 さらに、空自の空輸部隊などを統括する航空支援集団司令部(府中市)や空自入間基地(埼玉県)の空輸部隊を移転し、「共同戦略輸送センター」設置案も挙がっています。


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日米共同演習で横田基地を離陸するC130輸送機=04年11月(米空軍ホームページから)

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横田基地機関紙「フジフライヤー」04年5月28日に掲載された航空自衛隊司令官の「感謝状」

全世界への遠征

 このような案が出るのは、横田基地に第三七四空輸航空団という輸送部隊が置かれ、米本国からアジア太平洋・中東への空輸・中継のハブ(中軸)機能を持っているためです。

 米太平洋空軍は横田を「西太平洋の玄関口」と呼びます。記者が取材した日も、C17、C5大型輸送機、KC135輸送・空中給油機や民間チャーター機などが次々と飛来しました。

 横田基地の動向に詳しい地元ジャーナリストは「横田は米軍にとって百年後も手放したくない基地だ」と断言。ヘスター司令官も、一部で報道された「第三七四航空団のグアム移転計画はない」と明言しています。

 加えて、横田基地の部隊は二〇〇二年以来、全世界への遠征を任務とするAEF(航空遠征軍)に組み込まれ、常時派兵態勢をとっています。

 第三七四航空団を中心に、イラクやアフガニスタンなどに整備・通信・建設・医療などを任務とする三百人、インド洋の災害支援に二百五十人の兵員とC130輸送機八機を投入。過去最大規模といわれる派兵がつづいています。

米軍への感謝状

 横田基地機関紙「フジフライヤー」〇四年五月二十八日号に、航空支援集団の香川清治司令官が第三七四航空団にあてた「感謝状」が掲載されました。(写真)

 イラク派兵にあたり、「中東地域におけるC130輸送機の飛行要領及び関連装備品の運用方法等について貴重な御助言をいただき」「現地における基盤整備と航空機の安全かつ円滑な運航に大きく貢献していただいた」というのです。

 イラク派兵の準備から現地での活動に至るまで、緊密な援助を得ていることがうかがえます。

 一方、空自の輸送機がアフガニスタンなどでの米軍の「対テロ」戦争を支援するため、横田基地から嘉手納、岩国、グアムなどへの物資輸送を定期的に行い、総回数は二百六十一回に達しました(二十八日現在)。「空自が横田から運んだ物資は後に、南西アジアの前線部隊に転送される」(米軍準機関紙「星条旗」〇二年十月十二日)との指摘もあります。

 横田基地に常駐するC130はかつて二十機でしたが、現在は十一機まで減っています。その分を自衛隊が肩がわりしているのが実態です。

 すでに横田基地は事実上、空軍と自衛隊の空輸部隊による「共同戦略輸送センター」になっているのです。

新たな爆音懸念

 横田基地で一日十数便の民間機を運航するという「軍民共用化」構想も、在日米軍再編協議の議題となっています。

 しかし、飛行ルート直下に位置し、爆音に苦しめられている東京都昭島市、瑞穂町は日本政府や東京都が地元を無視して協議を進めていることを強く批判。「騒音被害や事故の危険に増大につながる」などとして、共用化に反対しています。

 新横田基地公害訴訟団の大野芳一代表幹事はいいます。「自衛隊との一体化や軍民共用化の動きを放置すれば、爆音は激増する。大きく変ぼうしつつある横田基地の新たな動きを見落とさず、運動をつづけていきたい」竹下 岳記者



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