2005年1月24日(月)「しんぶん赤旗」

陸上自衛隊の裏金疑惑

「組織的犯罪」と関係者指摘

問われる防衛庁側の対応


 昨年末、日本共産党の緒方靖夫参院議員の追及で、防衛庁は陸上自衛隊警務隊員の「カラ出張」を認め、現在、上級の部隊が捜査をおこなっています。同庁は、「組織的犯罪ではなかった」としていますが、本紙には、「組織的犯罪だ」という自衛隊関係者からの指摘が続いており、防衛庁側の対応が問われています。

緒方議員が追及

 防衛庁が認めたのは、陸自霞ケ浦駐屯地(茨城県土浦市)の警務隊霞ケ浦派遣隊所属の陸曹長のケースでした。二〇〇二年三月、山口県の基地まで出張したように見せかけた旅費請求書類を作成。約五万九千円の旅費を不正に受け取りました。

 防衛庁は、「法の番人たる警務隊の不正はあってはならないこと」「原因究明に努めたい」としました。

 しかし、緒方議員が指摘したのは三隊員四件のカラ出張疑惑で、残りのケースについて、防衛庁側は一部過払いがあったものの「出張していた」とし、「組織的な裏金づくりとは認められない」と判断しました。

元隊員の告発

 「とんでもない。指摘した件すべてカラ出張だったことは、私が直接調べたのだから間違いない」と怒るのは元陸自会計監査隊・東部方面分遣隊の一等陸尉だった加藤好美氏です。緒方議員の追及のもとになった告発をおこなった人です。加藤氏は、会計監査隊当時に三隊員の監査を担当。出張先となっていた駐屯地に問い合わせて宿泊した事実がないことなどを確認しています。「自衛隊内では監査などでばれそうになったら、『友人宅に泊まった』などといい訳するように教えられていた」とも語ります。

幹部の交際費

 加藤氏は、カラ出張の目的は隊内での飲食費や幹部の交際費などに使う裏金づくりが目的だと指摘します。警務隊だけでなく自衛隊各組織でもあるといいます。加藤氏自身、会計監査隊の前に所属した会計隊で裏金づくりに加担した経験をもっています。手口は、カラ出張だけでなく、架空調達という手も使われます。取引先業者に協力させて、実際には購入していない物品を購入したとする契約書類を作成。購入予算を裏金にするやり方です。

 加藤氏が相馬原駐屯地(群馬県榛東村)に勤務していた一九九八年三月、会計課長から「(文房具など)消耗品の名目で五十万円相当分のビール券を用意してくれ」と命じられました。加藤氏は、出入りの業者に頼んで消耗品を購入したとする架空契約書を作成。業者に「実際の物品はいらないからビール券に替えてくれ」と要求しました。

 架空調達の疑いがあると加藤氏が指摘する請求書、内訳書には、金物雑貨専門の商店が用紙、ファイル、ボールペンなどの文具を納品したことになっています。納品したほとんどが文具です。請求金額は約四十九万円にもなります。同社は「店頭では文房具を扱っていない」と認めています。

03年5月にも

 裏金づくりが明るみに出たのは今回だけではありません。二〇〇三年五月には、陸自西部方面隊第四師団(福岡県春日市)の飯塚駐屯地で、大がかりなカラ出張が行われていた実態を日本共産党の小泉親司参院議員(当時)が内部告発をもとに国会で追及しました。

 加藤氏は指摘します。

 「裏金づくりに異論を唱える人間は逆に左遷されるほどです。こんな税金の不正な無駄遣いを早くやめさせたい」



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