2005年1月18日(火)「しんぶん赤旗」

NHK番組改ざん訴訟

政治介入問題で審理続行

東京高裁


 女性国際戦犯法廷をとりあげたNHK番組が改ざんされたとして、法廷主催団体「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW―NETジャパン)が損害賠償を求めていた訴訟の控訴審で十七日、東京高裁の秋山寿延裁判長は、審理の続行を決定、双方に通知しました。

 控訴審は、同日、結審の予定でした。しかし、「政治介入で改変された」とする長井暁NHKチーフプロデューサーの内部告発報道を受け、秋山裁判長は、「一連の報道に関し、双方に新たな主張があれば、それを待って判断したい」と、次回の弁論期日を四月二十五日と指定しました。

 長井氏は、十三日の記者会見で、安倍晋三氏(当時官房副長官)らと会ったNHK幹部から、番組作り直しの業務命令があり、放送前二日間に元日本軍兵士の証言などが削られたとしています。

 原告側が求めた安倍自民党幹事長代理、中川昭一経済産業相、海老沢勝二NHK会長、長井氏らの証人申請も、秋山裁判長は、その時点で判断する考えを示しました。

 訴訟では東京地裁が、昨年三月、制作会社に賠償を命じましたが、番組を改ざんしたNHKについては「編集の自由の範囲内」と責任を否定。VAWW―NETジャパンが控訴していました。

 NHK側は、「新たな証拠調べは必要ない」と主張しました。

 控訴審の後、記者会見をしたVAWW―NETジャパンの西野瑠美子共同代表は、ことの本質が日本の民主主義の問題であることを強調。嫌がらせのメールが寄せられていることにもふれ、「安倍氏の反論で放送前への政治介入という論点がそらされようとしているが、真実が力によってつぶされる前例にしてはならない」と支援を訴えました。



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