2005年1月16日(日)「しんぶん赤旗」

仏ルモンド紙

ナチス犯罪忘れるな

極右党首発言を批判


 十四日付の仏紙ルモンドは、ルペン国民戦線(FN)党首がナチスによるフランス占領は取りたてて非人道的ではなかったと発言した問題で、「ルペンと歴史」と題する社説を掲載。歴史のわい曲を過小評価してはならず、戦後六十年の今こそナチスの戦争犯罪を思い起こすことが重要だと強調しました。

 社説は、ルペン党首が過去にもナチスのガス室を第二次世界大戦の「ささいなこと」でしかないと発言したことを引き、自党の人種差別主義、反ユダヤ的、親ナチス的性格と決別することなく、機会を見つけてはこの種の発言を繰り返していると指摘。「フランス解放や人種的、政治的理由で数万人のフランス人が命を落とした強制収容所の発見六十周年の時期を選んだのは偶然ではない」と、この発言が単なる失言ではないと述べています。

 その上で社説は、今回のルペン氏の発言を「軽く受けとめたり、一九三〇年代や四〇年代の歴史のわい曲を過小評価してはならない」と強調。「歴史の証言者がいなくなり、人道に対する罪が恒常化し、歴史的事実よりも自らの思想をより重視する歴史家やえせ歴史家による歴史操作が行われることは、その時代についての認識や現代への指針となる教訓をあやふやなものにする恐れがある」と主張しました。

 さらに社説は、多くの犯罪行為がナチスのフランス占領を特徴付けていたこと、とりわけ、七万七千人のユダヤ人、一万数千人のレジスタンス(抵抗運動)参加者や政治的反対者がアウシュビッツやその他の強制収容所に送られ、その多くが帰らず、生き延びた人もその苦しみを一生背負ってきたのだということを(被害国である)フランスにおいても、もう一度思い起こすことが重要だとしています。



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