2005年1月10日(月)「しんぶん赤旗」

訪問介護利用料

3月末で軽減措置廃止

厚労省 負担10%に引上げ


 介護保険が始まる二〇〇〇年に、政府が低所得者への「特別対策」として実施した訪問介護(ホームヘルプサービス)利用料の軽減措置を、厚生労働省が三月末で打ち切ります。現在はかかった費用の6%を利用料として負担していますが、四月からは10%に引き上げられることになります。

 この軽減措置は、介護保険が始まる前から訪問介護を利用していた低所得世帯(家計を支える中心者が所得税非課税か生活保護を受けている世帯)を対象にしたものです。

 介護保険の導入前は、利用者の八割は無料で訪問介護を利用することができました。介護保険ではこれが一気に一割負担となるため批判が高まり、国は「激変緩和措置」として負担を軽減しました。〇三年六月までの三年間は自己負担3%。同年七月から6%に引き上げ、今年四月から10%に戻す経過措置とされていました。

 現在の介護保険見直し協議で、介護保険発足前からの特別養護老人ホーム利用者への負担軽減は継続されました。しかし、訪問介護利用者への軽減措置は見直し法案に盛り込まれず、負担増を求めることになります。

 たとえば、一日二時間の訪問介護を週五日利用する場合、現在の6%の利用料ならば負担額は月約九千八百円です。「特別対策」の打ち切りによってこれが10%になると、負担額は月に一万六千三百円に上がり、一カ月あたり六千五百円の負担増となります。所得が低いお年寄りへのいっそうの打撃となりますが、厚労省は影響を受ける利用者が何人いるのかも把握していません。



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